第5章 各種インターフェース仕様

5.1. 各種インターフェースの配置

Armadillo-9 のインターフェースの配置は次の通りです。

各種インターフェースの配置

図5.1 各種インターフェースの配置


表5.1 各種インターフェースの内容

部品番号インターフェース備考
CON1シリアルインターフェース1 
CON2シリアルインターフェース2コネクタ非搭載
CON3

USB インターフェース

(Host, USB2.0, FullSpeed:12Mbps)

Type-A コネクタ
CON4パラレルインターフェース(8bit 汎用入出力)コネクタ非搭載
CON5パラレルインターフェース(4bit 汎用入出力)コネクタ非搭載
CON6JTAG インターフェースコネクタ非搭載
CON7(Reserved)コネクタ非搭載
CON8同期シリアル/AC97 CODEC/I2S CODECコネクタ非搭載
CON9IDE インターフェース(2.0mm ピッチ, 44 ピン) 
CON10 コンパクトフラッシュ スロット(Type I/II, I/O/メモリカード対応)  
CON11LAN コネクタ (10BASE-T/100BASE-TX)RJ-45
CON12VGA インターフェース(D-Sub15 ピン) 
CON13電源入力端子(5V,12V) 
CON14拡張電源入力端子(-5V, -12V, RTC バックアップ)コネクタ非搭載
J1, J2PC/104 拡張コネクタ(スタックスルー)コネクタ非搭載
LED (D4)IDE アクセスLED非搭載
LED (D5, 6)LAN アクセス (Link, Active) 
LED (D14)電源LED非搭載
JP1, JP2起動モード設定ジャンパ 
SW1RESET スイッチ 

5.2. CON1(シリアルインターフェース1)

CON1 は非同期(調歩同期)シリアルインターフェースです。CPU(EP9315)のUART1 と接続されています。

  • 信号入出力レベル:RS232C レベル

  • 最大データ転送レート:230.4kbps

  • フロー制御:CTS, RTS, DTR, DSR, DCD, RI

  • FIFO:送受信ともに16バイト 内蔵

表5.2 CON1 信号配列

番号信号名I/O機能
1DCDIEP9315 のEGPIO1 (Port A: 1)ピンに接続
2DSRIEP9315 内蔵のUART1-DSR ピンに接続
3RXDIEP9315 内蔵のUART1-RXD ピンに接続
4RTSOEP9315 内蔵のUART1-RTS ピンに接続
5TXDOEP9315 内蔵のUART1-TXD ピンに接続
6CTSIEP9315 内蔵のUART1-CTS ピンに接続
7DTROEP9315 内蔵のUART1-DTR ピンに接続
8RIIEP9315 のEGPIO0 (Port A:0)ピンに接続
9GNDPower電源(GND)
10+3.3VPower電源(+3.3V)[a]

[a] 電圧精度±5%


[警告]

下記シリアル番号に該当するArmadillo-9 のCON1 同士を接続した場合、正常にデータ通信を行うことが出来ません。

これは、該当するArmadillo-9 で使用されているRS232C レベル変換IC が互いにシャットダウンモードになってしまう為です。

  • S/N: 040201-000000~040401-001994

上記シリアル番号以外のArmadillo-9 はIC を変更している為、問題が発生することはありません。

5.3. CON2(シリアルインターフェース2)

CON2 は非同期(調歩同期)シリアルインターフェースです。CPU(EP9315)のUART2 と接続されています。

  • 信号入出力レベル:RS232C レベル

  • 最大データ転送レート:230.4kbps

  • フロー制御:なし

  • FIFO:送受信ともに16バイト 内蔵

表5.3 CON2信号配列

番号信号名I/O機能
1-  
2-  
3RXDIEP9315内蔵のUART2-RXDピンに接続
4RTSOCON2(6ピン)と基板上で接続(ループバック)
5TXDOEP9315内蔵のUART2-TXDピンに接続
6CTSICON2(4ピン)と基板上で接続(ループバック)
7-  
8-  
9GNDPower電源(GND)
10+3.3VPower電源(+3.3V)[a]

