開発編

目次

3.1. アプリケーション開発の流れ
3.2. 開発前に知っておくべき Armadillo Base OS の機能・特徴
3.2.1. 一般的な Linux OS 搭載組み込み機器との違い
3.2.2. Armadillo Base OS 搭載機器のソフトウェア開発手法
3.2.3. アップデート機能について
3.2.4. ファイルの取り扱いについて
3.2.5. インストールディスクについて
3.2.6. インストールディスクを使用する
3.3. 開発の準備
3.3.1. 準備するもの
3.3.2. 開発環境のセットアップ
3.3.3. Armadillo の起動
3.3.4. Armadillo を起動する
3.3.5. ログイン
3.3.6. Armadillo を終了する
3.3.7. VSCode のセットアップ
3.3.8. VSCode を使用して Armadillo のセットアップを行う
3.3.9. ユーザー登録
3.4. ハードウェアの設計
3.4.1. 信頼性試験データについて
3.4.2. 放射ノイズ
3.4.3. ESD/雷サージ
3.4.4. 拡張基板の設計
3.4.5. 拡張ケース形状
3.5. ケースの組み立てと分解方法
3.5.1. ケースの組み立て手順
3.5.2. ケースの分解
3.6. インターフェースの使用方法とデバイスの接続方法
3.6.1. SDカードを使用する
3.6.2. Ethernet を使用する
3.6.3. 無線 LAN を使用する
3.6.4. BT を使用する
3.6.5. LTE を使用する
3.6.6. USB ストレージを使用する
3.6.7. 接点入力を使用する
3.6.8. 接点出力を使用する
3.6.9. UART を使用する
3.6.10. GPIO を制御する
3.6.11. I2C デバイスを使用する
3.6.12. RTC を使用する
3.6.13. 起動デバイスを変更する
3.6.14. ユーザースイッチを使用する
3.6.15. LED を使用する
3.6.16. 拡張インターフェースを使用する
3.6.17. 電源を入力する
3.6.18. Wi-SUN デバイスを使用する
3.6.19. EnOcean デバイスを扱う
3.7. ソフトウェアの設計
3.7.1. 開発者が開発するもの、開発しなくていいもの
3.7.2. ユーザーアプリケーションの設計
3.7.3. 省電力・間欠動作の設計
3.7.4. ログの設計
3.8. ネットワーク設定
3.8.1. ABOS Web とは
3.8.2. ABOS Web へのアクセス
3.8.3. ABOS Web のパスワード登録
3.8.4. ABOS Web の設定操作
3.8.5. ログアウト
3.8.6. WWAN設定
3.8.7. WLAN 設定
3.8.8. 各接続設定(各ネットワークインターフェースの設定)
3.8.9. DHCPサーバー設定
3.8.10. NAT設定
3.8.11. 状態一覧
3.9. ゲートウェイコンテナを開発する
3.9.1. ゲートウェイコンテナアプリケーション開発の流れ
3.9.2. VSCode 側の操作
3.9.3. Armadillo のセットアップ
3.9.4. ゲートウェイコンテナアプリケーション開発
3.9.5. 動作確認
3.9.6. リリース版のビルド
3.9.7. 製品への書き込み
3.9.8. クラウドを含めた動作確認
3.10. CUI アプリケーションを開発する
3.10.1. CUI アプリケーション開発の流れ
3.10.2. VSCode 上での手順
3.10.3. Armadillo 上でのセットアップ
3.10.4. アプリケーション開発
3.10.5. 動作確認
3.10.6. リリース版のビルド
3.10.7. 製品への書き込み
3.11. システムのテストを行う
3.11.1. ランニングテスト
3.11.2. 異常系における挙動のテスト

3.1. アプリケーション開発の流れ

Armadillo-IoT ゲートウェイ A6E では基本的に ATDE という Armadillo 専用開発環境と、 Visual Studio Code 向け Armadillo 開発用エクステンションを用いてアプリケーション開発を行っていきます。

基本的な Armadillo-IoT ゲートウェイ A6E でのアプリケーション開発の流れを図3.1「アプリケーション開発の流れ」に示します。

本章では、図3.1「アプリケーション開発の流れ」に示す開発時の流れに沿って手順を紹介していきます。

images/development-flow-a6e.png

図3.1 アプリケーション開発の流れ


  1. 「開発の準備」に従って開発環境の準備を行います。
  2. 拡張基板を追加するなど、ハードウェアの追加・変更をする場合、「ハードウェアの設計」を行います。

    1. 拡張インターフェース(CON8)のピンを使用する場合「Device Treeをカスタマイズする」を参考にデバイスツリーのカスタマイズを行います。
  3. Armadillo-IoT ゲートウェイ A6E に周辺デバイスを接続して使用する場合は、使用手順を「インターフェースの使用方法とデバイスの接続方法」で確認します。
  4. 「ソフトウェアの設計」を行います。
  5. 「ネットワーク設定」を行います。
  6. アプリケーションの開発を行います。図3.1「アプリケーション開発の流れ」 の網掛け部分です。

    1. 「ソフトウェアの設計」 でゲートウェイコンテナを使用すると決定した場合は、「ゲートウェイコンテナを開発する」を行います。
    2. 「ソフトウェアの設計」 でゲートウェイコンテナを使用せずにアプリケーションを開発すると決定した場合は、「CUI アプリケーションを開発する」を行います。
  7. 開発したアプリケーションの動作確認が完了しましたら、「システムのテストを行う」を行います。
  8. システムのテストが完了しましたら、4章量産編へ進みます。

3.2. 開発前に知っておくべき Armadillo Base OS の機能・特徴

「Armadillo Base OSとは」にて Armadillo Base OS についての概要を紹介しましたが、開発に入るにあたってもう少し詳細な概要について紹介します。

3.2.1. 一般的な Linux OS 搭載組み込み機器との違い

images/abos-images/development-abos-debian-diff.png

Linux OS 搭載組み込み機器ではアプリケーションの実行環境をユーザーランド上に直接用意し、Systemdなどでアプリケーションを自動実行させるのが一般的です。 Armadillo Base OS 搭載機器では、アプリケーションの実行環境をコンテナ内に用意して、コンテナ起動用設定ファイルを所定の場所に配置することでコンテナ(=アプリケーション)を自動実行させます。

また、Linux OS 搭載組み込み機器では、ストレージの保護のために overlayfs で運用するのが一般的です。 そのため、アプリケーションが出力するログや画像などのデータは、 USBメモリなどの外部デバイスに保存する必要があります。 Armadillo Base OS 搭載機器もルートファイルシステムが overlayfs 化されていますが、内部に USBメモリなどと同じように使用できるユーザーデータディレクトリを持っており、別途外部記録デバイスを用意しておく必要はありません。

Armadillo Base OS 搭載機器は、標準でセキュアエレメントを搭載しており、対応した暗号化方式の認証鍵や証明書を安全に保存・利用することが可能です。

3.2.2. Armadillo Base OS 搭載機器のソフトウェア開発手法

images/abos-images/development-abos-app.png

Armadillo Base OS 搭載機器上で動作するソフトウェアの開発は、基本的に作業用PC上で行います。

ネットワークの設定は ABOS Web という機能で、コマンドを直接打たずとも設定可能です。

開発環境として、ATDE(Atmark Techno Development Environment)という仮想マシンイメージを提供しています。 その中で、ABOSDE(Armadillo Base OS Development Environment)という、Visual Studio Code にインストールできる開発用エクステンションを利用してソフトウェア開発を行います。

ABOSDE を使用することで、コンテナ及びコンテナ自動起動用設定ファイルの作成、コンテナ内におけるパッケージのインストール、コンテナ内で動作するアプリケーション本体の開発をすべてVSCode内で行うことができます。

3.2.3. アップデート機能について

Armadillo-IoT ゲートウェイ A6E では、開発・製造・運用時にソフトウェアを書き込む際に、 SWUpdate という仕組みを利用します。

3.2.3.1. SWUpdate とは

SWUpdateは、デバイス上で実行されるプログラムで、ネットワーク/ストレージ経由でデバイスのソフトウェアを更新することができます。 Stefano Babic, DENX software engineering, Germany によってオープンソースで開発が進められています。

Armadillo-IoT ゲートウェイ A6E では、 SWUpdateを利用することで次の機能を実現しています。

  • A/Bアップデート(アップデートの2面化)
  • リカバリーモード
  • ソフトウェアの圧縮、暗号化、署名付与
  • Web サーバーでのリモートアップデート対応
  • hawkBit でのリモートアップデート対応
  • ダウングレードの禁止

3.2.3.2. SWU イメージとは

swuパッケージは、SWUpdate独自のソフトウェアの配布フォーマットです。 SWUpdateでは、1回のアップデートは1つのswuパッケージで行われます。

swuパッケージには、次のような様々なものを含めることができます。

  • アップデート対象のイメージファイル
  • アップデート対象のイメージファイルのチェックサム
  • アップデート前後に実行するスクリプト
  • 書き込み先ストレージの情報
  • U-Boot 環境変数の書き換え情報
  • ソフトウェアのバージョン情報
  • etc…

SWU イメージは swupdate (https://sbabic.github.io/swupdate/swupdate.html) によって Armadillo Base OS上で検証とインストールが実行されます。 SWU イメージを Armadillo に転送するための方法は、用途や状況に合わせて様々な方法を用意しています。例えば、 USB メモリから読み取る、ウェブサーバーからダウンロードする、 hawkBit という Web アプリケーションを使うなどです。

3.2.3.3. A/Bアップデート(アップデートの2面化)

A/B アップデートは、 Flash メモリにパーティションを2面確保し、 アップデート時には交互に利用する仕組みです。

常に使用していない方のパーティションを書き換えるため次の特徴を持ちます。

  • ○ アップデートによって動作中のソフトウェアは破壊されない
  • ○ 書き込みが電源断などで中断後しても、すぐに復帰出来る
  • ○ 機器が動作中に書き込みが出来る
  • × 使用Flashメモリ量が増える

3.2.3.4. ロールバック(リカバリー)

システムが起動できなくなった際に、自動的にアップデート前のシステムにロールバックします。

ロールバック状態の確認は 「ロールバック状態を確認する」 を参照してください。

ロールバックする条件は次の通りです:

  • rootfs にブートに必要なファイルが存在しない場合(/boot/Image, /boot/armadillo.dtb)
  • 3回起動を試して「bootcount」サービスが1度も起動できなかった場合は、次の起動時にロールバックします。

    bootcount 機能は uboot の「upgrade_available」変数で管理されています。 bootcount 機能を利用しないようにするには、「u-boot の環境変数の設定」 を参照して変数を消します。

  • ユーザーのスクリプトなどから、「abos-ctrl rollback」コマンドを実行した場合。

ロールバックが実行されると /var/at-log/atlog にログが残ります。

3.2.3.5. SWU イメージのインストール

イメージをインストールする方法として以下に示すような方法があります。 もし、作成した SWU イメージのインストールに失敗する場合は、「swupdate がエラーする場合の対処」をご覧ください。

  • USBメモリまたはSDカードからの自動インストール

    Armadillo-IoT ゲートウェイ A6EにUSBメモリを接続すると自動的にアップデートが始まります。 アップデート終了後にArmadillo-IoT ゲートウェイ A6Eは自動で再起動します。

    USBメモリやmicroSDカードをvfatもしくはext4形式でフォーマットし、作成した.swuのファイルをディレクトリを作らずに配置してください。

    [ティップ]

    ATDE上でUSBメモリ/microSDカードのパーティションを作成・フォーマットする方法

    https://armadillo.atmark-techno.com/howto/atde-partition-howto

    [ATDE ~/mkswu]$ df -h
    Filesystem           Size  Used Avail Use% Mounted on
    : (省略)
    /dev/sda1        15G  5.6G  9.1G  39% /media/USBDRIVE 1
    [ATDE ~/mkswu]$ cp initial_setup.swu /media/USBDRIVE/ 2
    [ATDE ~/mkswu]$ umount /media/USBDRIVE 3

    1

    USBメモリがマウントされている場所を確認します。

    2

    ファイルをコピーします。

    3

    /media/USBDRIVEをアンマウントします。コマンド終了後にUSBメモリを取り外してください。

    エラーの場合、/var/log/messageに保存されます。例えば、コンソールで証明書が間違っているイメージのエラーは以下の様に表示されます。

    [armadillo ~]# tail /var/log/messages
    Nov 19 10:48:42 user.notice swupdate-auto-update: Mounting sda0 on /mnt
    Nov 19 10:48:42 user.notice swupdate-auto-update: Trying update /mnt/initial_setup.swu
    Nov 19 10:48:42 user.info swupdate: START Software Update started !
    Nov 19 10:48:42 user.err swupdate: FAILURE ERROR : Signature verification failed 1
    Nov 19 10:48:42 user.err swupdate: FAILURE ERROR : Compatible SW not found
    Nov 19 10:48:42 user.err swupdate: FATAL_FAILURE Image invalid or corrupted. Not installing ...

    1

    証明書エラーのメッセージ。

  • 外部記憶装置からイメージのインストール(手動)

    USBメモリやmicroSDカード等の外部記憶装置のルートディレクトリ以外にswuイメージを保存して、イメージのインストールを行います。 ルートディレクトリに保存すると自動アップデートが行われますので、/var/log/messagesを確認してください。

    以下は外部記憶装置が/dev/mmcblk1p1(microSDカード)として認識された場合に、イメージのインストールを行う例です。

    [armadillo ~]# mount /dev/mmcblk1p1 /mnt
    [armadillo ~]# swupdate -i /mnt/swu/initial_setup.swu
    SWUpdate v5f2d8be-dirty
    
    Licensed under GPLv2. See source distribution for detailed copyright notices.
    
    [INFO ] : SWUPDATE running :  [main] : Running on AGX4500 Revision at1
    [INFO ] : SWUPDATE started :  Software Update started !
    [INFO ] : SWUPDATE running :  [read_lines_notify] : No base os update: copying current os over
    [INFO ] : SWUPDATE running :  [read_lines_notify] : Removing unused containers
    [INFO ] : SWUPDATE running :  [read_lines_notify] : swupdate triggering reboot!
    Killed
  • ウェブサーバーからイメージのインストール(手動)

    swuイメージをウェブサーバーにアップロードして、イメージのインストールを行います。 以下は、http://server/initial_setup.swu のイメージをインストールする例です。

[armadillo ~]# swupdate -d '-u http://server/initial_setup.swu'
SWUpdate v5f2d8be-dirty

Licensed under GPLv2. See source distribution for detailed copyright notices.

