ハードウェア仕様

目次

13.1. 電気的仕様
13.1.1. 絶対最大定格
13.1.2. 推奨動作条件
13.1.3. 電源出力仕様
13.1.4. 入出力インターフェースの電気的仕様
13.1.5. 電源回路の構成
13.1.6. 電源シーケンス
13.1.7. リセット回路の構成
13.1.8. リセットシーケンス
13.1.9. 外部からの電源制御
13.2. インターフェース仕様
13.2.1. CON1 (SDインターフェース)
13.2.2. CON2 (LANインターフェース2)
13.2.3. CON3 (LANインターフェース1)
13.2.4. CON4 (USBインターフェース)
13.2.5. CON5 (M.2インターフェース)
13.2.6. CON6 (USBコンソールインターフェース)
13.2.7. CON7 (JTAGインターフェース)
13.2.8. CON8 (HDMIインターフェース)
13.2.9. CON9 (LVDSインターフェース)
13.2.10. CON10 (MIPI-CSIインターフェース)
13.2.11. CON11、CON12 (拡張インターフェース)
13.2.12. CON13(RTCバックアップインターフェース)
13.2.13. CON14、CON15(電源入力インターフェース)
13.2.14. JP1(起動デバイス設定ジャンパ)
13.2.15. SW1(ユーザースイッチ)
13.2.16. LED3(ユーザーLED)
13.2.17. LED4(電源LED)
13.2.18. CON21 (3G/LTEアンテナインターフェース1)
13.2.19. CON22 (3G/LTEアンテナインターフェース2)
13.2.20. CON23 (nanoSIMインターフェース)
13.2.21. LED20(3G/LTEステータス確認用LED)
13.3. 形状図
13.3.1. 基板形状図
13.4. 設計情報
13.4.1. 信頼性試験データについて
13.4.2. 放射ノイズ
13.4.3. ESD/雷サージ
13.4.4. 放熱
13.4.5. 拡張ボードの設計
13.4.6. 回路設計
13.5. オプション品
13.5.1. オプションケース(金属製)
13.5.2. 3G/LTE用外付けアンテナ、アンテナケーブル
13.5.3. 無線LAN/BT用外付けアンテナ、アンテナケーブル

13.1. 電気的仕様

13.1.1. 絶対最大定格

表13.1 絶対最大定格

項目 記号 Min. Max. 単位 備考

電源電圧

VIN

-0.3

13.2

V

-

入出力電圧

VI,VO

(VDD_3V3, VDD_1V8, NVCC_SNVS_1V8)

-0.3

OVDD+0.3

V

OVDD=VDD_3V3, VDD_1V8, NVCC_SNVS_1V8

VI,VO(M2_3V3)

-0.5

4.6

V

-

VI,VO(VEXT_3V3)

-0.5

7.0

V

-

USBコンソール電源電圧

VBUS_CNSL

-0.3

5.8

V

-

RTCバックアップ電源電圧

RTC_BAT

-0.3

5.5

V

-

動作温度範囲(LANモデル)

Topr

-20

70

結露なきこと

動作温度範囲(LTEモデル)

Topr

-20

60

結露なきこと


[警告]

絶対最大定格は、あらゆる使用条件や試験状況において、瞬時でも超えてはならない値です。上記の値に対して余裕をもってご使用ください。

13.1.2. 推奨動作条件

表13.2 推奨動作条件

項目 記号 Min. Typ. Max. 単位 備考

電源電圧

VIN

10.8

12

13.2

V

-

USBコンソール電源電圧

VBUS_CNSL

3.0

-

5.25

V

-

RTCバックアップ電源電圧

RTC_BAT

2.4

3

3.6

V

Topr=+25℃

使用温度範囲(LANモデル)

Ta

-20

25

70

結露なきこと

使用温度範囲(LTEモデル)

Ta

-20

25

60

結露なきこと


13.1.3. 電源出力仕様

表13.3 電源出力仕様

項目 記号 Min. Typ. Max. 単位 備考

5V 電源

VDD_5V

USB1_VBUS

HDMI_5V

4.85

5

5.15

V

-

3.3V 電源

VDD_3V3

VDD_SD

VEXT_3V3

M2_3V3

3.135

3.3

3.465

V

-

1.8V 電源

VDD_1V8

NVCC_SNVS_1V8

1.71

1.8

1.89

V

-


13.1.4. 入出力インターフェースの電気的仕様

表13.4 拡張入出力ピンの電気的仕様(OVDD=VDD_3V3, VDD_1V8)

項目 記号 Min. Typ. Max. 単位 備考

ハイレベル出力電圧

VOH

(VDD_1V8)

0.8xOVDD

-

OVDD

V

IOH = 1.6/3.2/6.4/9.6mA

VOH

(VDD_3V3)

0.8xOVDD

-

OVDD

V

IOH = 2/4/8/12mA

ローレベル出力電圧

VOL

(VDD_1V8)

0

-

0.2xOVDD

V

IOL = 1.6/3.2/6.4/9.6mA

VOL

(VDD_3V3)

0

-

0.2xOVDD

V

IOL = 2/4/8/12mA

ハイレベル入力電圧

VIH

0.7×OVDD

-

OVDD+0.3

V

-

ローレベル入力電圧

VIL

-0.3

-

0.3×OVDD

V

-

Pull-up抵抗(VDD_1V8)

-

12

22

49

-

Pull-down抵抗(VDD_1V8)

-

13

23

48

-

Pull-up抵抗(VDD_3V3)

-

18

37

72

-

Pull-down抵抗(VDD_3V3)

-

24

43

87

-


表13.5 拡張入出力ピンの電気的仕様(OVDD=VEXT_3V3)

項目 記号 Min. Typ. Max. 単位 備考

ハイレベル出力電流

IOH

-

-

0.7

mA

-

ローレベル出力電流

IOL

-

-

1

mA

-

ハイレベル入力電圧

VIH

0.7×OVDD

-

OVDD+0.3

V

-

ローレベル入力電圧

VIL

-0.3

-

0.3×OVDD

V

-


13.1.5. 電源回路の構成

Armadillo-IoT ゲートウェイ G4の電源回路の構成は図13.1「電源回路の構成」のとおりです。

images/block-power.svg

図13.1 電源回路の構成


入力電圧(VIN)を電源ICで各電圧に変換し、内部回路および各インターフェースに供給しています。 各インターフェースやスイッチング・レギュレータの最大出力電流値を超えないように、 外部機器の接続、供給電源の設計を行なってください。

外部インターフェースへの電源はGPIOによりオンオフ制御できるようになっており、 不要な場合はオフすることで、省電力化が可能です。

13.1.6. 電源シーケンス

電源シーケンスは図13.2「電源シーケンス」のとおりです。

images/power-sequence.svg

図13.2 電源シーケンス


13.1.6.1. 電源オン時

Armadillo-IoT ゲートウェイ G4に電源(VIN)を投入すると、VDD_5V、NVCC_SNVS_1V8の順で電源が立ち上がり、 i.MX 8M PlusからパワーマネジメントICにPMIC_ON_REQ信号が出力されます。 パワーマネジメントICはPMIC_ON_REQ信号のアサートを検知後、電源オンシーケンスを開始し、 VDD_SOC、VDD_ARM、VDDA_1V8、VDD_1V8、NVCC_DRAM_1V1、VDD_3V3、NVCC_SD2の順に電源を立ち上げます。 POR_B信号が解除されると、ソフトウェアにより、 VEXT_3V3を任意のタイミングで立ち上げることが可能です。

13.1.6.2. 電源オフ時

poweroffコマンドにより、POR_B信号がアサートされると、 パワーマネジメントICは電源オフシーケンスを開始し、 電源オンシーケンスとは逆の順番で電源を立ち下げます。 Armadillo-IoT ゲートウェイ G4の電源(VIN)を切断すると、VDD_5V、NVCC_1V8の順で電源が立ち下がります。

13.1.7. リセット回路の構成

Armadillo-IoT ゲートウェイ G4のリセット回路の構成は図13.3「リセット回路の構成」のとおりです。

images/block-reset.svg

図13.3 リセット回路の構成


13.1.8. リセットシーケンス

リセットシーケンスは図13.4「リセットシーケンス」のとおりです。

images/reset-sequence.svg

図13.4 リセットシーケンス


Armadillo-IoT ゲートウェイ G4のハードウェアリセットには、 I2Cによるリセット[16]、 ウォッチドックタイマーによるリセット、 JTAGインターフェースのPMIC_RST_B信号(CON7 2ピン)によるリセットの3つがあります。

