この章では、ネットワーク設定の変更方法や無線LANの設定方法について説明します。
Armadillo-300の/etc/config
ディレクトリ内にあるファイルを編集することで、起動時のネットワーク設定を変更することが可能です。変更した場合は、次のコマンドを実行して、変更内容を保存してください。
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ネットワークの設定に関して不明な点がありましたら、ネットワークの管理者へ相談してください。
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出荷時のネットワーク設定は、loインタフェースとeth0インタフェースが自動的に有効になります。eth0インタフェースは、DHCPに設定されているので、固定IPアドレスで使用される場合は以下の説明に従い変更してください。
ここでは、eth0デバイスを例にとって説明します。
表5.1「固定IPアドレス設定」に示す内容に設定変更してみます。viエディタで/etc/config/interfaces
を編集します。
表5.1 固定IPアドレス設定
項目 | 設定 |
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IPアドレス | 192.168.10.10 |
ネットマスク | 255.255.255.0 |
ネットワークアドレス | 192.168.10.0 |
ブロードキャストアドレス | 192.168.10.255 |
デフォルトゲートウェイ | 192.168.10.1 |
DNSサーバを指定する場合は、viエディタで/etc/config/resolv.conf
を編集します。
Armadillo-300に標準搭載している無線LANモジュールを利用できるように設定する手順を説明します。
通信モードには、表5.2「通信モードの種類」のような種類のものがあります。
表5.2 通信モードの種類
通信モード | 指定子 | 説明 |
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Managed | sta | アクセスポイントを介して通信します。 |
Master | ap | アクセスポイントになることができます。 |
Ad-Hoc | adhoc | アクセスポイントを介さずに通信することができます。 |
wlanconfigコマンドでath0インタフェースを通信モード指定して再作成します。指定子はwlanmode
に続けて入力します。
iwconfigコマンドで現在の通信モードを確認することができます。
iwconfigコマンドを使用して、接続するアクセスポイントのESS-IDを設定します。ここでは使用するアクセスポイントのESS-IDが「MYESSID」であると仮定します。
WEP-KEYを使用する場合、iwconfigコマンドを使用して設定します。お使いの無線LANネットワークでWEP-KEYを使用しない場合、この設定は行わないで下さい。ここでは使用するアクセスポイントのWEP-KEYが「00-01-02-03-04-05-06-07-08-09-10-11-12」であると仮定します。
無線モードには、表5.3「無線モード一覧」に示す種類があります。デフォルトの無線モードはautoに設定されています。
表5.3 無線モード一覧
無線モード | 指定子 | 説明 |
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自動 | auto | 無線モードを自動で設定します。 |
11a | 11a | 無線モードをIEEE 802.11aに設定します。 |
11b | 11b | 無線モードをIEEE 802.11bに設定します。 |
11b/g | 11g | 無線モードをIEEE 802.11b/gに設定します。 |
無線モードの設定を設定する場合、iwprivコマンドを使用して設定します。 指定子はmode
に続けて入力します。
iwprivコマンドで現在の無線モードを確認することができます。
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無線モードが変わっていないように見える場合、無線LANインターフェースath0がdownしている可能性があります。
ifconfig ath0 upを実行後、再度確認してください。
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無線モードをIEEE 802.11b/gに設定後、iwpriv ath0 pureg 1 と実行すると、IEEE 802.11gのみで動作させることができます。
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通信レートには、表5.4「通信レート一覧」に示す値を指定できます。デフォルトの通信レートはautoに設定されています。
表5.4 通信レート一覧
通信レート | 指定子 | 説明 |
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自動 | auto | 通信レートを自動で設定します。 |
固定 | xxM | 通信レートを固定に設定します。xxに設定できる文字列は1, 2, 5.5, 11, 6, 9, 12, 18, 24, 36, 48, 54です。 |
通信レートの設定を設定する場合、iwconfigコマンドを使用して設定します。指定子はrate
に続けて入力します。
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iwconfig ath0 rate xxM auto と設定すると、自動設定時の最大レートをxxM以下に抑える事ができます。
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iwconfigコマンドで現在の通信モードを確認することができます。
ここでは、ath0インタフェースをAd-Hocモードに設定し、通信可能な状態にするまでの一連の手順を説明します。本例では、ESS-IDを「myadhoc」、IPアドレスは192.168.10.100固定とします。
