第14章 ハードウェア仕様

Armadillo-Box WS1のハードウェア仕様について説明します。

14.1. インターフェースレイアウト

Armadillo-Box WS1 インターフェースレイアウト

図14.1 Armadillo-Box WS1 インターフェースレイアウト


表14.1 Armadillo-Box WS1 搭載コネクタ、スイッチ型番一覧

部品番号インターフェース名型番メーカー
1USBインターフェースUBA-4RS-D14T-4D(LF)(SN)J.S.T. Mfg.
2LANインターフェースTM11R-5M2-88-LPHIROSE ELECTRIC
3LANアクティビティLED(黄色)SML-310YTT86ROHM
4LANリンクLED(緑色)SML-310MTT86ROHM
5ユーザーLED(赤色)SLR-342VC3FROHM
6ユーザーLED(緑色)SLR-342MC3FROHM
7ユーザースイッチSKHHDJA010ALPS ELECTRIC
8Wi-SUNモジュールBP35A1ROHM
9外付けアンテナインターフェースMS-156CHIROSE ELECTRIC
10電源入力インターフェースHEC3690-015210HOSIDEN
11microSDインターフェースDM3C-SFHIROSE ELECTRIC
12デバッグシリアルインターフェースA1-10PA-2.54DSA(71)HIROSE ELECTRIC
13起動モード設定ジャンパ(JP1)A1-4PA-2.54DSA(71)HIROSE ELECTRIC
14起動モード設定ジャンパ(JP2)
15ユーザーLED(黄色)SML-310YTT86ROHM
16RTC外部バックアップインターフェースBK-885Memory Protection Devices

[警告]

表14.1「Armadillo-Box WS1 搭載コネクタ、スイッチ型番一覧」に記載した部品が、必ずしも使用されていることを保証しているわけではありません。お手元の製品の使用部品につきましては、アットマークテクノ ユーザーズサイトからダウンロード可能な、納入仕様書および変更履歴表にてご確認ください。

14.2. USBインターフェース

USBホストインターフェースを2つ搭載しています。信号線はi.MX257のUSBコントローラに接続されています。

USBインターフェースからUSBデバイスに供給する電源は、電源入力VINと電源ICで生成される+5Vのどちらかを選択することが可能です。 電源の選択はi.MX257のNFWE_Bピンで行い、i.MX257のNFWE_BピンからLowレベル出力で電源入力VIN、Highレベル出力で電源ICで生成される+5V電源が供給されます。

電源入力VINを使用する場合、供給可能な電流は各ポート最大500mAとなります。 電源ICで生成される+5V電源を使用する場合、供給可能な電流は2ポートの合計で最大300mAとなります。

表14.2 USB仕様

コネクタ位置データ転送モードコントローラPHY
USBコネクタ 下段

USB 2.0

High Speed(480Mbps)

Full Speed(12Mbps)

Low Speed(1.5Mbps)

OTG[a]USBPHY1[b]
USBコネクタ 上段

USB 2.0

Full Speed(12Mbps)

Low Speed(1.5Mbps)

HOST[a]USBPHY2[b]

[a] i.MX257内蔵USB コントローラ

[b] i.MX257内蔵USB PHY


[警告]

データ転送モードにある括弧内の転送速度は規格上の最大値を示しております。実際の転送速度がシステム要件を十分に満たすことをご確認の上、ご使用ください。

表14.3 USBインターフェース 信号配列

ピン番号ピン名I/O説明
1+5V_USBPowerUSB電源(VINまたは+5V)
2USB1-In/OutUSB1のマイナス側信号、i.MX257のUSBPHY1_DMピンに接続
3USB1+In/OutUSB1のプラス側信号、i.MX257のUSBPHY1_DPピンに接続
4GNDPower電源(GND)
5+5V_USBPowerUSB電源(VINまたは+5V)
6USB2-In/OutUSB2のマイナス側信号、i.MX257のUSBPHY2_DMピンに接続
7USB2+In/OutUSB2のプラス側信号、i.MX257のUSBPHY2_DPピンに接続
8GNDPower電源(GND)

[ティップ]

Armadilloサイトにて、動作確認済みUSBデバイス情報を随時更新していますのでご確認ください。

14.3. LANインターフェース

10BASE-T/100BASE-TXに対応したLANインターフェースを搭載しています。 信号線はMicrochip Technology製PHY(LAN8720AI-CP)を経由して、i.MX257のEthernetコントローラ(FEC)に接続されています。 AUTO-MDIX機能を搭載しており、ストレートケーブルまたはクロスケーブルを自動認識して送受信端子を切り替えます。

表14.4 LANインターフェース 信号配列

ピン番号ピン名I/O説明
1TX+In/Out差動のツイストペア送信/受信1(+)
2TX-In/Out差動のツイストペア送信/受信1(-)
3RX+In/Out差動のツイストペア送信/受信2(+)
4--5ピンと接続後に75Ω終端
5--4ピンと接続後に75Ω終端
6RX-In/Out差動のツイストペア送信/受信2(-)
7--8ピンと接続後に75Ω終端
8--7ピンと接続後に75Ω終端