パワーマネジメントICが、ハードウェアリセットを検知すると、 POR_B信号をアサートして電源オフシーケンスを開始し、 VIN、VDD_5V、NVCC_SNVS_1V8以外の電源を切断します。 I2Cによるリセット、ウォッチドックタイマーによるリセットの場合、 電源オフシーケンスが終わった250ms後に電源オンシーケンスを開始し、電源が再投入されます。 PMIC_RST_B信号によるリセットの場合、PMIC_RST_B信号がディアサートされた250ms後に 電源オンシーケンスを開始し、電源が再投入されます。 PMIC_RST_B信号によりリセットするためには、50ミリ秒以上、 Lowレベルを保持する必要があります。

13.1.9. 外部からの電源制御

13.1.9.1. ONOFFピンからの電源制御

拡張インターフェースのONOFF信号(CON12 5ピン)およびリアルタイムクロックの割り込み信号は、 i.MX 8M PlusのONOFFピンに接続されています。

images/block-onoff.svg

図13.5 ONOFF回路の構成


ONOFF信号を一定時間以上、Lowレベルとすることで、 i.MX 8M Plusのオン状態、オフ状態を切り替えることができます。 オン状態になると、PMIC_ON_REQ信号がアサートされ、 ソフトウェアからの制御で電源切断しているものを除いて、すべての電源が供給されます。 オフ状態になると、PMIC_ON_REQ信号がディアサートされ、 VIN、VDD_5V、NVCC_SNVS_1V8以外の電源が切断されます。 オン状態からオフ状態に切り替える場合は5秒以上、 オフ状態からオン状態に切り替える場合は500ミリ秒以上、Lowレベルを保持する必要があります。

表13.6 オン状態、オフ状態を切り替えする際のLowレベル保持時間

状態 Lowレベル保持時間

オン状態からオフ状態

5秒以上

オフ状態からオン状態

500ミリ秒以上


ONOFF信号を制御する場合は、オープンドレイン出力等でGNDとショートする回路を接続してください。 オン状態およびオフ状態は、NVCC_SNVS_1V8が供給されている限り、保持されます。

[警告]

オフ状態にしてArmadillo-IoT ゲートウェイ G4の電源(VIN)を切断した場合、 コンデンサに蓄えられた電荷が抜けるまではオフ状態であることが保持されます。 オフ状態を保持した状態で電源を投入したくない場合は、一定時間以上空けて電源を投入する必要があります。 開発セット付属のACアダプタの場合に必要な時間は以下のとおりです。

  • DCプラグ側で電源を切断した場合 : 約5秒
  • ACプラグ側で電源を切断した場合 : 約1分

13.2. インターフェース仕様

Armadillo-IoT ゲートウェイ G4のインターフェース仕様について説明します。 LTEモデルで追加となるインターフェースに関しては、図13.7「Armadillo-IoT ゲートウェイ G4 インターフェース LTEモデル追加分」表13.8「Armadillo-IoT ゲートウェイ G4 インターフェース一覧 LTEモデル追加分」を 参照してください。

images/g4-interface-details-wlan.svg

図13.6 Armadillo-IoT ゲートウェイ G4のインターフェース


表13.7 Armadillo-IoT ゲートウェイ G4 インターフェース一覧

部品番号 インターフェース名 型番 メーカー

CON1

SDインターフェース

DM3BT-DSF-PEJS

HIROSE ELECTRIC

CON2

LANインターフェース2

56F-1304DYDZ2NL

YUAN DEAN SCIENTIFIC

CON3

LANインターフェース1

56F-1304DYDZ2NL

YUAN DEAN SCIENTIFIC

CON4

USBインターフェース

GSB3111311HR

Amphenol ICC

CON5

M.2インターフェース

SM3ZS067U410AER1000

Japan Aviation Electronics Industry

CON6

USBコンソールインターフェース

UB-MC5BR3-SD204-4S-1-TB NMP

J.S.T.Mfg.

CON7

JTAGインターフェース

A2-8PA-2.54DSA(71)

HIROSE ELECTRIC

CON8

HDMIインターフェース

DC3RX19JA2R1700

Japan Aviation Electronics Industry

CON9

LVDSインターフェース

FX15S-31S-0.5SH

HIROSE ELECTRIC

CON10

MIPI-CSIインターフェース

1-1734248-5

TE Connectivity

CON11

拡張インターフェース1

61303421121

Wurth Elektronik

CON12

拡張インターフェース2

61301621121

Wurth Elektronik

CON13

RTCバックアップインターフェース

BU2032SM-FH-GTR

Memory Protection Devices

CON14

電源入力インターフェース1

PJ-102AH

CUI

CON15

電源入力インターフェース2

S02B-PASK-2(LF)(SN)

J.S.T.Mfg.

JP1

起動デバイス設定ジャンパ

61300211121

Wurth Elektronik

SW1

ユーザースイッチ

SKHHLUA010

ALPS ELECTRIC

LED3

ユーザーLED

L-710A8CB/1GD

Kingbright Electronic

LED4

電源LED

SML-D12M8WT86

ROHM

SP1

M.2用スタッド

SM3ZS067U410-NUT1-R1200

Japan Aviation Electronics Industry


[警告]

表13.7「Armadillo-IoT ゲートウェイ G4 インターフェース一覧」には部品の実装、未実装を問わず、搭載可能な代表型番を記載しています。 お手元の製品に搭載されている実際の部品情報につきましては、 「アットマークテクノ Armadilloサイト」 からダウンロードできる納入仕様書および変更履歴表をご確認ください。

images/g4-lte-interface-details.svg

図13.7 Armadillo-IoT ゲートウェイ G4 インターフェース LTEモデル追加分


表13.8 Armadillo-IoT ゲートウェイ G4 インターフェース一覧 LTEモデル追加分

部品番号 インターフェース名 型番 メーカー

CON21

3G/LTEアンテナインターフェース1

U.FL-R-SMT-1

HIROSE ELECTRIC

CON22

3G/LTEアンテナインターフェース2

U.FL-R-SMT-1

HIROSE ELECTRIC

CON23

nanoSIMインターフェース

SF72S006VBDR2500

Japan Aviation Electronics Industry

LED20

3G/LTEステータス確認用LED

L-1384AD/1GD

Kingbright Electronic


[警告]

表13.8「Armadillo-IoT ゲートウェイ G4 インターフェース一覧 LTEモデル追加分」には部品の実装、未実装を問わず、搭載可能な代表型番を記載しています。 お手元の製品に搭載されている実際の部品情報につきましては、 「アットマークテクノ Armadilloサイト」 からダウンロードできる納入仕様書および変更履歴表をご確認ください。

13.2.1. CON1 (SDインターフェース)

CON1はUHS-Iに対応したSDインターフェースです。 信号線はi.MX 8M PlusのSDホストコントローラ(uSDHC2)に接続されています。

表13.9 CON1 信号配列

ピン番号 ピン名 I/O 説明

1

SD_DAT2

In/Out

SDデータバス(bit2)、i.MX 8M PlusのSD2_DATA2ピンに接続

2

SD_DAT3

In/Out

SDデータバス(bit3)、i.MX 8M PlusのSD2_DATA3ピンに接続

3

SD_CMD

In/Out

SDコマンド/レスポンス、i.MX 8M PlusのSD2_CMDピンに接続

4

VDD_SD

Power

電源(VDD_SD)

5

SD_CLK

Out

SDクロック、i.MX 8M PlusのSD2_CLKピンに接続

6

GND

Power

電源(GND)

7

SD_DAT0

In/Out

SDデータバス(bit0)、i.MX 8M PlusのSD2_DATA0ピンに接続

8

SD_DAT1

In/Out

SDデータバス(bit1)、i.MX 8M PlusのSD2_DATA1ピンに接続

-

SD_CD

In

SDカード検出、i.MX 8M PlusのSD2_CD_Bピンに接続

(Low: カード挿入、High: カード未挿入)


[警告]

microSDカードを挿入すると、スロット内部の端子が飛び出します。 引っかける等で破損する可能性がございますので、取り扱いにはご注意ください。

images/con1-microsd-pin-warning.png

図13.8 CON1 microSDスロット 取り扱い上の注意事項


13.2.2. CON2 (LANインターフェース2)

CON2は100BASE-TX/1000BASE-Tに対応したLANインターフェースです。 カテゴリ5e以上のイーサネットケーブルを接続することができます。 AUTO-MDIX機能を搭載しており、ストレートケーブルまたはクロスケーブルを自動認識して送受信端子を切り替えます。

信号線はEthenet PHY(KSZ9131RNXI-TR/Microchip Technology)を経由して i.MX 8M PlusのEthernet Quality Of Service(ENET_QOS)に接続されています。

[警告]

CON2 (LANインターフェース2)は10BASE-Tに対応していません。

表13.10 CON2 信号配列 (10BASE-T/100BASE-TX)

ピン番号 ピン名 I/O 説明

1

LAN2_TX+

In/Out

送信データ(+)

2

LAN2_TX-

In/Out

送信データ(-)

