第11章 開発環境の準備

本章では、Armadillo-800 EVA のソフトウェア開発を行うための開発環境を作業用 PC に構築する方法について説明します。

作業用 PC が Debian GNU/Linux 6.0(コードネーム squeeze)[8]の場合、クロス開発ツールをインストールすることでArmadillo-800 EVA のソフトウェア開発環境を構築することができます。クロス開発ツールをインストールする方法は、「クロス開発ツールのインストール方法」を参照してください。

作業用 PC が Windows または、Debian GNU/Linux 6.0(コードネーム squeeze)以外のLinuxの場合、「ATDE(Atmark Techno Development Environment)」を使用することでArmadillo-800 EVA のソフトウェア開発環境を構築することができます。ATDEを使用する方法は、「ATDEの使用方法」を参照してください。

11.1. ATDEの使用方法

作業用PCで、ATDEを使用する方法について記載します。

ATDEは、Armadilloの開発環境を提供するVMware仮想マシンのデータイメージです。Armadillo-800 EVA のソフトウェア開発が可能なATDE4は、Debian GNU/Linux 6.0(コードネーム squeeze)をベースに、クロス開発ツールやその他の必要なツールが事前にインストールされています。

VMwareの取得や、インストール方法については、VMware社 Webページ(http://www.vmware.com/)を参照してください。

[警告]

VMwareは、非商用利用限定で無償のものから、商用利用可能な有償のものまで複数の製品があります。製品ごとに異なるライセンス、エンドユーザー使用許諾契約書(EULA)が存在するため、十分に確認した上で利用目的に合う製品をご利用ください。

11.1.1. ATDEの取得

表11.1「ATDE4の種類」に示すATDE4のアーカイブはArmadilloサイト(http://armadillo.atmark-techno.com)または、付属DVD-ROMから取得可能です。

表11.1 ATDE4の種類

ATDE4アーカイブベースのDebian GNU/Linux
atde4-[version]-amd64.zip64-bit PC(「amd64」)アーキテクチャ用 Debian GNU/Linux 6.0
atde4-[version]-i386.zip32-bit PC(「i386」)アーキテクチャ用 Debian GNU/Linux 6.0

11.1.2. ATDEの起動

ATDE4のアーカイブを展開したディレクトリに存在する atde4.vmx が、ATDE4の仮想マシン構成ファイルです。このファイルをVMware上で開くと、ATDE4を起動することができます。ATDE4にログイン可能なユーザーを、表11.2「ユーザー名とパスワード」に示します[9]

表11.2 ユーザー名とパスワード

ユーザー名パスワード権限
atmarkatmark一般ユーザー
rootroot特権ユーザー

[ティップ]

以下のVMwareで、ATDE4が起動できることを確認しています。

  • VMware Player 3.1.5

  • VMware Workstation 7.1.5

  • VMware Workstation 8.0.1

[警告]

作業用PCの動作環境(ハードウェア、VMware、ATDE4の種類など)により、ATDE4が正常に動作しない可能性があります。VMware社 Webページ(http://www.vmware.com/)から、使用しているVMwareのドキュメントなどを参照して動作環境を確認してください。

11.2. クロス開発ツールのインストール方法

Debian GNU/Linux 6.0(コードネーム squeeze)が動作している作業用PCに、armelアーキテクチャ用のクロス開発ツールを、Debianパッケージでインストールする方法について記載します。

11.2.1. クロス開発ツールが依存するDebianパッケージのインストール

クロス開発ツールが依存するDebianパッケージをインストールします。図11.1「クロス開発ツールが依存するDebianパッケージインストールコマンド」のようにインストールを行ってください。

[PC ~]$ sudo apt-get update
[PC ~]$ sudo apt-get install binutils gdbserver libgmp3c2 libmpfr4 libpython2.6

図11.1 クロス開発ツールが依存するDebianパッケージインストールコマンド


11.2.2. クロス開発ツールDebianパッケージの取得

クロス開発ツールのDebianパッケージ はArmadilloサイト(http://armadillo.atmark-techno.com)または、付属DVD-ROMから取得可能です。

11.2.3. クロス開発ツールDebianパッケージのインストール

作業用PCに、Debianパッケージをインストールします。以下では、「クロス開発ツールDebianパッケージの取得」で取得したクロス開発ツールのDebianパッケージが全て~/に配置されている場合を前提としています。

64-bit PC(「amd64」)アーキテクチャ用 Debian GNU/Linux 6.0を使用している場合は図11.2「64-bit PC用クロス開発ツールDebianパッケージインストールコマンド」を、32-bit PC(「i386」)アーキテクチャ用 Debian GNU/Linux 6.0を使用している場合は図11.3「32-bit PC用クロス開発ツールDebianパッケージインストールコマンド」を参照してください。

[PC ~]$ sudo dpkg --install *_amd64.deb *_all.deb

図11.2 64-bit PC用クロス開発ツールDebianパッケージインストールコマンド


[PC ~]$ sudo dpkg --install *_i386.deb *_all.deb

図11.3 32-bit PC用クロス開発ツールDebianパッケージインストールコマンド


[警告]

作業用PCに既に同一ターゲットのアーキテクチャ用クロス開発環境がインストールされている場合、クロス開発環境をインストールする前に必ず既存のクロス開発環境をアンインストールするようにしてください。



[8] 他の Linux でも開発はできますが、本書記載事項すべてが全く同じように動作するわけではありません。各作業はお使いの Linux 環境に合わせた形で自己責任のもと行ってください。

[9] 特権ユーザーでGUIログインを行うことはできません。