ハードウェア仕様

14.1. 電気的仕様

14.1.1. 絶対最大定格

表14.1 絶対最大定格

項目 記号 Min. Max. 単位 備考

電源電圧

VCC_5V

-0.3

6.0

V

-

入出力電圧(USB信号以外)

VI,VO

-0.3

OVDD+0.3

V

OVDD=VCC_3.3V

入力電圧(USB信号)

VI_USB

-0.3

3.63

V

USB_OTG1_DP, USB_OTG1_DN, USB_OTG2_DP, USB_OTG2_DN

RTCバックアップ電源電圧

RTC_BAT

-0.3

3.6

V

-

使用温度範囲

Topr

-20

70

結露なきこと


[警告]

絶対最大定格は、あらゆる使用条件や試験状況において、瞬時でも超えてはならない値です。上記の値に対して余裕をもってご使用ください。

14.1.2. 推奨動作条件

表14.2 推奨動作条件

項目 記号 Min. Typ. Max. 単位 備考

電源電圧

VCC_5V

4.75

5

5.25

V

-

RTCバックアップ電源電圧

RTC_BAT

2.75 [a]

-

3.3

V

Topr=+25℃

使用温度範囲

Ta

-20

25

70

V

結露なきこと

[a] S/N: 009C00010001~009C00060102のArmadillo-640では、下限電圧2.95Vです。


14.1.3. 入出力インターフェースの電気的仕様

表14.3 入出力インターフェース(電源)の電気的仕様

項目 記号 Min. Typ. Max. 単位 備考

5V 電源電圧

VCC_5V USB_OTG1_VBUS USB_OTG2_VBUS

4.75

5

5.25

V

-

3.3V 電源電圧

VCC_3.3V

3.102

3.3

3.498

V

-


表14.4 入出力インターフェースの電気的仕様(OVDD = VCC_3.3V)

項目 記号 Min. Max. 単位 備考

ハイレベル出力電圧

VOH

OVDD-0.15

OVDD

V

IOH = -0.1mA, -1mA

ローレベル出力電圧

VOL

0

0.15

V

IOL = 0.1mA, 1mA

ハイレベル入力電圧[a]

VIH

0.7×OVDD

OVDD

V

-

ローレベル入力電圧[a]

VIL

0

0.3×OVDD

V

-

ローレベル入力電圧(ONOFF信号)

VIL

0

0.9

V

-

ローレベル入力電圧(PWRON信号 )

VIL

0

0.5

V

-

ローレベル入力電圧(EXT_RESET_B 信号)

VIL

0

0.19

V

-

入力リーク電流(no Pull-up/Pull-down)

IIN

-1

1

μA

-

Pull-up抵抗(5kΩ)

-

4

6

-

Pull-up抵抗(47kΩ)

-

37.6

56.4

-

Pull-up抵抗(100kΩ)

-

80

120

-

Pull-down抵抗(100kΩ)

-

80

120

-

[a] オーバーシュートとアンダーシュートは0.6V以下でかつ4nsを超えないようにしてください。


14.1.4. 電源回路の構成

電源回路の構成は次のとおりです。 電源入力インターフェース(CON12またはCON13)からの入力電圧をパワーマネジメントIC(PMIC)で各電圧に変換し、 内部回路および各インターフェースに供給しています。 各インターフェースやスイッチング・レギュレータの最大出力電流値を超えないように、 外部機器の接続、供給電源の設計を行なってください。

images/block-power.svg

図14.1 電源回路の構成


電源シーケンスは次のとおりです。

images/power-sequence.svg

図14.2 電源シーケンス


14.1.5. 外部からの電源制御

Armadillo-640は、拡張インターフェースのピンを制御することにより電源をオンまたはオフに切り替えることができます。

ここでは、外部からの電源制御に必要な以下の項目を説明します。

  • ONOFFピンの制御
  • PWRONピンの制御
  • RTC_BATピン

14.1.5.1. ONOFFピンの制御について

ONOFFピンは、一定時間以上GNDとショートすることで、Armadillo-640の電源をオフまたはオンすることができます。 外部からONOFFピンを制御する場合、電圧の印加はできませんのでオープンドレインなどの出力を接続しGNDとショートする回路を接続してください。

  • 電源オンから電源オフに切り替える方法

    • ONOFFピンを5秒以上GNDとショートすることで、電源がオフになります。
  • 電源オフから電源オンに切り替える方法

    • ONOFFピンを500ミリ秒以上GNDとショートすることで、電源がオンになります。
[警告]

連続して電源を切り替える場合、確実に動作させるため5秒以上空けてからONOFFピンをGNDとショートしてください。

[警告]

電源のオンまたはオフの状況はi.MX6ULLの低消費電力ドメイン(SNVS_LP)で保持されているため、 電源オフの状態で5V電源入力を切ってもしばらくは電源オフであることを保持しています。 そのため、すぐに電源を再入力した場合電源が入らない状態になる可能性があります。 電源オフの状態で5V電源を再入力する場合は、確実に電源を入れるため、5秒以上間隔を空けてから5V電源を入れてください。

[警告]

