7.2.1.1. インフラストラクチャモード(STA):暗号化なし
インフラストラクチャモード(STA)で暗号化なしのアクセスポイントと接続するための手順を示します。
ここで設定している無線パラメータは以下の通りです。
7.2.1.2. インフラストラクチャモード(STA):WEP-64ビット
インフラストラクチャモード(STA)でWEP-64ビットのアクセスポイントに接続するための手順を示します。
ここで設定している無線パラメータは以下の通りです。
7.2.1.3. インフラストラクチャモード(STA):WPA (TKIP)
インフラストラクチャモード(STA)でWPA-PSK(TKIP)のアクセスポイントに接続するための手順を示します。
ここで設定している無線パラメータは以下の通りです。
7.2.1.4. インフラストラクチャモード(STA):WPA2(AES)
インフラストラクチャモード(STA)でWPA2-PSK(AES)のアクセスポイントに接続するための手順を示します。
ここで設定している無線パラメータは以下の通りです。
7.2.1.5. アドホックモード:WEP-64ビット
アドホックモードでWEP-64ビット接続するための手順を示します。
ここで設定している無線パラメータは以下の通りです。
7.2.1.6. インフラストラクチャモード(AP)
インフラストラクチャモード(AP)として使用する場合の手順を示します。
ここで設定している無線パラメータは以下の通りです。
WPS(Wi-Fi Protected Setup)機能は、無線LAN機器との接続やセキュリティに関する設定を簡単にすることができます。アクセスポイントとステーションの双方がWPSに対応していれば、必要最低限の操作で無線LAN接続を実現することが可能です。
WPSには、プッシュボタン(PBC)方式とPIN(personal identification number)コード方式の2通りの仕組みがあります。プッシュボタン方式では、アクセスポイントとステーションのそれぞれに搭載した専用ボタンを押すか、専用のコマンドを実行することで、ステーションがアクセスポイントに接続するための設定が完了します。PINコード方式では、PINコードと呼ばれる8桁の数字を使用し、設定を行います。
また、WPSの認証の結果、クレデンシャルと呼ばれるセキュリティ情報を取得します。WLANモジュールでは、このクレデンシャルを、WLANモジュールで管理するか、ホストで管理するかを選択することができます。WLANモジュールでクレデンシャルを管理するモードをスタンドアロンモードと言います。ホストでクレデンシャルを管理するモードをホスト管理モードと言います。
AWL13では、以下の方式に対応しています。
プッシュボタン方式(スタンドアロンモード)
プッシュボタン方式(ホスト管理モード)
PINコード方式(スタンドアロンモード)
PINコード方式(ホスト管理モード)
7.2.2.1. プッシュボタン方式(スタンドアロンモード)の使用方法
本章では、WPS(プッシュボタン方式/スタンドアロンモード)の使用方法について説明します。
以下に、WPS(プッシュボタン方式/スタンドアロンモード)を使用するには、以下の手順を行ってください。
AWL13のWPS(プッシュボタン方式/スタンドアロンモード)を開始
ホストPCで、以下のコマンドを実行してください。
アクセスポイントのWPS(プッシュボタン方式)を開始
アクセスポイントのWPS(プッシュボタン方式)を開始してください。具体的な方法はアクセスポイントのマニュアルを参照してください。
WPSの終了を確認
WPSの設定が終了したことを確認します。
| AWL13に保存したクレデンシャルを使用した接続について |
---|
WPS(スタンドアロンモード)で接続した場合は、接続した時のクレデンシャルがAWL13内のEEPROMに保存されます。AWL13再起動後、EEPROMに保存したクレデンシャルを使用してアクセスポイントに接続するには、iwpriv [interface] set_wpsdmdコマンドを使用して、起動時のデフォルトである、ホスト管理モードから、スタンドアロンモードに切り替えてください。 |
7.2.2.2. プッシュボタン方式(ホスト管理モード)の使用方法
プッシュボタン方式(ホスト管理モード)の使用方法について説明します。
ホスト管理モードとは、クレデンシャをホストPCで保存、管理するモードです。
AWL13のWPS(プッシュボタン方式/スタンドアロンモード)を開始
ホストPCで、以下のコマンドを実行してください。
アクセスポイントのWPS(プッシュボタン方式)を開始
アクセスポイントのWPS(プッシュボタン方式)を開始してください。具体的な方法はアクセスポイントのマニュアルを参照してください。
WPSの終了を確認
WPSの設定が終了したことを確認します。ホスト管理モードではスタンドアロンモードと違い、この時点では、アクセスポイントへの接続は行いません。
クレデンシャルの取得
以下のコマンドを実行してください。クレデンシャルを取得し、ファイルとして保存します。
クレデンシャルの設定
ファイルとして保存してあるクレデンシャルの設定を基に、無線LANの設定を行い、アクセスポイントへ接続します。
7.2.2.3. PINコード方式(スタンドアロンモード)の使用方法
WPS(PINコード方式/スタンドアロンモード)を用いて、無線LAN設定を行う方法について説明します。
AWL13のWPS(PINコード方式/スタンドアロンモード)の準備
ホストPCで、以下のコマンドを実行してください。
アクセスポイントのWPS(PINコード方式)を開始
アクセスポイントのWPS(PINコード方式)を開始してください。具体的な方法はアクセスポイントのマニュアルを参照してください。
AWL13のWPS(PINコード方式/スタンドアロンモード)を開始
ホストPCで、以下のコマンドを実行してください。
WPSの終了を確認
WPSの設定が終了したことを確認します。
| AWL13に保存したクレデンシャルを使用した接続について |
---|
WPS(スタンドアロンモード)で接続した場合は、接続した時のクレデンシャルがAWL13内のEEPROMに保存されます。AWL13再起動後、EEPROMに保存したクレデンシャルを使用してアクセスポイントに接続するには、iwpriv [interface] set_wpsdmdコマンドを使用して、起動時のデフォルトである、ホスト管理モードから、スタンドアロンモードに切り替えてください。 |