[a] 電圧精度±5%


5.4. CON3(USB インターフェース)

CON3 はUSB シリアルインターフェースです。CPU(EP9315)上のUSB0 と接続されています。

  • データ転送モード: USB2.0 Full Speed(12Mbps)、Low Speed(1.5Mbps)

  • 供給電源:電圧+5V 、電流500mA(max)

  • コネクタ形状:Type A

表5.4 CON3 信号配列

番号信号名I/O機能
1+5VPower電源(+5V, 最大500mAの供給可能)
2USB-I/OUSBのマイナス側信号
3USB+I/OUSBのプラス側信号
4GNDPower電源(GND)

[ティップ]

Armadillo開発者サイトにて、動作確認済みUSBデバイス情報を 随時更新していますのでご確認ください。

5.5. CON4(パラレルインターフェース)

CON4 は汎用入出力ポートです。CPU(EP9315)のGPIO(General PurposeI/O)と接続されています。CPU 内のPADR(Port A data register I/O: 0x8084 0000 番地)、PADDR(Port A data direction register I/O: 0x8084 0010 番地)、PBDR(Port B data register I/O: 0x8084 0004番地)、PBDDR(Port B data direction register I/O: 0x8084 0014番地)を使用して制御することができます。なお、EP9315のPort A:0~3、Port B:4~7については、内部回路で使用しているので、ユーザ側では使用できません。

表5.5 CON4 信号配列

番号信号名I/O機能
1GNDPower電源(GND)
2+3.3VPower電源(+3.3V)[a]
3GPIO_0I/O 汎用入出力ポート0 (EP9315のEGPIO4(Port A:4)ピンに接続)
4GPIO_1I/O 汎用入出力ポート1 (EP9315のEGPIO5(Port A:5)ピンに接続)
5GPIO_2I/O 汎用入出力ポート2 (EP9315のEGPIO6(Port A:6)ピンに接続)
6GPIO_3I/O 汎用入出力ポート3 (EP9315のEGPIO7(Port A:7)ピンに接続)
7GPIO_4I/O 汎用入出力ポート4 (EP9315のEGPIO8(Port B:0)ピンに接続)
8GPIO_5I/O 汎用入出力ポート5 (EP9315のEGPIO9(Port B:1)ピンに接続)
9GPIO_6I/O 汎用入出力ポート6 (EP9315のEGPIO10(Port B:2)ピンに接続)
10GPIO_7I/O 汎用入出力ポート7 (EP9315のEGPIO11(Port B:3)ピンに接続)

[a] 電圧精度±5%


パラレルインターフェースの電気的仕様は次の通りです。

表5.6 パラレルインターフェースの電気的仕様

SymbolParameterMinMaxUnitConditions
V IH CMOS Input high voltage 0.65×V DDIO V DDIO +0.3 V V DDIO =3.3V
V IL CMOS Input low voltage-0.3 0.35×V DDIO V 
V OH CMOS Output high voltage2.8 V I OH =4mA
V OL CMOS Output low voltage 0.5V I OL =-4mA
I OH High level Output current 4mA 
I OL Low level Output current -4mA 
I IL Input leakage current 10.0μA V IN =V DD or GND

5.6. CON5(パラレルインターフェース)

CON5 は汎用入出力ポートです。CPU(EP9315)のGPIO(General Purpose I/O)と接続されています。CPU内のPDDR(Port D data register I/O: 0x8084 000C 番地)、PDDDR(Port D data direction register I/O: 0x8084 001C 番地)を使用して制御することができます。パラレルインターフェースの電気的仕様は表5-6の通りです。なお、EP9315 のPort D:0~3 については、内部回路で使用しているので、ユーザ側では使用 できません。

表5.7 CON5 信号配列

番号信号名I/O機能
1GPIO_Ext0I/O汎用入出力ポート0 (EP9315のPort D:4ピンに接続)
2GPIO_Ext1I/O汎用入出力ポート1 (EP9315のPort D:5ピンに接続)
3GPIO_Ext2I/O汎用入出力ポート2 (EP9315のPort D:6ピンに接続)
4GPIO_Ext3I/O汎用入出力ポート3 (EP9315のPort D:7ピンに接続)