電源のオンまたはオフの状況はRTC_BATピンからのバックアップ電源により保持されるため、 RTC_BATピンにバックアップ電源を入力した状態で5V電源を切ったのち5V電源を再入力しても、 5V電源切断前の電源のオンまたはオフの状況が継続されます。

14.1.5.2. PWRONピンの制御について

PWRONピンは、GNDとショートすることで、Armadillo-640の電源を即座にオフすることができます。 外部からPWRONピンを制御する場合、電圧の印加はできませんのでオープンドレインなどの出力を接続しGNDとショートする回路を接続してください。

  • 電源オンから電源オフに切り替える方法

    • PWRONピンをGNDとショートすることで、即座に電源がオフになります。
  • 電源オフから電源オンに切り替える方法

    • PWRONピンをオープンにすることで、電源がオンになります。

14.1.5.3. RTC_BATピンについて

RTC_BATピンは、i.MX6ULLの低消費電力ドメインにあるSRTC(Secure Real Time Clock)の外部バックアップインターフェースです。 長時間電源が切断されても時刻データを保持させたい場合にご使用ください。

14.2. インターフェース仕様

Armadillo-640のインターフェース仕様について説明します。

images/a640-interface-details.svg

図14.3 Armadillo-640のインターフェース


表14.5 Armadillo-640 インターフェース一覧 [10]

部品番号 インターフェース名 型番 メーカー

CON1

SDインターフェース

SDHK-8BNS-K-303-TB(HF)

J.S.T.Mfg.

CON2

LANインターフェース

TM11R-5M2-88-LP

HIROSE ELECTRIC

CON7

A1-10PA-2.54DSA(71)

HIROSE ELECTRIC

CON3

シリアルインターフェース

XM2C-0942-132L

OMRON

CON4

A1-10PA-2.54DSA(71)

HIROSE ELECTRIC

CON5

USBインターフェース

UBA-4RS-D14T-4D(LF)(SN)

J.S.T.Mfg.

CON8

拡張インターフェース

A1-34PA-2.54DSA(71)

HIROSE ELECTRIC

CON9

CON14

CON10

JTAGインターフェース

A2-8PA-2.54DSA(71)

HIROSE ELECTRIC

CON11

LCD拡張インターフェース

XF2M-5015-1A

OMRON

CON12

電源入力インターフェース

HEC3690-015210

HOSIDEN

CON13

A2-4PA-2.54DSA(71)

HIROSE ELECTRIC

JP1

起動デバイス設定ジャンパ

A2-4PA-2.54DSA(71)

HIROSE ELECTRIC

JP2

LED1

LANスピードLED

SML-310MTT86

ROHM

LED2

LANリンクアクティビティLED

SML-310YTT86

ROHM

LED3

ユーザー LED(赤)

SLR-342VC3F/LK-12

ROHM/MAC8

LED4

ユーザー LED(緑)

SLR-342MC3F/LK-12

ROHM/MAC8

LED5

ユーザー LED(黄)

SML-310YTT86

ROHM

SW1

ユーザースイッチ

SKHHDJA010

ALPS ELECTRIC

[10] 部品の実装、未実装を問わず、搭載可能な部品型番を記載しています。


14.2.1. CON1(SDインターフェース)

CON1はハイスピード(最大クロック周波数: 49.5MHz)に対応したSDインターフェースです。 信号線はi.MX6ULLのSDホストコントローラ(uSDHC2)に接続されています。

SDカードに供給される電源はi.MX6ULLのNAND_ALEピン(GPIO4_IO10)で制御が可能です。 Highレベル出力で電源が供給され、Lowレベル出力で電源が切断されます。

[警告]

CON1は活線挿抜に対応していません。microSDカードの挿抜は、電源を切断してから行ってください。

[警告]

SDコントローラ(uSDHC2)はCON1、CON9、CON11で利用可能ですが、排他利用となります。

表14.6 CON1 信号配列

ピン番号 ピン名 I/O 説明

1

DAT2

In/Out

SDデータバス(bit2)、i.MX6ULLのNAND_DATA02ピンに接続

2

CD/DAT3

In/Out

SDデータバス(bit3)、i.MX6ULLのNAND_DATA03ピンに接続

3

CMD

In/Out

SDコマンド/レスポンス、i.MX6ULLのNAND_WE_Bピンに接続

4

VDD

Power

電源(VCC_3.3V)

5

CLK

Out

SDクロック、i.MX6ULLのNAND_RE_Bピンに接続

6

VSS

Power

電源(GND)

7

DAT0

In/Out

SDデータバス(bit0)、i.MX6ULLのNAND_DATA00ピンに接続

8

DAT1

In/Out

SDデータバス(bit1)、i.MX6ULLのNAND_DATA01ピンに接続


14.2.1.1. microSDカードの挿抜方法

  1. 上からカバーを軽く押し、約1.2mmスライドさせて、ロックを解除します。

    images/sd-1.png

    図14.4 カバーのロックを解除する


  2. カバーを開けます。

    images/sd-2.png

    図14.5 カバーを開ける


    [警告]

