第14章 i.MX7Dualの電源制御

本章では、パワーマネジメントICによるi.MX7Dualの電力供給を制御する方法について説明します。

i.MX7Dualの電源は、パワーマネジメントICによって制御されています。パワーマネジメントIC の電圧出力を停止・開始することで、i.MX7Dualの電源をONまたはOFFにすることができます。

14.1. i.MX 7Dual 自身による制御

poweroffコマンドを利用して、i.MX 7Dual自身で電源をOFFにすることができます。

電源をOFFにするには、次のようにコマンドを実行します。

[armadillo ~]# poweroff

図14.1 poweroffコマンドによる電源OFF


14.2. ユーザースイッチ(SW2)の操作による制御

ユーザースイッチ(SW2)の操作によって、i.MX7Dualの電源をON、またはOFFにすることができます。

Linux Kernelが起動した状態でユーザースイッチ(SW2)を10秒間長押しすることで、poweroffが実行され、i.MX7Dualの電源がOFFされます。保守モードで起動した場合は、ユーザースイッチ(SW2)による電源OFFを行うことはできません。

その後、ユーザースイッチ(SW2)を押すことで、i.MX7Dualの電源がONになり起動することができます。

ユーザースイッチ(SW2)の位置については、「Armadillo-IoTゲートウェイG3Lの外観」を参照してください。

14.3. RTCによる制御

Board Management ICのRTCによるアラーム割り込みによって、i.MX7Dualの電源をONにすることができます。

アラーム割り込みは、sysfs RTC クラスディレクトリ以下のwakealarm ファイルから利用できます。

wakealarm ファイルに UNIX エポックからの経過秒数、または先頭に+を付けて現在時刻からの経過秒数を書き込むと、アラーム割り込み発生時刻を指定できます。

3600秒後、アラーム割り込みを発生させるには、次のようにコマンドを実行します。

[armadillo ~]# echo +3600 > /sys/class/rtc/rtc1/wakealarm

図14.2 アラーム割り込みの設定


コマンド実行後、 「ユーザースイッチ(SW2)の操作による制御」を参照し、i.MX7Dualの電源をOFFにします。

3600秒後、アラーム割り込みによってi.MX7Dualの電源がONになります。

[注記]

linux-3.14-x1-at14より、Board Management ICのRTC機能は/sys/class/rtc/rtc1に割り当てられています。linux-3.14-x1-at13以前では、/sys/class/rtc/rtc0に割り当てられています。割り当てるデバイスファイル名を変更する手順については、「RTCのデバイスファイル名を変更する」を参照して下さい。

[警告]

i.MX7DualのRTC機能によるアラーム割り込みでは、i.MX7Dualの電源をONにすることはできません。