5.7. CON6(EP9315 JTAG)

CON6 はArmadillo-9 にJTAG デバッガを接続するためのコネクタです。CPU(EP9315)のJTAG 信号と接続されています。

番号信号名I/O機能
1+3.3VPower電源(+3.3V)[a]
2GNDPower電源(GND)
3TRST*IEP9315のJTAG TRST*
4GNDPower電源(GND)
5TDIIEP9315のJTAG TDI
6GNDPower電源(GND)
7TMSIEP9315のJTAG TMS
8GNDPower電源(GND)
9TCKIEP9315のJTAG TCK
10GNDPower電源(GND)
11TDOOEP9315のJTAG TDO
12- (Reserved)
13+3.3VPower電源(+3.3V)[a]
14GNDPower電源(GND)

[a] 電圧精度±5%

5.8. CON7

このコネクタを使用する場合の動作は保証されておりません。

5.9. CON8(同期シリアル/AC97/I2S)

CON8 は同期シリアル、AC97CODEC、オーディオCODEC のデバイスを接続するためのコネクタですが、このコネクタを使用する場合の動作は保証されておりません。以下にピン配列を示します。

表5.8 CON8 信号配列

番号信号名I/O機能
1GNDPower電源(GND)
2ASDII表5-9を参照(CPU:ASDI)
3ARST*O表5-9を参照(CPU:ARST*)
4ASDOO表5-9を参照(CPU:ASDO)
5ASYNCO表5-9を参照(CPU:ASYNC)
6ABITCLKI表5-9を参照(CPU:BITCLK)
7+3.3VPower電源(+3.3V)[a]
8SSPRX1I表5-9を参照 (CPU:SSPRX1)
9SSPTX1O表5-9を参照 (CPU: SSPTX1)
10SFRM1O表5-9を参照 (CPU:SFRM1)
11SCLK1O表5-9を参照 (CPU:SCLK1)
12GNDPower電源(GND)

[a] 電圧精度±5%


CON8 のピンに割り当てられる機能は、EP9315 のレジスタ設定によって切り替えることができます。「Normal Mode」、「I2S on AC97 Mode」、「I2S on SSP Mode」の3 つモードがあり、0x8093 0080 番地の DeviceCfg Register の「bit6:I2S on AC97」、「bit7:I 2S on SSP」を書き換えることでモード変更をすることができます。

表5.9 各モードにおけるピンの機能

ピン名Normal ModeI2S on SSP ModeI2S on AC97 Mode
SSPRX1SPI Serial InputI2S Serial InputSPI Serial Input
SSPTX1SPI Serial OutputI2S Serial OutputSPI Serial Output
SFRM1SPI Frame ClockI2S Frame ClockSPI Frame Clock
SCLK1SPI Bit ClockI2S Serial ClockSPI Bit Clock
ASDIAC97 Serial InputAC97 Serial InputI2S Serial Input
ASDOAC97 Serial OutputAC97 Serial OutputI2S Serial Output
ASYNCAC97 Frame ClockAC97 Frame ClockI2S Frame Clock
ABITCLKAC97 Bit ClockAC97 Bit ClockI2S Serial Clock
ARST*AC97 ResetAC97 ResetI2S Master Clock

5.10. CON9(IDE インターフェース)

CON9 はIDE のデバイスを接続するための2mm ピッチ44 ピンコネクタです。2.5 インチのハードディスクドライブとストレートのフラットケーブルで接続することができます。転送モードはPIO モードの他 にATA33 に対応しています。以下にピン配列を示します。

