この章では、Armadillo-400 シリーズのブートモードと、標準のブートローダーである「Hermit-At」の起動設定機能について説明します。
Armadillo-400 シリーズは、JP1の設定によってオンボードフラッシュメモリブートモードか、UARTブートモードを選択することができます。オンボードフラッシュメモリブートモードでは、フラッシュメモリのブートローダー領域に配置されたブートローダーが起動されます。UARTブートモードは、フラッシュメモリのブートローダーが壊れた場合など、システム復旧のために使用します。詳しくは、「Armadillo-400 シリーズソフトウェアマニュアル」の 「ブートローダーを出荷状態に戻す」を参照してください。
オンボードフラッシュメモリブートモードでは、フラッシュメモリのブートローダー領域に配置されたブートローダーが起動されます。
標準のブートローダーである Hermit-At では、JP2 の設定によって自動でカーネルをブートするオートブートモードか、各種設定を行うための保守モードを選択することができます。
各ブートモードは表8.1「ブートモード」のようになります。
表8.1 ブートモード
モード | JP2 | 説明 |
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オートブート | オープン | 電源投入後、自動的にLinuxカーネルを起動させます。 |
保守 | ショート | 各種設定が可能なHermit-Atコマンドプロンプトが起動します。 |
Linuxカーネル起動オプションを変更することで、コンソールや、ルートファイルシステム等の様々な種類の設定を変更することができます。ここでは、Armadilloに関係のある代表的なオプションについて説明します。
これらの設定は、Hermit-Atのsetenv機能を使用します。setenvで設定されたパラメータはフラッシュメモリに保存され再起動後にも設定が反映されます。
設定されたパラメータをクリアするには、clearenvを使用します。
起動ログの出力コンソールを変更するには、下記のようにconsoleパラメータにコンソール指定子を設定します。
設定によるログの出力先は、表8.2「コンソール指定に伴う出力先」のようになります。
表8.2 コンソール指定に伴う出力先
コンソール指定子 | 起動ログ出力先 | 保守モードプロンプト出力先[] |
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ttymxc1 | CON3(シリアルインターフェース1) | CON3(シリアルインターフェース1) |
ttymxc2 | CON9(シリアルインターフェース2) | CON9(シリアルインターフェース2) |
ttymxc4 | CON9(シリアルインターフェース3) | CON9(シリアルインターフェース3) |
null | なし | CON3(シリアルインターフェース1) |
その他(tty1等) | 指定するコンソール[] | CON3(シリアルインターフェース1) |
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setenvでカーネルのコンソールを指定すると、その設定はHermit-Atのコンソールにも反映されます。
例として、カーネルコンソールをttymxc2に指定した場合、次回起動時からはHermit-Atのコンソールもttymxc2に変更されます。
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Armadillo-400シリーズでは起動するイメージファイルを、オンボードフラッシュメモリの他にストレージやtftpサーバーに配置することができます。詳しくは、「Armadillo-400 シリーズ ソフトウェアマニュアル」の「カーネル/ユーザーランドの配置」を参照してください。
本書で紹介したオプション以外にも様々なオプションがあります。詳しくは、Linuxの解説書や、Linuxカーネルのソースコードに含まれるドキュメント(kernel-source/Documentation/kernel-parameters.txt
)を参照してください。