[INFO ] : SWUPDATE running :  [main] : Running on AGX4500 Revision at1
[INFO ] : SWUPDATE running :  [channel_get_file] : Total download size is 25 kB.
[INFO ] : SWUPDATE started :  Software Update started !
[INFO ] : SWUPDATE running :  [read_lines_notify] : No base os update: copying current os over
[INFO ] : SWUPDATE running :  [read_lines_notify] : Removing unused containers
[INFO ] : SWUPDATE running :  [read_lines_notify] : swupdate triggering reboot!
Killed
  • ウェブサーバーからの定期的な自動インストール

    swupdate-urlを有効にしたら、定期的にチェックしてインストールします。 以下はサービスの有効化とタイミングの設定の例です。

    [armadillo ~]# rc-update add swupdate-url 1
    [armadillo ~]# persist_file /etc/runlevels/default/swupdate-url 2
    [armadillo ~]#
        echo https://download.atmark-techno.com/armadillo-iot-a6e/image/baseos-6e-latest.swu \
                            > /etc/swupdate.watch 3
    [armadillo ~]# echo 'schedule="0 tomorrow"' > /etc/conf.d/swupdate-url
    [armadillo ~]# echo 'rdelay="21600"' >> /etc/conf.d/swupdate-url 4
    [armadillo ~]# persist_file /etc/swupdate.watch /etc/conf.d/swupdate-url 5

    1

    swupdate-urlサービスを有効します。

    2

    サービスの有効化を保存します。

    3

    イメージのURLを登録します。一行ごとにイメージのURLを設定することができ、複数行にイメージのURLを設定することができます。

    4

    チェックやインストールのスケジュールを設定します。

    5

    変更した設定ファイルを保存します。

    USBメモリからのアップデートと同様に、ログは/var/log/messagesに保存されます。

    [ティップ]

    initial_setupのイメージを作成の際に /usr/share/mkswu/examples/enable_swupdate_url.desc を入れると有効にすることができます。

  • hawkBit を使用した自動インストール

    hawkBit で Armadillo-IoT ゲートウェイ A6E を複数台管理してアップデートすることができます。 「hawkBitサーバーから複数のArmadilloに配信する」を参考にしてください。

3.2.4. ファイルの取り扱いについて

Armadillo Base OS ではルートファイルシステムに overlayfs を採用しています。

その為、ファイルを変更した後 Armadillo の電源を切ると変更内容は保持されません。 開発中などに rootfs の変更内容を保持するには、変更したファイルに対して persist_file コマンドを使用します。

[armadillo ~]# echo test > test
[armadillo ~]# persist_file -v test
'/root/test' -> '/mnt/root/test'

図3.2 persist_file コマンド実行例


persist_file コマンドの詳細については、「persist_file について」を参照してください。

また、 SWUpdate によってルートファイルシステム上に配置されたファイルについては、 persist_file を実行しなくても保持されます。 開発以外の時は安全のため、 persist_file コマンドではなく SWUpdate による更新を実行するようにしてください。

3.2.4.1. 電源を切っても保持されるディレクトリ(ユーザーデータディレクトリ)

「ファイルの取り扱いについて」 にて、 Armadillo Base OS 上のファイルは通常、 persist_file コマンドを実行せずに電源を切ると変更内容が保存されないと紹介しましたが、表3.1「電源を切っても保持されるディレクトリ(ユーザーデータディレクトリ)」に示すディレクトリ内にあるファイルはこの限りでありません。

表3.1 電源を切っても保持されるディレクトリ(ユーザーデータディレクトリ)

ディレクトリ 備考

/var/app/volumes

SWUpdate 後には削除されます。ログやデータベースなど、アプリケーションが動作中に作成し続けるようなデータの保存に向いています。

/var/app/rollback/volumes

SWUpdate の最中や後も保持され続けます。コンフィグファイルなど、アプリケーションのバージョンに追従してアップデートするようなデータの保存に向いています。


[ティップ]

コンテナを前のバージョンに戻した場合(ロールバック)、/var/app/rollback/volumes/ のデータの前のバージョンに戻ります。

その為、アプリケーションのバージョンに依存するようなデータは /var/app/rollback/volumes/ に入れることを推奨します。

mkswuswdesc_files (--extra-os 無し)と podman_start` の add_volumes では、相対パスはそのディレクトリをベースにします。 /var/app/rollback/volumes/myvolumemyvolume で簡潔に指定できます。

[警告]

Copy-on-Write (CoW) について。

この二つの volumes ディレクトリは btrfs と呼ばれるファイルシステムに保存されています。 btrfs ではデータは Copy on Write(CoW)を使ってデータ完全性を保証しますが、その保証にはコストがあります。

数百 MB のファイルに小さな変更を頻繁に行う場合 CoW を無効化することを推奨します。 CoW を無効化されたファイルにチェックサムが入らなくなりますので、極端な場合以外に残してください。

[armadillo ~]# cd /var/app/volumes/
[armadillo /var/app/volumes]# mkdir database
[armadillo /var/app/volumes]# chattr +C database 1
[armadillo /var/app/volumes]# echo example data > database/example
[armadillo /var/app/volumes]# lsattr database/ 2
---------------C---- database/example

図3.3 chattr によって copy-on-write を無効化する例


1

chattr +C でディレクトリに NoCow を設定します。これから作成されるファイルが NoCow で作成されます。すでに存在していたファイルに影響ないのでご注意ください。

2

lsattr 確認します。リストの C の字があればファイルが「no cow」です。

3.2.5. インストールディスクについて

インストールディスクは、 Armadillo の eMMC の中身をまとめて書き換えることのできる microSD カードを指します。 インストールディスクは、インストールディスクイメージを microSD カードに書き込むことで作成できます。

インストールディスクは二つの種類があります。

  • 初期化インストールディスク

    Armadillo-IoT ゲートウェイ A6E インストールディスクイメージ にある標準イメージです。 Armadillo を初期化する際に使用します。

  • 開発が完了した Armadillo-IoT ゲートウェイ A6E をクローンするためのインストールディスク。

    量産時など、特定の Armadillo を複製する際に使用されます。 詳しくは、4章量産編で説明します。

3.2.5.1. 初期化インストールディスクの作成

  1. 512 MB 以上の microSD カードを用意してください。
  2. 標準のインストールディスクイメージを使用する場合は、 Armadillo-IoT ゲートウェイ A6E インストールディスクイメージ から 「Armadillo Base OS」をダウンロードしてください。

    「Armadilloのソフトウェアをビルドする」 でビルドしたイメージを使用してインストールディスクを作成したい場合は、 以下のコマンドを実行して、インストールディスクイメージを作成してください。

    [ATDE ~/build-rootfs-[VERSION]]$ sudo ./build_image.sh --board a6e
    : (省略)
    [ATDE ~/build-rootfs-[VERSION]]$ ls baseos-6e*img
    baseos-6e-[VERSION].img
    [ATDE ~/build-rootfs-[VERSION]]$ sudo ./build_image.sh --board a6e \
            --boot ~/u-boot-[VERSION]/u-boot-dtb.imx \
            --installer ./baseos-6e-[VERSION].img

    コマンドの実行が完了すると、baseos-6e-[VERSION]-installer.img というファイルが作成されていますので、 こちらを使用してください。

  3. ATDE に microSD カードを接続します。詳しくは「取り外し可能デバイスの使用」を参考にしてください。
  4. microSD カードのデバイス名を確認します

    [ATDE ~]$ ls /dev/sd?
    /dev/sda  /dev/sdb
    [ATDE ~]$ sudo fdisk -l /dev/sdb
    Disk /dev/sdb: 7.22 GiB, 7751073792 bytes, 15138816 sectors
    Disk model: SD/MMC
    : (省略)
  5. microSD カードがマウントされている場合、アンマウントします。

    [ATDE ~]$ mount
    : (省略)
    /dev/sdb1 on /media/52E6-5897 type ext2 (rw,nosuid,nodev,relatime,uid=1000,gid=1000,fmask=0022,dmask=0077,codepage=cp437,iocharset=utf8,shortname=mixed,showexec,utf8,flush,errors=remount-ro,uhelper=udisks)
    [ATDE ~]$ sudo umount /dev/sdb1
  6. ダウンロードしたファイルを展開し、imgファイルをmicroSDカードに書き込んでください。

    Linux PCの場合、以下のようにmicroSDカードに書き込むことができます。

    [ATDE ~]$ unzip baseos-6e-installer-[VERSION].zip
    [ATDE ~]$ sudo dd if=baseos-6e-installer-[VERSION].img \
                      of=/dev/sdb bs=1M oflag=direct status=progress

    また、Windowsの場合、エクスプローラー等でZipファイルからimgファイルを取り出し、「Win32 Disk Imager」などを使用してmicroSDカードに書き込むことができます。

3.2.5.2. 開発が完了した Armadillo をクローンするインストールディスクの作成

  1. microSD カードを用意してください。
  2. 初期化インストールディスクをベースとしますので、「初期化インストールディスクの作成」 でビルドしたSDカードを使用できますが、用意されていなければ次のステップで自動的にダウンロードされます。
  3. abos-ctrl make-installer を実行してください

    [armadillo ~]# abos-ctrl make-installer
    It looks like your SD card does not contain an installer image
    Download base SD card image from https://armadillo.atmark-techno.com (~200MB) ? [y/N]
    WARNING: it will overwrite your sd card!!
    y
    Downloading installer image
      % Total    % Received % Xferd  Average Speed   Time    Time     Time  Current
                                     Dload  Upload   Total   Spent    Left  Speed
    100  167M  100  167M    0     0   104M      0  0:00:01  0:00:01 --:--:--  104M
      % Total    % Received % Xferd  Average Speed   Time    Time     Time  Current
                                     Dload  Upload   Total   Spent    Left  Speed
    100    70  100    70    0     0   1441      0 --:--:-- --:--:-- --:--:--  1458
    Writing baseos-6e-installer-3.15.4-at.6.img to SD card (442M)
    439353344 bytes (439 MB, 419 MiB) copied, 134 s, 3.3 MB/s
    421+0 records in
    421+0 records out
    441450496 bytes (441 MB, 421 MiB) copied, 134.685 s, 3.3 MB/s
    Verifying written image is correct
    436207616 bytes (436 MB, 416 MiB) copied, 46 s, 9.5 MB/s
    421+0 records in
    421+0 records out
    441450496 bytes (441 MB, 421 MiB) copied, 46.8462 s, 9.4 MB/s
    Checking and growing installer main partition
    GPT data structures destroyed! You may now partition the disk using fdisk or
    other utilities.
    Setting name!
    partNum is 0
    The operation has completed successfully.
    e2fsck 1.46.4 (18-Aug-2021)
    Pass 1: Checking inodes, blocks, and sizes
    Pass 2: Checking directory structure
    Pass 3: Checking directory connectivity
    Pass 4: Checking reference counts
    Pass 5: Checking group summary information
    rootfs_0: 2822/102400 files (0.5% non-contiguous), 352391/409600 blocks
    (1/1) Installing e2fsprogs-extra (1.46.4-r0)
    Executing busybox-1.34.1-r5.trigger
    OK: 202 MiB in 197 packages
    resize2fs 1.46.4 (18-Aug-2021)
    Resizing the filesystem on /dev/mmcblk1p1 to 15547884 (1k) blocks.
    The filesystem on /dev/mmcblk1p1 is now 15547884 (1k) blocks long.
    
    Currently booted on /dev/mmcblk0p1
    Copying boot image
    Copying rootfs
    301989888 bytes (302 MB, 288 MiB) copied, 10 s, 30.1 MB/s
    300+0 records in
    300+0 records out
    314572800 bytes (315 MB, 300 MiB) copied, 10.3915 s, 30.3 MB/s
    Copying /opt/firmware filesystem
    Copying appfs
    At subvol app/snapshots/volumes
    At subvol app/snapshots/boot_volumes
    At subvol app/snapshots/boot_containers_storage
    Cleaning up and syncing changes to disk...
    Installer updated successfully!