3

LAN2_RX+

In/Out

受信データ(+)

4

-

-

-

5

-

-

-

6

LAN2_RX-

In/Out

受信データ(-)

7

-

-

-

8

-

-

-


表13.11 CON2 信号配列 (1000BASE-T)

ピン番号 ピン名 I/O 説明

1

LAN2_TRD0+

In/Out

送受信データ0(+)

2

LAN2_TRD0-

In/Out

送受信データ0(-)

3

LAN2_TRD1+

In/Out

送受信データ1(+)

4

LAN2_TRD2+

In/Out

送受信データ2(+)

5

LAN2_TRD2-

In/Out

送受信データ2(-)

6

LAN2_TRD1-

In/Out

送受信データ1(-)

7

LAN2_TRD3+

In/Out

送受信データ3(+)

8

LAN2_TRD3-

In/Out

送受信データ3(-)


表13.12 CON2 LAN LEDの動作

名称 状態 説明

LANリンクアクティビティLED

消灯

リンクが確立されていない

点灯(黄)

リンクが確立されている

点滅(黄)

リンクが確立されており、データを送受信している

LANスピードLED

消灯

リンクが確立されていない

点灯(緑)

100Mbpsで接続されている

点灯(橙)

1000Mbpsで接続されている


images/con2-lan-led.svg

図13.9 CON2 LAN LED配置


13.2.3. CON3 (LANインターフェース1)

CON3は10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-Tに対応したLANインターフェースです。 カテゴリ5e以上のイーサネットケーブルを接続することができます。 AUTO-MDIX機能を搭載しており、ストレートケーブルまたはクロスケーブルを自動認識して送受信端子を切り替えます。

信号線はEthenet PHY(KSZ9131RNXI-TR/Microchip Technology)を経由して i.MX 8M PlusのEthernet MAC(ENET)に接続されています。

表13.13 CON3 信号配列 (10BASE-T/100BASE-TX)

ピン番号 ピン名 I/O 説明

1

LAN1_TX+

In/Out

送信データ(+)

2

LAN1_TX-

In/Out

送信データ(-)

3

LAN1_RX+

In/Out

受信データ(+)

4

-

-

-

5

-

-

-

6

LAN1_RX-

In/Out

受信データ(-)

7

-

-

-

8

-

-

-


表13.14 CON3 信号配列 (1000BASE-T)

ピン番号 ピン名 I/O 説明

1

LAN1_TRD0+

In/Out

送受信データ0(+)

2

LAN1_TRD0-

In/Out

送受信データ0(-)

3

LAN1_TRD1+

In/Out

送受信データ1(+)

4

LAN1_TRD2+

In/Out

送受信データ2(+)

5

LAN1_TRD2-

In/Out

送受信データ2(-)

6

LAN1_TRD1-

In/Out

送受信データ1(-)

7

LAN1_TRD3+

In/Out

送受信データ3(+)

8

LAN1_TRD3-

In/Out

送受信データ3(-)


表13.15 CON3 LAN LEDの動作

名称 状態 説明

LANリンクアクティビティLED

消灯

リンクが確立されていない

点灯(黄)

リンクが確立されている

点滅(黄)

リンクが確立されており、データを送受信している

LANスピードLED

消灯

10Mbpsで接続されている、またはリンクが確立されていない

点灯(緑)

100Mbpsで接続されている

点灯(橙)

1000Mbpsで接続されている


images/con3-lan-led.svg

図13.10 CON3 LAN LED配置


13.2.4. CON4 (USBインターフェース)

CON4はUSB 3.0に対応したUSBインターフェースです。 信号線はi.MX 8M PlusのUSBコントローラ(USB1)に接続されています。

USBデバイスに供給される電源(USB1_VBUS)は、i.MX 8M PlusのGPIO1_IO09ピンで制御しており、 Highレベル出力で電源が供給され、Lowレベル出力で電源が切断されます。

  • データ転送モード

    • Super Speed(5Gbps)
    • High Speed(480Mbps)
    • Full Speed(12Mbps)
    • Low Speed(1.5Mbps)

表13.16 CON4 信号配列

ピン番号 ピン名 I/O 説明

1

USB1_VBUS

Power

電源(USB1_VBUS)

2

USB1_D-

In/Out

USB 2.0 データ(-)、i.MX 8M PlusのUSB1_D_Nピンに接続

3

USB1_D+

In/Out

USB 2.0 データ(+)、i.MX 8M PlusのUSB1_D_Pピンに接続

4

GND

Power

電源(GND)

5

USB1_SSRX-

In

USB 3.0 受信データ(-)、i.MX 8M PlusのUSB1_RX_Nピンに接続

6

USB1_SSRX+

In

USB 3.0 受信データ(+)、i.MX 8M PlusのUSB1_RX_Pピンに接続

7

GND

Power

電源(GND)

8

USB1_SSTX-

Out

USB 3.0 送信データ(-)、i.MX 8M PlusのUSB1_TX_Nピンに接続

9

USB1_SSTX+

Out

USB 3.0 送信データ(+)、i.MX 8M PlusのUSB1_TX_Pピンに接続


13.2.5. CON5 (M.2インターフェース)

CON5はWLAN+BTコンボモジュール用のM.2インターフェースです。極性キーはEタイプです。

M.2インターフェースに供給される電源(M2_3V3)は、 i.MX 8M PlusのSAI1_RXCピン(GPIO4_IO01)で制御しており、 Highレベル出力で電源が供給され、Lowレベル出力で電源が切断されます。

CON5の信号配列につきましては、公開していません。

LTE+WLANモデル、WLANモデルの場合は、WLAN+BTコンボモジュールが接続されます。 WLAN+BTコンボモジュールには、アンテナケーブル接続用のレセプタクルが搭載されています。 MHF4のプラグを接続可能で、各レセプタクルの用途は以下のとおりです。

images/aw-xm458_receptacle.svg

図13.11 WLAN+BTコンボモジュール アンテナケーブル接続用レセプタクルの配置


表13.17 WLAN+BTコンボモジュール アンテナケーブル用レセプタクルの用途

インターフェース名 用途

CH1

無線LAN用(Main)

CH2

無線LAN用(Aux)

CH3

BT用


13.2.6. CON6 (USBコンソールインターフェース)

CON6はUSBコンソール用インターフェースです。

信号線はUSBシリアル変換IC(CP2102N/Silicon Labs)経由でi.MX 8M PlusのUARTコントローラ(UART2)に 接続されています。

表13.18 CON6 信号配列

ピン番号 ピン名 I/O 説明

1

VBUS_CNSL

Power

電源(VBUS_CNSL)

2

CNSL_USB_D-

In/Out

コンソール用USBのマイナス側信号、USBシリアル変換ICに接続

3

CNSL_USB_D+

In/Out

コンソール用USBのプラス側信号、USBシリアル変換ICに接続

4

CNSL_USB_ID

-

未接続

5

GND

Power

電源(GND)


13.2.7. CON7 (JTAGインターフェース)

CON7はJTAGデバッガを接続することのできるJTAGインターフェースです。

[ティップ]

JTAGの詳細につきましては、NXP Semiconductorsのホームページからダウンロード可能な 『i.MX 8M Plus Applications Processor Reference Manual』をご参照ください。

表13.19 CON7 信号配列

ピン番号 ピン名 I/O 説明 電圧グループ

1

VDD_1V8

Power

電源(VDD_1V8)

-

2

PMIC_RST_B

In

PMICリセット信号[a]、PMICのPMIC_RST_Bピンに接続、PMIC内部でプルアップ(NVCC_SNVS_1V8)

NVCC_SNVS_1V8

3

JTAG_TDI

In

テストデータ入力、i.MX 8M PlusのJTAG_TDIピンに接続、i.MX 8M Plus内部でプルアップ(VDD_1V8)

VDD_1V8

4

JTAG_TMS

In

テストモード選択、i.MX 8M PlusのJTAG_TMSピンに接続、i.MX 8M Plus内部でプルアップ(VDD_1V8)

VDD_1V8

5

JTAG_TCK

In

テストクロック、i.MX 8M PlusのJTAG_TCKピンに接続、i.MX 8M Plus内部でプルアップ(VDD_1V8V)

VDD_1V8

6

JTAG_TDO

Out

テストデータ出力、i.MX 8M PlusのJTAG_TDOピンに接続

VDD_1V8

7

GND

Power

電源(GND)

