第6章 Androidで起動する

6.1. 準備

Androidを起動させる場合の起動OS設定の変更について説明します。

ブートローダーを保守モードで起動し、起動OS設定の変更を行うことで起動するOSを変更することができます。Armadillo-800 EVAに電源を投入する前にディップスイッチの起動モード設定(SW1.1)をONに設定し、Armadillo-800 EVAに電源を投入するとブートローダーが保守モードで起動します。

ディップスイッチの起動モード設定

図6.1 ディップスイッチの起動モード設定


ブートローダーを保守モードで起動すると、ブートローダーのコマンドプロンプトが表示されます。

Hermit-At v3.0.0 (Armadillo-800 EVA) compiled at 22:22:10, Dec 21 2011
hermit> 

Androidを起動するには図6.2「起動OS設定の変更手順(Android)」のように起動OS設定を変更します。

hermit> setbootdevice mmcblk0p4  1
hermit> setenv console=ttySC1,115200 noinitrd rootwait root=/dev/mmcblk0p4 init=/init 2

1

Android用のLinuxカーネルを格納しているブートデバイスを設定

2

Linuxカーネルパラメーターを設定

図6.2 起動OS設定の変更手順(Android)


以上で起動OS設定の変更は完了です。bootコマンドでAndroidを起動することができます。

hermit> boot
[ティップ]

Armadillo-800 EVAの電源を切断し、ディップスイッチの起動モード設定(SW1.1)をOFFに設定すると、電源投入後自動的にAndroidが起動するようになります。

6.2. 起動

Androidを起動します。次のように起動ログがシリアル通信ソフトウェアに表示されます。

mmcsd: SD card at address 0x00000001
mmcsd: M8G2FA 1048576KiB
gendisk: /dev/mmcblk0p4: start=0x000f4280, size=0x001dcdc0
gendisk: Image.bin is found. (4390496 Bytes)
Copying        kernel...done.
Doing console=ttySC1,115200
Doing noinitrd
Doing rootwait
Doing root=/dev/mmcblk0p4
Doing init=/init
Linux version 2.6.35.7 (atmark@atde4) (gcc version 4.4.5 (Debian 4.4.5-8) ) #1 P
REEMPT Wed Dec 21 22:37:47 JST 2011
CPU: ARMv7 Processor [412fc093] revision 3 (ARMv7), cr=10c53c7f
CPU: VIPT nonaliasing data cache, VIPT nonaliasing instruction cache
Machine: Armadillo-800EVA
    :
    :
    :
VFS: Mounted root (ext3 filesystem) on device 179:4.
Freeing init memory: 124K
init: cannot open '/initlogo.rle'
init: cannot find '/system/etc/install-recovery.sh', disabling 'flash_recovery'
sh: can't access tty; job control turned off
$ net eth0: attached phy 0 to driver Generic PHY
WM8978 0-001a: Imprecise sampling rate: 48000Hz, consider using PLL
PHY: 0:00 - Link is Up - 100/Full
warning: `zygote' uses 32-bit capabilities (legacy support in use)
request_suspend_state: wakeup (3->0) at 11694431586 (2000-01-01 00:12:25.6519288
34 UTC)

図6.3 起動ログ(Android)


6.3. 終了

安全に終了させるには、手順6.1「Androidの終了手順」に示す手順を実行します。

[注記]

linux-2.6.35-a800eva-at1 は本手順に対応していません。終了させるには電源を切断してください。電源を切断する際、リムーバブルディスクにデータを書き込み中の場合は、ファイルシステムおよびデータが破損する恐れがあります。

手順6.1 Androidの終了手順

  1. SW3(電源ボタン)を長押しします。

  2. 「携帯電話オプション画面」で、「Power off」(図中、赤枠の項目)を押下します。

    携帯電話オプション画面: Power off

    図6.4 携帯電話オプション画面: Power off


  3. 「終了ダイアログ画面」で、「OKボタン」(図中、赤枠のボタン)を押下します。

    終了ダイアログ画面: OKボタン

    図6.5 終了ダイアログ画面: OKボタン


  4. 「終了プログレス画面」で、「終了スピナー」(図中、赤枠のスピナー)が停止するのを待ちます。

    終了プログレス画面: 終了スピナー

    図6.6 終了プログレス画面: 終了スピナー


  5. 電源を切断します。

6.4. 基本操作

Androidの基本的な操作方法について説明します。

Androidの操作の多くは、タッチパネルとユーザースイッチから行います。ユーザースイッチの名称と主な機能については、表6.1「ユーザースイッチの名称と機能」を参照してください。

表6.1 ユーザースイッチの名称と機能

ユーザースイッチ名称主な機能
SW3電源ボタンロック画面に遷移します/安全に終了します
SW4戻るボタン1つ前の画面に戻ります
SW5メニューボタンメニューを開きます
SW6ホームボタンホーム画面に遷移します

[注記]

SW3 は、linux-2.6.35-a800eva-at1 では 決定ボタン に割り当てられていました。linux-2.6.35-a800eva-at2 から、電源ボタンに変更されています。 決定ボタンは、フォーカスのあるキーを実行する機能を提供します。

6.4.1. ロック画面

Androidの起動直後または、ロック画面以外の任意の画面で 「電源ボタン」を押下すると、図6.7「ロック画面」が表示されます。

ロック画面

図6.7 ロック画面


ロックは「メニューボタン」を2回押下すると解除できます。Androidが起動直後の場合は、「ホーム画面」に示すホーム画面が表示されます。

ロック画面以外の画面が表示されている状態で、何も操作をせずに一定時間が経過すると、ロック画面が表示されます。

6.4.2. ホーム画面

ロック画面以外の任意の画面で 「ホームボタン」を押下すると、図6.8「ホーム画面」が表示されます。

ホーム画面

図6.8 ホーム画面


図6.9「ホーム画面: アプリケーション一覧ボタン」で「アプリケーション一覧ボタン」(図中、赤枠のアイコン)を押下すると、図6.10「アプリケーション一覧画面」に示す画面が表示されます。

ホーム画面: アプリケーション一覧ボタン

図6.9 ホーム画面: アプリケーション一覧ボタン


6.4.3. アプリケーション一覧

ホーム画面で 「アプリケーション一覧ボタン」を押下すると、図6.10「アプリケーション一覧画面」が表示されます。この画面には、インストールされているアプリケーションの一覧が表示されます。

アプリケーション一覧画面

図6.10 アプリケーション一覧画面


各アプリケーションのアイコンを押下すると、アプリケーションを起動することができます。「API Demos」のアイコンを押下すると、画面描画や音楽再生のデモを行うことができます。

[警告]

工場出荷状態のAndroidでは、以下のデバイスには対応していません。

  • カメラ

  • 無線LAN

  • SDカード

[ティップ]

Androidのソースコード[3]は、Armadilloサイト(http://armadillo.atmark-techno.com)から取得可能です。



[3] 利用制限のあるソフトウェアは含まれていません。