3.2.6. インストールディスクを使用する

  1. SW2(起動デバイス設定スイッチ)を ON にし、起動デバイスを microSD に設定します。
  2. microSD カードを CON1 に挿入します。
  3. 電源を投入すると、1分程度でeMMCのソフトウェアの初期化が完了します。
  4. 完了すると電源が切れます(SYS(システムLED)が消灯、コンソールに reboot: Power down が表示)。
  5. 電源を取り外し、続いて SW2 を OFF に設定し、microSD カードを外してください。
  6. 10秒以上待ってから再び電源を入れると、初回起動時と同じ状態になります。

3.3. 開発の準備

3.3.1. 準備するもの

Armadilloを使用する前に、次のものを必要に応じて準備してください。

作業用PC
LinuxまたはWindowsが動作し、ネットワークインターフェースと 1つ以上のUSBポートを持つPCです。「開発/動作確認環境の構築」を参照して、作業用PC上に開発/動作確認環境を構築してください。
ネットワーク環境
Armadilloと作業用PCをネットワーク通信ができるようにしてください。
tar.xz形式のファイルを展開するソフトウェア
開発/動作確認環境を構築するために利用します。Linuxでは、tar で展開できます。Windowsでは、7-Zip や Lhazなどが対応しています。
nanoSIM(UIM カード)とAPN 情報
Cat.1 モデル、Cat.M1 モデルで LTE の動作を確認する場合に利用します。通信事業者との契約が必要です。SMS の動作を確認する場合は、SMS が利用可能な nanoSIM(UIM カード)が必要です。

3.3.2. 開発環境のセットアップ

アットマークテクノ製品のソフトウェア開発や動作確認を簡単に行うために、VMware仮想マシンのデータイメージを提供しています。このVMware仮想マシンのデータイメージをATDE(Atmark Techno Development Environment)と呼びます。ATDEの起動には仮想化ソフトウェアであるVMwareを使用します。ATDEのデータは、tar.xz圧縮されています。環境に合わせたツールで展開してください。

[ティップ]

仮想化ソフトウェアとして、VMwareの他にOracle VM VirtualBoxが有名です。 Oracle VM VirtualBoxには以下の特徴があります。

  • GPL v2(General Public License version 2)で提供されている [5]
  • VMware形式の仮想ディスク(.vmdk)ファイルに対応している

Oracle VM VirtualBoxからATDEを起動し、ソフトウェア開発環境として使用することができます。

ATDEは、バージョンにより対応するアットマークテクノ製品が異なります。本製品に対応しているATDEは、ATDE9 の v20230123 以降です。

ATDE9 は Debian GNU/Linux 11 (コードネーム bullseye) をベースに、Armadillo-IoT ゲートウェイ A6E のソフトウェア開発を行うために必要なクロス開発ツールや、Armadillo-IoT ゲートウェイ A6E の動作確認を行うために必要なツールが事前にインストールされています。

3.3.2.1. VMwareのインストール

ATDEを使用するためには、作業用PCにVMwareがインストールされている必要があります。 VMware社 Webページ(http://www.vmware.com/)を参照し、利用目的に合うVMware製品をインストールしてください。 また、ATDEのアーカイブは tar.xz圧縮されていますので、環境に合せたツールで展開してください。

[警告]

VMwareは、非商用利用限定で無償のものから、商用利用可能な有償のものまで複数の製品があります。製品ごとに異なるライセンス、エンドユーザー使用許諾契約書(EULA)が存在するため、十分に確認した上で利用目的に合う製品をご利用ください。

[警告]

VMwareやATDEが動作しないことを未然に防ぐため、使用するVMwareのドキュメントから以下の項目についてご確認ください。

  • ホストシステムのハードウェア要件
  • ホストシステムのソフトウェア要件
  • ゲストOSのプロセッサ要件

VMwareのドキュメントは、VMware社 Webページ(http://www.vmware.com/)から取得することができます。

3.3.2.2. ATDEのアーカイブを取得

ATDEのアーカイブは Armadillo サイト(http://armadillo.atmark-techno.com)から取得可能です。

[注記]

本製品に対応している ATDE のバージョンは ATDE9 v20230123 以降です。

[警告]

作業用PCの動作環境(ハードウェア、VMware、ATDEの対応アーキテクチャなど)により、ATDEが正常に動作しない可能性があります。VMware社 Webページ(http://www.vmware.com/)から、使用しているVMwareのドキュメントなどを参照して動作環境を確認してください。

3.3.2.3. ATDEのアーカイブを展開

ATDEのアーカイブを展開します。ATDEのアーカイブは、tar.xz形式の圧縮ファイルです。

Windowsでの展開方法を「WindowsでATDEのアーカイブ展開する」に、Linuxでの展開方法を手順「Linuxでtar.xz形式のファイルを展開する」に示します。

3.3.2.4. WindowsでATDEのアーカイブ展開する

  1. 7-Zipのインストール

    7-Zipをインストールします。7-Zipは、圧縮解凍ソフト 7-Zipのサイト(https://7-zip.opensource.jp/)からダウンロード取得可能です。

  2. 7-Zipの起動

    7-Zipを起動します。

    images/common-images/atde/7-zip1.png
  3. xz圧縮ファイルの選択

    xz圧縮ファイルを展開して、tar形式のファイルを出力します。tar.xz形式のファイルを選択して、「展開」をクリックします。

    images/common-images/atde/7-zip2.png
  4. xz圧縮ファイルの展開先の指定

    「展開先」を指定して、「OK」をクリックします。

    images/common-images/atde/7-zip3.png
  5. xz圧縮ファイルの展開

    展開が始まります。

    images/common-images/atde/7-zip4.png
  6. tarアーカイブファイルの選択

    xz圧縮ファイルの展開が終了すると、tar形式のファイルが出力されます。tarアーカイブファイルを出力したのと同様の手順で、tarアーカイブファイルからATDEのデータイメージを出力します。tar形式のファイルを選択して「展開」をクリックし、「展開先」を指定して、「OK」をクリックします。

    images/common-images/atde/7-zip5.png
  7. 展開の完了確認

    tarアーカイブファイルの展開が終了すると、ATDEアーカイブの展開は完了です。「展開先」に指定したフォルダにATDEのデータイメージが出力されています。

    images/common-images/atde/7-zip6.png

3.3.2.5. Linuxでtar.xz形式のファイルを展開する

  1. tar.xz圧縮ファイルの展開

    tarxf オプションを使用して tar.xz 圧縮ファイルを展開します。

    [PC ~]$ tar xf atde9-amd64-[VERSION].tar.xz
  2. 展開の完了確認

    tar.xz圧縮ファイルの展開が終了すると、ATDEアーカイブの展開は完了です。 atde9-amd64-[VERSION] ディレクトリにATDEのデータイメージが出力されています。

    [PC ~]$ ls atde9-amd64-[VERSION]/
    atde9-amd64-s001.vmdk  atde9-amd64-s008.vmdk
    atde9-amd64-s002.vmdk  atde9-amd64-s009.vmdk
    atde9-amd64-s003.vmdk  atde9-amd64.nvram
    atde9-amd64-s004.vmdk  atde9-amd64.vmdk
    atde9-amd64-s005.vmdk  atde9-amd64.vmsd
    atde9-amd64-s006.vmdk  atde9-amd64.vmx
    atde9-amd64-s007.vmdk  atde9-amd64.vmxf

3.3.2.6. ATDEの起動

ATDEのアーカイブを展開したディレクトリに存在する仮想マシン構成(.vmx)ファイルをVMware上で開くと、ATDEを起動することができます。ATDE9にログイン可能なユーザーを、表3.2「ユーザー名とパスワード」に示します [6]

表3.2 ユーザー名とパスワード

ユーザー名パスワード権限

atmark

atmark

一般ユーザー

root

root

特権ユーザー


[ティップ]

ATDEを起動する環境によっては、GUIログイン画面が表示されずに以下のようなエラー画面が表示される場合があります。

images/common-images/atde/atde_error.png

この場合は、VMwareの設定で「3D グラフィックスのアクセラレーション」をONにした後、ATDEを起動すると 正常にGUIログイン画面が表示されます。設定箇所を以下に示します。

images/common-images/atde/vmware_setting.png
images/common-images/atde/vmware_setting_3d.png
[ティップ]

ATDEに割り当てるメモリおよびプロセッサ数を増やすことで、ATDEをより快適に使用することができます。仮想マシンのハードウェア設定の変更方法については、VMware社 Webページ(http://www.vmware.com/)から、使用しているVMwareのドキュメントなどを参照してください。

3.3.2.7. 取り外し可能デバイスの使用

VMwareは、ゲストOS (ATDE)による取り外し可能デバイス(USBデバイスやDVDなど)の使用をサポートしています。デバイスによっては、ホストOS (VMwareを起動しているOS)とゲストOSで同時に使用することができません。そのようなデバイスをゲストOSで使用するためには、ゲストOSにデバイスを接続する操作が必要になります。

[ティップ]

取り外し可能デバイスの使用方法については、VMware社 Webページ(http://www.vmware.com/)から、使用しているVMwareのドキュメントなどを参照してください。

Armadillo-IoT ゲートウェイ A6Eの動作確認を行うためには、表3.3「動作確認に使用する取り外し可能デバイス」に示すデバイスをゲストOSに接続する必要があります。

表3.3 動作確認に使用する取り外し可能デバイス

デバイスデバイス名

USBシリアル変換IC

Silicon CP2102N USB to UART Bridge Controller


3.3.2.8. コマンドライン端末(GNOME端末)の起動

ATDEで、CUI (Character-based User Interface)環境を提供するコマンドライン端末を起動します。ATDEで実行する各種コマンドはコマンドライン端末に入力し、実行します。コマンドライン端末にはいくつかの種類がありますが、ここではGNOMEデスクトップ環境に標準インストールされているGNOME端末を起動します。

GNOME端末を起動するには、図3.4「GNOME端末の起動」のようにデスクトップ左上のアプリケーションの「ユーティリティ」カテゴリから「端末」を選択してください。

images/common-images/open-gnome_terminal-on-atde/gnome_terminal_menu.png

図3.4 GNOME端末の起動


図3.5「GNOME端末のウィンドウ」のようにウィンドウが開きます。

images/common-images/open-gnome_terminal-on-atde/gnome_terminal_open.png

図3.5 GNOME端末のウィンドウ


3.3.2.9. シリアル通信ソフトウェア(minicom)の使用

シリアル通信ソフトウェア(minicom)のシリアル通信設定を、表3.4「シリアル通信設定」のように設定します。また、minicomを起動する端末の横幅を80文字以上にしてください。横幅が80文字より小さい場合、コマンド入力中に表示が乱れることがあります。

表3.4 シリアル通信設定

項目設定

転送レート

115,200bps

データ長

8bit

ストップビット

1bit

パリティ

なし

フロー制御

なし


  1. 図3.6「minicomの設定の起動」に示すコマンドを実行し、minicomの設定画面を起動してください。

    [ATDE ~]$ sudo LANG=C minicom --setup

    図3.6 minicomの設定の起動


  2. 図3.7「minicomの設定」が表示されますので、「Serial port setup」を選択してください。

                +-----[configuration]------+
                | Filenames and paths      |
                | File transfer protocols  |
                | Serial port setup        |
                | Modem and dialing        |
                | Screen and keyboard      |
                | Save setup as dfl        |
                | Save setup as..          |
                | Exit                     |
                | Exit from Minicom        |
                +--------------------------+

    図3.7 minicomの設定


  3. 図3.8「minicomのシリアルポートの設定」が表示されますので、Aキーを押してSerial Deviceを選択してください。

        +-----------------------------------------------------------------------+
        | A -    Serial Device      : /dev/ttyUSB0                              |
        | B - Lockfile Location     : /var/lock                                 |
        | C -   Callin Program      :                                           |
        | D -  Callout Program      :                                           |
        | E -    Bps/Par/Bits       : 115200 8N1                                |
        | F - Hardware Flow Control : No                                        |
        | G - Software Flow Control : No                                        |
        |                                                                       |
        |    Change which setting?                                              |
        +-----------------------------------------------------------------------+

    図3.8 minicomのシリアルポートの設定


  4. Serial Deviceに使用するシリアルポートを入力してEnterキーを押してください。

    [ティップ]シリアル通信用USBケーブル(A-microB)使用時のデバイスファイル確認方法

    Linuxでシリアル通信用USBケーブル(A-microB)を接続した場合、コンソールに以下のようなログが表示されます。 ログが表示されなくても、dmesgコマンドを実行することで、ログを確認することができます。

    usb 2-2.1: new full-speed USB device number 4 using uhci_hcd
    usb 2-2.1: New USB device found, idVendor=10c4, idProduct=ea60, bcdDevice= 1.00
    usb 2-2.1: New USB device strings: Mfr=1, Product=2, SerialNumber=3
    usb 2-2.1: Product: CP2102N USB to UART Bridge Controller
    usb 2-2.1: Manufacturer: Silicon Labs
    usb 2-2.1: SerialNumber: 6a9681f80272eb11abb4496e014bf449
    usbcore: registered new interface driver usbserial_generic
    usbserial: USB Serial support registered for generic
    usbcore: registered new interface driver cp210x
    usbserial: USB Serial support registered for cp210x
    usb 2-2.1: cp210x converter now attached to ttyUSB0

    図3.9 例. シリアル通信用USBケーブル(A-microB)接続時のログ


    上記のログからシリアル通信用USBケーブル(A-microB)がttyUSB0に割り当てられたことが分かります。

  5. Fキーを押してHardware Flow ControlをNoに設定してください。
  6. Gキーを押してSoftware Flow ControlをNoに設定してください。
  7. キーボードのEキーを押してください。 図3.10「minicomのシリアルポートのパラメータの設定」 が表示されます。

                          +---------[Comm Parameters]----------+
                          |                                    |
                          |     Current: 115200 8N1            |
                          | Speed            Parity      Data  |
                          | A: <next>        L: None     S: 5  |
                          | B: <prev>        M: Even     T: 6  |
                          | C:   9600        N: Odd      U: 7  |
                          | D:  38400        O: Mark     V: 8  |
                          | E: 115200        P: Space          |
                          |                                    |
                          | Stopbits                           |
                          | W: 1             Q: 8-N-1          |
                          | X: 2             R: 7-E-1          |
                          |                                    |
                          |                                    |
                          | Choice, or <Enter> to exit?        |
                          +------------------------------------+

    図3.10 minicomのシリアルポートのパラメータの設定


  8. 図3.10「minicomのシリアルポートのパラメータの設定」では、転送レート、データ長、ストップビット、パリティの設定を行います。
  9. 現在の設定値は「Current」に表示されています。 それぞれの値の内容は図3.11「minicomシリアルポートの設定値」を参照してください。

    minicomシリアルポートの設定値

    図3.11 minicomシリアルポートの設定値


  10. Eキーを押して、転送レートを115200に設定してください。
  11. Qキーを押して、データ長を8、パリティをNone、ストップビットを1に設定してください。
  12. Enterキーを2回押して、図3.7「minicomの設定」に戻ってください。
  13. 図3.7「minicomの設定」から、「Save setup as dfl」を選択し、設定を保存してください。
  14. 「Exit from Minicom」を選択し、minicomの設定を終了してください。

minicomを起動させるには、図3.12「minicom起動方法」のようにしてください。

[ATDE ~]$ sudo LANG=C minicom --wrap --device /dev/ttyUSB0

図3.12 minicom起動方法


[注記]

デバイスファイル名は、環境によって /dev/ttyS0/dev/ttyUSB1 など、本書の実行例とは異なる場合があります。

[ティップ]

minicomがオープンする /dev/ttyS0/dev/ttyUSB0 といったデバイスファイルは、 root または dialout グループに属しているユーザーしかアクセスできません。

ユーザーを dialout グループに入れることで、以降、sudoを使わずにminicomで /dev/ttyUSB0 をオープンすることができます。

[ATDE ~]$ sudo usermod -aG dialout atmark
[ATDE ~]$ LANG=C minicom --wrap --device /dev/ttyUSB0

minicomを終了させるには、まず Ctrl-a に続いて q キーを入力します。その後、以下のように表示されたら「Yes」にカーソルを合わせてEnterキーを入力するとminicomが終了します。

+-----------------------+
| Leave without reset? |
|     Yes       No     |
+-----------------------+