-

8

JTAG_MOD

In

モード設定、i.MX 8M PlusのJTAG_MODピンに接続、基板上で10kΩプルダウン

VDD_1V8

[a] PMICリセット信号の詳細につきましては、「リセットシーケンス」をご確認ください。


13.2.8. CON8 (HDMIインターフェース)

CON8はHDMI出力インターフェースです。

信号線はi.MX 8M PlusのHDMI TXコントローラに接続されています。

表13.20 CON7 信号配列

ピン番号 ピン名 I/O 説明

1

HDMI_HPD

In

ホットプラグ検出、HEAC(-)、i.MX 8M PlusのEARC_N_HPDピン、HDMI_HPDピンに接続

2

HDMI_Utility

In/Out

Utility、HEAC(+)、i.MX 8M PlusのEARC_P_UTILピンに接続

3

HDMI_TX2+

Out

TMDSデータ2(+)、i.MX 8M PlusのHDMI_TX2_Pピンに接続

4

HDMI_TX2_Shield

-

TMDSデータ2シールド

5

HDMI_TX2-

Out

TMDSデータ2(-)、i.MX 8M PlusのHDMI_TX2_Nピンに接続

6

HDMI_TX1+

Out

TMDSデータ1(+)、i.MX 8M PlusのHDMI_TX1_Pピンに接続

7

HDMI_TX1_Shield

-

TMDSデータ1シールド

8

HDMI_TX1-

Out

TMDSデータ1(-)、i.MX 8M PlusのHDMI_TX1_Nピンに接続

9

HDMI_TX0+

Out

TMDSデータ0(+)、i.MX 8M PlusのHDMI_TX0_Pピンに接続

10

HDMI_TX0_Shield

-

TMDSデータ0シールド

11

HDMI_TX0-

Out

TMDSデータ0(-)、i.MX 8M PlusのHDMI_TX0_Nピンに接続

12

HDMI_TXC+

Out

TMDSクロック(+)、i.MX 8M PlusのHDMI_TXC_Pピンに接続

13

HDMI_TXC_Shield

-

TMDSクロックシールド

14

HDMI_TXC-

Out

TMDSクロック(-)、i.MX 8M PlusのHDMI_TXC_Nピンに接続

15

HDMI_CEC

In/Out

CEC信号、i.MX 8M PlusのHDMI_CECピンに接続

16

HDMI_GND

Power

電源(GND)

17

HDMI_SCL

In/Out

DDCクロック、i.MX 8M PlusのHDMI_DDC_SCLピンに接続

18

HDMI_SDA

In/Out

DDCデータ、i.MX 8M PlusのHDMI_DDC_SDAピンに接続

19

5V_HDMI

Power

電源(5V_HDMI)


13.2.9. CON9 (LVDSインターフェース)

CON9は1チャンネル(4レーン)のLVDS出力インターフェースです。

信号線はi.MX 8M PlusのLVDS Display Bridge(LDB)に接続されています。

[警告]

CON11の5、7ピンとCON9の7、8ピンは同じI2Cバス(I2C4)に接続されています。

表13.21 CON9 搭載コネクタと対向コネクタ例

名称 型番 メーカー 備考

搭載コネクタ

FX15S-31S-0.5SH

HIROSE ELECTRIC

許容電流 0.5A(端子1本あたり)

対向コネクタ

FX15S-31P-C

HIROSE ELECTRIC

シェル付きシールド強化タイプ(AWG30~AWG32対応)

FX15SW-31P-C

HIROSE ELECTRIC

シェル付きシールド強化タイプ(AWG28~AWG30対応)

コンタクト

FX15-3032PCFB

HIROSE ELECTRIC

適用電線AWG30~AWG32

FX15-2830PCFB

HIROSE ELECTRIC

適用電線AWG28~AWG30


[ティップ]

接触不良や断線を防ぐため、コンタクトは汎用工具ではなく専用工具で圧着することをお勧めします。 コンタクトとコネクタの選定前に、工具をご確認ください。

表13.22 CON9 信号配列

ピン番号 ピン名 I/O 説明 電圧グループ

1

GND

Power

電源(GND)

-

2

VIN

Power

電源(VIN)

-

3

VIN

Power

電源(VIN)

-

4

VIN

Power

電源(VIN)

-

5

VIN

Power

電源(VIN)

-

6

GND

Power

電源(GND)

-

7

I2C4_SCL

In/Out

I2Cクロック、i.MX 8M PlusのI2C4_SCLピン、CON11 5ピンに接続、 基板上で4.7kプルアップ(VDD_1V8)

VDD_1V8

8

I2C4_SDA

In/Out

I2Cデータ、i.MX 8M PlusのI2C4_SDAピン、CON11 7ピンに接続、 基板上で4.7kプルアップ(VDD_1V8)

VDD_1V8

9

GND

Power

電源(GND)

-

10

LVDS0_TX0N

Out

LVDSデータ0(-)、i.MX 8M PlusのLVDS0_D0_Nピンに接続

-

11

LVDS0_TX0P

Out

LVDSデータ0(+)、i.MX 8M PlusのLVDS0_D0_Pピンに接続

-

12

GND

Power

電源(GND)

-

13

LVDS0_TX1N

Out

LVDSデータ1(-)、i.MX 8M PlusのLVDS0_D1_Nピンに接続

-

14

LVDS0_TX1P

Out

LVDSデータ1(+)、i.MX 8M PlusのLVDS0_D1_Pピンに接続

-

15

GND

Power

電源(GND)

-

16

LVDS0_CLKN

Out

LVDSクロック(-)、i.MX 8M PlusのLVDS0_CLK_Nピンに接続

-

17

LVDS0_CLKP

Out

LVDSクロック(+)、i.MX 8M PlusのLVDS0_CLK_Pピンに接続

-

18

GND

Power

電源(GND)

-

19

LVDS0_TX2N

Out

LVDSデータ2(-)、i.MX 8M PlusのLVDS0_D2_Nピンに接続

-

20

LVDS0_TX2P

Out

LVDSデータ2(+)、i.MX 8M PlusのLVDS0_D2_Pピンに接続

-

21

GND

Power

電源(GND)

-

22

LVDS0_TX3N

Out

LVDSデータ3(-)、i.MX 8M PlusのLVDS0_D3_Nピンに接続

-

23

LVDS0_TX3P

Out

LVDSデータ3(+)、i.MX 8M PlusのLVDS0_D3_Pピンに接続

-

24

GND

Power

電源(GND)

-

25

GPIO3_IO00

In/Out

拡張入出力、i.MX 8M PlusのNAND_ALEピンに接続

VDD_1V8

26

GPIO3_IO01

In/Out

拡張入出力、i.MX 8M PlusのNAND_CE0_Bピンに接続

VDD_1V8

27

GPIO5_IO03

In/Out

拡張入出力、i.MX 8M PlusのSPDIF_TXピンに接続

VDD_1V8

28

GPIO5_IO04

In/Out

拡張入出力、i.MX 8M PlusのSPDIF_RXピンに接続

VDD_1V8

29

GND

Power

電源(GND)

-

30

VDD_1V8

Power

電源(VDD_1V8)

-

31

GND

Power

電源(GND)

-


13.2.10. CON10 (MIPI-CSIインターフェース)

CON10はカメラ接続用の1チャンネル(2レーン)のMIPI-CSIインターフェースです。

信号線はi.MX 8M PlusのMIPI Camera Serial Interface(MIPI CSI1)に接続されています。

表13.23 CON10 搭載コネクタとフレキシブルフラットケーブル例

名称 型番 メーカー 備考

搭載コネクタ

1-1734248-5

TE Connectivity

許容電流 1A(端子1本あたり)


images/mipi-ffc.svg

図13.12 CON10 接続可能なフレキシブルフラットケーブルの形状


表13.24 CON10 信号配列

ピン番号 ピン名 I/O 説明 電圧グループ

1

GND

Power

電源(GND)

-

2

CSI1_DN_0

In

MIPIデータ0(-)、i.MX 8M PlusのMIPI_CSI1_D0_Nピンに接続、 17ピンと共通

-

3

CSI1_DP_0

In

MIPIデータ0(+)、i.MX 8M PlusのMIPI_CSI1_D0_Pピンに接続、 18ピンと共通

-

4

GND

Power

電源(GND)

-

5

CSI1_DN_1

In

MIPIデータ1(-)、i.MX 8M PlusのMIPI_CSI1_D1_Nピンに接続、 20ピンと共通

-

6

CSI1_DP_1

In

MIPIデータ1(+)、i.MX 8M PlusのMIPI_CSI1_D1_Pピンに接続、 21ピンと共通

-

7

GND

Power

電源(GND)

-

8

CSI1_CK_N

In

MIPIクロック(-)、i.MX 8M PlusのMIPI_CSI1_CLK_Nピンに接続、 23ピンと共通

-

9

CSI1_CK_P

In

MIPIクロック(+)、i.MX 8M PlusのMIPI_CSI1_CLK_Pピンに接続、 24ピンと共通

-

10

GND

Power

電源(GND)

