本書は、Armadillo-WLAN(AWL13)をお使い頂く上で必要なソフトウェアに関して書かれています。初めてArmadillo-WLAN(AWL13)をお使い頂く方でも戸惑うことなく無線LANで通信できるように、最初の通信までは実際の手順を多く記載しています。また無線LANに詳しい方が、すぐにArmadillo-WLAN(AWL13)を活用できるように、後半はコマンドやパラメーターのリファレンスの比率を多くしています。
本書は、Armadillo-WLAN(AWL13)をソフトウェアの側面から記載しています。もしArmadillo-WLAN(AWL13)の詳しいハードウェア情報が必要な場合やマイコンやコンピューター機器とArmadillo-WLAN(AWL13)を接続する場合は「Armadillo-WLAN(AWL13)ハードウェアマニュアル」を参照してください。また、Armadillo-WLAN(AWL13)の動作確認を行う場合は、「Armadillo-WLAN(AWL13)スタートアップガイド」を、Armadillo-WLAN(AWL13)の特定のリビジョンについての情報を確認する場合は、「Armadillo-WLAN(AWL13)リビジョン情報」を参照してください。
本書では、Armadillo-WLANモジュール(AWL13)およびArmadillo-WLAN評価セット(AWL13対応)を対象にしています。
評価セットは、
をセットにしたものです。
本書では、ホストシステムとの接続方法や操作方法などは、Armadillo-WLANモジュール(AWL13)とArmadillo-WLAN評価ボート(AWL13対応)を接続した場合を例に説明します。独自に作成したボードと接続して使用する場合は、適宜読み替えてください。
本書では、以降 Armadillo-WLANモジュールを「AWL13」、Armadillo-WLAN評価ボートを「評価ボード」と記載します。略称について詳しくは「製品名と略称」を参照してください。
本書は、大きく3つのパートに分かれています。本書や、製品の概要などを説明する前半部分。無線LAN通信を行う前段階である準備部分。そして実際に無線LAN通信やソフトウェアの作成方法について記載されている後半部分です。
前半部分は、プログラミングやコマンド入力など、ソフトウェアの知識がなくても、読み進めることができるようになっています。中盤では、コマンドの入力やケーブルの接続など、簡単な操作や手順の実行が必要になります。後半では、実際に無線LANやプログラミングの知識が必要になります。
製品の性質上、無線LANに関する用語が多く含まれています。
本書は、以下のような読者を対象に書かれています。
上記以外の方でも、本書を有効に利用していただけたら幸いです。
本書では以下のような意味でフォントを使いわけています。
表1.1 使用しているフォント
フォント例 | 説明 |
---|
本文中のフォント | 本文 |
[PC ~]$ ls | プロンプトとユーザ入力文字列 |
text | 編集する文字列や出力される文字列。またはコメント |
本書に記載されているコマンドの入力例は、表示されているプロンプトによって、それぞれに対応した実行環境を想定して書かれています。「/
」の部分はカレントディレクトリによって異なります。各ユーザのホームディレクトリは「~
」で表わします。
表1.2 表示プロンプトと実行環境の関係
プロンプト | コマンドの実行環境 |
---|
[PC /]# | 作業用PC上のrootユーザで実行 |
[PC /]$ | 作業用PC上の一般ユーザで実行 |
コマンド中で、変更の可能性のあるものや、環境により異なるものに関しては以下のように表記します。適宜読み替えて入力してください。
表1.3 コマンド入力例での省略表記
表記 | 説明 |
---|
[version] | ファイルのバージョン番号 |
本書では以下のようにアイコンを使用しています。
| |
---|
注意事項を記載します。 |
| |
---|
役に立つ情報を記載します。 |
Armadillo-WLAN評価セット(AWL13)を使用するには以下の機材が必要です。
- 作業用兼ホスト PC
Debian GNU/Linux 6.0(コードネーム squeeze) x86アーキテクチャ用が動作し、1ポート以上のUSBインターフェースまたは1ポート以上のSDIOインターフェースを持つPCです。
- ケーブル
Armadillo-WLAN評価セット(AWL13)と作業用 PC を接続するための、ケーブルが必要です。
UART(シリアル)で接続する場合は、シリアルクロスケーブルが必要です。
USBで接続する場合は、USBケーブル(Aオス - Bオス)が必要です。
SDIOで接続する場合は、ケーブルを作成する必要があります。詳細は、Armadillo-WLAN(AWL13)ハードウェアマニュアルをご参照ください。
また、以下の機材を使用することもできます。
- ACアダプタ(DC5V/2.0A)
USBバスパワーまたはSDIOの電源入力を使用しない場合、ACアダプタから電源を供給することができます。[]
作業用兼ホストPCとSDIO接続用のケーブルを除き、これら必要な機材は全てArmadillo-WLAN評価セット(AWL13)に同梱されています。
Armadilloで使用しているソフトウェアは Free Software / Open Source Softwareで構成されています。Free Software / Open Source Softwareは世界中の多くの開発者の成果によってなりたっています。この場を借りて感謝の意を表します。