図3.13 minicom終了確認


[注記]

Ctrl-a に続いて z キーを入力すると、minicomのコマンドヘルプが表示されます。

3.3.3. Armadillo の起動

3.3.3.1. Armadillo と開発用 PC を接続

Armadillo-IoT ゲートウェイ A6Eと周辺装置の接続例を次に示します。

images/ag6271-connection.svg

図3.14 Armadillo-IoT ゲートウェイ A6Eの接続例


images/common-images/callouts/1.svg
Armadillo-IoT ゲートウェイ A6E
images/common-images/callouts/2.svg
ACアダプタ(12V/2A)
images/common-images/callouts/3.svg
作業用PC
images/common-images/callouts/4.svg
シリアル通信用USBケーブル(A-microB)
images/common-images/callouts/5.svg
LAN HUB
images/common-images/callouts/6.svg
Ethernetケーブル
images/common-images/callouts/7.svg
nanoSIMカード
images/common-images/callouts/8.svg
LTE用外付けアンテナ

3.3.3.2. 起動デバイス設定スイッチについて

起動デバイス設定スイッチを操作することで、起動デバイスを設定することができます。

images/ag6271-boot-sw.svg

図3.15 起動デバイス設定スイッチの操作


images/common-images/callouts/1.svg
起動デバイスはeMMCになります。
images/common-images/callouts/2.svg
起動デバイスはmicroSDになります。
[ティップ]

起動デバイス設定スイッチの両脇の基板上に、白い文字でeMMC/SDとシルク記載しているので、操作の目印にご利用ください。

3.3.4. Armadillo を起動する

電源入力インターフェースに電源を接続すると Armadillo-IoT ゲートウェイ A6E が起動します。起動すると CON7 (USB コンソールインターフェース) から起動ログが表示されます。

[注記]

Armadillo-IoT ゲートウェイ A6E の電源投入時点での起動デバイス設定スイッチ SW2 の状態によって起動モードが変化します。 詳しくは 「起動デバイス設定スイッチについて」 を参照してください。

以下に起動ログの例を示します。

U-Boot 2020.04-at10(Oct 04 2022 - 11:22:32 +0900)

CPU:   i.MX6ULL rev1.1 at 396 MHz
Model: Atmark Techno Armadillo-IoT Gateway A6E
DRAM:  512 MiB
PMIC: PFUZE3000 DEV_ID=0x30 REV_ID=0x11
MMC:   FSL_SDHC: 0, FSL_SDHC: 1
Loading Environment from MMC... OK
In:    serial
Out:   serial
Err:   serial
Saving Environment to MMC... Writing to MMC(1)... OK
switch to partitions #0, OK
mmc1 is current device
Net:
Warning: ethernet@2188000 using MAC address from ROM
eth0: ethernet@2188000
Normal Boot
Hit any key to stop autoboot:  0
switch to partitions #0, OK
mmc1 is current device
11659840 bytes read in 518 ms (21.5 MiB/s)
Booting from mmc ...
38603 bytes read in 21 ms (1.8 MiB/s)
Loading fdt boot/armadillo.dtb
43 bytes read in 14 ms (2.9 KiB/s)
1789 bytes read in 18 ms (96.7 KiB/s)
Applying fdt overlay: armadillo-iotg-a6e-ems31.dtbo
## Booting kernel from Legacy Image at 80800000 ...
   Image Name:   Linux-5.10.145-32-at
   Created:      2022-10-13   8:10:47 UTC
   Image Type:   ARM Linux Kernel Image (uncompressed)
   Data Size:    11659776 Bytes = 11.1 MiB
   Load Address: 82000000
   Entry Point:  82000000
   Verifying Checksum ... OK
## Flattened Device Tree blob at 83500000
   Booting using the fdt blob at 0x83500000
   Loading Kernel Image
   Loading Device Tree to 9ef2d000, end 9ef59fff ... OK

Starting kernel ...

[    0.601992] imx6ul-pinctrl 2290000.iomuxc-snvs: no groups defined in /soc/bus@2200000/iomuxc-snvs@2290000

   OpenRC 0.44.10 is starting up Linux 5.10.145-32-at (armv7l)

 * Mounting /proc ... [ ok ]
 * Mounting /run ... * /run/openrc: creating directory
 * /run/lock: creating directory
 * /run/lock: correcting owner
 * Caching service dependencies ... [ ok ]
 * Starting atmark firstboot script ... * Mounting /sys ... * Remounting devtmpfs on /dev ... * Starting rngd ... [ ok ]
 [ ok ]
 * Mounting security filesystem ... [ ok ]
 [ ok ]
 * Mounting config filesystem ... [ ok ]
 * Mounting /dev/mqueue ... * Mounting fuse control filesystem ... [ ok ]
 [ ok ]
 * Mounting /dev/pts ... [ ok ]
 * Mounting /dev/shm ... [ ok ]
udev                     | * Starting udev ... [ ok ]
Warning: The kernel is still using the old partition table.
The new table will be used at the next reboot or after you
run partprobe(8) or kpartx(8)
The operation has completed successfully.
Could not create partition 2 from 0 to 614399
Could not create partition 3 from 0 to 102399
Could not create partition 4 from 0 to 409599
Could not create partition 5 from 0 to 20479
Error encountered; not saving changes.
 * partitionning disk failed
fsck                     | * Checking local filesystems  ... [ ok ]
root                     | * Remounting filesystems ... [ ok ]
localmount               | * Mounting local filesystems ... [ ok ]
overlayfs                | * Preparing overlayfs over / ... [ ok ]
hostname                 | * Setting hostname ... [ ok ]
sysctl                   | * Configuring kernel parameters ...udev-trigger
       | * Generating a rule to create a /dev/root symlink ... [ ok ]
 [ ok ]
udev-trigger             | * Populating /dev with existing devices through uevents ... [ ok ]
bootmisc                 | * Migrating /var/lock to /run/lock ... [ ok ]
bootmisc                 | * Creating user login records ... [ ok ]
bootmisc                 | * Wiping /var/tmp directory ... [ ok ]
syslog                   | * Starting busybox syslog ...dbus
 | * /run/dbus: creating directory
 [ ok ]
dbus                     | * /run/dbus: correcting owner
dbus                     | * Starting System Message Bus ... [ ok ]
klogd                    | * Starting busybox klogd ... [ ok ]
networkmanager           | * Starting networkmanager ... [ ok ]
dnsmasq                  | * /var/lib/misc/dnsmasq.leases: creating file
dnsmasq                  | * /var/lib/misc/dnsmasq.leases: correcting owner
dnsmasq                  | * Starting dnsmasq ... [ ok ]
buttond                  | * Starting button watching daemon ... [ ok ]
reset_bootcount          | * Resetting bootcount in bootloader env ...Environment OK, copy 0
reset_bootcount          | [ ok ]
zramswap                 | [ ok ]
zramswap                 | * Creating zram swap device ...podman-atmark
   | * Starting configured podman containers ... [ ok ]
atmark-power-utils       | * Starting atmark-power-utils ... [ ok ]
chronyd                  | * Starting chronyd ... [ ok ]
 [ ok ]
local                    | * Starting local ... [ ok ]

Welcome to Alpine Linux 3.16
Kernel 5.10.145-32-at on an armv7l (/dev/ttymxc2)

armadillo login:

U-Boot プロンプト

ユーザースイッチ(SW1) を押しながら電源を投入すると、 U-Boot のプロンプトが表示されます。

U-Boot 2020.04-at10 (Oct 04 2022 - 11:22:32 +0900)

CPU:   i.MX6ULL rev1.1 at 396 MHz
Model: Atmark Techno Armadillo-IoT Gateway A6E
DRAM:  512 MiB
PMIC: PFUZE3000 DEV_ID=0x30 REV_ID=0x11
MMC:   FSL_SDHC: 0, FSL_SDHC: 1
Loading Environment from MMC... OK
In:    serial
Out:   serial
Err:   serial
Saving Environment to MMC... Writing to MMC(1)... OK
switch to partitions #0, OK
mmc1 is current device
Net:   eth0: ethernet@2188000
Normal Boot
=>

3.3.5. ログイン

起動が完了するとログインプロンプトが表示されます。「root」か一般ユーザーの「atmark」でログインすることができます。

initial_setup.swu を適用しない場合、「root」ユーザーは初回ログイン時にパスワードを入力せずに新しいパスワードを促されます。 「atmark」ユーザーは、初期状態ではロックされています。そのロックを解除するには、「root」ユーザーでログインし、 passwd atmark コマンドで「atmark」ユーザーのパスワードを設定してください。

設定するパスワードには大文字のアルファベット、小文字のアルファベット、0から9までの数字、その他(記号・句読点など)を含める事ができます。

  1. root でログイン

    初期パスワードを変更します。

    armadillo login: root
    You are required to change your password immediately (administrator enforced).
    New password: 1
    Retype new password: 2
    Welcome to Alpine!

    1

    新しいパスワードを入力します

    2

    新しいパスワードを再入力します

  2. atmark でログイン

    初期状態でロックされてますので、rootで一度パスワードを設定してからログインします。

    armadillo:~# passwd atmark 1
    New password:
    Retype new password:
    passwd: password updated successfully
    armadillo:~# persist_file /etc/shadow 2
    armadillo:~# exit
    
    Welcome to Alpine Linux 3.16
    Kernel 5.10.126-24-at on an armv7l (/dev/ttymxc2)
    
    armadillo login: atmark
    Password: 3
    Welcome to Alpine!

    1

    atmarkユーザーのパスワード変更コマンド。「SWUイメージの作成」 を使用した場合には不要です

    2

    パスワードファイルを永続化します。

    3

    設定したパスワードでログインすることができます。

[警告]

Armadillo BaseOS ではルートファイルシステムに overlayfs を採用しており、そのままではシステムが OFF すると内容は消えてしまいます。そのため persist_file コマンドが用意されています。このコマンドを利用することでファイル単位で変更を反映することができます。パスワードを設定した後には以下のコマンドを実行してください。

[armadillo ~]# persist_file /etc/shadow

persist_file コマンドに関する詳細は「persist_file について」を参照してください。

3.3.6. Armadillo を終了する

安全に終了させる場合は、次のようにpoweroffコマンドを実行し、「reboot: Power down」と表示されたのを確認してから電源を切断します。

armadillo:~# poweroff
armadillo:~# zramswap                 | * Deactivating zram swap device ...podman-atmark            | * Stopping all podman containers ...local
   | * Stopping local ... [ ok ]
 [ ok ]
atmark-power-utils       | * Stopping atmark-power-utils ...rngd
     | * Stopping rngd ...chronyd                  | * Stopping chronyd ...dnsmasq                  | * Stopping dnsmasq ...buttond                  | * Stopping button watching daemon ... [ ok ]
 [ ok ]
 * start-stop-daemon: no matching processes found
 [ ok ]
 [ ok ]
atmark-power-utils       | [ ok ]
klogd                    | * Stopping busybox klogd ... [ ok ]
networkmanager           | * Stopping networkmanager ... [ ok ]
syslog                   | * Stopping busybox syslog ... [ ok ]
udev                     | * Stopping udev ... [ ok ]
dbus                     | * Stopping System Message Bus ...nm-dispatcher: Caught signal 15, shutting down...
 [ ok ]
cgroups                  | * cgroups: waiting for podman-atmark (50 seconds)
 [ ok ]
localmount               | * Unmounting loop devices
localmount               | * Unmounting filesystems
localmount               | *   Unmounting /var/tmp ... [ ok ]
localmount               | *   Unmounting /var/app/volumes ... [ ok ]
localmount               | *   Unmounting /var/app/rollback/volumes ... [ ok ]
localmount               | *   Unmounting /var/lib/containers/storage_readonly ... [ ok ]
localmount               | *   Unmounting /var/log ... [ ok ]
localmount               | *   Unmounting /tmp ... [ ok ]
killprocs                | * Terminating remaining processes ...mount-ro
         | * Remounting remaining filesystems read-only ... *   Remounting / read only ... [ ok ]
mount-ro                 | [ ok ]
indicator_signals        | * Signaling external devices we are shutting down ... [ ok ]
The system is going down NOW!
Sent SIGTERM to all processes
Sent SIGKILL to all processes
Requesting system poweroff
[   99.211013] reboot: Power down
[警告]

電源を再投入する際は、コンデンサに蓄えられた電荷を抜くため、電源を切断後、一定時間以上待つ必要があります。 開発セット付属のACアダプタの場合に必要な時間は以下のとおりです。

  • DCプラグ側で電源を切断した場合 : 約5秒
  • ACプラグ側で電源を切断した場合 : 約1分

コンデンサに蓄えられた電荷が抜ける前に電源を再投入した場合、 電源シーケンスが守られず、起動しない等の動作不具合の原因となります。

3.3.7. VSCode のセットアップ

Armadillo-IoT ゲートウェイ A6E の開発には、 VSCode を使用します。 開発前に以下の手順を実施して、 ATDE に VSCode 開発用エクステンションをインストールしてください。

以下の手順は全てATDE上で実施します。

3.3.7.1. ソフトウェアのアップデート

ATDE のバージョン v20230123 以上には、 VSCode がインストール済みのため新規にインストールする必要はありませんが、 使用する前には最新版へのアップデートを行ってください。

[ATDE ~]$ sudo apt update
[ATDE ~]$ sudo apt upgrade

図3.16 ソフトウェアをアップデートする


VSCode を起動するには code コマンドを実行します。

[ATDE ~]$ code

図3.17 VSCode を起動する


[ティップ]

VSCode を起動すると、日本語化エクステンションのインストールを提案してくることがあります。 その時に表示されるダイアログに従ってインストールを行うと VSCode を日本語化できます。

