ハードウェアの設計情報

6.1. ハードウェア設計情報のダウンロード

Armadillo-900 量産ボードを使用した基板設計の参考資料として、 Armadillo-900 開発ボードの回路図・部品表を公開しています。 「アットマークテクノ Armadilloサイト」から「購入者向けの限定公開データ」としてダウンロード可能です。

[警告]

Armadillo-900 開発ボードの回路図・部品表に記載している部品については、既に販売終了していたり、終息部品になっている可能性があります。 部品採用を決定する前に、各部品の現在の状況について十分ご確認ください。

6.2. 電気的仕様

6.2.1. 絶対最大定格

表6.1 絶対最大定格

項目 記号 Min. Max. 単位 備考

電源電圧

VIN

-0.3

26.4

V

CON19

入出力電圧(GPIO信号)

VI,VO (VDD_1V8, VDD_VBAT18)

-0.3

OVDD+0.3

V

USBコンソール電源電圧

VBUS_DEBUB0, VBUS_DEBUG1

-0.3

5.8

V

CON13, CON14

RTCバックアップ電源電圧

RTC_VDD

-0.3

5.5

V

CON11, CON12

動作温度範囲

Topr

10

40

結露なきこと


[警告]

絶対最大定格は、あらゆる使用条件や試験状況において、瞬時でも超えてはならない値です。上記の値に対して余裕をもってご使用ください。

6.2.2. 入出力仕様

  • 電源出力仕様

    表6.2 電源出力仕様

    項目 記号 Min. Typ. Max. 単位 備考

    5V電源

    VDD_5V

    USB0_VBUS

    USB1_VBUS

    4.85

    5

    5.15

    V

    3.3V電源

    VDD_3V3

    VDD_SD_3V3

    3.135

    3.3

    3.465

    V

    1.8V電源

    VDD_1V8

    VDD_VBAT18

    1.71

    1.8

    1.89

    V


  • 拡張インターフェース(CON16)の許容電流

    表6.3 拡張インターフェース(CON16)の許容電流

    項目 記号 Max. 単位 備考

    5V電源

    VDD_5V

    0.5

    A

    1.8V電源

    VDD_1V8

    0.25

    A


  • 拡張インターフェース(CON16)の入出力仕様

    表6.4 拡張インターフェース(CON16)の入出力仕様

    項目 記号 Min. Max. 単位 備考

    ハイレベル出力電圧

    VOH(PTAx)

    VDD_1V8-0.5

    VDD_1V8

    V

    IOH = -10mA(DSE=1), -5mA(DSE=0)

    VOH(PTBx)

    VDD_1V8-0.5

    VDD_1V8

    V

    IOH = -10mA(DSE=1), -5mA(DSE=0)

    VOH(PTCx)

    0.8xVDD_1V8

    VDD_1V8

    V

    IOH = -0.1mA(DSE=1), -2mA(DSE=0)

    VOH(PTFx)

    VDD_1V8-0.5

    VDD_1V8

    V

    IOH = -10mA(DSE=1), -5mA(DSE=0)

    ローレベル出力電圧

    VOL(PTAx)

    0

    0.5

    V

    IOL = 10mA(DSE=1), 5mA(DSE=0)

    VOL(PTBx)

    0

    0.5

    V

    IOL = 10mA(DSE=1), 5mA(DSE=0)

    VOL(PTCx)

    0

    0.5

    V

    IOL = 0.1mA(DSE=1), 2mA(DSE=0)

    VOL(PTFx)

    0

    0.5

    V

    IOL = 10mA(DSE=1), 5mA(DSE=0)

    ハイレベル入力電圧

    VIH(PTAx)

    0.75xVDD_1V8

    VDD_1V8

    V

    VIH(PTBx)

    0.75xVDD_1V8

    VDD_1V8

    V

    VIH(PTCx)

    0.7xVDD_1V8

    VDD_1V8

    V

    VIH(PTFx)

    0.75xVDD_1V8

    VDD_1V8

    V

    ローレベル入力電圧

    VIL(PTAx)

    0

    0.3xVDD_1V8

    V

    VIL(PTBx)

    0

    0.3xVDD_1V8

    V

    VIL(PTCx)

    0

    0.3xVDD_1V8

    V

    VIL(PTFx)

    0

    0.3xVDD_1V8

    V

    Pull-up/Pull-down抵抗

    R(PTAx)

    25

    50

    R(PTBx)

    25

    50

    R(PTCx)

    20

    50

    R(PTFx)