    カバーは過度な力で回転させたり、回転方向以外の方向へ力を加えると、 破損の原因となりますので、ご注意ください。

  3. 任意の角度までトレイを開いた状態で、microSDカードを挿抜します。

    images/sd-4.png

    図14.6 microSDカードの挿抜


    [ティップ]

    microSDカード挿入方向については、カバーに刻印されているカードマークを目安にしてください。

    images/sd-3.png

    図14.7 カードマークの確認


  4. カバーを閉めます。

    images/sd-5.png

    図14.8 カバーを閉める


  5. 上からカバーを軽く押し、約1.2mmスライドさせて、ロックします。

    images/sd-6.png

    図14.9 カバーをロックする


[ティップ]

microSDカード装着後のカードの抜き取り手順は挿入時と同じです。

14.2.2. CON2、CON7(LANインターフェース)

CON2、CON7は10BASE-T/100BASE-TXに対応したLANインターフェースです。 カテゴリ5以上のEthernetケーブルを接続することができます。 AUTO-MDIX機能を搭載しており、ストレートケーブルまたはクロスケーブルを自動認識して送受信端子を切り替えます。

信号線はEthenet PHY(LAN8720AI-CP/Microchip Technology)を経由してi.MX6ULLのEthernetコントローラ(ENET1)に接続されています。

表14.7 CON2 信号配列

ピン番号 ピン名 I/O 説明

1

TX+

In/Out

送信データ(+)、CON7の1ピンと共通

2

TX-

In/Out

送信データ(-)、CON7の4ピンと共通

3

RX+

In/Out

受信データ(+)、CON7の3ピンと共通

4

-

-

CON2の5ピンと接続後に75Ω終端、CON7の5ピンと共通

5

-

-

CON2の4ピンと接続後に75Ω終端、CON7の5ピンと共通

6

RX-

In/Out

受信データ(-)、CON7の6ピンと共通

7

-

-

CON2の8ピンと接続後に75Ω終端、CON7の7ピンと共通

8

-

-

CON2の7ピンと接続後に75Ω終端、CON7の7ピンと共通


表14.8 CON7 信号配列

ピン番号 ピン名 I/O 説明

1

TX+

In/Out

送信データ(+)

2

LINK_ACTIVITY_LED

Out

LINK/ACTIVITY表示

(High: リンクが確立されている、Low: リンクが確立されていない、Pulse:リンクが確立されており、データを送受信している)

3

RX+

In/Out

受信データ(+)

4

TX-

In/Out

送信データ(-)

5

-

-

75Ω終端、CON2の4、5ピンと共通

6

RX-

In/Out

受信データ(-)

7

-

-

75Ω終端、CON2の7、8ピンと共通

8

SPEED_LED

Out

SPEED表示

(High: 10MbpsまたはEthernetケーブル未接続、Low: 100Mbps)

9

VCC_3.3V

Power

電源(VCC_3.3V)

10

GND

Power

電源(GND)


[警告]

CON2とCON7は、共通の信号が接続されており、同時に使用することはできません。 どちらか一方のコネクタでのみ、ご使用ください。

14.2.3. LED1、LED2(LAN LED)

LED1、LED2はLANインターフェースのステータスLEDです。CON2の上部に表示されます。 信号線はEthenet PHY(LAN8720AI-CP/Microchip Technology)のLEDピンに接続されています。

表14.9 LAN LEDの動作

LED 名称(色) 状態 説明

LED1

LANスピードLED(緑)

消灯

10Mbpsで接続されている、もしくはEthernetケーブル未接続

点灯

100Mbpsで接続されている

LED2

LANリンクアクティビティ(黄)

消灯

リンクが確立されていない

点灯

リンクが確立されている

点滅

リンクが確立されており、データを送受信している


14.2.4. CON3、CON4(シリアルインターフェース)

CON3、CON4は非同期(調歩同期)シリアルインターフェースです。 信号線はRS232Cレベル変換ICを経由してi.MX6ULLのUARTコントローラ(UART3)に接続されています。

  • 信号入出力レベル: RS232Cレベル
  • 最大データ転送レート: 230.4kbps
  • フロー制御: CTS、RTS、DTR、DSR、DCD、RI

表14.10 CON3 信号配列

ピン番号 ピン名 I/O 説明

1

DCD

In

キャリア検出、i.MX6ULLのSNVS_TAMPER2ピンに接続、CON4の1ピンと共通

2

RXD

In

受信データ、i.MX6ULLのUART3_RX_DATAピンに接続、CON4の3ピンと共通

3

TXD

Out

送信データ、i.MX6ULLのUART3_TX_DATAピンに接続、CON4の5ピンと共通

4

DTR

Out

データ端末レディ、i.MX6ULLのGPIO1_IO00ピンに接続、CON4の7ピンと共通

5

GND

Power

電源(GND)

