第10章 サウンド

Armadillo-500 FX 液晶モデルはオーディオコーデックを搭載しており、録音及び再生をおこなうことができます。

10.1. コーデック仕様

録音及び再生のソースとして 表10.1「録音/再生ソース一覧」に示す入出力を使用することができます。

表10.1 録音/再生ソース一覧

ソースインターフェースボード コネクタ備考
マイク入力CON4デフォルト録音ソース
スピーカ出力CON6デフォルト再生ソース
ヘッドホン出力CON5 

オーディオコーデックドライバは表10.2「オーディオコーデックドライバの仕様」に示す値に設定することができます。

表10.2 オーディオコーデックドライバの仕様

チャンネル数1 (monoral)/2 (stereo)
サンプリングフォーマットSigned 16 bit, little-endian/Signed 20 bit, little-endian/Signed 24 bit, little-endian
サンプリング周波数48000/44100/32000/22050/16000/11025/8000 Hz

10.2. OSSによるサウンド機能の実現

Linuxでサウンド機能を実現するには、ALSA[7]とOSS[8]の二つの方法があります。OSSは、ALSAのOSSエミュレーション[9]によって実現されます。OSSエミュレーションには、以下の二つの方法があります。

  • カーネルレベルOSSエミュレーション(snd-ocm-oss, snd-mixer-oss, snd-seq-ossを使用)

  • alsa-ossパッケージによるユーザ空間OSSエミュレーション(aossスクリプトを使用)

Armadillo-500 FX 液晶モデルのデフォルト設定では、カーネルレベルOSSエミュレーションによるOSS機能を提供しています。

OSSプログラミングについては、「Open Sound System Programmer's Guide」[10]をご参照ください。

10.2.1. サウンドを再生する

OSSを使用したサウンドの再生にはvplayコマンドを使用します。

オプションの詳細は以下を参照してください。

-r

再生するファイルフォーマットにrawを指定します。

-w

再生するファイルフォーマットにwavを指定します。

-v

再生するファイルフォーマットにvocを指定します。

-S

ステレオ再生します。未指定の場合はモノラル再生になります。

-s

サンプリング周波数を指定します。300以下を指定した場合は1000倍されます。未指定の場合は8000になります。

-b

サンプルサイズ(bit)を指定します。8または16が指定可能です。未指定の場合は8になります。

-t

再生時間を秒単位で指定します。未指定の場合はファイルの最後まで再生されます。

filename

再生するサウンドファイル名を指定します。

[armadillo ~]# vplay -r -S -s 8000 -b 16 -t 5 filename

図10.1 サウンドの再生


10.2.2. 録音する

OSSを使用したサウンドの録音にはvrecコマンドを使用します。

オプションの詳細は以下を参照してください。

-r

録音するファイルフォーマットにrawを指定します。

-w

録音するファイルフォーマットにwavを指定します。

-v

録音するファイルフォーマットにvocを指定します。

-S

ステレオ録音します。未指定の場合はモノラル録音になります。

-s

サンプリング周波数を指定します。300以下を指定した場合は1000倍されます。未指定の場合は8000になります。

-b

サンプルサイズ(bit)を指定します。8または16が指定可能です。未指定の場合は8になります。

-t

録音 時間を秒単位で指定します。未指定の場合は無制限になります。

filename

録音データを出力するファイル名を指定します。

[armadillo ~]# vrec -r -S -s 8000 -b 16 -t 5 filename

図10.2 サウンドの録音


10.2.3. 音量を変更する

OSSを使用して再生/録音時の音量を変更するにはmixerコマンドを使用します。

[device]には、変更対象のデバイス名を指定します。有効なデバイス名は、pcm2(ヘッドホン出力)、phout(スピーカ出力)、ogain(出力倍率)、igain(入力倍率)です。

[value]には、音量を0-100の間で指定します。

[armadillo ~]# mixer [device] [value]

図10.3 音量の変更




[7] Advanced Linux Sound Architecture http://alsa.sourceforge.net

[8] Open Sound System http://developer.opensound.com/

[9] http://alsa.opensrc.org/OssEmulation

[10] http://www.opensound.com/pguide/oss.pdf