3.3.7.2. VSCode に開発用エクステンションをインストールする

VSCode 上でアプリケーションを開発するためのエクステンションをインストールします。

エクステンションはマーケットプレイスからインストールすることができます。 VSCode を起動し、左サイドバーのエクステンションを選択して、検索フォームに「abos」と入力してください。

images/gw-app-prj-install-extension.png

図3.18 VSCode に開発用エクステンションをインストールする


表示された「Armadillo Base OS Development Environment」の 「Install」ボタンを押すとインストールは完了します。

3.3.8. VSCode を使用して Armadillo のセットアップを行う

ここでは VSCode を使用した Armadillo のセットアップ方法を紹介します。 VSCode を使用して以下のセットアップを行うことができます。

  • initial_setup.swu の作成
  • alpine のコンテナイメージをインストールするための SWU ファイルの作成

3.3.8.1. プロジェクトの作成

VSCode を起動するには code コマンドを実行します。

VSCode の左ペインの [A6E] から [Armadillo Setup New Project] を実行し、表示されるディレクトリ選択画面からプロジェクトを保存する ディレクトリを選択してください。実行するためには右に表示されている三角形ボタンを押してください。 保存先を選択すると、プロジェクト名を入力するダイアログが表示されるので、任意のプロジェクト名を入力してエンターキーを押してください。 ここでは、ホームディレクトリ直下に my_project として保存しています。

images/armadillo_setup_vscode_new_project.png

図3.19 プロジェクトを作成する


images/flutter_vscode_project_name.png

図3.20 プロジェクト名を入力する


プロジェクト作成後、プロジェクトディレクトリへ移動して VSCode を起動してください。

[ATDE ~]$ cd my_project
[ATDE ~/my_project]$ code ./

図3.21 プロジェクトディレクトリへ移動して VSCode を起動する


3.3.8.2. initial_setup.swu の作成

initial_setup.swu ファイルの作成を行います。 VSCode の左ペインの [my_project] から [Generate initial setup swu] を実行すると、 initial_setup.swu が作成されます。

images/armadillo_setup_vscode_initial_setup.png

図3.22 initial_setup.swu を作成する


初回実行時には各種設定の入力を求められます。 入力する設定の内容を 図3.23「initial_setup.swu 初回生成時の各種設定」 に示します。

Executing task: ./scripts/generate_initial_setup_swu.sh

mkdir: ディレクトリ '/home/atmark/mkswu' を作成しました
設定ファイルを更新しました:/home/atmark/mkswu/mkswu.conf
証明書のコモンネーム(一般名)を入力してください: [COMMON_NAME] 1
証明書の鍵のパスワードを入力ください(4-1024文字)2
証明書の鍵のパスワード(確認):
Generating an EC private key
writing new private key to '/home/atmark/mkswu/swupdate.key'
 -----
アップデートイメージを暗号化しますか? (N/y) 3
アットマークテクノが作成したイメージをインストール可能にしますか? (Y/n) 4
rootパスワード: 5
root ユーザのパスワード(確認):
atmarkユーザのパスワード(空の場合はアカウントをロックします): 6
atmark ユーザのパスワード(確認):
BaseOSイメージのarmadillo.atmark-techno.comサーバーからの自動アップデートを行いますか? (N/y) 7
abos-web のパスワードを設定してください。
パスワードを設定しない場合 abos-web は使用できなくなります。
abos-webユーザのパスワード(空の場合はアカウントをロックします): 8
abos-web ユーザのパスワード(確認):
/home/atmark/mkswu/initial_setup.swu を作成しました。

"/home/atmark/mkswu/initial_setup.swu" をそのまま使うことができますが、
モジュールを追加してイメージを再構築する場合は次のコマンドで作成してください:
  mkswu "/home/atmark/mkswu/initial_setup.desc" [他の.descファイル]

インストール後は、このディレクトリを削除しないように注意してください。
鍵を失うと新たなアップデートはデバイスの /etc/swupdate.pem
を修正しないとインストールできなくなります。
 *  Terminal will be reused by tasks, press any key to close it.

[ATDE ~]$ ls ~/mkswu
initial_setup.desc  initial_setup.swu  mkswu.conf
swupdate.aes-key    swupdate.key       swupdate.pem 9

図3.23 initial_setup.swu 初回生成時の各種設定


1

COMMON_NAME には証明鍵の「common name」として会社や製品が分かるような任意の名称を入力してください。

2

証明鍵を保護するパスフレーズを2回入力します。

3

swuイメージ自体を暗号化する場合に「y」を入力します。詳細は 「SWUpdate と暗号化について」 を参考にしてください。

4

アットマークテクノのアップデートをインストールしない場合は「n」を入力します。

5

rootのパスワードを2回入力します。

6

atmarkユーザーのパスワードを2回入力します。何も入力しない場合はユーザーをロックします。

7

自動アップデートを無効のままで進みます。ここで「y」を入れると、定期的に アットマークテクノのサーバーからアップデートの有無を確認し、自動的にインストールします。

8

abos-webを使用する場合はパスワードを設定してください。

9

作成したファイルを確認します。「swupdate.aes-key」は暗号化の場合にのみ作成されます。

ファイルは my_project/initial_setup/initial_setup.swu に保存されています。 この SWU イメージを 「SWU イメージのインストール」 を参照して Armadillo へインストールしてください。

インストール後に ~/mkswu ディレクトリ以下にある mkswu.conf と、鍵ファイルの swupdate.* をなくさないようにしてください。

3.3.9. ユーザー登録

アットマークテクノ製品をご利用のユーザーに対して、 購入者向けの限定公開データの提供や大切なお知らせをお届けするサービスなど、 ユーザー登録すると様々なサービスを受けることができます。 サービスを受けるためには、「アットマークテクノ Armadilloサイト」 にユーザー登録をする必要があります。

ユーザー登録すると次のようなサービスを受けることができます。

  • 製品仕様や部品などの変更通知の閲覧・配信
  • 購入者向けの限定公開データのダウンロード
  • 該当製品のバージョンアップに伴う優待販売のお知らせ配信
  • 該当製品に関する開発セミナーやイベント等のお知らせ配信

詳しくは、「アットマークテクノ Armadilloサイト」をご覧ください。

3.3.9.1. 購入製品登録

ユーザー登録完了後に、購入製品登録することで、「購入者向けの限定公開データ」をダウンロードすることができるようになります。

購入製品登録の詳しい手順は以下のURLをご参照ください。

3.4. ハードウェアの設計

Armadillo-IoT ゲートウェイ A6Eの機能拡張や信頼性向上のための設計情報について説明します。

3.4.1. 信頼性試験データについて

Armadillo-IoT ゲートウェイ A6Eの各種信頼性試験データを、「アットマークテクノ Armadilloサイト」から 「購入者向けの限定公開データ」としてダウンロード可能ですのでご確認ください。

3.4.2. 放射ノイズ

CON8(拡張インターフェース)を使用して、Armadillo-IoT ゲートウェイ A6Eと拡張基板を接続すると、 放射ノイズが問題になる場合があります。放射ノイズを減らすために、以下の対策が効果的です。

  • Armadillo-IoT ゲートウェイ A6EのGND(固定穴等)と拡張基板のGNDを太い導線や金属スペーサ等で接続する
  • 未使用の拡張ピンはLowレベル出力とする
  • 使用する拡張ピンはコンデンサ(1000pF程度)を介してGNDと接続する
  • ハーネスケーブル等で拡張する場合は、最短で接続する。
  • シールド付きのケーブルを使用する

    • 長さが余る場合は、ケーブルを折りたたむ
    • シールドは拡張基板のGNDに接続する

3.4.3. ESD/雷サージ

Armadillo-IoT ゲートウェイ A6EのESD耐性を向上させるために、以下の対策が効果的です。

  • Armadillo-IoT ゲートウェイ A6Eを金属筐体に組み込み、GND(固定穴等)を金属ねじ等で接続する
  • 金属筐体を接地する

また、Armadillo-IoT ゲートウェイ A6Eに接続されたケーブルが屋外に露出するような設置環境では、 ケーブルに侵入した雷サージ等のストレスによりインターフェース回路が破壊される場合があります。 ストレスへの耐性を向上させるために、以下の対策が効果的です。

  • Armadillo-IoT ゲートウェイ A6Eと通信対向機のGND接続を強化する
  • シールド付きのケーブルを使用する

3.4.4. 拡張基板の設計

Armadillo-IoT ゲートウェイ A6E の拡張インターフェース(CON8)には、複数の機能をもった信号線が接続されており、様々な機能拡張が可能です。 垂直方向に拡張して標準ケースに収める場合と、水平方向に拡張して拡張ケースに収める場合の制限事項について説明します。

[ティップ]

拡張インターフェースのピン配置マルチプレクス表はアットマークテクノ Armadillo サイト <https://armadillo.atmark-techno.com>からダウンロード可能です。

3.4.4.1. 垂直方向に拡張基板を配置した場合の接続例

垂直方向に拡張基板を配置することで、ケースのサイズを変えることなく機能拡張が可能です。

CON8(拡張インターフェース)と拡張基板はストレートアングルのピンヘッダおよびピンソケットで接続します。

一般的なピンソケットを実装した場合、嵌合高さは約 11mm となります。

拡張ボード固定用に、φ2.3mm の穴を 2 箇所用意しており、M2のスペーサーとねじで拡張基板を固定することが可能です。

images/aiot-a6e-ext-board.svg

図3.24 垂直方向に拡張基板を配置した場合の接続例


3.4.4.2. 水平方向に拡張した場合の接続例

水平方向に拡張基板を配置し、拡張ケースを使用することで、外部コネクタの増設が可能になります。

CON8(拡張インターフェース)と拡張基板はライトアングルのピンヘッダおよびピンソケットで接続します。

images/aiot-a6e-ext-board-horizon.png

図3.25 水平方向に拡張基板を配置した場合の接続例


本製品と拡張基板を接続するための推奨コネクタは表3.5「推奨コネクタ」のとおりです。

表3.5 推奨コネクタ

メーカー 型番

本製品側推奨コネクタ

Sullins Connector Solutions

PRPC017DBAN-M71RC

拡張基板側推奨コネクタ

Sullins Connector Solutions

PPPC172LJBN-RC


拡張ケース搭載例は以下のとおりです。

images/aiot-a6e-ext-board-horizon-case.png

図3.26 拡張ケース搭載例


拡張ケースのメーカーと型番は以下のとおりです。

表3.6 拡張ケースのメーカーと型番

メーカー 型番

Italtronic

35.0907000.BL


3.4.4.3. 水平方向に拡張する場合の基板形状図

images/aiot-a6e-ext-board-dimension.png

図3.27 水平方向に拡張する場合の基板形状図


3.4.4.4. 水平方向に拡張する場合の部品搭載制限

images/aiot-a6e-ext-board-a-side-no-parts-area-dimension.png

図3.28 水平方向に拡張する場合の部品搭載制限(A面側)


images/aiot-a6e-ext-board-b-side-no-parts-area-dimension.png

図3.29 水平方向に拡張する場合の部品搭載制限(B面側)


3.4.5. 拡張ケース形状

images/9M_Case_layout.svg

図3.30 拡張ケース外形


images/9m_case_inner_dimention.svg

図3.31 拡張ケース内高さおよび開口部寸法


3.5. ケースの組み立てと分解方法

本製品はねじを使用しないスナップフィット方式を採用しており、容易に組み立てと分解が可能です。分解する際には手のけがやパーツの破損を防止するためマイナスドライバーなどの工具を使用してください。

images/aiot-a6e-case-assembly.svg

図3.32 ケースモデル展開図


表3.7 ケースモデル展開図パーツ一覧

番号名称説明

1

ケーストップ

ケース上側のパーツです。 ケースボトムとは4か所のツメで固定されます。 ケースを分解する際は、マイナスドライバーを使用してツメを破損させないよう慎重に取り外してください。

2

ケースボトム

ケース下側のパーツです。

3

フック

ケースをDINレールに固定するためのパーツです。

4

基板

5

カバーパーツA

ケース開口部のカバーです。 ケーストップとは1か所のツメで固定されます。

6

カバーパーツB

ケース開口部のカバーです。 ケーストップとは1か所のツメで固定されます。

7

カバーパーツC

ケース開口部のカバーです。 ケーストップとは1か所のツメで固定されます。

8

カバーパーツD

ケース開口部のカバーです。 ケーストップとは1か所のツメで固定されます。

9

LEDライトパイプ

カバーパーツCに装着するLEDのライトパイプです。強い衝撃を加えた場合、ライトパイプが外れる場合がありますので、図3.32「ケースモデル展開図」を参考にカバーパーツCの丸穴に差し込んでください。


フックは以下の図を参考に取り付けてください。

images/aiot-a6e-case-lock-step1.svg

図3.33 フック取り付け1


images/aiot-a6e-case-lock-step2.svg

図3.34 フック取り付け2


3.5.1. ケースの組み立て手順

[警告]

microSDカードの取り付けは、ケースの組み立て前に行う必要があります。取り付け手順については、を参照してください。

以下の手順に従い、ケースを組み立ててください。

  1. 基板をケーストップに入れる
  2. ケースボトムをケーストップにはめ込み、基板を固定する
  3. フックをケースボトムにはめ込む
  4. カバーパーツをケーストップにはめ込む

3.5.2. ケースの分解

[警告]

WLAN+BT コンボモジュールを搭載した製品におきましては、ケーストップに貼り付けられているWLAN基板アンテナのケーブルが製品基板のANT3と接続しています。 ケースを分解する際は、ANT3に無理な力が加わらないよう慎重に作業してください。

[警告]

ツメに強い力を加えますと破損する恐れがありますので、十分ご注意ください。

マイナスドライバーなどの工具を用意してください。以下の手順に従い、ケースを分解してください。

  1. フックをケースボトムから取り外す
  2. ケースボトムを取り外す
  3. 基板を取り外す
  4. カバーパーツを取り外す

フックはツメで固定されていますので、図3.35「フックのツメ」を参考にツメを押しながらフックを引き出してください。

images/aiot-a6e-case-fook.svg

図3.35 フックのツメ


ケースボトムはツメ4か所で固定されていますので、図3.36「ケースボトムのツメ」を参考にマイナスドライバーをケースの隙間に差し込み順に外してください。

images/aiot-a6e-case-bottom.svg

図3.36 ケースボトムのツメ


Cat.1モデル, Cat.M1モデルではアンテナコネクタがケース開口部より飛び出しているため、反対側のLANコネクタ側から先にケーストップから出すようにしてください。基板を取り外す際、LANコネクタの突起部がケーストップに当たらないよう、ケースを広げながら基板を取り外すようにしてください。

カバーはツメ1か所でケーストップに固定されています。図3.37「カバーのツメ」を参考にマイナスドライバーをケースの隙間に差し込み外してください。

images/ag6221c-snap-fit2.svg

図3.37 カバーのツメ


3.6. インターフェースの使用方法とデバイスの接続方法

Armadillo を用いた開発に入る前に、開発するシステムに接続する必要のある周辺デバイスをこのタイミングで接続しておきます。

以下では、各デバイスの接続方法と、使用方法について紹介します。図3.38「Armadillo-IoT ゲートウェイ A6Eのインターフェース 表面」及び図3.39「Armadillo-IoT ゲートウェイ A6Eのインターフェース 裏面」に Armadillo-IoT ゲートウェイ A6E のインターフェースを示します。

[ティップ]

型番により部品の搭載/非搭載が異なります。詳細は納入仕様書をご確認ください。

本製品シリーズの納入仕様書は、アットマークテクノ Armadilloサイト(https://armadillo.atmark-techno.com/resources/documents/armadillo-iot-a6e/spec)からご覧いただけます。(要ログイン)

images/ag6271c-interface-a.svg

図3.38 Armadillo-IoT ゲートウェイ A6Eのインターフェース 表面


images/ag6271c-interface-b.svg

図3.39 Armadillo-IoT ゲートウェイ A6Eのインターフェース 裏面


表3.8 Armadillo-IoT ゲートウェイ A6E インターフェース一覧

部品番号 インターフェース名 型番 メーカー

CON1

SDインターフェース

SDHK-8BNS-K-303-TB(HF)

J.S.T.Mfg.