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Ad-Hocモードで通信を行うには、対向機器が必要です。対向機器についても同様の設定を行ってください。
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ここでは、ath0インタフェースをManagedモードに設定し、通信可能な状態にするまでの一連の手順を説明します。本例ではESS-IDを「myap」、無線モードをIEEE 802.11a、WEP-KEYを「00-01-02-03-04-05-06-07-08-09-10-11-12」、IPアドレスは192.168.10.100固定とします。
ここでは、WPAを使用して無線LANアクセスポイントに接続する手順を説明します。
WPAを使用して接続するためには、wpa_passphraseコマンドで設定ファイルを生成後、wpa_supplicantコマンドで認証プロセスを起動します。
本例では、以下の設定を想定しています。
表5.5 WPA接続パラメータ例
項目 | 設定 |
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IPアドレス | 192.168.10.100 |
ESSID | wpa-ap |
事前共有鍵 | 0123456789ABC |
設定ファイル名 | /etc/config/wpa_supplicant.conf |
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wpa_supplicantコマンドで指定する設定ファイル名(例では/etc/config/wpa_supplicant.conf)は、絶対パスで指定してください。
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無線LANアクセスポイントのSSIDステルス機能が有効になっている場合、/etc/config/wpa_supplicant.confの
2行目にscan_ssid=1を追記してください。
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正常に接続できているか確認するには、iwconfigコマンドを使用します。
接続できていれば、Access Pointに接続先アクセスポイントのMACアドレスが表示されます。
ここでは、無線LANの設定ファイルを作成する方法を説明します。
ファイルは、有線LANと同様に/etc/config/interfacesを使用します。
以下の例に従い、viエディタで/etc/config/interfaces
を編集してください。
WEPを使用してアクセスポイントに接続する場合の設定ファイル例を示します。
表5.6 WEP接続(Managed)パラメータ例
項目 | 設定 |
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IPアドレス | 192.168.10.100 |
ネットマスク | 255.255.255.0 |
ブロードキャストアドレス | 192.168.10.255 |
ESSID | wep-ap |
WEP-KEY | 00010203040506070809101112 |
WEPを使用してAd-Hoc接続する場合の設定ファイル例を示します。
表5.7 WEP接続(Ad-Hoc)パラメータ例
項目 | 設定 |
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IPアドレス | 192.168.10.100 |
ネットマスク | 255.255.255.0 |
ブロードキャストアドレス | 192.168.10.255 |
ESSID | wep-adhoc |
WEP-KEY | 未使用 |
WPA-PSKを使用してアクセスポイントに接続する場合の設定ファイル例を示します。
暗号化にはTKIPを使用します。
表5.8 WPA-PSK接続(TKIP)パラメータ例
項目 | 設定 |
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IPアドレス | 192.168.10.100 |
ネットマスク | 255.255.255.0 |
ブロードキャストアドレス | 192.168.10.255 |
ESSID | wpa-tkip-ap |
暗号化方式 | TKIP |
事前共有鍵 | 0123456789ABC |
WPA-PSKを使用してアクセスポイントに接続する場合の設定ファイル例を示します。
暗号化にはAESを使用します。
表5.9 WPA-PSK接続(AES)パラメータ例
項目 | 設定 |
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IPアドレス | 192.168.10.100 |
ネットマスク | 255.255.255.0 |
ブロードキャストアドレス | 192.168.10.255 |
ESSID | wpa-aes-ap |
暗号化方式 | AES |
事前共有鍵 | 0123456789ABC |
SSIDステルス機能 | 有効 |
ネットワーク設定を無効にする場合は、次のようにifdownコマンドの引数にインターフェース名を指定します。
インターフェース名一覧は、表5.10「インターフェース一覧」を参照してください。
表5.10 インターフェース一覧
インターフェース名 | 説明 |
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eth0 | 有線LANインターフェース |
ath0 | 無線LANインターフェース |
「IP設定を変更する」で行ったネットワーク設定を有効にする場合は、次のようにifupコマンドの引数にインターフェース名を指定します。
インターフェース名一覧は、表5.10「インターフェース一覧」を参照してください。
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ネットワーク設定を有効化する場合は、先に無効化された状態にしておいてください。
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