表14.5 LAN LED

名称(色)状態説明
LANアクティビティLED(黄色)消灯データを送受信していない
点灯データを送受信している
LANリンクLED(緑色)消灯リンクが確立されていない
点灯リンクが確立されている

14.4. ユーザーLED

ユーザー側で自由に利用できるLEDを3つ(赤色、緑色、黄色)搭載しています。

表14.6 ユーザーLEDの接続

名称(色)説明
ユーザーLED(赤色)

i.MX257のNFALEピンに接続(Low: 消灯、High: 点灯)

ユーザーLED(緑色)

i.MX257のNFCLEピンに接続(Low: 消灯、High: 点灯)

ユーザーLED(黄色)

i.MX257のBOOT_MODE0ピンに接続(Low: 消灯、High: 点灯)


14.5. ユーザースイッチ

ユーザー側で自由に利用できるスイッチを1つ搭載しています。

表14.7 ユーザースイッチの接続

名称説明
ユーザースイッチ

i.MX257のNFWP_Bピンに接続(ON: Low、OFF: High)


14.6. Wi-SUNモジュール

ROHM製Wi-SUN対応無線モジュール(BP35A1)を搭載しています。

表14.8 Wi-SUNモジュール仕様

無線規格ARIB STD-T108準拠
無線周波数920MHz帯
対応規格

ARIB STD-T108規格対応

IEEE802.15.4gパケット対応

伝送電力20mW出力
受信感度-103dBm(TYP.) (100kbps、BER < 0.1%)

[警告]

上記はWi-SUNモジュール単体での受信感度となり、Armadillo-Box WS1ではコネクタ損失、基板、ケースとの干渉等により、受信感度が低下します。 実際の仕様がシステム要件を十分に満たすことをご確認の上、ご使用ください。

[ティップ]

Wi-SUNモジュールには、外付けアンテナコネクタが搭載されています。受信感度が弱い時は、外付けアンテナの使用が効果的です。 外付けアンテナの組み立てについては、「Wi-SUNモジュール用外付けアンテナの組み立て」をご参照ください。

14.7. 電源入力インターフェース

電源供給用のDCジャックを搭載しています。ACアダプタのジャック形状はEIAJ RC-5320A準拠(電圧区分2)です。

ACアダプタの極性マーク

図14.2 ACアダプタの極性マーク


[警告]

開発セット付属のACアダプタには放射ノイズ抑制のため、クランプフィルタが装着されています。 クランプフィルタは取り外さないでご使用ください。

14.8. microSDインターフェース

microSDスロットを搭載しています。信号線は、i.MX257のSD/MMCコントローラ(SDHC1)に接続されています。

microSDインターフェースに供給する電源は、i.MX257のNFRE_BピンでON/OFF制御が可能です。 i.MX257のNFRE_BピンからLowレベル出力で電源が供給され、Highレベル出力で電源が切断されます。

microSDインターフェースから供給可能な電流は、LANインターフェース、デバッグシリアルインターフェース、内部回路の合計で最大200mAとなります。

表14.9 microSD 信号配列

ピン番号ピン名I/O説明
1SD1_DAT2In/Outデータバス(bit2)、i.MX257のSD1_DATA2ピンに接続
2SD1_DAT3In/Outデータバス(bit3)、i.MX257のSD1_DATA3ピンに接続
3SD1_CMDIn/Outコマンド/レスポンス、i.MX257のSD1_CMDピンに接続
4VDDPower電源(+3.3V_CPU)
5SD1_CLKOutクロック、i.MX257のSD1_CLKピンに接続
6VSSPower電源(GND)
7SD1_DAT0In/Outデータバス(bit0)、i.MX257のSD1_DATA0ピンに接続
8SD1_DAT1In/Outデータバス(bit1)、i.MX257のSD1_DATA1ピンに接続
9SD1_CD*Inカード検出(Low:カード挿入、High:カード未挿入)、i.MX257のNFRB(GPIO3_31)ピンに接続

[ティップ]

Armadilloサイトにて、動作確認済みmicroSDカード情報を随時更新していますのでご確認ください。

[警告]

microSDインターフェースは活線挿抜に対応しておりません。microSDカードの挿抜は、電源を切断してから行ってください。

[警告]

microSDカードを挿抜する際には、Wi-SUNモジュールを取り外してください。 無理に挿抜した場合、microSDカードが正常に挿入されないなどの原因で、動作不良を起こす場合があります。

14.8.1. microSDカードの挿入方法

  1. カバーの穴に指の爪を引っ掛けてスライドさせ、ロックを解除してください。

    カードの挿入1

    図14.3 カードの挿入1


  2. カバーを開け、カードを挿入してください。カードは端子面が内側になるように挿入してください。挿入後は、完全にカードが奥まで入っていることを確認してください。

    カードの挿入2

    図14.4 カードの挿入2


  3. カバーを閉じてください。カバーを閉じると信号端子のバネの力でカバーが浮き上がった状態になります。

    カードの挿入3

    図14.5 カードの挿入3


  4. 図14.6「カードの挿入4」のように、カバーの軸が長穴の最も左側にある状態で、上から指で軽く押さえてください。

    カードの挿入4

    1

    長穴

    2

    図14.6 カードの挿入4


    [警告]