CON3

nanoSIM インターフェース

SF72S006VBDR2500

Japan Aviation Electronics Industry

CON4

LANインターフェース

08B0-1X1T-36-F

Bel Fuse Inc.

CON5

電源入力インターフェース

PJ-102AH

CUI

CON6

入出力インターフェース

1-1776275-2

TE Connectivity

CON7

USBコンソールインターフェース

ZX80-B-5P(30)

HIROSE ELECTRIC

CON8

拡張インターフェース

A1-34PA-2.54DSA(71)

HIROSE ELECTRIC

CON9

USBインターフェース

SS-52100-001

Bel Fuse Inc.

CON10

RTCバックアップインターフェース

BH-44C-5

Adam Tech

CON11

ANT2中継コネクタ

U.FL-R-SMT-1(10)

HIROSE ELECTRIC

CON12

ANT2中継コネクタ

U.FL-R-SMT-1(10)

HIROSE ELECTRIC

ANT1

LTEアンテナインターフェース

S-037-TGG

COSMTEC RESOURCES CO., LTD

ANT2

LTEアンテナインターフェース

S-037-TGG

COSMTEC RESOURCES CO., LTD

ANT3

WLAN/BT アンテナインターフェース

453-00046R

Laird Connectivity

SYS

システムLED

SML-D12M1WT86

ROHM

APP

アプリケーションLED

SML-D12M1WT86

ROHM

WWAN

ワイヤレスWAN LED

SML-D12M1WT86

ROHM

SW1

ユーザースイッチ

SKHHDJA010

ALPS ELECTRIC

SW2

起動デバイス設定スイッチ

DS01-254-S-01BE

CUI

SW3

RS485終端抵抗設定スイッチ

DS01-254-S-01BE

CUI


3.6.1. SDカードを使用する

microSD/microSDHC/microSDXC カードを使用する際に必要な情報を以下に示します。 以降の説明では、共通の操作が可能な場合に、 microSD/microSDHC/microSDXC カードを microSD カードと表記します。

3.6.1.1. ハードウェア仕様

ハイスピード(最大クロック周波数: 49.5MHz)に対応したSDインターフェースです。

信号線はi.MX6ULLのSDホストコントローラ(uSDHC2)に接続されています。

SDカードに供給される電源はi.MX6ULLのNAND_ALEピン(GPIO4_IO10)で制御が可能です。 Highレベル出力で電源が供給され、Lowレベル出力で電源が切断されます。

[警告]

CON1は活線挿抜に対応していません。microSDカードの挿抜は、電源を切断してから行ってください。

[警告]

SD コントローラ(uSDHC2)は WLAN+BT コンボモジュールと排他使用となります。 そのため、WLAN 搭載モデルはインストールディスク以外で SD を使用できません。量産用インストールディスクを WLAN 搭載モデルで作成する場合は、「開発したシステムをインストールディスクにする」 をご覧ください。

機能
  • カードタイプ: microSD/microSDHC/microSDXC/microSDIO
  • バス幅: 1bit or 4bit
  • スピードモード: Default Speed(26MHz), High Speed(52MHz), UHS-I (50MHz)
  • カードディテクトサポート
インターフェース仕様

表3.9 CON1 信号配列

ピン番号 ピン名 I/O 説明

1

DAT2

In/Out

SDデータバス(bit2)、i.MX6ULLのNAND_DATA02ピンに接続

2

CD/DAT3

In/Out

SDデータバス(bit3)、i.MX6ULLのNAND_DATA03ピンに接続

3

CMD

In/Out

SDコマンド/レスポンス、i.MX6ULLのNAND_WE_Bピンに接続

4

VDD

Power

電源(VCC_3.3V)

5

CLK

Out

SDクロック、i.MX6ULLのNAND_RE_Bピンに接続

6

VSS

Power

電源(GND)

7

DAT0

In/Out

SDデータバス(bit0)、i.MX6ULLのNAND_DATA00ピンに接続

8

DAT1

In/Out

SDデータバス(bit1)、i.MX6ULLのNAND_DATA01ピンに接続


3.6.1.2. microSDカードの挿抜方法

  1. 上からカバーを軽く押し、約1.2mmスライドさせて、ロックを解除します。

    images/sd-1.png

    図3.40 カバーのロックを解除する


  2. カバーを開けます。

    images/sd-2.png

    図3.41 カバーを開ける


    [警告]

    カバーは過度な力で回転させたり、回転方向以外の方向へ力を加えると、 破損の原因となりますので、ご注意ください。

  3. 任意の角度までトレイを開いた状態で、microSDカードを挿抜します。

    images/sd-4.png

    図3.42 microSDカードの挿抜


    [ティップ]

    microSDカード挿入方向については、カバーに刻印されているカードマークを目安にしてください。

    images/sd-3.png

    図3.43 カードマークの確認


  4. カバーを閉めます。

    images/sd-5.png

    図3.44 カバーを閉める


  5. 上からカバーを軽く押し、約1.2mmスライドさせて、ロックします。

    images/sd-6.png

    図3.45 カバーをロックする


[ティップ]

microSDカード装着後のカードの抜き取り手順は挿入時と同じです。

3.6.1.3. 使用方法

ここでは、 sd_example という名称の alpine ベースのコンテナを作成し、その中で microSD カードを使用します。 必要なコンテナイメージは予め podman pull している前提で説明します。

CON1 に microSD カードを挿入してください。

/etc/atmark/containers/sd_example.conf というファイルを以下の内容で作成します。

set_image docker.io/alpine
add_args --cap=SYS_ADMIN 1
set_command sleep infinity

1

コンテナ内で microSD カードをマウントするための権限を与えます

コンテナを起動し、コンテナの中に入ります。

[armadillo]# podman_start sd_example
Starting 'sd_example'
1d93ecff872276834e3c117861f610a9c6716c06eb95623fd56aa6681ae021d4

[armadillo]# podman exec -it sd_example sh
[container]#

コンテナ内で microSD カードは、 /dev/mmcblk1 として認識されますので /mnt にマウントします。

[container]# mount /dev/mmcblk1p1 /mnt

ストレージの使用方法については、「コマンドラインからストレージを使用する」もあわせて参照してください。

3.6.2. Ethernet を使用する

3.6.2.1. ハードウェア仕様

CON4は10BASE-T/100BASE-TXに対応したLANインターフェースです。 カテゴリ5以上のEthernetケーブルを接続することができます。 AUTO-MDIX機能を搭載しており、ストレートケーブルまたはクロスケーブルを自動認識して送受信端子を切り替えます。

信号線はEthernet PHY(LAN8720AI-CP/Microchip Technology)を経由してi.MX6ULLのEthernetコントローラ(ENET1: 10/100-Mbps Ethernet MAC)に接続されています。

機能
  • 通信速度: 100Mbps (100BASE-TX), 10Mbps (10BASE-T)
  • 通信モード: Full-Duplex (全二重), Half-Duplex (半二重)
  • Auto Negotiationサポート
  • キャリア検知サポート
  • リンク検出サポート
インターフェース仕様(CON4)

表3.10 CON4 信号配列

ピン番号ピン名 I/O 説明

1

TX+

In/Out

送信データ(+)

2

TX-

In/Out

送信データ(-)

3

RX+

In/Out

受信データ(+)

4

-

-

5ピンと接続後に75Ω終端

5

-

-

4ピンと接続後に75Ω終端

6

RX-

In/Out

受信データ(-)

7

-

-

8ピンと接続後に75Ω終端

8

-

-

7ピンと接続後に75Ω終端


表3.11 CON4 LAN LEDの動作

名称(色) 状態 説明

LANスピードLED(緑)

消灯

10Mbpsで接続されている、もしくはEthernetケーブル未接続

点灯

100Mbpsで接続されている

LANリンクアクティビティLED(黄)

消灯

リンクが確立されていない

点灯

リンクが確立されている

点滅

リンクが確立されており、データを送受信している


images/lan-led.svg

図3.46 CON4 LAN LED


3.6.2.2. ソフトウェア仕様

ネットワークデバイス
  • eth0

3.6.2.3. 使用方法

有線 LAN の設定方法は「ネットワーク設定」を参照ください。

3.6.3. 無線 LAN を使用する

Armadillo-IoT ゲートウェイ A6E の WLAN を搭載しているモデルには、Laird Connectivity製 Sterling LWB5+ が搭載されています。Sterling LWB5+ のWLANは「ハードウェア仕様」に示す uSDHC2 に接続されています。

3.6.3.1. ハードウェア仕様

機能
  • IEEE 802.11a/b/g/n/ac 準拠
  • 最大通信速度: 49.5Mbps(理論値)
  • 動作モード: インフラストラクチャモード(STA/AP), アドホックモード
  • チャンネル(2.4GHz): 1-14
  • チャンネル(5GHz): 36-48, 52-64, 100-140
[ティップ]

Sterling LWB5+の最大通信速度は 433.3Mbps(802.11ac, 1x1 SISO, HT80, MCS9, SGI) ですが、「ハードウェア仕様」に示す SD インターフェースに接続される為、49.5Mbpsに制限されます。

インタフェース仕様(ANT3)

ANT3(WLAN/BT アンテナインターフェース) は WLAN/BT データ通信時に利用する、アンテナコネクタです。MHF4 端子のアンテナを接続することができます。開発セットおよび量産用では PCB アンテナが接続されています。

RP-SMA端子のアンテナを接続する場合は、図3.47「ANT3 RP-SMA端子のアンテナ接続例」を参考にケーブルをご用意ください。

images/wlan_antenna_extend.png

図3.47 ANT3 RP-SMA端子のアンテナ接続例


3.6.3.2. ソフトウェア仕様

ネットワークデバイス
  • wlan0

3.6.3.3. 使用方法

無線 LAN の設定方法は「WWAN設定」を参照ください。

3.6.3.4. 注意事項

[ティップ]

Sterling LWB5+ のファームウェアは、ATDEにインストールされているfirmware-brcm80211パッケージに含まれています。ファームウェアはLinuxカーネルイメージ内に改変無く配置されます。 firmware-ti-connectivityの著作権およびライセンス情報については、ATDE上で/usr/share/doc/firmware-brcm80211/copyrightを参照してください。

3.6.4. BT を使用する

Armadillo-IoT ゲートウェイ A6E には、Laird Connectivity製 Sterling LWB5+ が搭載されています。Sterling LWB5+ の BT は UART2 に接続されています。

3.6.4.1. ハードウェア仕様

インターフェース仕様(ANT3)
ANT3(WLAN/BT アンテナインターフェース) に関しては、「ハードウェア仕様」を参照ください。

3.6.4.2. ソフトウェア仕様

デバイスファイル
  • hci0

3.6.4.3. 使用方法

コンテナ内から BT 使用するには、コンテナ作成時にホストネットワークを使用するために、 NET_ADMIN の権限を渡す必要があります。 図3.48「Bluetooth を扱うコンテナの作成例」に、alpine イメージから Bluetooth を扱うコンテナを作成する例を示します。

[armadillo ~]# vi /etc/atmark/containers/bt_example.conf
set_image docker.io/alpine
set_command sleep infinity
set_network host
add_args --cap-add=NET_ADMIN
[armadillo ~]# podman_start bt_example
Starting 'bt_example'
45fe1eb6b25529f0c84cd4b97ca1aef8451785fc9a87a67d54873c1ed45b70a4

図3.48 Bluetooth を扱うコンテナの作成例


コンテナ内で必要なソフトウェアをインストールして、Bluetooth を起動します。

[armadillo ~]# podman exec -it bt_example sh
[container ~]# apk upgrade
[container ~]# apk add bluez
[container ~]# dbus-daemon --system
[container ~]# /usr/lib/bluetooth/bluetoothd &

図3.49 Bluetooth を起動する実行例


これにより、bluetoothctl で Bluetooth 機器のスキャンやペアリングなどが行えるようになります。 以下に、bluetoothctl コマンドで周辺機器をスキャンしてペアリングを行う例を示します。

[container ~]# bluetoothctl
Agent registerd
[..CHG..] Controller XX:XX:XX:XX:XX:XX Pairable: yes
[bluetooth]# power on 1
Changing power on succeeded
[..CHG..] Controller XX:XX:XX:XX:XX:XX Powered: yes
[bluetooth]# scan on 2
Discovery started
[..CHG..] Controller XX:XX:XX:XX:XX:XX Discovering: yes
[..NEW..] Device AA:AA:AA:AA:AA:AA AA-AA-AA-AA-AA-AA
[..NEW..] Device BB:BB:BB:BB:BB:BB BB-BB-BB-BB-BB-BB
[..NEW..] Device CC:CC:CC:CC:CC:CC CC-CC-CC-CC-CC-CC
[..NEW..] Device DD:DD:DD:DD:DD:DD DD-DD-DD-DD-DD-DD
[..NEW..] Device EE:EE:EE:EE:EE:EE EE-EE-EE-EE-EE-EE
[bluetooth]# pair AA:AA:AA:AA:AA:AA 3
[bluetooth]# exit 4
[container ~]#

