第15章 ブートローダーのビルド

本章では、ブートローダーのソースコードを作業用PCでクロスビルドし、ブートローダーイメージファイルを作成する方法について記載します。

事前に 11章開発環境の準備 を参照して、作業用PCに開発環境が構築されている必要があります。

15.1. ソースアーカイブの取得

ブートローダーのソースアーカイブ hermit-at-[version]-source.tar.gzを取得します。ソースアーカイブはArmadilloサイト(http://armadillo.atmark-techno.com)または、付属DVD-ROMから取得可能です。

[ティップ]

Armadillo-800 EVAのブートローダーには、Hermit-At v3系を採用しています。

15.2. ソースアーカイブの展開

取得したソースアーカイブを展開します。図15.1「ソースアーカイブの展開」のように作業してください。

[PC ~]# ls
hermit-at-[version]-source.tar.gz
[PC ~]# tar zxvf hermit-at-[version]-source.tar.gz
hermit-at-[version]  hermit-at-[version]-source.tar.gz

図15.1 ソースアーカイブの展開


15.3. ビルド

展開したソースアーカイブをビルドして、ブートローダーイメージファイルを作成します。図15.2「ブートローダーのビルド」のように作業してください。

1[PC ~]$ cd hermit-at-[version]
2[PC ~/hermit-at-[version]]$ make armadillo800eva_mmcsd_defconfig
3[PC ~/hermit-at-[version]]$ make
4[PC ~/hermit-at-[version]]$ ls src/target/armadillo8x0/loader-armadillo800eva-mmcsd-v[version].bin
src/target/armadillo8x0/loader-armadillo800eva-mmcsd-v[version].bin

1

ソースコードディレクトリに移動します

2

デフォルトコンフィギュレーションを適用します

3

ソースコードをビルドします

4

ブートローダーイメージファイルが作成できたことを確認します

図15.2 ブートローダーのビルド


15.4. インストール

ブートローダーイメージを、内蔵ストレージのブートパーティションにインストールします。事前に9章SDブートの活用を参照して、Debian GNU/Linux を SD ブートしている必要があります。

「ビルド」で作成したブートローダーイメージファイルはカレントディレクトリ以下にあることを想定しています。

[armadillo ~]# ls
loader-armadillo800eva-mmcsd-v[version].bin
1[armadillo ~]# echo 0 > /sys/block/mmcblk0boot0/force_ro
2[armadillo ~]# cat ~/loader-armadillo800eva-mmcsd-v[version].bin > /dev/mmcblk0boot0
[armadillo ~]# sync

1

ブートパーティションのソフトライトプロテクトを解除します。

2

ブートローダーイメージを書き込みます。

図15.3 ブートローダーイメージのインストール