ここからは「本ドキュメントの成果物」で紹介したサンプルアプリケーションの作成前に、必要な準備事項について紹介していきます。
本ドキュメントでは以下のものを使用します。
サンプルアプリケーションの映像入力はArmadillo内のサンプル動画でも代用できますので、USBカメラはなくても試すことができます。
Armadillo-IoT ゲートウェイ G4 製品マニュアルの「 4. Armadillo の電源を入れる前に」を参考にArmadillo向け開発環境であるATDEを整備し、シリアルコンソール経由でArmadillo-IoT ゲートウェイ G4を操作できるように準備してください。
3.2.2. 機械学習向け開発環境の準備
本ドキュメントで作成するサンプルアプリケーションでは、既存の学習済みモデルを自分のやりたいこと向けに学習し直す「転移学習」を行います。
転移学習を行うことで、学習に必要な教師データの数が減ったり、学習にかかる時間の短縮につながったりするなどのメリットがあります。
転移学習の詳細については TensorFlowの転移学習紹介ページも参照してください。
注意点としまして、Armadillo-IoT ゲートウェイ G4に搭載されているGPU/NPUは、学習済みモデルを用いて推論を行うことはできますが、学習することには向いていません。
そのため、GPUが利用できる別な環境で学習を行い、その結果得られた推論モデルをArmadilloに送って推論を行うことになります。
お使いの開発用PCに機械学習開発に十分なGPUが搭載されているならば機械学習の開発環境とすることが可能ですが、搭載されていない場合は、Googleが提供している Google Colaboratoryというサービスで代用できます。
Google Colaboratoryは、Googleアカウントを持っていれば無料で利用できる、ブラウザ上でJupyter Notebook []形式でPythonやShellコマンドなどを記述・実行できるサービスです。
特徴として以下のような点が挙げられます。
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Webブラウザアプリケーションとして動作し、ローカルに環境構築が不要
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無料でGPUを利用することができる
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Google Driveを用いたファイルの共有や保存を行うことができる
本ドキュメントではGoogle Colaboratoryを使用して推論モデルの作成を行います。
Google Colaboratoryを使用するためにはGoogleアカウントを作成しておく必要があります。
Google Colaboratoryには無料版と有料版があり、無料版には連続利用可能時間などのいくつかの制約がありますが、本ドキュメントのサンプル開発は無料版で十分です。