7.2.2.4. PINコード方式(ホスト管理モード)の使用方法
PINコード方式(ホスト管理モード)を用いて、WPSをの使用方法について説明します。
WPS(PINコード方式/スタンドアロンモード)を用いて、無線LAN設定を行う方法について説明します。
AWL13のWPS(PINコード方式/ホスト管理モード)の準備
ホストPCで、以下のコマンドを実行してください。
アクセスポイントのWPS(PINコード方式)を開始
アクセスポイントのWPS(PINコード方式)を開始してください。具体的な方法はアクセスポイントのマニュアルを参照してください。
AWL13のWPS(PINコード方式/ホスト管理モード)を開始
ホストPCで、以下のコマンドを実行してください。
WPSの終了を確認
WPSの設定が終了したことを確認します。ホスト管理モードではスタンドアロンモードと違い、この時点では、アクセスポイントへの接続は行いません。
クレデンシャルの取得
以下のコマンドを実行してください。クレデンシャルを取得し、ファイルとして保存します。
クレデンシャルの設定
ファイルとして保存してあるクレデンシャルの設定を基に、無線LANの設定を行い、アクセスポイントへ接続します。
WPS(PINコード方式)で無線LAN接続の設定を行う場合は、PINコードを使用する必要があります。AWL13は、デフォルトPINコードとして、「39494962」を保持していますが、PINコードを変更する場合は、別途生成する必要があります。
PINコードは8桁の数字が使用されますが、この中にはチェックサムが含まれています。チェックサムを含むPINコードを生成する場合は、以下の生成ルールに従う必要があります。
8桁PINコードの構成は、以下のようになっています。
【7桁のランダム番号】+【1桁のチェックサム値】
チェックサム値は、7桁のランダム番号から、以下の計算で導きだすことが可能です。
10 - mod[]((7桁目の数字 * 3 + 6桁目の数字 + 5桁目の数字 * 3 + 4桁目の数字 + 3桁目の数字 * 3 + 2桁目の数字 + 1桁目の数字 * 3),10)
例えば7桁のランダム番号が「4747697」だった場合のチェックサム値は、以下のような計算になります。
10 - mod((
4
* 3 +
7
+
4
* 3 +
7
+
6
* 3 +
9
+
7
* 3),10) = 4
上記の計算の結果、1桁のチェックサム値が「4」のため、PINコードは「47476974」になります。
WLANモジュールは、いくつかの省電力機能を搭載しています。使用できる省電力機能を以下に示します。
| USBハブの使用について |
---|
USBハブを使用してAWL13を接続した場合、省電力モードは使用できません。 |
AWL13は、IEEE802.11 規格のパワーマネージメント機能を利用することができます。パワーマネージメント機能が有効になると、消費電力低減を実現しながら アクセスポイントとの接続は維持したままデータ通信が可能です(ただし、通信パフォーマンスは低下します)。
パワーマネージメント機能は、USBモードでは使用できません。SDIOモード、またはUARTモードで使用することができます。本章では、SDIOモードの場合の使用方法について説明します。
IEEE802.11 規格のパワーマネージメントでは、以下の方法があります。
高速パワーマネージメントは、APからデータを送信したいことを通知されると、一時的に省電力状態から抜け出して、APからの送信データをまとめて受信した後、再び省電力状態に戻るという方式です。
PS-POLLパワーマネージメントは、APからデータを送信したいことを通知されると、省電力状態を維持したままPS-POLLと呼ばれるデータ要求フレームをステーションからアクセスポイントに送信して、アクセスポイントにバッファされているフレームを1つずつ受信する一般的な方式です。したがって、複数のフレームがアクセスポイントにバッファされている場合は、高速パワーマネージメント方式の方が応答性は高くなります。
| パワーマネージメント機能実行中の注意点 |
---|
|
| SDIOインターフェースを使用している場合の注意点 |
---|
パワーマネージメント機能が有効な場合でも、スリープ機能を実行することができます。この場合、一時的にパワーマネージメント機能が無効になり、スリープ機能が解除された時点で、パワーマネージメント機能が再度有効になります。 |
以下のコマンドでパワーマネージメントを設定します。
[PC ~]#
iwpriv awlan0 set_power_man <設定値>
設定値は、以下の数値に置き換えてください。
表7.2 パワーマネージメント設定値
設定値 | 説明 |
---|
0 | パワーマネージメント無効 |
1 | 高速パワーマネージメント(Normal) |
2 | 高速パワーマネージメント(Max) |
3 | PS-POLLパワーマネージメント(Normal) |
4 | PS-POLLパワーマネージメント(Max) |
AWL13にはローム独自方式のスリープ機能が搭載されています。
ローム独自仕様の省電力機能の設定・参照をします。長時間 WLAN を停止したい場合に利用できます。SDIOインターフェースを利用している場合のみ有効です。
スリープを使用した場合、即座に休止状態に移行します。アクセスポイントに接続中でも休止状態に移行するため、それ以降に送られてきたデータは破棄される可能性があります。また休止状態から復帰した後の回線接続は保証されません。アクセスポイントがすでに回線を切断している場合は、再接続を行います。
[PC ~]#
iwpriv awlan0 set_pow_save <設定値>
設定値は、以下の数値に置き換えてください。
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スリープ中に、アクティブ状態に移行する設定以外のコマンドを発行しないで下さい(動作が保証されません)。また、再度スリープ状態を設定しないようにしてください。必ず一旦アクティブに移行させてから、再びスリープを発行するようにしてください。
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