表5.10 CON9信号配列

番号信号名I/O機能
1RESET*Oリセット信号
2GNDPower電源(GND)
3DD7I/Oデータバス(bit7)
4DD8I/Oデータバス(bit8)
5DD6I/Oデータバス(bit6)
6DD9I/Oデータバス(bit9)
7DD5I/Oデータバス(bit5)
8DD10I/Oデータバス(bit10)
9DD4I/Oデータバス(bit4)
10DD11I/Oデータバス(bit11)
11DD3I/Oデータバス(bit3)
12DD12I/Oデータバス(bit12)
13DD2I/Oデータバス(bit2)
14DD13I/Oデータバス(bit13)
15DD1I/Oデータバス(bit1)
16DD14I/Oデータバス(bit14)
17DD0I/Oデータバス(bit0)
18DD15I/Oデータバス(bit15)
19GNDPower電源(GND)
20NC-非サポート
21DMARQIDMAリクエスト
22GNDPower電源(GND)
23DIOW*OI/Oライト・イネーブル
24GNDPower電源(GND)
25DIOR*OI/Oリード・イネーブル
26GNDPower電源(GND)
27IORDYIIOレディ
28CSELOケーブルセレクト(GND)
29DMACK*ODMAアクノリッジ
30GNDPower電源(GND)
31INTRQI割り込みリクエスト
32NC-非サポート
33DA1Oアドレスバス(bit1)
34NC-非サポート
35DA0Oアドレスバス(bit0)
36DA2Oアドレスバス(bit2)
37CS0*Oチップセレクト0
38CS1*Oチップセレクト1
39DASP*Iデバイスアクセス
40GNDPower電源(GND)
41+5VPower電源(+5V)
42+5VPower電源(+5V)
43GNDPower電源(GND)
44NC-非サポート

5.11. CON10(コンパクトフラッシュ)

CON10 はコンパクトフラッシュ のインターフェースです。I/O モード、メモリモードに対応しており、ATA デ バイスやI/O カードを接続することができます。

  • 接続モード:I/O モード、メモリモード

  • 対応形状:Type I、Type II

  • 3.3V カード専用、活線挿抜(ホットプラグ)対応

表5.11 CON10 信号配列

番号信号名I/O機能
1GNDPower電源(GND)
2D3I/Oデータバス(bit3)
3D4I/Oデータバス(bit4)
4D5I/Oデータバス(bit5)
5D6I/Oデータバス(bit6)
6D7I/Oデータバス(bit7)
7CE1*Oカードイネーブル信号1
8A10Oアドレスバス(bit10)
9OE*Oデータアウトイネーブル
10A9Oアドレスバス(bit9)
11A8Oアドレスバス(bit8)
12A7Oアドレスバス(bit7)
13+3.3VPower電源(+3.3V)[a]
14A6Oアドレスバス(bit6)
15A5Oアドレスバス(bit5)
16A4Oアドレスバス(bit4)
17A3Oアドレスバス(bit3)
18A2Oアドレスバス(bit2)
19A1Oアドレスバス(bit1)
20A0Oアドレスバス(bit0)
21D0I/Oデータバス(bit0)
22D1I/Oデータバス(bit1)
23D2I/Oデータバス(bit2)
24IOCS16*II/O 16bit
25CD2*Iカード検出
26CD1*Iカード検出
27D11I/Oデータバス(bit11)
28D12I/Oデータバス(bit12)
29D13I/Oデータバス(bit13)
30D14I/Oデータバス(bit14)
31D15I/Oデータバス(bit15)
32CE2*Oカードイネーブル信号2
33VS1*  
34IORD*OI/Oリード・イネーブル
35IOWR*OI/Oライト・イネーブル
36WE*Oライトイネーブル
37IREQI割り込み要求
38+3.3VPower電源(+3.3V)[a]
39-- 
40VS2*  
41RESET*Oリセット
42WAIT*Iウエイト
43-- 
44REG*Oレジスタセレクト, I/Oイネーブル
45BVD2I 
46BVD1I 
47D8I/Oデータバス(bit8)
48D9I/Oデータバス(bit9)
49D10I/Oデータバス(bit10)
50GNDPower電源(GND)

[a] 電圧精度±5%


[ティップ]

Armadillo開発者サイトにて、動作確認済みコンパクトフラッシュを随時更新していますのでご確認ください。

5.12. CON11(LANコネクタ)

CON11は10BASE-T/100BASE-TXのLANインターフェースです。カテゴリ5以上のEthernetケーブルを接続することができます。通常はハブに対してストレートケーブルで接続しますが、クロスケーブルを使用して直接パソコン等の機器と接続することもできます。搭載しているPHYチップ(LXT97x)の割り込み出力信号(MDINT*)は未接続(開放)となっています。