    25

    50


  • I2C(3.3V)インターフェース(CON17)の許容電流

    表6.5 I2C(3.3V)インターフェース(CON17)の許容電流

    項目 記号 Max. 単位 備考

    3.3V電源

    VDD_3V3

    0.25

    A


  • DACインターフェース(CON25)の許容電流

    表6.6 DACインターフェース(CON25)の許容電流

    項目 記号 Max. 単位 備考

    1.8V電源

    VDD_1V8

    0.25

    A


6.2.3. 電源回路の構成

images/a900eva-block-power.svg

図6.1 電源回路の構成


入力電圧(VIN)を電源ICで各電圧に変換し、内部回路および各インターフェースに供給しています。 各インターフェースやスイッチング・レギュレータの最大出力電流値を超えないように、 外部機器の接続、供給電源の設計を行なってください。

6.2.4. 電源シーケンス

電源シーケンスは次のとおりです。

images/a9e-power-sequence.svg

図6.2 電源シーケンス


  • 電源オン時

    Armadillo-900 開発セットに電源(VIN)を投入すると、VDD_5V、LDO_SNVS_3V0、VDD_VBAT18の順で電源が立ち上がり、 i.MX 8ULPからパワーマネジメントIC(PMIC)にPMIC_ON_REQ信号が出力されます。 パワーマネジメントIC(PMIC)はPMIC_ON_REQ信号のアサートを検知後、電源オンシーケンスを開始し、各電源を立ち上げます。 電源オンシーケンスが完了すると、RESET0_B信号が解除され、Armadillo-900 開発セットはアクティブモードとなります。

  • 電源オフ時

    poweroffコマンドにより、i.MX 8ULPがPMIC_ON_REQ信号の出力をLowにすると、RESET0_B信号がアサートされArmadillo-900 開発セットはシャットダウンモードになります。 また、PMIC_ON_REQ信号がLowになると、パワーマネジメントIC(PMIC)は電源オフシーケンスを開始し、LDO_SNVS_3V0、VDD_VBAT18以外の電源を立ち下げます。 Armadillo-900 開発セットの電源(VIN)が切断されると、VIN、VDD_5V、LDO_SNVS_3V0、VDD_VBAT18の順で電源が立ち下がります。

6.2.5. 各動作モードにおける電源供給状況

各動作モードにおける電源供給状況は以下の通りです。

表6.7 各動作モードにおける電源供給状況

動作モード VDD_5VVDD_VBAT18VDD_3V3VDD_1V8

電源未接続

OFF

OFF

OFF

OFF

Shutdown

ON

ON

OFF

OFF

DeepSleep(SMS)

ON

ON

ON

ON

DeepSleep

ON

ON

ON

ON

Active

ON

ON

ON

ON


6.2.6. rebootコマンドによる再起動時の電源供給について

rebootコマンドで再起動した場合の各電源供給状況は以下の通りです。

表6.8 rebootコマンドで再起動した場合の各電源供給状況

電源 供給状況

VDD_5V

供給を保持

VDD_VBAT18

供給を保持

VDD_3V3

一度OFFした後ON

VDD_1V8

一度OFFした後ON


6.2.7. 外部からの電源制御

  • ONOFFピンからの電源制御

    SW5 ONOFF制御用スイッチ、拡張インターフェースのONOFF信号(CON16 33ピン)およびリアルタイムクロックの割り込み信号は、 i.MX 8ULPのONOFFピンに接続されています。

    images/a900eva-block-onoff.svg

    図6.3 ONOFF回路の構成


    ONOFF信号を一定時間以上、Lowレベルとすることで、 Armadillo-900 開発セットのアクティブモードとシャットダウンモードを切り替えることができます。 アクティブモードでONOFF信号が5秒以上Lowレベルになると、PMIC_ON_REQ信号がディアサートされ、シャットダウンモードに移行します。 VIN、VDD_5V、LDO_SNVS_3V0、VDD_VBAT18以外の電源は切断されます。 また、シャットダウンモードでONOFF信号が500ミリ秒以上Lowレベルになると、PMIC_ON_REQ信号がアサートされ、 ソフトウェアからの制御で電源切断しているものを除いて、すべての電源が供給されます。

    表6.9 アクティブモード/シャットダウンモードを切り替える際に必要なLowレベル保持時間

    状態 Lowレベル保持時間

    アクティブモードからシャットダウンモード

    5秒以上

    シャットダウンモードからアクティブモード

    500ミリ秒以上


    ONOFF信号を制御する場合は、オープンドレイン出力等でGNDとショートする回路を接続してください。 シャットダウンモードは、VDD_VBAT18が供給されている限り保持されます。

    [警告]

    シャットダウンモードでArmadillo-900 開発セットの電源(VIN)を切断した場合、 コンデンサに蓄えられた電荷が抜けるまではシャットダウンモードであることが保持されます。 シャットダウンモードを保持した状態で電源を投入したくない場合は、一定時間以上空けて電源を投入する必要があります。 開発セット付属のACアダプタの場合に必要な時間は以下のとおりです。

    • DCプラグ側で電源を切断した場合 : 約5秒
    • ACプラグ側で電源を切断した場合 : 約1分