-

11

CSI1_GPIO0_3V3

In/Out

拡張入出力、レベル変換ICを経由してi.MX 8M PlusのNAND_DATA00ピンに接続、 26ピンと共通

VEXT_3V3

12

CSI1_GPIO1_3V3

In/Out

拡張入出力、レベル変換ICを経由してi.MX 8M PlusのNAND_DATA01ピンに接続、 27ピンと共通

VEXT_3V3

13

I2C2_SCL_3V3

Out

I2Cクロック、レベル変換ICを経由してi.MX 8M PlusのI2C2_SCLピンに接続、基板上で4.7kプルアップ(VEXT_3V3)、 28ピンと共通

VEXT_3V3

14

I2C2_SDA_3V3

In/Out

I2Cデータ、レベル変換ICを経由してi.MX 8M PlusのI2C2_SDAピンに接続、基板上で4.7kプルアップ(VEXT_3V3)、 29ピンと共通

VEXT_3V3

15

VEXT_3V3

Power

電源(VEXT_3V3)

-

16

GND

Power

電源(GND)

-

17

CSI1_DN_0

In

MIPIデータ0(-)、i.MX 8M PlusのMIPI_CSI1_D0_Nピンに接続、 2ピンと共通

-

18

CSI1_DP_0

In

MIPIデータ0(+)、i.MX 8M PlusのMIPI_CSI1_D0_Pピンに接続、 3ピンと共通

-

19

GND

Power

電源(GND)

-

20

CSI1_DN_1

In

MIPIデータ1(-)、i.MX 8M PlusのMIPI_CSI1_D1_Nピンに接続、 5ピンと共通

-

21

CSI1_DP_1

In

MIPIデータ1(+)、i.MX 8M PlusのMIPI_CSI1_D1_Pピンに接続、 6ピンと共通

-

22

GND

Power

電源(GND)

-

23

CSI1_CK_N

In

MIPIクロック(-)、i.MX 8M PlusのMIPI_CSI1_CLK_Nピンに接続、 8ピンと共通

-

24

CSI1_CK_P

In

MIPIクロック(+)、i.MX 8M PlusのMIPI_CSI1_CLK_Pピンに接続、 9ピンと共通

-

25

GND

Power

電源(GND)

-

26

CSI1_GPIO0_3V3

In/Out

拡張入出力、レベル変換ICを経由してi.MX 8M PlusのNAND_DATA00ピンに接続、基板上で4.7kプルアップ(VEXT_3V3)、 11ピンと共通

VEXT_3V3

27

CSI1_GPIO1_3V3

In/Out

拡張入出力、レベル変換ICを経由してi.MX 8M PlusのNAND_DATA01ピンに接続、基板上で4.7kプルアップ(VEXT_3V3)、 12ピンと共通

VEXT_3V3

28

I2C2_SCL_3V3

Out

I2Cクロック、レベル変換ICを経由してi.MX 8M PlusのI2C2_SCLピンに接続、基板上で4.7kプルアップ(VEXT_3V3)、 13ピンと共通

VEXT_3V3

29

I2C2_SDA_3V3

In/Out

I2Cデータ、レベル変換ICを経由してi.MX 8M PlusのI2C2_SDAピンに接続、基板上で4.7kプルアップ(VEXT_3V3)、 14ピンと共通

VEXT_3V3

30

VEXT_3V3

Power

電源(GND)

-


13.2.11. CON11、CON12 (拡張インターフェース)

CON11、CON12は機能拡張用のインターフェースです。 複数の機能(マルチプレクス)をもつ、i.MX 8M Plusの信号線が接続されており、 USB、GPIO、SPI、UART、CAN、I2C、PWM、I2S、PDM MIC等の機能を拡張することができます。

ONOFF信号等の電源制御用の信号も接続されており、 Armadillo-IoT ゲートウェイ G4の電源を外部からの信号により制御することが可能です。 また、電源入出力ピン(VIN)より電源供給することも可能です。

[警告]

CON11、CON14、CON15の電源ライン(VIN)は接続されており、同時に電源を供給することはできません。

[警告]

CON11の5、7ピンとCON9の7、8ピンは同じI2Cバス(I2C4)に接続されています。

表13.25 CON11、CON12 搭載コネクタと対向コネクタ例

名称 型番 メーカー 備考

搭載コネクタ

6130xx21121 [a]

Wurth Elektronik

許容電流 3A(端子1本あたり)

対向コネクタ

6130xx21821 [a]

Wurth Elektronik

-

[a] xxにはピン数が入ります。


表13.26 CON11 信号配列

ピン番号 ピン名 I/O 説明 電圧グループ

1

VIN

Power

電源入出力(VIN)、CON14、CON15と共通

-

2

VIN

Power

電源入出力(VIN)、CON14、CON15と共通

-

3

GND

Power

電源(GND)

-

4

GND

Power

電源(GND)

-

5

I2C4_SCL

In/Out

拡張入出力、i.MX 8M PlusのI2C4_SCLピン、CON9 7ピンに接続 基板上で4.7kプルアップ

VDD_1V8

6

ECSPI1_MISO

In/Out

拡張入出力、i.MX 8M PlusのECSPI1_MISOピンに接続

VDD_1V8

7

I2C4_SDA

In/Out

拡張入出力、i.MX 8M PlusのI2C4_SDAピン、CON9 8ピンに接続 基板上で4.7kプルアップ

VDD_1V8

8

ECSPI1_MOSI

In/Out

拡張入出力、i.MX 8M PlusのECSPI1_MOSIピンに接続

VDD_1V8

9

ECSPI2_MISO

In/Out

拡張入出力、i.MX 8M PlusのECSPI2_MISOピンに接続

VDD_1V8

10

ECSPI1_SCLK

In/Out

拡張入出力、i.MX 8M PlusのECSPI1_SCLKピンに接続

VDD_1V8

11

ECSPI2_MOSI

In/Out

拡張入出力、i.MX 8M PlusのECSPI2_MOSIピンに接続

VDD_1V8

12

ECSPI1_SS0

In/Out

拡張入出力、i.MX 8M PlusのECSPI1_SS0ピンに接続

VDD_1V8

13

ECSPI2_SCLK

In/Out

拡張入出力、i.MX 8M PlusのECSPI2_SCLKピンに接続

VDD_1V8

14

SAI3_TXFS

In/Out

拡張入出力、i.MX 8M PlusのSAI3_TXFSピンに接続

VDD_1V8

15

ECSPI2_SS0

In/Out

拡張入出力、i.MX 8M PlusのECSPI2_SS0ピンに接続

VDD_1V8

16

SAI3_TXC

In/Out

拡張入出力、i.MX 8M PlusのSAI3_TXCピンに接続

VDD_1V8

17

SAI5_RXC

In/Out

拡張入出力、i.MX 8M PlusのSAI5_RXCピンに接続

VDD_1V8

18

SAI3_TXD

In/Out

拡張入出力、i.MX 8M PlusのSAI3_TXDピンに接続

VDD_1V8

19

SAI5_RXD0

In/Out

拡張入出力、i.MX 8M PlusのSAI5_RXD0ピンに接続

VDD_1V8

20

SAI3_RXD

In/Out

拡張入出力、i.MX 8M PlusのSAI3_RXDピンに接続

VDD_1V8

21

SAI5_RXD1

In/Out

拡張入出力、i.MX 8M PlusのSAI5_RXD1ピンに接続

VDD_1V8

22

SAI3_MCLK

In/Out

拡張入出力、i.MX 8M PlusのSAI3_MCLKピンに接続

VDD_1V8

23

SAI5_RXD2

In/Out

拡張入出力、i.MX 8M PlusのSAI5_RXD2ピンに接続

VDD_1V8

24

GPIO1_IO15

In/Out

拡張入出力、i.MX 8M PlusのGPIO1_IO15ピンに接続

VDD_1V8

25

SAI5_RXD3

In/Out

拡張入出力、i.MX 8M PlusのSAI5_RXD3ピンに接続

VDD_1V8

26

USBDM_DN2

In/Out

USB 2.0 データ(-)、USB HUB経由でi.MX 8M PlusのUSB2に接続

-

27

SAI5_MCLK

In/Out

拡張入出力、i.MX 8M PlusのSAI5_MCLKピンに接続

VDD_1V8

28

USBDP_DN2

In/Out

USB 2.0 データ(+)、USB HUB経由でi.MX 8M PlusのUSB2に接続

-

29

SAI5_RXFS

In/Out

拡張入出力、i.MX 8M PlusのSAI5_RXFSピンに接続

VDD_1V8

30

VDD_1V8

Power

電源出力(VDD_1V8)

-

31

VDD_5V

Power

電源出力(VDD_5V)

-

32

VDD_5V

Power

電源出力(VDD_5V)

-

33

GND

Power

電源(GND)

-

34

GND

Power

電源(GND)