表5.12 CON11信号配列

番号信号名I/O機能
1TX+O差動のツイストペア送信出力(+)
2TX-O差動のツイストペア送信出力(-)
3RX+I差動のツイストペア受信入力(+)
4-- 
5-- 
6RX-I差動のツイストペア受信入力(-)
7-- 
8-- 

5.13. CON12(VGAコネクタ)

CON12は汎用のディスプレイを接続する為のVGAコネクタ(ミニD-Sub15ピン)です。汎用のCRT、液晶ディスプレイを接続することができます。

表5.13 CON12信号配列

番号信号名I/O機能
1REDOアナログ 色信号(赤)
2GREENOアナログ 色信号(緑)
3BLUEOアナログ 色信号(青)
4-- 
5GNDPower信号接地(GND)
6GNDPower信号接地(GND)
7GNDPower信号接地(GND)
8GNDPower信号接地(GND)
9-- 
10GNDPower信号接地(GND)
11-- 
12-- 
13H_SYNCO水平同期信号
14V_SYNCO垂直同期信号
15-- 

表5.14 解像度と水平周波数

解像度色数水平周波数(垂直周波数)
640×4808/16bit31.5kHz(60Hz)
800×6008/16bit37.9kHz(60Hz)
1024×7688bit48.4kHz(60Hz)

5.14. CON13(電源入力コネクタ)

Armadillo-9に供給する電源接続コネクタです。Armadillo-9の動作に必要な最低限の電源は+5V-GNDです。+12VはPC/104の+12V供給ピンにそのまま接続されます。

表5.15 CON13信号配列

番号信号名I/O機能
1+5VPower

電源(+5V)入力

PC/104の+5V、 IDEの+5Vピンに供給されます

2GNDPower電源(GND)
3GNDPower電源(GND)
4+12VPower

電源(+12V)入力[a]

PC/104の+12Vピンに供給されます。

[a] Armadillo-9の動作には必要ありません。


5.15. CCON14(拡張電源入力)

Armadillo-9に供給する電源接続コネクタです。

表5.16 CON14信号配列

番号信号名I/O機能
1GNDPower電源(GND)
2BATPowerRTC(S-353xxA)バックアップ用電源入力[a]
3GNDPower電源(GND)
4EXTIRQI/O

JP3をショートしている場合:

 CPU(EP9315)の割込み入力信号(INT0)に接続

JP4をショートしている場合:

 RTC(S-353xxA)の割込み出力信号に接続

 (S-3531AはINT*、S-35380AまたはS-35390AではINT2*)

5GNDPower電源(GND)
6-5VPower

電源(-5V)入力[a]

PC/104の-5Vピンに供給

7GNDPower電源(GND)
8-12VPower

電源(-12V)入力[a]

PC/104の-12Vピンに供給

[a] Armadillo-9の動作には必要ありません。


5.16. J1, J2(PC/104準拠拡張バス)

J1, J2はPC/104準拠のバス配列を採用した拡張バスです[2]。64kBのI/Oエリアと16Mbyteのメモリエリアを持っています。しかしARMアーキテクチャはx86系CPUのようなI/Oエリア(I/O専用のアクセス)を持たないため、通常のメモリ空間にI/Oエリアを配置しています。

また、この拡張バスはPC/104 規格のサブセットです。通常のPC/104 バスとの主な違いは次の通りです。

  • ダイナミックバスサイジングを非サポート

  • DMA( DREQ / DACK )を非サポート

  • 外部マスタを非サポート

  • バスアクセスサイクルが固定

表5.17 J1信号配列(1)

ピン番号信号名I/O機能
A1IOCHCHK*(I)非サポート (未接続)[a]
A2D7I/Oデータバス(bit7)
A3D6I/Oデータバス(bit6)
A4D5I/Oデータバス(bit5)
A5D4I/Oデータバス(bit4)
A6D3I/Oデータバス(bit3)
A7D2I/Oデータバス(bit2)
A8D1I/Oデータバス(bit1)
A9D0I/Oデータバス(bit0)
A10IOCHRDY*I