6

DSR

In

データセットレディ、i.MX6ULLのSNVS_TAMPER0ピンに接続、CON4の2ピンと共通

7

RTS

Out

送信要求、i.MX6ULLのUART3_CTS_Bピンに接続、CON4の4ピンと共通

8

CTS

In

送信可能、i.MX6ULLのUART3_RTS_Bピンに接続、CON4の6ピンと共通

9

RI

In

被呼表示、i.MX6ULLのSNVS_TAMPER1ピンに接続、CON4の8ピンと共通


表14.11 CON4 信号配列

ピン番号 ピン名 I/O 説明

1

DCD

In

キャリア検出、i.MX6ULLのSNVS_TAMPER2ピンに接続、CON3の1ピンと共通

2

DSR

In

データセットレディ、i.MX6ULLのSNVS_TAMPER0ピンに接続、CON3の6ピンと共通

3

RXD

In

受信データ、i.MX6ULLのUART3_RX_DATAピンに接続、CON3の2ピンと共通

4

RTS

Out

送信要求、i.MX6ULLのUART3_CTS_Bピンに接続、CON3の7ピンと共通

5

TXD

Out

送信データ、i.MX6ULLのUART3_TX_DATAピンに接続、CON3の3ピンと共通

6

CTS

In

送信可能、i.MX6ULLのUART3_RTS_Bピンに接続、CON3の8ピンと共通

7

DTR

Out

データ端末レディ、i.MX6ULLのGPIO1_IO00ピンに接続、CON3の4ピンと共通

8

RI

In

被呼表示、i.MX6ULLのSNVS_TAMPER1ピンに接続、CON3の9ピンと共通

9

GND

Power

電源(GND)

10

VCC_3.3V

Power

電源出力(VCC_3.3V)


[警告]

CON3とCON4は、共通の信号が接続されており、同時に使用することはできません。 どちらか一方のコネクタでのみ、ご使用ください。

14.2.5. CON5(USBホストインターフェース)

CON5はUSBホストインターフェースです。 2段のコネクタを実装しており、下段の信号線はi.MX6ULLのUSBコントローラ(USB OTG1)接続されています。 上段の信号線はマルチプレクサを経由して、i.MX6ULLのUSBコントローラ(USB OTG2)に接続されています。

マルチプレクサのセレクトピンはCON9の24ピンで制御することが可能で、 オープンもしくはHighレベルを入力することでCON5の上段、 Lowレベルを入力することでCON9にUSB OTG2の接続先が変更されます。

images/usb-mux.svg

図14.10 USB OTG2の接続先の変更


下段に供給される電源(USB_OTG1_VBUS)はi.MX6ULLのUART1_RTS_Bピン(GPIO1_IO19)、 上段に供給される電源(USB_OTG2_VBUS)はi.MX6ULLのCSI_MCLKピン(GPIO4_IO17)で制御が可能で、 Highレベル出力で電源が供給され、Lowレベル出力で電源が切断されます。

images/usb-power.svg

図14.11 USBホストインターフェースの電源制御


  • データ転送モード

    • High Speed(480Mbps)
    • Full Speed(12Mbps)
    • Low Speed(1.5Mbps)

表14.12 CON5 信号配列

ピン番号 ピン名 I/O 説明

1

USB1_VBUS

Power

電源(USB_OTG1_VBUS)、i.MX6ULLのUSB_OTG1_VBUSピンに接続

2

USB1_DN

In/Out

USB1のマイナス側信号、i.MX6ULLのUSB_OTG1_DNピンに接続

3

USB1_DP

In/Out

USB1のプラス側信号、i.MX6ULLのUSB_OTG1_DPピンに接続

4

GND

Power

電源(GND)

5

USB2_VBUS

Power

電源(USB2_OTG2_VBUS)、i.MX6ULLのUSB_OTG2_VBUSピンに接続

6

USB2_DN

In/Out

USB2のマイナス側信号、i.MX6ULLのUSB_OTG2_DNピンに接続

7

USB2_DP

In/Out

USB2のプラス側信号、i.MX6ULLのUSB_OTG2_DPピンに接続

8

GND

Power

電源(GND)


14.2.6. CON8、CON9、CON14(拡張インターフェース)

CON8、CON9、CON14は機能拡張用のインターフェースです。 複数の機能(マルチプレクス)をもったi.MX6ULLの信号線、パワーマネジメントICのON/OFF信号、i.MX6ULLのPWRON信号等が接続されています。

[ティップ]

拡張できる機能の詳細につきましては、 「アットマークテクノ Armadilloサイト」からダウンロードできる 『Armadillo-640 マルチプレクス表』をご参照ください。

[警告]

複数箇所に割り当て可能な信号(USDHC2、UART1、ESPI1、I2C2等)がありますが、 同じ信号は複数ピンで同時利用できません。

表14.13 CON8 信号配列

ピン番号 ピン名 I/O 説明

1

GND

Power

電源(GND)

2

GND

Power

電源(GND)


表14.14 CON9 信号配列

ピン番号 ピン名 I/O 説明

1

GPIO1_IO22

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのUART2_CTS_Bピンに接続(CTS/RTS信号線を利用する際の注意点)

2

GPIO1_IO23

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのUART2_RTS_Bピンに接続(CTS/RTS信号線を利用する際の注意点)