-


表13.27 CON12 信号配列

ピン番号 ピン名 I/O 説明 電圧グループ

1

PWR_OFF

In/Out

Armadillo Base OSで使用、ユーザーによる変更可能、 i.MX 8M PlusのGPIO1_IO01ピンに接続

VDD_1V8

2

GPIO2_IO11

In/Out

拡張入出力、i.MX 8M PlusのGPIO2_IO11ピンに接続

VDD_1V8

3

REBOOT

In/Out

Armadillo Base OSで使用、ユーザーによる変更可能、 i.MX 8M PlusのGPIO1_IO05ピンに接続

VDD_1V8

4

GPIO4_IO27

In/Out

拡張入出力、i.MX 8M PlusのGPIO4_IO27ピンに接続

VDD_1V8

5

ONOFF

In

ONOFF信号[a]、i.MX 8M PlusのONOFFピンに接続、基板上で100kプルアップ(NVCC_SNVS_1V8)

NVCC_SNVS_1V8

6

GPIO4_IO28

In/Out

拡張入出力、i.MX 8M PlusのSAI3_RXFSピンに接続

VDD_1V8

7

FW_UPDATE_IND

In/Out

Armadillo Base OSで使用、ユーザーによる変更可能、 i.MX 8M PlusのGPIO1_IO00ピンに接続

VDD_1V8

8

GPIO4_IO29

In/Out

拡張入出力、i.MX 8M PlusのGPIO4_IO29ピンに接続

VDD_1V8

9

STDWN_IND

In/Out

Armadillo Base OSで使用、ユーザーによる変更可能、 i.MX 8M PlusのGPIO1_IO07ピンに接続

VDD_1V8

10

GPIO3_IO08

In/Out

拡張入出力、i.MX 8M PlusのNAND_DATA02ピンに接続

VDD_1V8

11

PWR_IND

In/Out

Armadillo Base OSで使用、ユーザーによる変更可能、 i.MX 8M PlusのGPIO1_IO06ピンに接続

VDD_1V8

12

GPIO3_IO09

In/Out

拡張入出力、i.MX 8M PlusのNAND_DATA03ピンに接続

VDD_1V8

13

GPIO2_IO08

In/Out

拡張入出力、i.MX 8M PlusのSD1_DATA6ピンに接続

VDD_1V8

14

GPIO3_IO14

In/Out

拡張入出力、i.MX 8M PlusのNAND_DQSピンに接続

VDD_1V8

15

GND

Power

電源(GND)

-

16

GND

Power

電源(GND)

-

[a] ONOFF信号の詳細につきましては、「ONOFFピンからの電源制御」をご確認ください。


[ティップ]

拡張できる機能の詳細につきましては、 「アットマークテクノ Armadilloサイト」からダウンロードできる 『Armadillo-IoT ゲートウェイ G4 マルチプレクス表』をご参照ください。

13.2.11.1. USB

USB 2.0 Hostを1ポート拡張することが可能です。 信号線はUSB HUB経由でUSBコントローラ(USB2)に接続されています。

  • 転送速度

    • High Speed(480Mbps)
    • Full Speed(12Mbps)
    • Low Speed(1.5Mbps)

13.2.11.2. GPIO

GPIOを最大34ポート拡張することが可能です。

  • 信号レベル : VDD_1V8

13.2.11.3. SPI

SPIを最大2ポート拡張することが可能です。 信号線はi.MX 8M PlusのESPI(ECSPI1、ECSPI2)に接続されています。

  • 最大クロック周波数: 66MHz(リード)/23MHz(ライト)
  • 信号レベル : VDD_1V8

13.2.11.4. UART

シリアル(UART)を最大2ポート拡張することが可能です。 信号線はi.MX 8M PlusのUART(UART3、UART4)に接続されています。

  • 最大データ転送レート: 4Mbps
  • 信号レベル: VDD_1V8

13.2.11.5. PDM MIC

LとRが対になったPDM MICを最大4ポート拡張することが可能です。 信号線はi.MX 8M PlusのPDMマイクロフォンインターフェース(MICFIL)に接続されています。

  • 信号レベル: VDD_1V8

13.2.11.6. I2S(SAI)

I2Sを最大1ポート拡張することが可能です。 信号線はi.MX 8M Plusの同期式オーディオインターフェース(SAI3)に接続されています。

  • 信号レベル: VDD_1V8

13.2.11.7. CAN

CANを最大2ポート拡張することが可能です。 信号線はi.MX 8M PlusのFLEXCAN(FLEXCAN1、FLEXCAN2)に接続されています。

  • CAN FD、CAN 2.0Bプロトコル対応
  • 信号レベル: VDD_1V8

13.2.11.8. I2C

I2Cを最大3ポート拡張することが可能です。 信号線はi.MX6ULLのI2Cコントローラ(I2C4、I2C5、I2C6)に接続されています。

  • 最大データ転送レート: 320kbps
  • 信号レベル: VDD_1V8

13.2.11.9. PWM

PWMを最大4ポート拡張することが可能です。

  • 最大周波数: 66MHz
  • 信号レベル: VDD_1V8

13.2.12. CON13(RTCバックアップインターフェース)

CON13はリアルタイムクロックのバックアップ用インターフェースです。 長時間電源が切断されても時刻データを保持させたい場合にご使用ください。

CON13にはCR2032、BR2032等の電池を接続することができます。 リアルタイムクロックの時刻保持時の平均消費電流は、 データシート上、240nA(Typ.)となっておりますので、 電池寿命までの時刻保持が期待できます。

温度補償タイプのリアルタイムクロックを実装しており、 平均月差は周囲温度-20℃~70℃で8秒(参考値)です。

表13.28 CON13 信号配列

ピン番号 ピン名 I/O 説明

1

RTC_BAT

Power

リアルタイムクロックのバックアップ用電源入力(RTC_BAT)

2

GND

Power

電源(GND)


[警告]

電池をホルダーへ装着する際は、異物の挟み込みや不完全な装着がないように、目視での異物確認や 装着状態の確認を行ってください。

13.2.13. CON14、CON15(電源入力インターフェース)

CON14、CON15は電源入力用のインターフェースです。

CON14にはDCジャックが実装されており、図13.13「ACアダプタの極性マーク」と同じ極性マークのあるACアダプタが使用できます。対応プラグは内径2.1mm、外形5.5mmのものとなります。

images/common-images/center-plus.svg

図13.13 ACアダプタの極性マーク


CON15には2mmピッチのライトアングルコネクタを実装しています。

表13.29 CON15 搭載コネクタと対向コネクタ例

名称 型番 メーカー 備考

搭載コネクタ

S02B-PASK-2(LF)(SN)

J.S.T.Mfg.

許容電流 3A(端子1本あたり)

対向コネクタ

PAP-02V-S

J.S.T.Mfg.

-

コンタクト

SPHD-001T-P0.5

J.S.T.Mfg.

適用電線AWG26~AWG22

SPHD-002T-P0.5

J.S.T.Mfg.

適用電線AWG28~AWG24


表13.30 CON15 信号配列

ピン番号 ピン名 I/O 説明

1

VIN

Power

電源入力(VIN)

2

GND

Power

電源(GND)


[警告]

CON11、CON14、CON15の電源ライン(VIN)は接続されており、同時に電源を供給することはできません。

[警告]

ACアダプタを使用する際は、ACアダプタのDCプラグをArmadillo-IoT ゲートウェイ G4に接続してからACプラグをコンセントに挿してください。

[警告]

電源を再投入する際は、コンデンサに蓄えられた電荷を抜くため、電源を切断後、一定時間以上待つ必要があります。 開発セット付属のACアダプタの場合に必要な時間は以下のとおりです。

  • DCプラグ側で電源を切断した場合 : 約5秒
  • ACプラグ側で電源を切断した場合 : 約1分

コンデンサに蓄えられた電荷が抜ける前に電源を再投入した場合、 電源シーケンスが守られず、起動しない等の動作不具合の原因となります。

13.2.14. JP1(起動デバイス設定ジャンパ)

JP1は起動デバイス設定ジャンパです。 JP1の状態で、起動デバイスを設定することができます。

表13.31 ジャンパの状態と起動デバイス

JP1の状態 起動デバイス

オープン

eMMC

ショート

microSD(CON1)


表13.32 JP1 信号配列

ピン番号 ピン名 I/O 説明

1

JP1

In

起動デバイス設定用信号、i.MX 8M PlusのBOOT_MODE0ピンに接続、基板上で100kΩプルダウン

2

JP1_PU

Out

基板上で4.7kΩプルアップ(VDD_1V8)


13.2.15. SW1(ユーザースイッチ)

SW1は、ユーザー側で自由に利用できる押しボタンスイッチです。

表13.33 SW1 信号配列

部品番号 名称 説明

SW1

ユーザースイッチ

i.MX 8M PlusのGPIO1_IO13ピンに接続、基板上で10kΩプルアップ(VDD_1V8)

