第3章 作業の前に

3.1. 見取り図

Armadillo-500 FX 液晶モデルの見取り図です。各インターフェースの配置場所等を確認してください。

見取り図

図3.1 見取り図


3.2. 準備するもの

Armadilloを使用する前に、次のものを準備してください。

作業用PCとシリアルクロスケーブル

LinuxまたはWindowsが動作し、1ポート以上のシリアルインターフェースを持つPCとD-Sub9ピン(メス - メス)のクロス接続用ケーブルです。作業用PCにはDebian系Linux OSが動作する環境が必要です。

シリアル通信ソフトウェア[3]

Armadilloを制御するために使用します。作業用PCにインストールしてください。 (Linux用のソフトウェアは、付属CDのtoolディレクトリに収録されています)

3.3. ジャンパピンの設定について

Armadilloのジャンパピンは、表3.1「ジャンパピンの機能割り当て」のように機能が割り当てられています。

表3.1 ジャンパピンの機能割り当て

ジャンパ機能デフォルトソフトウェアでの使用状況
JP1USB OTGポートのID設定予約済み
JP2ユーザ設定未使用
JP3CPU起動モード設定-
JP4ユーザ設定ブートローダのモード設定に使用

3.3.1. CPU起動モード設定

JP3の設定により、CPU起動モードを切り替えることができます。起動モードには、オンボードフラッシュメモリブートモードとUARTブートモードがあります。

表3.2 CPU起動モード

JP3モード
オープンオンボードフラッシュメモリブート
ショートUARTブート

[ティップ]ジャンパのオープン、ショートとは

「オープン」とはジャンパピンにジャンパソケットを接続していない状態です。

「ショート」とはジャンパピンにジャンパソケットを接続している状態です。

3.3.2. オンボードフラッシュメモリブートモード

このモードでは、リセット時にオンボードフラッシュメモリ内のブートローダが最初に起動します。ブートローダは起動後JP4の設定によって、表3.3「オンボードフラッシュメモリブートモード」に示すモードへ移行します。

表3.3 オンボードフラッシュメモリブートモード

JP4モード説明
オープンオートブート電源投入後、Linuxカーネルを自動的に起動します。
ショート保守起動後、保守モードプロンプトが表示されます。

3.3.3. UARTブートモード

このモードでは、CPUのInternal ROM機能のUARTブートが使用できます。

有効にするには、ジャンパを表3.4「UARTブートモードジャンパ設定」のように設定してください。

表3.4 UARTブートモードジャンパ設定

ジャンパ設定
JP3ショート

UARTブート機能は、フラッシュメモリのブートローダが壊れた場合など、システム復旧のために使用します。詳しくは、「ブートローダーを出荷状態に戻す」を参照してください。

3.3.4. シリアル通信ソフトウェアの設定

シリアル通信ソフトウェアを起動し、シリアルの通信設定を、表3.5「シリアル通信設定」のように設定してください。

[警告]

Armadillo-240では、RS232Cレベル変換アダプターを経由させる必要があります。

表3.5 シリアル通信設定

項目設定
転送レート115,200bps
データ長8bit
ストップビット1bit
パリティなし
フロー制御なし

3.3.5. メモリマップ

デフォルトのフラッシュメモリのメモリマップを、表3.6「メモリマップ(フラッシュメモリ)」に示します。

表3.6 メモリマップ(フラッシュメモリ)

物理アドレスリージョン名サイズ説明

0xa0000000

0xa1ffffff

all32MBフラッシュメモリ全領域

0xa0000000

0xa001ffff

bootloader128KB

ブートローダ領域

loader-a5x0.bin」のイメージ

0xa0020000

0xa021ffff

kernel2MB

カーネル領域

linux.bin(.gz)」のイメージ

(非圧縮イメージ、gzip圧縮イメージに対応)

0xa0220000

0xa1fdffff

userland29.75MB

ユーザランド領域

romfs.img(.gz)」のイメージ

(非圧縮イメージ、gzip圧縮イメージに対応)

0xa1fe0000

0xa1ffffff

config128KB

コンフィグ領域

flatfsdが使用する領域




[3] Linuxでは「minicom」、Windowsでは「Tera Term Pro」などです。