3

GPIO1_IO17

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのUART1_RX_DATAピンに接続

4

GPIO1_IO31

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのUART5_RX_DATAピンに接続

5

GPIO1_IO16

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのUART1_TX_DATAピンに接続

6

GPIO1_IO30

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのUART5_TX_DATAピンに接続

7

VCC_3.3V

Power

電源(VCC_3.3V)

8

VCC_3.3V

Power

電源(VCC_3.3V)

9

GND

Power

電源(GND)

10

GND

Power

電源(GND)

11

ONOFF

In

i.MX6ULLのON/OFF信号、オープンドレイン入力、i.MX6ULLのONOFFピンに接続、i.MX6ULL内部で100kΩプルアップ(VDD_SNVS_3V)されています。

12

PWRON

In

パワーマネジメントICのPWRON信号、オープンドレイン入力、パワーマネジメントICのPWRONピンとi.MX6ULLのPMIC_ON_REQピンに接続、i.MX6ULL内部で100kΩプルアップ(VDD_SNVS_3V)されています。

13

GPIO3_IO23

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのLCD_DATA18ピンに接続、基板上で10kΩプルダウンされています。

14

GPIO3_IO24

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのLCD_DATA19ピンに接続、基板上で10kΩプルダウンされています。

15

GPIO3_IO25

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのLCD_DATA20ピンに接続、基板上で10kΩプルダウンされています。

16

GPIO3_IO26

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのLCD_DATA21ピンに接続、基板上で10kΩプルダウンされています。

17

GPIO3_IO27

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのLCD_DATA22ピンに接続、基板上で10kΩプルダウンされています。

18

GPIO3_IO28

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのLCD_DATA23ピンに接続、基板上で10kΩプルダウンされています。

19

GND

Power

電源(GND)

20

VCC_3.3V

Power

電源(VCC_3.3V)

21

USB2_DN

In/Out

USBマイナス側信号、i.MX6ULLのUSB_OTG2_DNピンに接続

22

USB2_DP

In/Out

USBプラス側信号、i.MX6ULLのUSB_OTG2_DPピンに接続

23

USB2_VBUS

Power

電源(USB_OTG2_VBUS)、i.MX6ULLのUSB_OTG2_VBUSピンに接続

24

USB2_EN

In

USB OTG2の切り替え信号、(Low: USB OTG2をCON9で使用する、High: USB OTG2をCON5で使用する)、基板上で10kΩプルアップ(VCC_3.3V)されています。

25

GPIO4_IO06

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのNAND_DATA04ピンに接続

26

GPIO4_IO07

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのNAND_DATA05ピンに接続

27

GPIO4_IO08

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのNAND_DATA06ピンに接続

28

GPIO4_IO09

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのNAND_DATA07ピンに接続


[警告]CTS/RTS信号線を利用する際の注意点

i.MX6ULL の CTS、RTS 信号は一般的な UART の信号と名前が逆になっています。誤接続に注意してください。

[警告]CON9のブートモード設定ピンについて

CON9の17ピン(GPIO3_IO27)及び18ピン(GPIO3_IO28)は、i.MX6ULLの内蔵ROMによるブートモード設定ピンを兼用しています。 電源投入時、ブードモード設定のために、基板上のプルダウン抵抗でLowレベルの状態を保持しています。 意図しない動作を引き起こす原因となるため、 電源投入時からU-Bootが動作するまでは、Lowレベルを保持した状態でご使用ください。 ブートモード設定の詳細につきましては、NXP Semiconductorsのホームページからダウンロード可能な 『i.MX 6ULL Applications Processor Reference Manual』をご参照ください。

表14.15 CON14 信号配列

ピン番号 ピン名 I/O 説明

1

VCC_3.3V

Power

電源(VCC_3.3V)

2

GND

Power

電源(GND)

3

GPIO1_IO20

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのUART2_TX_DATAピンに接続

4

GPIO1_IO21

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのUART2_RX_DATAピンに接続


14.2.7. CON10(JTAGインターフェース)

CON10はJTAGデバッガを接続することのできるJTAGインターフェースです。 信号線はi.MX6ULLのシステムJTAGコントローラ(SJC)に接続されています。

EXT_RESET_Bピンからシステムリセットを行うことが可能です。 システムリセットを行う際は、図14.12「リセットシーケンス」のとおり、 20ms以上のLow期間を設定してください。

images/common-images/reset-sequence.svg

図14.12 リセットシーケンス


[ティップ]

CON10に接続されている信号線は、JTAG以外の機能でも使用可能です。詳細につきましては、 「アットマークテクノ Armadilloサイト」からダウンロードできる 『Armadillo-640 マルチプレクス表』をご参照ください。

[ティップ]

システムJTAGコントローラの詳細につきましては、NXP Semiconductorsのホームページからダウンロード可能な 『i.MX 6ULL Applications Processor Reference Manual』をご参照ください。 モード設定に必要なi.MX6ULLのJTAG_MODピンはSW1に接続されています。

表14.16 CON10 信号配列

ピン番号 ピン名 I/O 説明

1

VCC_3.3V

Power

電源(VCC_3.3V)