低速デバイスに合わせてアクセスサイクル延長

(5Vプルアップ)[a]

A11AENOバス開放(GND)
A12A19Oアドレスバス(bit19)
A13A18Oアドレスバス(bit18)
A14A17Oアドレスバス(bit17)
A15A16Oアドレスバス(bit16)
A16A15Oアドレスバス(bit15)
A17A14Oアドレスバス(bit14)
A18A13Oアドレスバス(bit13)
A19A12Oアドレスバス(bit12)
A20A11Oアドレスバス(bit11)
A21A10Oアドレスバス(bit10)
A22A9Oアドレスバス(bit9)
A23A8Oアドレスバス(bit8)
A24A7Oアドレスバス(bit7)
A25A6Oアドレスバス(bit6)
A26A5Oアドレスバス(bit5)
A27A4Oアドレスバス(bit4)
A28A3Oアドレスバス(bit3)
A29A2Oアドレスバス(bit2)
A30A1Oアドレスバス(bit1)
A31A0Oアドレスバス(bit0)
A32GNDPower電源(GND)

[a] プルアップやプルダウンで論理を固定していたり、未接続であることを括弧内の表示で示しています。論理を固定している場合、すべてArmadillo-9の基板上に搭載された抵抗でおこなっています。


表5.18 J1信号配列(2)

ピン番号信号名I/O機能
B1GNDPower電源(GND)
B2RESET_DRVOリセット出力
B3+5VPower電源(+5V)
B4IRQ9I割り込みリクエスト9(5Vプルアップ)[a]
B5-5VPower電源(-5V)
B6DRQ2(I)非サポート(未接続)[a]
B7-12VPower電源(-12V)
B8ENDXFR*(I)非サポート(5Vプルアップ)[a]
B9+12VPower電源(+12V)
B10(KEY)-GND
B11SMEMW*Oメモリ・ライト・ストローブ
B12SMEMR*Oメモリ・リード・ストローブ
B13IOW*OI/Oライト・ストローブ
B14IOR*OI/Oリード・ストローブ
B15DACK3*(O)非サポート(3.3Vプルアップ)[a]
B16DRQ3(I)非サポート(未接続)[a]
B17DACK1*(O)非サポート(3.3Vプルアップ)[a]
B18DRQ1(I)非サポート(未接続)[a]
B19REFRESH*(O)非サポート(3.3Vプルアップ)[a]
B20SYSCLKO8.333MHz(CPUバスクロックの1/12)
B21IRQ7I割り込みリクエスト7(5Vプルアップ)[a]
B22IRQ6I割り込みリクエスト6(5Vプルアップ)[a]
B23IRQ5I割り込みリクエスト5(5Vプルアップ)[a]
B24IRQ4I割り込みリクエスト4(5Vプルアップ)[a]
B25IRQ3I割り込みリクエスト3(5Vプルアップ)[a]
B26DACK2*(O)非サポート(3.3Vプルアップ)[a]
B27T/C(O)非サポート(3.3Vプルアップ)[a]
B28BALEOアドレス・ラッチ・イネーブル
B29+5VPower電源(+5V)
B30OSC(O)非サポート(未接続)[a]
B31GNDPower電源(GND)
B32GNDPower電源(GND)

[a] プルアップやプルダウンで論理を固定していたり、未接続であることを括弧内の表示で示しています。論理を固定している場合、すべてArmadillo-9の基板上に搭載された抵抗でおこなっています。


表5.19 J2信号配列(1)

ピン番号信号名I/O機能
C0GNDPower電源(GND)
C1SBHE*O

バス・ハイ・イネーブル

(データバス上位8bit使用時にアクティブ)