(Low: 押された状態、High: 押されていない状態)


13.2.16. LED3(ユーザーLED)

LED3は、ユーザー側で自由に利用できるLEDです。

表13.34 LED3の状態

部品番号 名称(色) 説明

LED3

ユーザー LED(緑)

トランジスタを経由してi.MX 8M PlusのGPIO1_IO14ピンに接続

(Low: 消灯、High: 点灯)


13.2.17. LED4(電源LED)

LED4は、Armadillo-IoT ゲートウェイ G4の電源確認用のLEDです。

表13.35 LED4の状態

部品番号 名称(色) 状態 説明

LED4

電源LED(緑)

点灯

VDD_3V3が供給されている

消灯

VDD_3V3が供給されていない


13.2.18. CON21 (3G/LTEアンテナインターフェース1)

CON21は3G/LTEモジュール用アンテナケーブルを接続するためのインターフェースです。

[警告]

アンテナ端子にアンテナケーブルを接続する際、無理な力を加えると破壊の原因となりますので、十分にご注意ください。

13.2.19. CON22 (3G/LTEアンテナインターフェース2)

CON22は3G/LTEモジュール用アンテナケーブルを接続するためのインターフェースです。

[警告]

アンテナ端子にアンテナケーブルを接続する際、無理な力を加えると破壊の原因となりますので、十分にご注意ください。

13.2.20. CON23 (nanoSIMインターフェース)

CON23は、3G/LTEモジュール用nanoSIMインターフェースです。

表13.36 CON23 信号配列

ピン番号 ピン名 I/O 説明

1

GND

Power

電源(GND)

2

SIM_VCC

Power

SIM電源、3G/LTEモジュールのSIMインターフェースに接続

3

SIM_RST

Out

SIMリセット、3G/LTEモジュールのSIMインターフェースに接続

4

SIM_CLK

Out

SIMクロック、3G/LTEモジュールのSIMインターフェースに接続

5

SIM_VPP

-

未接続

6

SIM_I/O

In/Out

SIMデータ、3G/LTEモジュールのSIMインターフェースに接続


[警告]

CON23は活線挿抜に対応しておりません。nanoSIMカードの挿抜は、本製品の電源を切断した状態で行ってください。

13.2.21. LED20(3G/LTEステータス確認用LED)

LED20は、3G/LTEモジュールの通信状態を示すLEDです。

表13.37 LED20の接続

部品番号 説明

LED20

LTEモジュールに接続


表13.38 LED20の状態

状態 説明

消灯

パワーオフ状態

点滅((200ms 点灯/1800ms 消灯)

ネットワーク探索状態

点滅(1800ms 点灯/200ms 消灯)

待機状態

点滅(125ms 点灯/125ms 消灯)

通信状態


13.3. 形状図

13.3.1. 基板形状図

images/g4-dimension.svg

図13.14 基板形状図


images/g4-lte-dimension.svg

図13.15 基板形状図(LTE モデル 追加分)


[警告]

基板改版や部品変更により、基板上の部品位置、高さは変更になることがあります。 ケースや拡張基板を設計する場合、ある程度の余裕をもった寸法での設計をお願いいたします。

[ティップ]

DXF形式の形状図を「アットマークテクノ Armadilloサイト」から「購入者向けの限定公開データ」としてダウンロード可能です。

13.4. 設計情報

本章では、Armadillo-IoT ゲートウェイ G4の機能拡張や信頼性向上のための設計情報について説明します。

13.4.1. 信頼性試験データについて

Armadillo-IoT ゲートウェイ G4の各種信頼性試験データを、「アットマークテクノ Armadilloサイト」から 「購入者向けの限定公開データ」としてダウンロード可能ですのでご確認ください。

13.4.2. 放射ノイズ

LVDSインターフェース(CON9)やHDMIインターフェース(CON8)にディスプレイを接続した場合、放射ノイズが問題になる場合があります。放射ノイズを減らすために、以下の対策が効果的です。

  • シールド付のケーブルを使用する
  • ケーブルは最短で接続する
  • 未使用の拡張ピンはLowレベル出力とする

13.4.3. ESD/雷サージ

Armadillo-IoT ゲートウェイ G4のESD耐性を向上させるために、以下の対策が効果的です。

  • Armadillo-IoT ゲートウェイ G4を金属筐体に組み込み、GND(固定穴)を金属ねじ等で接続する
  • 金属筐体を接地する

Armadillo-IoT ゲートウェイ G4に接続されたケーブルが屋外に露出するような設置環境では、 ケーブルに侵入した雷サージ等のストレスによりインターフェース回路が破壊される場合があります。 ストレスへの耐性を向上させるには、以下の対策が効果的です。

  • 通信対向機とのGND接続を強化する
  • シールド付きのケーブルを使用する

13.4.4. 放熱

SoC(基板裏のIC1)の放熱が必要かどうかは、使用状況により違いますので、十分な設計評価の上、ご検討ください。 SoCの表面温度が90℃以上になる場合は、放熱することを推奨いたします。

参考までに、下記条件の場合にSoCの表面温度が90℃を超えることを確認しています。

  • 基板単体
  • 周囲温度: 約65℃
  • microSD/HDMI/USB3.0/LANx2動作

Armadillo-IoT ゲートウェイ G4の周囲温度の上限は+70℃としていますが、 これは下記条件の場合の温度となります。

  • 基板をケースに収納(放熱シートあり)
  • microSD/HDMI/USB3.0/LANx2動作

オプションケース(金属製)は、SoCの熱をケースに伝導させて放熱する構造で設計しております。 同様の構造でのケース設計をご検討の場合は、「オプションケース(金属製)」をご確認ください。

SoC近辺にヒートシンク固定用の穴(φ2.5mm × 2)を準備していますので、ヒートシンクからの放熱も可能です。 寸法につきましては、「形状図」をご確認ください。

images/g4-ic1.svg

図13.16 Armadillo-IoT ゲートウェイ G4のIC1とヒートシンク固定穴の位置


[ティップ]

Armadillo-IoT ゲートウェイ G4では、温度センサーでCPU(Arm Cortex-A53)周辺温度、 SoC(ANAMIX内部)温度を測定することが可能です。 温度センサーの詳細につきましては、「温度センサー」をご確認ください。

13.4.5. 拡張ボードの設計

Armadillo-IoT ゲートウェイ G4の拡張インターフェース(CON11、CON12)には、 複数の機能をもった信号線が接続されており、様々な機能拡張が可能です。

拡張インターフェースに接続する基板を設計する際の制限事項について、説明します。

images/g4-con11-con12.svg

図13.17 Armadillo-IoT ゲートウェイ G4の拡張インターフェース


13.4.5.1. ピンアサイン

Armadillo-IoT ゲートウェイ G4では、表3.2「仕様」の拡張インターフェースの欄にあるとおりの機能が拡張できます。 ただし、ここに記載の拡張数は、優先的に機能を割り当てた場合の最大数ですので、必要な機能がすべて実現できるかは、 『Armadillo-IoT ゲートウェイ G4 マルチプレクス表』で検討する必要があります。

マルチプレクス表では、各ピンに割り当て可能な機能の他に、リセット後の信号状態、プルアップ/ダウン抵抗の有無等の情報を確認することができます。

各機能の詳細な仕様が必要な場合は、NXP Semiconductorsのホームページからダウンロード可能な、 『i.MX 8M Plus Applications Processor Reference Manual』、『i.MX 8M Plus Applications Processor Datasheet for Industrial Products』をご確認ください。 Armadillo-IoT ゲートウェイ G4固有の情報を除いて、回路設計に必要な情報はこれらのマニュアルに、すべて記載されています。 検索しやすいように、マルチプレクス表や「CON11、CON12 (拡張インターフェース)」にi.MX 8M Plusのピン名やコントローラー名を記載しておりますので、是非ご活用ください。

[ティップ]

Armadillo-IoT ゲートウェイ G4 マルチプレクス表はlink:「アットマークテクノ Armadilloサイト」からダウンロードしてください。

13.4.5.2. 基板形状

Armadillo-IoT ゲートウェイ G4の拡張ボードを設計する際の推奨形状は図13.18「Armadillo-IoT ゲートウェイ G4の拡張ボード例」のとおりです。 拡張ボード側にピンソケットを実装してArmadillo-IoT ゲートウェイ G4と接続します。

一般的なピンソケットを実装した場合、嵌合高さは約11mmとなります。LANコネクタの高さは13.5mmですので、 LANコネクタの上に基板を重ねることはできません。