2

JTAG_TRST_B

In

テストリセット、i.MX6ULLのJTAG_TRST_Bピンに接続、i.MX6ULL内部で47kΩプルアップ(VCC_3.3V)されています。

3

JTAG_TDI

In

テストデータ入力、i.MX6ULLのJTAG_TDIピンに接続、i.MX6ULL内部で47kΩプルアップ(VCC_3.3V)されています。

4

JTAG_TMS

In

テストモード選択、i.MX6ULLのJTAG_TMSピンに接続、i.MX6ULL内部で47kΩプルアップ(VCC_3.3V)されています。

5

JTAG_TCK

In

テストクロック、i.MX6ULLのJTAG_TCKピンに接続、i.MX6ULL内部で47kΩプルアップ(VCC_3.3V)されています。

6

JTAG_TDO

Out

テストデータ出力、i.MX6ULLのJTAG_TDOピンに接続

7

EXT_RESET_B

In

システムリセット、i.MX6ULLのPOR_Bピンに接続、オープンドレイン入力

8

GND

Power

電源(GND)


14.2.8. CON11(LCD拡張インターフェース)

CON11はデジタルRGB入力を持つ液晶パネルモジュールなどを接続することができる、LCD拡張インターフェースです。 信号線はi.MX6ULLのLCDコントローラ等に接続されています。

[ティップ]

CON11に接続されている信号線は、LCD以外の機能でも使用可能です。詳細につきましては、 「アットマークテクノ Armadilloサイト」からダウンロードできる 『Armadillo-640 マルチプレクス表』をご参照ください。

[警告]

複数箇所に割り当て可能な信号(USDHC2、UART1、ESPI1、I2C2等)がありますが、 同じ信号は複数ピンで同時利用できません。

表14.17 CON11 信号配列

ピン番号 ピン名 I/O 説明

1

VCC_5V

Power

電源出力(VCC_5V)

2

VCC_5V

Power

電源出力(VCC_5V)

3

VCC_5V

Power

電源出力(VCC_5V)

4

VCC_3.3V

Power

電源出力(VCC_3.3V)

5

VCC_3.3V

Power

電源出力(VCC_3.3V)

6

GND

Power

電源(GND)

7

GND

Power

電源(GND)

8

LCD_CLK

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのLCD_CLKピンに接続

9

LCD_HSYNC

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのLCD_HSYNCピンに接続

10

LCD_VSYNC

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのLCD_VSYNCピンに接続

11

LCD_ENABLE

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのLCD_ENABLEピンに接続

12

PWM5_OUT

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのNAND_DQSピンに接続

13

LCD_DATA00

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのLCD_DATA00ピンに接続、基板上で10kΩプルダウンされています。

14

LCD_DATA01

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのLCD_DATA01ピンに接続、基板上で10kΩプルアップ(VCC_3.3V)されています。

15

LCD_DATA02

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのLCD_DATA02ピンに接続、基板上で10kΩプルダウンされています。

16

LCD_DATA03

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのLCD_DATA03ピンに接続、基板上で10kΩプルダウンされています。

17

LCD_DATA04

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのLCD_DATA04ピンに接続、基板上で10kΩプルダウンされています。

18

LCD_DATA05

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのLCD_DATA05ピンに接続、JP1がオープン時、10kΩプルアップ(VCC_3.3V)、ショート時、10kΩプルダウンされます。

19

GND

Power

電源(GND)

20

LCD_DATA06

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのLCD_DATA06ピンに接続、基板上で10kΩプルアップ(VCC_3.3V)されています。

21

LCD_DATA07

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのLCD_DATA07ピンに接続、基板上で10kΩプルダウンされています。

22

LCD_DATA08

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのLCD_DATA08ピンに接続、基板上で10kΩプルダウンされています。

23

LCD_DATA09

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのLCD_DATA09ピンに接続、基板上で10kΩプルダウンされています。

24

LCD_DATA10

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのLCD_DATA10ピンに接続、基板上で10kΩプルダウンされています。

25

LCD_DATA11

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのLCD_DATA11ピンに接続、JP1がオープン時、10kΩプルダウン、ショート時、10kΩプルアップ(VCC_3.3V)されます。

26

GND

Power

電源(GND)

27

LCD_DATA12

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのLCD_DATA12ピンに接続、基板上で10kΩプルダウンされています。

28

LCD_DATA13

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのLCD_DATA13ピンに接続、基板上で10kΩプルダウンされています。

29

LCD_DATA14

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのLCD_DATA14ピンに接続、基板上で10kΩプルダウンされています。

30

LCD_DATA15

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのLCD_DATA15ピンに接続、基板上で10kΩプルダウンされています。

31

LCD_DATA16

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのLCD_DATA16ピンに接続、基板上で10kΩプルダウンされています。

32

LCD_DATA17

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのLCD_DATA17ピンに接続、基板上で10kΩプルダウンされています。

33

GND

Power

電源(GND)

34

XPUL

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのGPIO1_IO04ピンに接続、0.01uFのコンデンサが接続されています。

35

XNUR

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのGPIO1_IO03ピンに接続、0.01uFのコンデンサが接続されています。