C2A23Oアドレスバス(23bit)
C3A22Oアドレスバス(22bit)
C4A21Oアドレスバス(21bit)
C5A20Oアドレスバス(20bit)
C6A19Oアドレスバス(19bit)
C7A18Oアドレスバス(18bit)
C8A17Oアドレスバス(17bit)
C9MEMR*Oメモリ・リード・ストローブ
C10MEMW*Oメモリ・ライト・ストローブ
C11D8I/Oデータバス(bit8)
C12D9I/Oデータバス(bit9)
C13D10I/Oデータバス(bit10)
C14D11I/Oデータバス(bit11)
C15D12I/Oデータバス(bit12)
C16D13I/Oデータバス(bit13)
C17D14I/Oデータバス(bit14)
C18D15I/Oデータバス(bit15)
C19(KEY)-GND

表5.20 J2信号配列(2)

ピン番号信号名I/O機能
D0GNDPower電源(GND)
D1MEMCS16*(I)非サポート(5Vプルアップ)[a]
D2IOCS16*(I)非サポート(5Vプルアップ)[a]
D3IRQ10I割り込みリクエスト10(5Vプルアップ)[a]
D4IRQ11I割り込みリクエスト11(5Vプルアップ)[a]
D5IRQ12I割り込みリクエスト12(5Vプルアップ)[a]
D6IRQ15I割り込みリクエスト15(5Vプルアップ)[a]
D7IRQ14I割り込みリクエスト14(5Vプルアップ)[a]
D8DACK0*(O)非サポート(3.3Vプルアップ)[a]
D9DREQ0(I)非サポート
D10DACK5*(O)非サポート(3.3Vプルアップ)[a]
D11DREQ5(I)非サポート
D12DACK6*(O)非サポート(3.3Vプルアップ)[a]
D13DREQ6(I)非サポート
D14DACK7*(O)非サポート(3.3Vプルアップ)[a]
D15DREQ7(I)非サポート
D16+5VPower電源(+5V)
D17MASTER*(I)非サポート(5Vプルアップ)[a]
D18GNDPower電源(GND)
D19GNDPower電源(GND)

[a] プルアップやプルダウンで論理を固定していたり、未接続であることを括弧内の表示で示しています。論理を固定している場合、すべてArmadillo-9の基板上に搭載された抵抗でおこなっています。


5.16.1. PC/104拡張バスアクセス時の注意事項

Armadillo-9のPC/104拡張バスはダイナミックバスサイジング機能を備えていないため、PC/104のI/Oエリアまたはメモリエリアにアクセスする際には注意が必要です。Armadillo-9は1つのI/O実エリア(64kB)とメモリ実エリア(16MB)を持っています。I/O、メモリのそれぞれの実エリアには2つの仮想エリア(8bit,16bit)からアクセスすることができます。どちらの仮想エリアを使っても同じ実エリアをアクセスすることになります。

PC/104 バスのメモリ空間

図5.2 PC/104 バスのメモリ空間


それぞれの仮想エリアの使い分けは次のとおりです。

8bit仮想エリア
  • データバス(D7~D0)を使用して8bitアクセスをする

16bit 仮想エリア
  • データバス(D15~D8)を使用して奇数アドレス番地に8bitアクセスする

  • データバス(D7~D0)を使用して偶数アドレス番地に8bitアクセスする

  • データバス(D15~D0)を使用して16bitアクセスする

実エリアのアクセスには

  • 8(16)bit Base Address + 実エリアのoffset Address

でアクセスすることができます。

PC/104 バスへのアクセス方法

図5.3 PC/104 バスへのアクセス方法


5.16.2. アクセスタイミング

PC/104 拡張バスへのアクセスタイミングは次の通りです。16bit アクセスした場合も8bit アクセスした 場合もタイミングは同じです。

PC/104 バスアクセスタイミング

図5.4 PC/104 バスアクセスタイミング


5.17. LED (D4)

LED(D4)はIDE のアクセスランプです

LED(D4)の接続

図5.5 LED(D4)の接続


5.18. LED (D5, D6)

LED(D5,6)はLAN の状態を表しています。

表5.21 LED(D5,D6) の状態

部品番号名称点灯消灯
D5LINK LAN ケーブルが接続されており、10BASE-T または100BASE-TXのリンクが確立されている LAN ケーブルが接続されていないか、接続している相手の状態がActiveな状態ではない
D6LANデータ送受信時非データ送受信時

