第1章 はじめに

このたびはArmadillo-500 FX 液晶モデルをお求めいただき、ありがとうございます。

Armadillo-500 FX 液晶モデルは、中核機能を持った「Armadillo-500 FX」と液晶やタッチパネル、ユーザインターフェースを実現する「インターフェースボード」から構成されています。Armadillo-500 FXは、Freescale社製ARM11プロセッサ「i.MX31」、DDR SDRAM、フラッシュメモリを高集積に配置した高性能小型CPUモジュール「Armadillo-500」を中心に、パネルコンピュータとしての機能が凝縮されています。インターフェースボードは、「ユーザインターフェース」を実現する部分(LCDの種類、ボタンの数、タッチパネルの種類など)と「外部インターフェース」を実現する部分(USBポートやオーディオ入出力、SDスロットなど)で構成されています。

Armadillo-500 FXをそのまま利用しインターフェースボードだけをカスタマイズ開発することで、パネルコンピュータ開発時のハードウェアに対する様々な要求に短期間で対応することが可能となります。

Armadillo-500 FXは、標準OSにLinuxを採用していますので、Linuxの豊富なソフトウェア資産を利用することができます。また、Cなどのプログラミング言語を使用し、オリジナルのプログラムを作成して動作させることも可能です。カスタマイズ方法については、「Armadillo-500 FX ソフトウェアマニュアル」等を参照してください。

本書には、ご利用にあたっての注意事項や、ご購入時の状態で利用できるソフトウェアの機能について記載されています。Armadillo-500 FX 液晶モデルがお手元に届きましたら、ハードウェアの動作確認、及びデフォルトソフトウェアの使用方法について確認いただくよう御願い致します。

以降、本書では他のArmadilloシリーズにも共通する記述については、製品名をArmadilloと表記します。

1.1. 本書および関連ファイルのバージョンについて

本書を含めた関連マニュアル、ソースファイルやイメージファイルなどの関連ファイルは最新版を使用することをおすすめいたします。本書を読み進める前に、Armadilloサイト(http://armadillo.atmark-techno.com)から最新版の情報をご確認ください。

1.2. 対象となる読者

  • ハードウェアの動作確認をされる方

  • ソフトウェアの基本的な使用方法の確認をされる方

上記以外の方でも、本書を有効に利用していただけたら幸いです。

1.3. 本書の構成

本書では、Armadilloの基本的な使用方法について記載されています。

以下に主な項目を挙げます。

  • 接続方法

  • 起動と終了

  • 各種設定方法

  • 各種アプリケーションの使用方法

1.4. 表記について

1.4.1. フォント

本書では以下のような意味でフォントを使いわけています。

表1.1 使用しているフォント

フォント例説明
本文中のフォント本文
[PC ~]$ lsプロンプトとユーザ入力文字列
text編集する文字列や出力される文字列。またはコメント

1.4.2. コマンド入力例

本書に記載されているコマンドの入力例は、表示されているプロンプトによって、それぞれに対応した実行環境を想定して書かれています。「/」の部分はカレントディレクトリによって異なります。各ユーザのホームディレクトリは「~」で表わします。

表1.2 表示プロンプトと実行環境の関係

プロンプトコマンドの実行環境
[PC /]#作業用PC上のrootユーザで実行
[PC /]$作業用PC上の一般ユーザで実行
[armadillo /]#Armadillo上のrootユーザで実行
[armadillo /]$Armadillo上の一般ユーザで実行
hermit>Armadillo上の保守モードで実行

コマンド中で、変更の可能性のあるものや、環境により異なるものに関しては以下のように表記します。適時読み替えて入力してください。

表1.3 コマンド入力例での省略表記

表記説明
[version]ファイルのバージョン番号

1.4.3. アイコン

本書では以下のようにアイコンを使用しています。

[警告]

注意事項を記載します。

[ティップ]

役に立つ情報を記載します。

1.5. 謝辞

Armadilloで使用しているソフトウェアは Free Software / Open Source Softwareで構成されています。Free Software / Open Source Softwareは世界中の多くの開発者の成果によってなりたっています。この場を借りて感謝の意を表します。