36

YPLL

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのGPIO1_IO02ピンに接続、0.01uFのコンデンサが接続されています。

37

YNLR

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのGPIO1_IO01ピンに接続、0.01uFのコンデンサが接続されています。

38

GND

Power

電源(GND)

39

GPIO4_IO18

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのCSI_PIXCLKピンに接続

40

GPIO4_IO21

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのCSI_DATA00ピンに接続

41

GPIO4_IO24

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのCSI_DATA03ピンに接続

42

GPIO4_IO22

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのCSI_DATA01ピンに接続

43

GPIO4_IO23

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのCSI_DATA02ピンに接続

44

GPIO4_IO28

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのCSI_DATA07ピンに接続

45

GPIO4_IO27

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのCSI_DATA06ピンに接続

46

GPIO4_IO26

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのCSI_DATA05ピンに接続

47

GPIO4_IO25

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのCSI_DATA04ピンに接続

48

GPIO4_IO20

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのCSI_HSYNCピンに接続

49

GPIO4_IO19

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのCSI_VSYNCピンに接続

50

GND

Power

電源(GND)


[警告]CON11のブートモード設定ピンについて

CON11の13〜18、20〜25、27〜32ピン(LCD_DATA00〜17)は、i.MX6ULLの内蔵ROMによるブートモード設定ピンを兼用しています。 電源投入時、ブードモード設定のために、基板上のプルアップ/ダウン抵抗で、High/Lowレベルの状態を保持しています。 意図しない動作を引き起こす原因となるため、電源投入時からU-Bootが動作するまでは、 各々のピンをHigh/Lowレベルに保持した状態でご使用ください。 ブートモード設定の詳細につきましては、NXP Semiconductorsのホームページからダウンロード可能な 『i.MX 6ULL Applications Processor Reference Manual』をご参照ください。

14.2.9. CON12、CON13(電源インターフェース)

CON12、CON13は電源供給用インターフェースです。

[警告]

CON12とCON13の電源(VCC_5V)供給ラインは接続されていますので、同時に電源を供給することはできません。 どちらか一方からのみ電源を供給してください。

CON12にはDCジャックが実装されており、図14.13「ACアダプタの極性マーク」と同じ極性マークのあるACアダプタが使用できます。 ACアダプタのジャック形状はJEITA RC-5320A準拠(電圧区分2)です。

images/common-images/center-plus.svg

図14.13 ACアダプタの極性マーク


[警告]

ACアダプタを使用する際は、ACアダプタのDCプラグをArmadillo-640に接続してからACプラグをコンセントに挿してください。

CON13からは電源(VCC_5V)供給の他、バックアップ電源(RTC_BAT)供給、i.MX6ULLのON/OFF制御を行うことができます。 バックアップ電源供給は、長時間電源を切断しても、i.MX6ULLの一部データ(時刻データ等)を保持したい場合にご使用ください。

表14.18 CON13 信号配列

ピン番号 ピン名 I/O 説明

1

RTC_BAT

Power

電源(RTC_BAT)、パワーマネジメントICのLICELLピンに接続

2

VCC_5V

Power

電源(VCC_5V)

3

GND

Power

電源(GND)

4

ONOFF

In

i.MX6ULLのON/OFF用信号、i.MX6ULLのONOFFピンに接続、オープンドレイン入力


images/con12-con13-backup.svg

図14.14 バックアップ電源供給


[警告]

低消費電力モードに速やかに移行するためには、 バックアップ電源(RTC_BAT)を供給した直後に一度、電源(VCC_5V)を100ミリ秒以上供給する必要があります。

[警告]

RTC_BATの入力電圧範囲は2.75V〜3.3Vです。内部デバイスが正常に動作しなくなる可能性がありますので、入力電圧範囲内でご使用ください。

[警告]

内蔵リアルタイムクロックの平均月差は周囲温度25℃で±70秒程度(参考値)です。時間精度は周囲温度に大きく影響を受けますので、 ご使用の際は十分に特性の確認をお願いします。

[ティップ]

内蔵リアルタイムクロックは、一般的なリアルタイムクロックICよりも消費電力が高いため、外付けバッテリの消耗が早くなります。

バッテリ持続例: CR2032の場合、約4か月

バッテリの消耗が製品の運用に支障をきたす場合には、消費電力が少ないリアルタイムクロックICを外付けすることを推奨します。 CON9(拡張インターフェース)に接続可能なArmadillo-600シリーズ RTCオプションモジュールもありますので、ご検討ください。

14.2.10. LED3、LED4、LED5(ユーザーLED)

LED3、LED4、LED5は、ユーザー側で自由に利用できるLEDです。

表14.19 LED3、LED4、LED5

部品番号 名称(色) 説明

LED3

ユーザー LED(赤)

i.MX6ULLのGPIO1_IO05ピンに接続、(Low: 消灯、High: 点灯)

LED4

ユーザー LED(緑)

i.MX6ULLのGPIO1_IO08ピンに接続、(Low: 消灯、High: 点灯)

LED5

ユーザー LED(黄)

i.MX6ULLのUART1_CTS_Bピンに接続、(Low: 消灯、High: 点灯)


