第6章 Armadillo-400シリーズ WLANオプションモジュール(AWL13対応)

この章では、Armadillo-440にArmadillo-400シリーズ WLAN オプションモジュール(AWL13 対応)(以下、WLAN オプションモジュール(AWL13 対応))を接続しインフラストラクチャモード(STA)及びインフラストラクチャモード(AP)で使用する場合の、無線LAN の設定方法について説明します。

Armadillo-440 WLANモデル(AWL13対応)のソフトウェアは、システム起動時にArmadillo-WLANモジュール(AWL13)が適切に初期化されるように作り上げられています。通常AWL13を動作させようとすると、

  1. カーネルモジュール「awl13_sdio.ko」の組み込み

  2. AWL13へファームウェアをロード

  3. AWL13の無線設定

の3つの手順が必要となります。Armadillo-440 WLANモデル(AWL13対応)の標準イメージでは、1. 及び 2. を標準でサポートするため、無線設定のみを行うことで、無線LANが使用可能になります。

6.1. 使用するファームウェアの設定

AWL13にロードするファームウェアは、/etc/config/awl13.conf で設定します。

ファームウェアには、STAとAPの2種類あります。

AWL13をインフラストラクチャモード(STA)として使用する場合、またはアドホックモードで使用する場合は、 STAのファームウェアを、インフラストラクチャモード(AP)として使用する場合は、APのファームウェアをご利用ください。

標準イメージでは、STAのファームウェアがロードされるように設定されています。

[armadillo ~]# vi /etc/config/awl13.conf
AWL13_MODE=STA
#AWL13_MODE=AP

図6.1 STAのファームウェアをロードする設定


APのファームウェアをロードするには、以下に示すように /etc/config/awl13.confを編集します。

[armadillo ~]# vi /etc/config/awl13.conf
#AWL13_MODE=STA
AWL13_MODE=AP

図6.2 APのファームウェアをロードする設定


設定を「flatfsd -s 」コマンドで保存した後、Armadillo を再起動して下さい。 再起動後、設定したファームウェアが自動的にAWL13にロードされます。

6.2. 無線設定(インフラストラクチャモード(STA))

AWL13をインフラストラクチャモード(STA)として使用する場合の手順を示します。

ここでは、WPA2-PSK(AES)のアクセスポイントに接続する場合の設定例を示します。

まず、「使用するファームウェアの設定」の手順に従い、AWL13にインフラストラクチャモード(STA)のファームウェアをロードする設定に変更してください。 工場出荷状態では、STAのファームウェアがロードされる設定になっているため、本手順は不要です。

次に、図6.3「インフラストラクチャモード(STA)の設定手順」に示すように操作します。

[armadillo ~]# iwconfig awlan0 essid [ESSID]
[armadillo ~]# iwpriv awlan0 set_psk [パスフレーズ]
[armadillo ~]# iwpriv awlan0 set_cryptmode WPA2-AES
[armadillo ~]# iwconfig awlan0 mode managed

図6.3 インフラストラクチャモード(STA)の設定手順


[ティップ]

ESSIDとパスフレーズは、接続するアクセスポイントと同じ設定にしてください。無線設定の詳細については、Armadillo-WLAN(AWL13)ソフトウェアマニュアルを参照してください。

上記のようにコマンドを実行すると、無線設定が完了します。これで通常のネットワークインターフェースとして使用することができます。

6.3. 無線設定(インフラストラクチャモード(AP))

AWL13をインフラストラクチャモード(AP)として使用する場合の手順を示します。

ここでは、以下に示す無線パラメータでの設定例を示します。

項目設定値
ESSIDmyap
チャンネル1
PSKパスフレーズmypresharedkey
暗号化方式WPA2-PSK(AES)

まず、「使用するファームウェアの設定」の手順に従い、AWL13にインフラストラクチャモード(AP)のファームウェアをロードする設定に変更してください。

次に、図6.4「インフラストラクチャモード(AP)の設定手順」に示すように操作します。

[armadillo ~]# iwconfig awlan0 essid myap
[armadillo ~]# iwpriv awlan0 set_psk mypresharedkey
[armadillo ~]# iwpriv awlan0 set_cryptmode WPA2-AES
[armadillo ~]# iwconfig awlan0 channel 1
[armadillo ~]# iwconfig awlan0 mode master

図6.4 インフラストラクチャモード(AP)の設定手順


これで、AWL13をアクセスポイントとして使用することができます。

6.4. 無線設定を保存する

図6.3「インフラストラクチャモード(STA)の設定手順」図6.4「インフラストラクチャモード(AP)の設定手順」 のように設定しても Armadilloの電源をオフにすると設定内容は消えてしまいます。電源をオフにしても設定を保持するためには、/etc/config/interfacesに記述しておきます。

以下にインフラストラクチャモード(STA)の設定保存例を示します。

[armadillo ~]# vi /etc/config/interfaces
# /etc/network/interfaces -- configuration file for ifup(8), ifdown(8)

auto lo eth0
iface lo inet loopback
iface eth0 inet dhcp
iface awlan0 inet dhcp
	pre-up iwpriv awlan0 set_psk [パスフレーズ]
	pre-up iwpriv awlan0 set_cryptmode WPA2-AES
	pre-up iwconfig awlan0 essid [ESSID]
	wireless-mode managed

図6.5 /etc/config/interfacesの編集


上記のように設定すると、「ifup awlan0」とすることで無線設定が行われます。/etc/config/interfacesを編集後「flatfsd -s」を実行することで保存することができます。次回設定時は、同様に「ifup awlan0」とすれば設定が反映されます。

システムの起動時に自動的に無線LANインターフェースがアップされるようにするには、/etc/config/awl13-firmware-load.shの最後の行に「ifup awlan0」を追加しておきます。

[ティップ]

Armadillo-440 WLAN モデル(AWL13 対応)用のソフトウェアは、カーネルモジュールを自動的にロードする仕組みがサポートされています。 カーネル起動時にSDIOドライバがAWL13を検出すると、AWL13のカーネルモジュールは自動的にロードされます。

[ティップ]

AWL13を検出した場合に自動的にファームウェアがロードされる仕組みは、udevの機能を使用しています。/etc/udev/rules.d/z05_awl13.rulesに設定されているデバイス型とマッチした場合、/etc/config/awl13-firmware-load.shが実行されるようになっています。