LED(D5,6)の接続

図5.6 LED(D5,6)の接続


5.19. LED (D14)

LED(D14)はArmadillo-9 の電源状態を表しています。

表5.22 LED(D14) の状態

部品番号名称点灯消灯
D14PowerArmadillo-9 の電源が入っているArmadillo-9 の電源が入っていない

LED(D14)の接続

図5.7 LED(D14)の接続


5.20. JP1, JP2

JP1,JP2 はArmadillo-9 の起動モードの設定を行います。

5.20.1. JP1(ブートROM の選択)

ブートする際に使用するデバイスを、「オンボードフラッシュメモリ」または「オンチップブートROM」から選択することができます。オンチップブートROMはシリアルインターフェース1からプログラムをダウンロードしてから実行し、オンボードフラッシュメモリを書き換えるとき等に使用します。オンチップブートROMの詳細については、「EP9315 User's Guide」をご参照ください。

5.20.2. JP2(ブートLinux の選択)

Linux カーネルが格納されているデバイスを選択することができます。ただしこのJP の設定はLinux を搭載しているときのみ有効です。

表5.23 ジャンパの設定と動作

JP1JP2ブートデバイスブートカーネル
OFFOFFオンボードフラッシュメモリオンボードフラッシュメモリのLinux カーネル
OFFONオンボードフラッシュメモリ
  1. IDE デバイスが搭載されている場合

    IDE デバイスのLinux カーネルがブート

  2. コンパクトフラッシュ が搭載されている場合

    コンパクトフラッシュ のLinuxカーネルがブート

  3. IDE デバイスもコンパクトフラッシュも搭載されていない場合

    ブートローダ「Hermit」がブート

  4. IDEデバイスにもコンパクトフラッシュにもLinuxカーネルを見つけられない場合

    ブートローダ「Hermit」がブート

ON-オンチップブートROMオンチップブートROM のプログラムがブート

ジャンパコネクタ

図5.8 ジャンパコネクタ


5.21. コネクタ/スイッチ型式

CON1~14、J1~2、SW1 の型式等を表5-24 に示します。

表5.24 コネクタ/スイッチ型式の一覧

部品番号メーカ型式備考
CON1ヒロセ電機HIF3F-10PA-2.54DS逆挿入防止形ボックス
CON2-2×5 (2.54mmピッチ)(非搭載)
CON3日本圧着端子UBA-4R-S14-2USBコネクタ(Type A)
CON4-2×5 (2.54mmピッチ)(非搭載)
CON5-2×2 (2.54mmピッチ)(非搭載)
CON6-2×7 (2.54mmピッチ)(非搭載)
CON7-1×6 (2.54mmピッチ)(非搭載)
CON8-1×12 (2.54mmピッチ)(非搭載)
CON9ヒロセ電機A3A-44PA-2SV44ピン(2.0mmピッチ)
CON10第一電子工業MCD-CEN750PC

コンパクトフラッシュコネクタ

(Type I, II)

CON11Full Rise ElectronicE5388-F00214RJ-45コネクタ
CON12日本圧着端子KSEY-15S-3B6L19-13ミニD-Sub15ピンコネクタ
CON13Tyco Electronics171826-44ピン(2.5mmピッチ)
CON14-1×8 (2.54mmピッチ)(非搭載)
J1AstronAT-ES1-64-12-2-GF

PC/104 J1スタックスルー

(非搭載)

J2AstronAT-ES1-20-12-1-GF(2個)

PC/104 J2スタックスルー

(非搭載)

SW1アルプス電気SKHHLMA010タクトスイッチ

5.22. LED型式(参考)

Armadillo-9に接続できるLEDの型式等の例を表5-25に示します。

表5.25 LED型式の例

部品番号メーカ型式備考
D4東芝TLR123等Red
D5, 6Dialight553-0112-200等Red / Green
D14東芝TLG123A等Green



[2] 各信号はTTLレベルです。(VOH:2.4V以上,VOL:0.4V以下,VIH:2V以上,VIL:0.8V以下)