図3.50 bluetoothctl コマンドによるスキャンとペアリングの例


1

コントローラを起動します。

2

周辺機器をスキャンします。

3

ペアリングしたい機器の MAC アドレスを指定してペアリングします。

4

exit で bluetoothctl のプロンプトを終了します。

3.6.5. LTE を使用する

3.6.5.1. ハードウェア仕様

Armadillo-IoT ゲートウェイ A6E Cat.1 モデルには、Thales 製 ELS31-J が搭載されています。ELS31-J は、 OTG2 に接続されています。

Armadillo-IoT ゲートウェイ A6E Cat.M1 モデルには、Thales 製 EMS31-J が搭載されています。Cat.M1 モデルは、 Thales LTE module multiplex ドライバを使用し UART4 を ttyMux0、ttyMux1、ttyMux2 に多重化して使用します。

機能
  • LTE 通信
  • リセットドライバによる ELS31-J/EMS31-J の電源制御
インターフェース仕様(CON3)

CON3(nanoSIMインターフェース)は LTEデータ通信時に利用する、nanoSIM カード用インターフェースです。

表3.12 CON3 信号配列

ピン番号ピン名 I/O 説明

C1

SIM_VCC

Power

SIM電源、LTEモジュールのCCVCCに接続

C2

SIM_RST

Out

SIMリセット、LTEモジュールのCCRSTに接続

C3

SIM_CLK

Out

SIMクロック、LTEモジュールのCCCLKに接続

C5

GND

Power

電源(GND)

C6

SIM_VPP

-

未接続

C7

SIM_I/O

In

SIMデータ、LTEモジュールのCCIOに接続


[ティップ]

nano SIM カードの挿入方法は図3.14「Armadillo-IoT ゲートウェイ A6Eの接続例」を参照ください。

インターフェース仕様(CON11)

CON11(ANT2中継コネクタ)はLTEモジュール(ELS31-J)とANT2を接続するための中継コネクタで、LTEモジュールのアンテナピンと接続されています。 出荷時にはCON12に接続された同軸ケーブルが装着されています。

[ティップ]

型番が AG627 または AG626 で始まる製品にのみ搭載されています。

インターフェース仕様(CON12)

CON12(ANT2中継コネクタ)はLTEモジュール(ELS31-J)とANT2を接続するための中継コネクタで、LTEモジュールのアンテナピンと接続されています。 出荷時にはCON11に接続された同軸ケーブルが装着されています。

[ティップ]

型番が AG627 または AG626 で始まる製品にのみ搭載されています。

インターフェース仕様(ANT1)

ANT1(LTEアンテナインターフェース)はLTEデータ通信時に利用する、アンテナコネクタです。 SMAオス端子のアンテナを接続することができます。 アンテナコネクタの形状は図3.51「ANT1 接続可能なアンテナコネクタ形状」のとおりです。

images/sma-male-apperance.svg

図3.51 ANT1 接続可能なアンテナコネクタ形状


アンテナコネクタからアンテナまでの経路は50Ω同軸ケーブルでの延長が可能です。 ただし、ケーブルロスが発生することにご注意ください。 同軸ケーブルで延長する場合は、図3.52「ANT1 50Ω同軸ケーブルでの延長例」を参考にケーブルをご用意ください。

images/lte_antenna_extend.png

図3.52 ANT1 50Ω同軸ケーブルでの延長例


[警告]

Cat.1 モデルでLTE通信を使用する際はアンテナ2本が必須となります。

[ティップ]

LTEモジュールメーカーにより、技適認証取得済みのアンテナについて抜粋したリストを Armadilloサイトで公開しています。 付属のアンテナ以外をご検討の際に、ご活用ください。

当社にて全てのアンテナの動作を確認したものではありませんので、 通信性能の評価については、ユーザー様自身にて実施いただくようお願いいたします。

インターフェース仕様(ANT2)

ANT2はカスタマイズが可能なアンテナコネクタです。 各製品モデルでのANT2の搭載状況と用途、形状は表3.13「各製品モデルでのANT2搭載状況と用途」のとおりです。

表3.13 各製品モデルでのANT2搭載状況と用途

型番搭載状況用途形状接続可能なアンテナコネクタ形状

AG627 または AG626 で始まる型番

搭載

LTEアンテナインターフェース

SMA オス端子

図3.51「ANT1 接続可能なアンテナコネクタ形状」参照

上記以外の型番

非搭載 [a]

-

-

-

[a] ANT2を搭載し、アンテナインターフェースとして使用できるカスタマイズ品を製造することが可能です。詳細につきましてはアットマークテクノ営業部または各販売代理店へお問い合わせください。


Cat.1モデルでは、アンテナコネクタからアンテナまでの経路は50Ω同軸ケーブルでの延長が可能です。ただし、ケーブルロスが発生することにご注意ください。 同軸ケーブルで延長する場合は、下図を参考にケーブルをご用意ください。

images/lte_antenna_extend.png

図3.53 ANT2 50Ω同軸ケーブルでの延長例(LTEアンテナインターフェース)


Cat.1モデル以外の製品でANT2は非搭載となっていますが、ANT2を搭載し各種アンテナインターフェースとして使用ができるカスタマイズ品を製造することが可能です。

[ティップ]

詳細につきましてはアットマークテクノ営業部または各販売代理店へお問い合わせください。

ANT2をWLAN/BTアンテナにカスタマイズする場合の例を図3.54「ANT2カスタマイズ例:同軸ケーブル接続図」図3.55「ANT2カスタマイズ例:WLAN/BTアンテナインターフェース」に示します。

images/nth1_cable.svg

図3.54 ANT2カスタマイズ例:同軸ケーブル接続図


images/ant2_wlan_antenna_connection.png

図3.55 ANT2カスタマイズ例:WLAN/BTアンテナインターフェース


CON8(拡張インターフェース)にLPWA通信モジュールを搭載し、ANT2をLPWAアンテナにカスタマイズする場合の例を図3.56「ANT2カスタマイズ例:LPWAアンテナインターフェース」に示します。

images/ant2_lpwa_antenna_connection.png

図3.56 ANT2カスタマイズ例:LPWAアンテナインターフェース


[ティップ]

LTEモジュールメーカーにより、技適認証取得済みのアンテナについて抜粋したリストを Armadilloサイトで公開しています。 付属のアンテナ以外をご検討の際に、ご活用ください。

当社にて全てのアンテナの動作を確認したものではありませんので、 通信性能の評価については、ユーザー様自身にて実施いただくようお願いいたします。

3.6.5.2. ソフトウェア仕様(Cat.1 モデル)

デバイスファイル
  • /dev/ttyACM0

    • ModemManager が /dev/ttyCommModem のシンボリックリンクを作成し AT コマンド用ポートとして使用します。
  • /dev/ttymxc3
ネットワークデバイス
  • usb0
[ティップ]

ttyACM0 は、他の USB デバイスを接続している場合、番号が変わる可能性があります。

3.6.5.3. ソフトウェア仕様(Cat.M1 モデル)

デバイスファイル
  • /dev/ttyMux0

    • ModemManager が /dev/ttyCommModem のシンボリックリンクを作成し AT コマンド用ポートとして使用します。
  • /dev/ttyMux1

    • ppp のポートとして使用します。
  • /dev/ttyMux2

    • ModemManager 以外のアプリケーションから AT コマンドを入力するのに使用できます。
  • /dev/ttymxc3

    • Thales LTE module multiplex ドライバが使用します。
ネットワークデバイス
  • ppp0

3.6.5.4. 使用方法

LTE モデム Thales 製 ELS31-J/EMS31-J に対して、以下の制御が可能です。

LTE モデムは、Armadillo 起動時に自動的に電源が投入され、 Armadillo が終了する際には自動的に電源が切られます。

また、「LTE再接続サービス」 でも、通信状態に応じて LTE モデムのリセットなどを実施しますので処理が重複しないように、下記制御を実施する際には、図6.118「LTE 再接続サービスを停止する」の手順を参考に再接続サービスを停止してから実施してください。

[armadillo:~#] wwan-force-restart

図3.57 LTE モデムをリセットまたは LTE モデムの電源を入れる


[armadillo:~#] wwan-poweroff

図3.58 LTE モデムの電源を切る


ネットワークの設定方法については「ネットワーク設定」を参照してください。

LTE 再接続サービスの設定、Cat.M1 モデル省電力設定、Cat.1 モデルファイアーウォール設定に関しては「LTE (Cat.1/Cat.M1 モデル)」を参照してください。

3.6.6. USB ストレージを使用する

3.6.6.1. ハードウェア仕様

USB2.0に対応したUSBインターフェースです。

信号線はi.MX6ULLのUSBコントローラ(USB OTG1)に接続されています。

USB デバイスに供給される電源(USB_OTG1_VBUS)はi.MX6ULLのUART1_RTS_Bピン(GPIO1_IO19)で制御しており、Highレベル出力で電源が供給され、Lowレベル出力で電源が切断されます。

機能
  • Universal Serial Bus Specification Revision 2.0 準拠
  • Enhanced Host Controller Interface (EHCI)準拠
  • 転送レート: USB2.0 High-Speed (480Mbps), Full-Speed (12Mbps), Low-Speed (1.5Mbps)
インターフェース仕様

表3.14 CON9 信号配列

ピン番号ピン名 I/O 説明

1

USB1_VBUS

Power

電源(USB_OTG1_VBUS)、i.MX6ULLのUSB_OTG1_VBUSピンに接続

2

USB1_DN

In/Out

USB1のマイナス側信号、i.MX6ULLのUSB_OTG1_DNピンに接続

3

USB1_DP

In/Out

USB1のプラス側信号、i.MX6ULLのUSB_OTG1_DPピンに接続

4

GND

Power

電源(GND)


3.6.6.2. ソフトウェア仕様

デバイスファイル
  • メモリデバイスの場合は、デバイスを認識した順番で/dev/sdN (Nは’a'からの連番)となります。
  • I/Oデバイスの場合は、ファンクションに応じたデバイスファイルとなります。

3.6.6.3. 使用方法

コンテナ内で動作するアプリケーションから USB 接続のデバイスを扱うための方法について示します。

  • USB シリアルデバイスを扱う

USB シリアルデバイスをコンテナ内から扱う場合には、Podman のイメージからコンテナを作成する際に ホスト OS 側の /dev/ttyUSBN を渡す必要があります。 以下は、 /dev/ttyUSB0 を渡して alpine イメージからコンテナを作成する例です。

[armadillo ~]# vi /etc/atmark/containers/usb_example.conf
set_image docker.io/alpine
set_command sleep infinity
add_devices /dev/ttyUSB0
[armadillo ~]# podman_start usb_example
Starting 'usb_example'
34cb0e60d6274ac1df87aed58a461bcf56d0c117c4d377af130605ea399e0950

図3.59 USB シリアルデバイスを扱うためのコンテナ作成例


コンテナ内に入り、setserial コマンドを使って現在の設定を確認することができます。

[armadillo ~]# podman exec -it usb_example /bin/sh
[container ~]# setserial -a /dev/ttyUSB0
/dev/ttyUSB0, Line 0, UART: unknown, Port: 0x0000, IRQ: 0
        Baud_base: 24000000, close_delay: 0, divisor: 0
        closing_wait: infinite
        Flags: spd_normal

図3.60 setserial コマンドによるUSBシリアルデバイス設定の確認例


  • USB カメラを扱う

USB カメラをコンテナ内から扱う場合には、Podman のイメージからコンテナを作成する際に ホスト OS 側の /dev/videoN を渡す必要があります。 以下は、 /dev/video3 を渡して alpine イメージからコンテナを作成する例です。

[armadillo ~]# vi /etc/atmark/containers/usbcam_example.conf
set_image docker.io/alpine
set_command sleep infinity
add_devices /dev/video3
[armadillo ~]# podman_start usbcam_example
Starting 'usbcam_example'
ffe06090b45826cc0b1c7710e9e850ba9521d36b70de4288d0dfe1fe91a35632
[armadillo ~]# podman exec -it usbcam_example sh
[container ~]# ls /dev/video3
/dev/video3

図3.61 USB カメラを扱うためのコンテナ作成例


GStreamer などのマルチメディアフレームワークと組み合わせることで、USB カメラからの映像のキャプチャが可能となります。

  • USB メモリを扱う

ここでは、USB メモリを扱う方法について 2 つの例を示します。

  • ホスト OS 側でマウントした USB メモリをコンテナから扱う

あらかじめホスト OS 側でマウントしてある USB メモリをコンテナから扱う場合には、Podman のイメージから コンテナを作成する際にホスト OS 側で USB メモリをマウントしてるディレクトリを渡す必要があります。

[armadillo ~]# mount -t vfat /dev/sda1 /mnt
[armadillo ~]# echo test >> /mnt/sample.txt
[armadillo ~]# ls /mnt
sample.txt

図3.62 USB メモリをホスト OS 側でマウントする例


上記の例では、USB メモリを /mnt にマウントしました。以下は、 /mnt を渡して alpine イメージからコンテナを作成する例です。

[armadillo ~]# vi /etc/atmark/containers/usbmem_example.conf
set_image docker.io/alpine
set_command sleep infinity
add_volumes /mnt
[armadillo ~]# podman_start usbmem_example
Starting 'usbmem_example'
ef77d4bfd5b04f3b8b5ddcb5bfac321304fa64219a4b88c3130e45e5a14e1b3e

図3.63 ホスト OS 側でマウント済みの USB メモリを扱うためのコンテナ作成例


ホスト OS 側の /mnt ディレクトリをコンテナ内の /mnt にマウントしています。 これにより、コンテナ内からも /mnt ディレクトリを通して USB メモリを扱うことができます。

[armadillo ~]# podman exec -it usbmem_example sh
[container ~]# ls /mnt
sample.txt
[container ~]# cat /mnt/sample.txt
test

図3.64 USB メモリに保存されているデータの確認例


  • USB メモリをコンテナ内からマウントする

USB メモリをコンテナ内からマウントして扱う場合には、Podman のイメージからコンテナを作成する際に ホスト OS 側の /dev ディレクトリを渡すと同時に、適切な権限も渡す必要があります。 以下は、 /dev を渡して alpine イメージからコンテナを作成する例です。権限として SYS_ADMIN を渡しています。