    カバーを押さえる際は、必ずカバーの軸が長穴の最も左側にある状態で行ってください。 カバーを押さえる位置が合っていない状態でロックすると、図14.9「異常なカード挿入状態(カードと基板が平行でない)」の様になり、カード検出が機能せず、動作不良となります。

  5. カバーの穴に指の爪を引っ掛けて、カチっと音がするまでカバーをスライドさせ、モールドの△マークとカバーの△マークをそろえてください。

    カードの挿入5

    図14.7 カードの挿入5


    [警告]

    カードが正常に挿入されているか確認してください。

    正常なカード挿入状態(カードと基板が平行)

    図14.8 正常なカード挿入状態(カードと基板が平行)


    異常なカード挿入状態(カードと基板が平行でない)

    1

    カード

    2

    基板

    図14.9 異常なカード挿入状態(カードと基板が平行でない)


14.8.2. microSDカードの抜去方法

  1. カバーの穴に指の爪を引っ掛けてスライドさせ、ロックを解除してください。ロックを解除すると信号端子のバネの力でカバーが浮き上がります。

    カードの抜去1

    図14.10 カードの抜去1


  2. カバーを開け、カードを抜去してください。

    カードの抜去2

    図14.11 カードの抜去2


  3. カバーを閉じ、カバーの穴に指の爪を引っ掛けて、カチっと音がするまでカバーをスライドさせ、モールドの△マークとカバーの△マークをそろえてください。

    カードの抜去3

    図14.12 カードの抜去3


[警告]

microSDコネクタはmicroSDカードの挿入・未挿入に関わらず、必ずカバーをロックした状態でご使用ください。 microSDカードの未挿入時にカバーのロックが解除されていると、コネクタ内部の接点がカバーに接触して動作不良を起こす場合があります。

[警告]

microSDカード未挿入時にmicroSDコネクタを上から押さないでください。 コネクタ内部の接点がカバーに接触して動作不良を起こす場合があります。

14.9. デバッグシリアルインターフェース

非同期(調歩同期)のデバッグ用シリアルインターフェースを搭載しています。 信号線はRS232Cレベル変換ICを経由して、i.MX257のUARTコントローラ(UART2)に接続されています。

RS232Cレベル変換ICは、i.MX257のBOOT_MODE1ピンでシャットダウンすることが可能です。 BOOT_MODE1ピンからLowレベル出力でシャットダウンモード、Highレベル出力で通常モードとなります。

信号レベル

RS232C

最大データ転送レート

230.4kbps

フロー制御

CTS、RTS、DTR、DSR、DCD、RI

[ティップ]

開発セット付属のD-subコネクタ変換ケーブルを接続して、シリアルクロスケーブルでPCと通信可能です。

表14.10 デバッグシリアルインターフェース 信号配列

ピン番号信号名I/O機能
1DCD2Inキャリア検出、i.MX257のUART1_RTSピンに接続
2DSR2Inデータセットレディ、i.MX257のUART1_TXDピンに接続
3RXD2In受信データ、i.MX257のUART2_RXDピンに接続
4RTS2Out送信要求、i.MX257のUART2_CTSピンに接続
5TXD2Out送信データ、i.MX257のUART2_TXDピンに接続
6CTS2In送信可能、i.MX257のUART2_RTSピンに接続
7DTR2Outデータ端末レディ、i.MX257のUART1_RXDピンに接続
8RI2In被呼表示、i.MX257のUART1_CTSピンに接続
9GNDPower電源(GND)
10+3.3V_CPUPower電源(+3.3V_CPU)

14.10. 起動モード設定ジャンパ

Armadillo-Box WS1の起動モードを設定するジャンパを搭載しています。

表14.11 起動モード設定ジャンパ(JP1) 信号配列

ピン番号ピン名I/O説明
1JP1Ini.MX257のBOOT_MODE0ピンに接続(10kΩプルダウン)
2JP1PUOut3.3V_CPUで390Ωプルアップ

表14.12 起動モード設定ジャンパ(JP2) 信号配列

ピン番号ピン名I/O説明
1GNDPower電源(GND)
2JP2Ini.MX257のNFC_CE0ピンに接続(3.3V_CPUで10kΩプルアップ)

表14.13 ジャンパの設定

JP1JP2起動モード
オープンオープンオンボードフラッシュメモリブート/オートブートモード
オープンショートオンボードフラッシュメモリブート/保守モード
ショートUARTブートモード

14.11. リアルタイムクロック

セイコーインスツル製リアルタイムクロック(S-35390A)を搭載しています。

電源が切断されても時刻データを保持させたい場合、 RTC外部バックアップインターフェースにバッテリーを接続してください。 対応バッテリーはCR1220、BR1220等です。

[警告]

電池の挿入向きにご注意ください。下図の上側が+端子、下側が-端子となります。 また、電池を斜めにせずに、平行に挿入してください。+端子と-端子がショートする可能性があります。

バッテリーの接続

図14.13 バッテリーの接続