「Armadillo(アルマジロ)」は、Armコアプロセッサ搭載・Linux対応の組み込みプラットフォームのブランドです。
Armadilloブランド製品には以下の特長があります。
Armプロセッサ搭載・省電力設計
Armコアプロセッサを搭載しています。1~数ワット程度で動作する省電力設計で、
発熱が少なくファンを必要としません。
小型・手のひらサイズ
CPUボードは名刺サイズ程度の手のひらサイズが主流です。
名刺の1/3程度の小さなCPUモジュールや無線LANモジュール等、超小型のモジュールもラインアップしています。
標準OSとしてLinuxをプリインストール
標準OSにLinuxを採用しており、豊富なソフトウェア資産と実績のある安定性を提供します。
ソースコードをオープンソースとして公開しています。
開発環境
Armadilloの開発環境として、「Atmark Techno Development Environment ATDE)」を無償で提供しています。
ATDEは、VMwareなど仮想マシン向けのデータイメージです。
このイメージには、Linuxデスクトップ環境をベースにGNUクロス開発ツールやその他の必要なツールが事前にインストールされています。
ATDEを使うことで、開発用PCの用意やツールのインストールなどといった開発環境を整える手間を軽減することができます。
3.1.2. Armadillo-IoT ゲートウェイ G4とは
Armadillo-IoT ゲートウェイ G4は「Armadillo-IoT ゲートウェイ」シリーズの製品です。
Armadillo-IoT ゲートウェイ G4には以下の特長があります。
NPU搭載・エッジAI処理にも対応する高性能IoTゲートウェイ
Armadillo-IoT ゲートウェイ G4は、エッジAI処理や機械学習にも最適な高性能IoTゲートウェイです。
Gigabit Ethernetを2ポート搭載するほか、USB3.0、HDMIのインターフェースによる画像の入出力に対応。
NPU搭載により、高効率な演算を省電力で実現することができるため、
顔認識や人物検知、製造・建築業におけるAIソリューションなど、様々な現場で採用いただけます。
i.MX 8M Plus搭載・動画を高速処理
Arm Cortex-A53(1.6GHz)4コアのSoC「i.MX 8M Plus」(NXP Semiconductors 製)を搭載しています。
フルHDサイズ(1080p)のH.264エンコード/デコード機能も用意されており、
動画を記録しながらのAI処理も可能です。
動作温度範囲-20~+70℃の産業設計
高負荷のかかるAI処理でも、動作温度範囲内であれば処理能力がほとんど低下しない稼働を見込めます。
これまで設置が難しかった環境でも採用いただけるファンレス・小型設計で、
産業用PCよりも安価に導入することができます。
Armadillo Base OS搭載
「Armadillo Base OS」を搭載しています。
ユーザー自身がゲートウェイの機能を自由に設計・開発して書き込むことで、
多様な製品を作ることができます。
セキュアエレメント搭載
NXP Semiconductors 製のセキュアエレメント「SE050」を標準搭載しています。
これを使用することで、ハードウェアRoot of Trustによる高いセキュリティを実現できます。
3.1.3. Armadillo Base OSとは
Armadillo Base OSは、アットマークテクノが提供する専用ディストリビューションです。
Linux5.10をベースに、コンテナ管理機能、ソフトウェアアップデート機能、ネットワークマネージャーなどに対応。
機能を限定したコンパクトなOSで、安全性の高い運用を実現します。
OSのコンパクト化
OS基盤の機能を最小限にしたことで、セキュリティリスクを低減しています。
アットマークテクノが継続的にアップデートを提供するため、
高セキュリティなIoT機器として長期間に渡り運用することができます。
コンテナによるアプリケーション運用
アプリケーションを「コンテナ」単位でOSから分離して管理できるため、コンテナごとのアップデートが可能です。
サンドボックス化されることにより、悪意あるソフトウェアからの攻撃に対する機器全体の保護に有効性を発揮します。
Armadillo-IoT ゲートウェイ G4の製品ラインアップは次のとおりです。
表3.1 Armadillo-IoT ゲートウェイ G4ラインアップ
名称 | 型番 |
---|
Armadillo-IoTゲートウェイ G4 LANモデル開発セット(メモリ2GB、ストレージ10GB、WLANコンボ非搭載) | AGX4500-C00D0 |
Armadillo-IoTゲートウェイ G4 LANモデル量産用(メモリ2GB、ストレージ10GB、WLANコンボ非搭載) | AGX4500-C00Z |
Armadillo-IoTゲートウェイ G4 LANモデル量産ボード(メモリ2GB、ストレージ10GB、WLANコンボ非搭載) | AGX4500-U00Z |
3.2.1. Armadillo-IoTゲートウェイ G4 開発セット
Armadillo-IoTゲートウェイ G4を使った開発がすぐに開始できるように、
開発に必要なものを一式含んだ製品をラインアップしています。
Armadillo-IoTゲートウェイ G4 LANモデル開発セットのセット内容は以下のとおりです。
-
Armadillo-IoTゲートウェイ G4
-
オプションケース(金属製)
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USB(Aオス-microB)ケーブル
-
ACアダプタ(12V/3.0A)
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ジャンパソケット
3.2.2. Armadillo-IoTゲートウェイ G4 量産用、量産ボード
Armadillo-IoTゲートウェイ G4の量産用に、必要最小限の内容物に絞った製品を
ラインアップしています。
「Armadillo-IoTゲートウェイ G4 LANモデル量産用」がケースに収められた製品、
「Armadillo-IoTゲートウェイ G4 LANモデル量産ボード」が基板単体の製品となります。
こちらには、ACアダプタ、ケーブル類は付属しておりませんので、適宜必要となるものをご用意ください。
Armadillo-IoT ゲートウェイ G4のeMMCのパーティション構成を
表3.3「eMMCメモリマップ」に示します。
表3.3 eMMCメモリマップ
パーティション | サイズ | ラベル | 説明 |
---|
1 | 300MiB | rootfs_0 | A/B アップデートのA面パーティション(Linuxカーネルイメージ, Device Tree Blob, Alpine Linux rootfsを含む) |
2 | 300MiB | rootfs_1 | A/B アップデートのB面パーティション(Linuxカーネルイメージ, Device Tree Blob, Alpine Linux rootfsを含む) |
3 | 50MiB | logs | ログ書き込み用パーティション |
4 | 200MiB | firm | ファームウェア用パーティション |
5 | 8.95GiB | app | アプリケーション用パーティション |
Armadillo-IoT ゲートウェイ G4のeMMCのブートパーティションの構成を表3.4「eMMC ブートパーティション構成」に示します。
表3.4 eMMC ブートパーティション構成
ディスクデバイス | サイズ | 説明 |
---|
/dev/mmcblk0boot0
| 31.5 MiB | A/B アップデートのA面 |
/dev/mmcblk0boot1
| 31.5 MiB | A/B アップデートのB面 |
Armadillo-IoT ゲートウェイ G4のeMMCのGPP(General Purpose Partition)の構成を表3.5「eMMC GPP構成」に示します。
表3.5 eMMC GPP構成
ディスクデバイス | サイズ | 説明 |
---|
/dev/mmcblk0gp0
| 8 MiB | ライセンス情報等の保存 |
/dev/mmcblk0gp1
| 8 MiB | 予約領域 |
/dev/mmcblk0gp2
| 8 MiB | 予約領域 |
/dev/mmcblk0gp3
| 8 MiB | ユーザー領域 |