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本章では、Armadillo-X1の内蔵ストレージに書き込まれているイメージファイルを書き換える手順について説明します。
本章で使用する最新版のイメージファイルは、"Armadillo サイト"でダウンロードすることができます。新機能の追加や不具合の修正などが行われているため、最新バージョンを利用することを推奨します。
インストールディスクを使用すると、内蔵ストレージ上のすべてのイメージをまとめて書き換えることができます。
Armadillo がソフトウェアの問題により起動しなくなった場合の復旧方法としてもご使用頂けます。
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内蔵ストレージに保存されている、すべてのイメージファイルが上書きされるため、既に保存されているデータやアプリケーションなどは削除されます。
特定のイメージのみ書き換えたい場合には 「特定のイメージファイルだけを書き換える」 を参照してください。
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インストールディスクの作成には、SDカードに書き込むためのインストールディスクイメージが必要です。
表11.1 インストールディスク作成に使用するイメージファイル ファイル | ファイル名 |
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インストールディスクイメージ | install_disk_sd_[version] _x1.img |
11.1.1. インストールディスクイメージの作成
ここでは、インストールディスクイメージ作成ツールを使用し、インストールディスクイメージを作成する方法を示します。
インストールディスクイメージはATDEで作成します。インストールディスクイメージ作成ツールを、以下の手順に従い実行してください
必要なパッケージのインストール及び展開を行います。
ツールの使用方法を確認します。
詳細な使用方法はインストールディスクイメージ作成ツールのREADMEをご確認ください。
ツールで指定する引数と、インストールディスクイメージの作成に必要なファイルの対応を次に示します。
表11.2 イメージファイルと引数の対応 引数 | 説明 | ファイル名称 |
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BOARD | x1 を指定 | - | UBOOT | ブートローダーイメージ | u-boot-x1-[version] .bin | KERNEL | Linuxカーネルイメージ | uImage-x1-[version] | DTB | Device Tree Blob | armadillo_x1-[version] .dtb | USERLAND | Debian GNU/Linuxルートファイルシステム | debian-bookworm-armhf_ax1_[version] .tar.gz | RECOVERY | node-eye リカバリー用 Linux カーネルイメージ
[] | uImage.recovery | RECOVERY_DTB | node-eye リカバリー用 Device Tree Blob[] | armadillo_x1.dtb.recovery | RECOVERY_BOOTSCR | node-eye リカバリー用 U-Boot ブートスクリプト[] | boot.scr.recovery | BOOTSCR | U-Bootブートスクリプト (オプション) | boot.scr |
これらのファイルは、Armadillo サイトでダウンロードすることができるほか、10章ビルド手順でビルドしたファイルを使用することも可能です。
使用するイメージを指定し、インストールディスクイメージを作成します。
ツールの実行が終了すると、インストールディスクイメージが作成されていることを確認できます。
512 MB以上のSDカードを用意してください。
ATDE に SD カードを接続します。詳しくは「取り外し可能デバイスの使用」を参照してください。
SD カードがマウントされている場合、アンマウントします。
SD カードにインストールディスクイメージを書き込みます。
Armadilloの電源が切断されていることを確認します。接続されていた場合は、電源を切断してください。また、「CON9 RTCバックアップインターフェース」 にバッテリーが接続されている場合は、必ず取り外して下さい。
USBシリアル変換アダプタのスライドスイッチを確認します。スライドスイッチが図4.15「スライドスイッチの設定」の 1 側に設定されている事を確認してください。
インストールディスクを使用してSDブートを行います。インストールディスクを接続した、SDスロット拡張ボード接続し、「インターフェース仕様」を参照してSDスロット拡張ボードのSW1を「SD BOOT」に設定してください。
ユーザースイッチを押しながらArmadillo に電源を投入するとSDカードからブートローダーが起動し、次に示すログが表示されます。
ログが表示されたら、ユーザースイッチを離してください。
ユーザースイッチの位置については「Armadillo-X1の外観」を参照してください。
次のように"boot"コマンドを実行するとインストールが始まり、自動的にeMMCが書き換えられます。
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インストールの実行中は電源を切断しないでください。ボード情報が破損し、復旧できなくなる恐れがあります。
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以下のようにメッセージが表示されるとインストール完了です。電源を切断してください。
11.2. 特定のイメージファイルだけを書き換える
Armadillo-X1が起動した状態であれば、特定のイメージファイルだけを書き換えることができます。
イメージファイルと書き込み先の対応を次に示します。
表11.3 イメージファイルと書き込み先の対応 名称 | ファイル名 | ストレージ | デバイスファイル |
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ブートローダーイメージ | u-boot-x1-[version] .bin | eMMC(ブートパーティション), SPIフラッシュメモリ | /dev/mmcblk2boot0, >/dev/mtdblock0 | Linuxカーネルイメージ | uImage-x1-[version] | eMMC | /dev/mmcblk2p1 | Device Tree Blob | armadillo_x1-[version] .dtb | /dev/mmcblk2p1 | Debian GNU/Linuxルートファイルシステム | debian-bookworm-armhf_ax1_[version] .tar.gz | /dev/mmcblk2p2 |
ブートローダーイメージの書き換え方法を次に示します。
11.2.2. Linuxカーネルイメージの書き換え
Linuxカーネルイメージの書き換え方法を次に示します。
eMMC上のルートファイルシステムを書き換える手順を次に示します。
手順11.1 eMMC上のルートファイルシステムを書き換える
eMMCをルートファイルシステムとしている場合、マウントしているルートファイルシステム自体の書き換えはできません。このため、今回は例としてSD ブートディスクから起動し書き換えを行います。ブートディスクの作成方法やSDブートの実行方法ついては14章SDブートの活用を参照してください。
Debian GNU/Linuxルートファイルシステムアーカイブを準備しておきます。
ルートファイルシステムをeMMCの第2パーティションに再構築します。
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