14.2.11. SW1(ユーザースイッチ)

SW1は、ユーザー側で自由に利用できる押しボタンスイッチです。

表14.20 SW1 信号配列

部品番号 名称 説明

SW1

ユーザースイッチ

i.MX6ULLのJTAG_MODピンに接続、(Low: 押されていない状態、High: 押された状態)


14.2.12. JP1、JP2(起動デバイス設定ジャンパ)

JP1、JP2は起動デバイス設定ジャンパです。 JP1、JP2の状態で、起動デバイスを設定することができます。

表14.21 ジャンパの設定と起動デバイス

JP1 JP2 起動デバイス

-

オープン

i.MX6ULLのeFUSE設定[a]に基づいたデバイス

eFUSEが未設定の場合は eMMC

オープン

ショート

eMMC

ショート

ショート

microSD

[a] eFUSE設定の詳細につきましては、NXP Semiconductorsのホームページからダウンロード可能な『i.MX 6ULL Applications Processor Reference Manual』をご参照ください。


[警告]

出荷時、i.MX6ULL の起動デバイスに関する eFUSE は未設定です。 未設定のまま JP2 をオープン状態で使用すると、eMMC から起動します。

[警告]

eFUSEは一度書き込むと元に戻すことができません。 eFUSEの設定によってはArmadillo-640が正常に動作しなくなる可能性がありますので、 書き込みを行う際には細心の注意を払うようお願いいたします。 eFUSEの設定によって異常が起こった場合は保証対象外となります。

[ティップ]

JP2をオープン状態で使用する場合、JP1の設定は無視されます。JP1をショート状態にすると、 プルアップ抵抗により消費電流が増加するため、JP1はオープン状態で使用することをお勧めします。

表14.22 JP1 信号配列

ピン番号 ピン名 I/O 説明

1

JP1

In

起動デバイス設定用信号、ロジックICを経由してi.MX6ULLのLCD_DATA05ピン、LCD_DATA11ピンに接続(Low: LCD_DATA05ピンはプルアップ、LCD_DATA11ピンはプルダウンされます。High: LCD_DATA05ピンはプルダウン、LCD_DATA11ピンはプルアップされます。)、基板上で47kΩプルダウンされています。

2

JP1_PU

Out

VCC_3.3Vで1kΩプルアップ


表14.23 JP2 信号配列

ピン番号 ピン名 I/O 説明

1

JP2_PU

Out

VDD_SNVS_3Vで1kΩプルアップ

2

JP2

In

起動デバイス設定用信号、i.MX6ULLのBOOT_MODE1ピンに接続、i.MX6ULL内部で100kΩプルダウンされています。


14.3. 形状図

14.3.1. 基板形状図

images/a640-hole-dimension.svg

図14.15 基板形状および固定穴寸法


images/a640-connector-center-dimension.svg

図14.16 コネクタ中心寸法


images/a640-connector-hole-dimension.svg

図14.17 コネクタ穴寸法


[警告]

基板改版や部品変更により、基板上の部品位置、高さは変更になることがあります。 ケースや拡張基板を設計する場合、ある程度の余裕をもった寸法での設計をお願いいたします。

[ティップ]

DXF形式の形状図を「アットマークテクノ Armadilloサイト」から「購入者向けの限定公開データ」としてダウンロード可能です。

14.4. 設計情報

本章では、Armadillo-640の機能拡張や信頼性向上のための設計情報について説明します。

14.4.1. 信頼性試験データについて

Armadillo-640の各種信頼性試験データを、「アットマークテクノ Armadilloサイト」から 「購入者向けの限定公開データ」としてダウンロード可能ですのでご確認ください。

14.4.2. 放射ノイズ

CON11(LCD拡張インターフェース)を使用して、Armadillo-640と拡張基板を接続すると、 放射ノイズが問題になる場合があります。 特に、オーディオアンプのような電力が大きく変動するデバイスを拡張基板に搭載する場合、 FFCのGND線の接続のみでは強い放射ノイズが発生する可能性があります。 放射ノイズを減らすために、以下の対策が効果的です。

  • シールド付FFCを使用する

    • 長さが余る場合は、ケーブルを折りたたむ
    • シールドは拡張基板のGNDに接続する
  • Armadillo-640のGND(固定穴等)と拡張基板のGNDを太い導線や金属スペーサ等で接続する
  • 未使用の拡張ピンはLowレベル出力とする
  • 使用する拡張ピンはコンデンサ(1000pF程度)を介してGNDと接続する

14.4.3. ESD/雷サージ

Armadillo-640のESD耐性を向上させるために、以下の対策が効果的です。

  • Armadillo-640を金属筐体に組み込み、GND(固定穴等)を金属ねじ等で接続する
  • 金属筐体を接地する

また、Armadillo-640に接続されたケーブルが屋外に露出するような設置環境では、 ケーブルに侵入した雷サージ等のストレスによりインターフェース回路が破壊される場合があります。 ストレスへの耐性を向上させるために、以下の対策が効果的です。

  • Armadillo-640と通信対向機のGND接続を強化する
  • シールド付きのケーブルを使用する