Debianユーザーランド仕様

本章では、Armadillo-IoT ゲートウェイ A6 の Debianユーザーランドの基本的な仕様について説明します。

9.1. Debianユーザーランド

Armadillo-IoT ゲートウェイ A6 の標準ルートファイルシステムとして、 32-bit hard-float ARMv7(「armhf」)アーキテクチャ用のDebian GNU/Linux 10(コードネーム「buster」)を書き込んだ場合、標準イメージを展開した直後のユーザーランド内には、Armadilloの動作に必要な最小限のパッケージや設定が含まれています。

Armadillo-IoT ゲートウェイ A6 シリーズにインストールされたDebian GNU/Linux 10は、eMMCまたはmicroSDカード上で動作します。Linuxカーネルが動作している状態でArmadilloの電源を切断する場合は、必ず「halt」コマンドによる終了を行い、RAM上にキャッシュされているeMMCまたはmicroSDカードへの書き込み処理を完了するようにしてください。再起動を行う場合も同様に、rebootコマンドによる再起動を行なってください。

9.2. パッケージ管理

パッケージ管理システム APT(Advanced Packaging Tool)を使用して、パッケージを管理する方法について記載します。工場出荷状態のDebianには動作に必要な最低限のパッケージしかインストールされていませんが、APTを使用することで、簡単にパッケージを追加することができます。

工場出荷状態では、APTはインターネット上のDebianサイト(HTTPサーバー)から利用可能なパッケージのインデックスを取得します[8]そのため、APTを使用するためにはネットワークを有効化し、インターネットに接続できる状態にしておく必要があります。

ネットワークを有効化する方法については、「ネットワーク」を参照してください。

[ティップ]

システムクロックが大幅にずれた状態で、APTを利用すると警告メッセージが出力される場合があります。事前に「RTC」を参照してシステムクロックを合わせてください。

apt update

パッケージインデックファイルを最新の状態にアップデートします。

引数
なし
使用例
[armadillo ~]# apt update
apt upgrade

現在インストールされている全てのパッケージを最新バージョンにアップグレードします。

引数
なし
使用例
[armadillo ~]# apt upgrade
apt install [パッケージ名]

引数に指定したパッケージをインストールします。すでにインストール済みの場合はアップグレードします。

引数
パッケージ名(複数指定可能)
使用例
[armadillo ~]# apt install gcc
apt remove [パッケージ名]

引数に指定したパッケージをアンインストールします。インストールされていない場合は何もしません。

引数
パッケージ名(複数指定可能)
使用例
[armadillo ~]# apt remove apache2
apt-cache search [キーワード]

引数に指定したキーワードをパッケージ名または説明文に含むパッケージを検索します。

引数
キーワード(正規表現が使用可能)
使用例
[armadillo ~]# apt-cache search "Bourne Again SHell"
bash-doc - Documentation and examples for the The GNU Bourne Again SHell
bash-static - The GNU Bourne Again SHell (static version)
bash - The GNU Bourne Again SHell


[8] /etc/apt/sources.listで設定しています。記述ルールなどについては、sources.list のマニュアルページを参照してください。