拡張ボード固定用に、φ2.3mmの穴を3箇所用意しており、M2のスペーサーとねじを接続可能です。

images/g4-exp-ex.png

図13.18 Armadillo-IoT ゲートウェイ G4の拡張ボード例


images/common-images/callouts/1.svg
なべ小ねじ、ワッシャ、スプリングワッシャ付(M2、L=6mm) × 6
images/common-images/callouts/2.svg
金属スペーサ(M2、L=11mm) × 3

基板の詳細寸法につきましては、「基板形状図」をご確認ください。

13.4.6. 回路設計

拡張インターフェース(CON11、CON12)を使用する際の参考回路を紹介します。

[警告]

参考回路は動作を保証するものではありません。 実際のアプリケーションで十分な評価をお願いいたします。

13.4.6.1. スイッチ、LED、リレー

スイッチやLED、リレーを拡張する場合は、GPIOを割り当てます。 GPIOに割り当て可能なピンは多数ありますので、 プルアップ/プルダウン抵抗の有無と電圧レベルを確認して、使用するピンを決定してください。

拡張インターフェースには、i.MX 8M Plusの信号線が直接接続されています。 静電気等による内部回路の故障を防ぐため、スイッチとi.MX 8M Plusの間に、 電流制限抵抗等を接続することをおすすめします。

LED、リレーはGPIOピンで直接駆動せずにトランジスタ等を経由して駆動してください。

images/sch-gpio.svg

図13.19 スイッチ、LED、リレー接続例


13.4.6.2. 電源

拡張インターフェース(CON11)から拡張ボード用に、12V電圧(VIN)、5V電源(VDD_5V)、1.8V電源(VDD_1V8)を出力しています。 その他の電源が必要な場合は、別途外部から入力するか、DC/DCコンバータ、LDO等で生成してください。 電源シーケンス、出力電流につきましては、「電源回路の構成」をご確認ください。

images/sch-power.svg

図13.20 DC/DCコンバータ回路(VDD_5V入力、3.3V 1.5A出力)例


図13.1「電源回路の構成」のインターフェース名(LVDS I/F等)の左横にはコネクタもしくはノイズフィルタの定格電流値を最大値として記載しています。 また、パワースイッチの下には、パワースイッチの制限電流値を最大値として記載しています。 スイッチングレギュレータの供給能力を超えてしまうため、インターフェースすべての最大値まで電流供給することはできません。 それぞれのインターフェースへの推奨の電流供給値は以下のとおりです。

表13.39 各インターフェースへの電流供給例

部品番号 インターフェース名 電圧グループ電流値

CON4

USBインターフェース

USB1_VBUS

900mA

CON9

LVDSインターフェース

VIN

入力電源に依存

VDD_1V8

500mA

CON10

MIPI-CSIインターフェース

VEXT3V3

500mA

CON11

拡張インターフェース

VIN

入力電源に依存

VDD_5V

1A

VDD_1V8

500mA


[警告]

動作させるアプリケーションにより、内部で消費する電流値は大きく変わりますので、動作検証の上、供給電源の設計を行なってください。

13.4.6.3. レベル変換

拡張インターフェース(CON11、CON12)の拡張入出力ピンの電圧レベルは1.8V(VDD_1V8)です。 異なる電圧レベルのデバイスを接続する場合は、レベル変換が必要となります。 CON11にはVDD_1V8、VDD_5Vピンがありますので、適宜ご活用ください。 レベル変換ICは、立ち上がり、立ち下がり速度、遅延時間、ドライブ能力等を考慮し、 適切なものを選定してください。

images/sch-lv-shifter.svg

図13.21 1.8V ←→ 3.3V 双方向レベル変換回路の例


[ティップ]

上記レベル変換ICは1.8V ←→ 5Vでも使用可能です。

13.5. オプション品

本章では、Armadillo-IoT ゲートウェイ G4のオプション品について説明します。

表13.40 Armadillo-IoT ゲートウェイ G4関連のオプション品

名称型番備考

オプションケース(金属製)

-

開発セットに付属

3G/LTE用外付けアンテナ、アンテナケーブル

-

LTEモデル開発セット, LTE+WLANモデル開発セットに付属

ACアダプタ(12V/3.0A φ2.1mm)標準品

OP-AC12V6-00

開発セットに付属

無線LAN/BT用外付けアンテナ、アンテナケーブル

-

LTE+WLANモデル開発セットに付属


13.5.1. オプションケース(金属製)

13.5.1.1. 概要

Armadillo-IoT ゲートウェイ G4用のアルミ製ケースです。 基板を収めた状態で、DCジャック、LAN×2、USB、HDMI、USBコンソール、スイッチ、LEDにアクセスすることが可能となっています。

images/g4-metal-case.svg

図13.22 オプションケース(金属製)


[警告]

コネクタ開口部等に存在する継ぎ目状の加工痕は正常な状態ですのでご了承ください。

images/turret-punch.png

図13.23 オプションケース(金属製)の加工痕例


13.5.1.2. 組み立て

オプションケース(金属製)は、SoCの熱をケースに伝導させて放熱する構造で設計しています。 基板裏のIC1に放熱シートを貼り付け、ケース(下)と放熱シートを接触させた状態で基板をねじ止めします。 ねじの締め付けトルクは 31.5cN•m です。

images/g4-metal-case-heat-sheet.svg

図13.24 オプションケース(金属製) 放熱シート貼付


WLAN+BTコンボモジュールが搭載されたモデルの場合は、基板裏にもう1箇所放熱シートを貼り付けます。

images/g4-metal-case-heat-sheet-wlan.svg

図13.25 オプションケース(金属製) 放熱シート貼付(WLAN+BTコンボモジュール搭載モデル)


images/g4-metal-case-assy-bottom.svg

図13.26 オプションケース(金属製) ケース(下)ねじ止め


images/common-images/callouts/1.svg
なべ小ねじ、ワッシャ、スプリングワッシャ付き(M3、L=6mm) × 4
images/common-images/callouts/2.svg
放熱シート(15×15×4mm)
images/common-images/callouts/3.svg
放熱シート(15×15×4.5mm) ※WLAN+BTコンボモジュール搭載モデルのみ

ケース(上)は、ケース(下)とフロント側を支点に嵌め合わせます。 このとき、コネクタ、スイッチ、LEDが曲がらないように注意しながら、 フロントに空いた穴に嵌めつつ閉めます。 LTEモデルの場合には、3G/LTEモジュールの熱をケースに伝導させて放熱する構造で設計しています。 3G/LTEモジュール上部に貼り付けられた放熱シートをケース(上)に接触させた状態で嵌め合わせます。

images/g4-metal-case-assy-top-bottom.svg

図13.27 オプションケース(金属製) ケース嵌め合わせ


ケース(上)とケース(下)は2箇所ねじ止めします。 ねじの締め付けトルクは 17.5cN•m です。

images/g4-metal-case-assy-top.svg

図13.28 オプションケース(金属製) ケース(上)ねじ止め


images/common-images/callouts/1.svg
皿ねじ(M2.6、L=4mm) × 2

13.5.1.3. 形状図

images/case-top-dimension.svg

図13.29 LANモデル ケース(上)形状図


images/case-bottom-dimension.svg

図13.30 LANモデル ケース(下)形状図


images/case-lte-top-dimension.svg

図13.31 LTEモデル ケース(上)形状図


images/case-lte-bottom-dimension.svg

図13.32 LTEモデル ケース(下)形状図


images/case-top-dimension.svg

図13.33 WLANモデル ケース(上)形状図


images/case-wlan-bottom-dimension.svg

図13.34 WLANモデル ケース(下)形状図


images/case-lte-top-dimension.svg

図13.35 LTE+WLANモデル ケース(上)形状図


images/case-lte-wlan-bottom-dimension.svg

図13.36 LTE+WLANモデル ケース(下)形状図


[ティップ]

DXF形式の形状図を「アットマークテクノ Armadilloサイト」から「購入者向けの限定公開データ」としてダウンロード可能です。

13.5.2. 3G/LTE用外付けアンテナ、アンテナケーブル

13.5.2.1. 概要

3G/LTE用の外付けアンテナおよびアンテナケーブルです。

13.5.2.2. 形状図

images/g4-lte-ant-dimension.svg

図13.37 3G/LTE用外付けアンテナ形状図


images/g4-lte-ant-cable-dimension.svg

図13.38 3G/LTE用アンテナケーブル形状図


13.5.3. 無線LAN/BT用外付けアンテナ、アンテナケーブル

13.5.3.1. 概要

無線LAN/BT用の外付けアンテナおよびアンテナケーブルです。

13.5.3.2. 形状図

images/g4-wlan-ant-dimension.png

図13.39 無線LAN/BT用外付けアンテナ形状図


images/g4-wlan-ant-cable-dimension.svg

図13.40 無線LAN/BT用アンテナケーブル形状図




[16] rebootコマンド時は、I2Cによりリセットされます。