[armadillo ~]# vi /etc/atmark/containers/usbmem_example.conf
set_image docker.io/alpine
set_command sleep infinity
add_args --cap-add=SYS_ADMIN
add_devices /dev/sda1
[armadillo ~]# podman_start usbmem_example
Starting 'usbmem_example'
387a2256530e9b35b5361ca681a99fba8f46d78b6a6cb8ecd60096246b9198a8

図3.65 USB メモリをマウントするためのコンテナ作成例


コンテナ内に入り、mount コマンドで USB メモリを /mnt にマウントし、保存されているデータを確認することができます。

[armadillo ~]# podman exec -it usbmem_example sh
[container ~]# mount /dev/sda1 /mnt
[container ~]# ls /mnt
sample.txt
[container ~]# cat /mnt/sample.txt
test

図3.66 コンテナ内から USB メモリをマウントする例


3.6.7. 接点入力を使用する

3.6.7.1. ハードウェア仕様(CON6:DI)

接点入力部はフォトカプラによる絶縁入力(電流シンク出力タイプに接続可能)となっています。 入力部を駆動するために電源は、外部から供給する必要があります。

機能
  • 接点入力 x 2
インターフェース仕様(CON6:接点入力)

表3.15 CON6 信号配列(接点入力関連)

ピン番号ピン名 I/O 説明

3

COM

In

接点入力プラスコモン

4

DI1

In

接点入力1

5

DI2

In

接点入力2


images/con6-di.svg

図3.67 CON6 接点入力周辺回路


表3.16 CON6 接続可能な電線

規格

UL

IEC

電線範囲

26~18 AWG

0.12~0.9mm2

被覆剥き長さ

5~6mm

使用可能フェルール端子

型番 : MFL25-5BE

メーカー:ミスミ

推奨ねじ締めトルク

0.28Nm


[警告]

電線の先端に予備半田しないでください。正しい接続ができなくなります。

[警告]

端子台に電線を接続する際、端子台に過度な力を加えないでください。 端子台が破損する恐れがあります。

3.6.7.2. ソフトウェア仕様

入出力インターフェース(CON6)のピン4、ピン5を接点入力として使用できます。

ソフトウェアからは GPIO として制御可能であり、対応するGPIO 番号を次に示します。

表3.17 接点入力に対応する CON6 ピン番号

ピン番号 ピン名 GPIOチップ GPIO番号

4

DI1

gpiochip5

0

5

DI2

gpiochip5

1


[ティップ]

接点入力に何も接続していない(開放状態)場合、取得できる入力レベルは "1" (HIGH レベル)となります。

[警告]

接点入力機能は、デフォルトの状態ではゲートウェイコンテナが使用しています。そのため、入力レベルを確認するには「コンテナの終了」の手順でゲートウェイコンテナを終了させる必要があります。

3.6.7.3. 使用方法

  • コンテナで使用する

    コンテナ内で動作するアプリケーションから 接点入力(GPIO) を扱うためには、Podman のイメージからコンテナを作成する際にホスト OS 側の /dev/gpiochipN を渡すと、GPION+1 を操作することができます。

    ここでは接点入力で使用する gpiochip5 を渡した場合の例を記載します。

    [armadillo ~]# vi /etc/atmark/containers/di_example.conf
    set_image docker.io/alpine
    set_command sleep infinity
    add_devices /dev/gpiochip5
    [armadillo ~]# podman_start di_example
    Starting 'di_example'
    956a0fecc48d5ea1210069910f7bb48b9e90b2dadb12895064d9776dae0360b5

    図3.68 接点入力を扱うためのコンテナ作成例


    コンテナ内に入ってコマンドで GPIO を操作する例を以下に示します。

    [armadillo ~]# podman exec -it di_example sh
    [container ~]# apk upgrade
    [container ~]# apk add libgpiod
    [container ~]# gpioget gpiochip5 [GPIO] 1
    0 2

    図3.69 コンテナ内からコマンドで接点入力を操作する例


    1

    GPIO 番号 [GPIO] の値を取得します。

    2

    取得した値を表示します。

    C 言語プログラムから操作する場合は、GPIO 操作ライブラリである libgpiod を使用することができます。

  • Armadillo 上で使用する

    gpioget コマンドを用いて入力レベルの確認ができます。"0"は LOW レベル、"1"は HIGH レベルを表わします。

    [armadillo ~]# gpioget gpiochip5 [GPIO]
    0

    図3.70 入力レベルの確認


3.6.8. 接点出力を使用する

3.6.8.1. ハードウェア仕様(CON6:接点出力)

接点出力部はフォトリレーによる絶縁出力(無極性)となっています。 出力部を駆動するためには外部に電源が必要となります。 出力1点につき最大電流500mA(定格 48V)まで駆動可能です。

機能
  • 接点出力 x 2
インターフェース仕様(CON6:接点出力)

表3.18 CON6 信号配列(接点出力関連)

ピン番号ピン名 I/O 説明

6

DO1A

-

接点出力1A

7

DO1B

-

接点出力1B

8

DO2A

-

接点出力2A

9

DO2B

-

接点出力2B


images/con6-do.svg

図3.71 CON6 接点出力周辺回路


表3.19 CON6 接続可能な電線

規格

UL

IEC

電線範囲

26~18 AWG

0.12~0.9mm2

被覆剥き長さ

5~6mm

使用可能フェルール端子

型番 : MFL25-5BE

メーカー:ミスミ

推奨ねじ締めトルク

0.28Nm


[警告]

電線の先端に予備半田しないでください。正しい接続ができなくなります。

[警告]

端子台に電線を接続する際、端子台に過度な力を加えないでください。 端子台が破損する恐れがあります。

3.6.8.2. ソフトウェア仕様

入出力インターフェース(CON6)のピン6/ピン7、ピン8/ピン9を接点出力として使用できます。

ソフトウェアからは GPIO として制御可能であり、対応するGPIO 番号を次に示します。

表3.20 接点出力に対応する CON6 ピン番号

ピン番号 ピン名 GPIOチップ GPIO番号

6

DO1A

gpiochip5

2

7

DO1B

gpiochip5

2

8

DO2A

gpiochip5

3

9

DO2B

gpiochip5

3


[警告]

接点出力は、デフォルトの状態ではゲートウェイコンテナが使用しています。そのため、出力レベルを確認するには「コンテナの終了」の手順でゲートウェイコンテナを終了させる、または表3.45「[DO1,DO2] 設定可能パラメータ」で "disable" を設定する必要があります。

3.6.8.3. 使用方法

  • コンテナで使用する

    コンテナ内で動作するアプリケーションから接点出力を扱うためには、Podman のイメージからコンテナを作成する際にホスト OS 側の /dev/gpiochipN を渡すと、GPION+1 を操作することができます。

    ここでは接点出力で使用する gpiochip5 を渡した場合の例を記載します。

    [armadillo ~]# vi /etc/atmark/containers/do_example.conf
    set_image docker.io/alpine
    set_command sleep infinity
    add_devices /dev/gpiochip5
    [armadillo ~]# podman_start do_example
    Starting 'gpio_example'
    956a0fecc48d5ea1210069910f7bb48b9e90b2dadb12895064d9776dae0360b5

    図3.72 接点出力を扱うためのコンテナ作成例


    コンテナ内に入ってコマンドで接点出力を操作する例を以下に示します。

    [armadillo ~]# podman exec -it gpio_example sh
    [container ~]# apk upgrade
    [container ~]# apk add libgpiod
    [container ~]# gpioset gpiochip5 [GPIO]=0 1

    図3.73 コンテナ内からコマンドで接点出力を操作する例


    1

    GPIO 番号 [GPIO] の値を low に設定します。

    C 言語プログラムから操作する場合は、GPIO 操作ライブラリである libgpiod を使用することができます。

  • Armadillo 上で使用する

    gpioset コマンドを用いて、出力レベルを設定することができます。出力レベルには "0" または "1" を設定します。"0"は LOW レベル、"1"は HIGH レベルを表わします。

    [armadillo ~]# gpioset gpiochip5 [GPIO]=0

    図3.74 出力レベルを "0" に設定する場合


  • 接点入力、接点出力をループバックして確認する

    ピン1とピン3、ピン2とピン6、ピン4とピン7をそれぞれ接続することで、DI1、DO1をループバックして確認することが可能です。

    [armadillo ~]# gpioget gpiochip5 0
    0
    [armadillo ~]# gpioset gpiochip5 2=1    # DO1の出力レベルを "1" に設定する
    [armadillo ~]# gpioget gpiochip5 0      # DI1の入力レベルが "1" に変化する
    1

    図3.75 DI1、DO1をループバックした場合のコマンド実行例


3.6.9. UART を使用する

Armadillo-IoT ゲートウェイ A6E のシリアルは、i.MX6ULLのUART (Universal Asynchronous Receiver/Transmitter) を利用しています。

Armadillo-IoT ゲートウェイ A6E の標準状態では、UART3 (CON7) をシリアルコンソールとして利用しています。UART5(CON6 のピン 10 ~ 12) を RS-485 のインタフェースとして利用できます。

拡張インターフェース(CON8)でシリアル(UART)を最大2ポート拡張することが可能です。信号線は i.MX6ULL の UART(UART1、UART7)に接続されています。

3.6.9.1. ハードウェア仕様(CON7)

CON7 は USB コンソール用インターフェースです。

信号線は USB シリアル変換 IC(CP2102N/Sillicon Labs) を経由して i.MX6ULL の UART コントローラ (UART3) に接続されています。

機能
  • フォーマット

    • データビット長: 7 or 8ビット
    • ストップビット長: 1 or 2ビット
    • パリティ: 偶数 or 奇数 or なし
    • フロー制御: CTS/RTS or XON/XOFF or なし
  • 最大ボーレート:4Mbps
[ティップ]

UART3(CON7)は4Mbpsで利用することができません。USBシリアル変換IC(CP2102N/Silicon Labs)の最大ボーレートが3Mbpsである為です。

インターフェース仕様(CON7)

表3.21 CON7 信号配列

ピン番号ピン名 I/O 説明

1

VBUS_CNSL

Power

電源(VBUS_CNSL)

2

CNSL_USB_D-

In/Out

コンソール用USBのマイナス側信号、USBシリアル変換ICに接続

3

CNSL_USB_D+

In/Out

コンソール用USBのプラス側信号、USBシリアル変換ICに接続

4

CNSL_USB_ID

-

未接続

5

GND

Power

電源(GND)


3.6.9.2. ハードウェア仕様(CON6:RS-485)

RS485 は、入出力インターフェース(CON6)の 10 ~ 12 ピンを使用します。

終端抵抗 120Ω の ON/OFFをスイッチで切り替えることができます、設定方法は「ハードウェア仕様 (SW3:RS485 終端抵抗設定スイッチ)」を参照ください。

機能
  • 最大データ転送レート : 5Mbps
  • 半二重対応
  • RS-485 シリアルインターフェースのデバイスファイルは、/dev/ttymxc4 を使用します。
インターフェース仕様
images/con6-rs485.svg

図3.76 CON6 RS485トランシーバ周辺回路


表3.22 CON6 信号配列(RS-485関連)

ピン番号 ピン名

10

DATA+

11

DATA-

12

GND


表3.23 CON6 接続可能な電線

規格

UL

IEC

電線範囲

26~18 AWG

0.12~0.9mm2

被覆剥き長さ

5~6mm

使用可能フェルール端子

型番 : MFL25-5BE

メーカー:ミスミ

推奨ねじ締めトルク

0.28Nm


[警告]

電線の先端に予備半田しないでください。正しい接続ができなくなります。

[警告]

端子台に電線を接続する際、端子台に過度な力を加えないでください。 端子台が破損する恐れがあります。

3.6.9.3. ハードウェア仕様 (SW3:RS485 終端抵抗設定スイッチ)

SW3はRS485の終端抵抗設定スイッチです。 SW3を操作することで、終端抵抗 120ΩのON/OFFを切り替えることができます。

images/a6e-sw3.svg

図3.77 スイッチの状態と終端抵抗のON/OFF


images/common-images/callouts/1.svg
終端抵抗 120Ω がONになります。
images/common-images/callouts/2.svg
終端抵抗 120Ω がOFFになります。
[ティップ]

終端はRS485の信号線の最遠端で行います。 Armadillo-IoT A6Eが最遠端になる場合は終端抵抗をONにしてください。

3.6.9.4. ソフトウェア仕様

デバイスファイル
  • シリアルコンソール (UART3)

    • /dev/ttymxc2
  • RS-485 シリアルインターフェース(UART5)

    • /dev/ttymxc4

3.6.9.5. 使用方法

コンテナ内で動作するアプリケーションから RS-232C や RS-485 などのシリアル通信を行うためには、 Podman のイメージからコンテナを作成する際にホスト OS 側のデバイスファイル /dev/ttymxcN を渡す必要があります。 以下は、/dev/ttymxc0 を渡して alpine イメージからコンテナを作成する例です。

[armadillo ~]# vi /etc/atmark/containers/serial_example.conf
set_image docker.io/alpine
set_command sleep infinity
add_devices /dev/ttymxc0
[armadillo ~]# podman_start serial_example
Starting 'serial_example'
3999f09d51253371cacffd68967c90fdd5250770888a82f59d7810b54fcc873e

図3.78 シリアルインターフェースを扱うためのコンテナ作成例


コンテナ内に入り、setserial コマンドを使って現在の設定を確認することができます。

[armadillo ~]# podman exec -it serial_example sh
[container ~]# setserial -a /dev/ttymxc0
/dev/ttymxc0, Line 0, UART: undefined, Port: 0x0000, IRQ: 29
        Baud_base: 5000000, close_delay: 50, divisor: 0
        closing_wait: 3000
        Flags: spd_normal

図3.79 setserial コマンドによるシリアルインターフェイス設定の確認例


3.6.10. GPIO を制御する

3.6.10.1. ハードウェア仕様

Armadillo-IoT ゲートウェイ A6E のGPIOは、i.MX6ULL の GPIO(General Purpose Input/Output)および、Texas Instruments製TCA9534(GPIOエキスパンダー)を利用しています。

拡張インターフェース(CON8) で GPIO を最大 22 ポート拡張することが可能です。

3.6.10.2. ソフトウェア仕様

デバイスファイル
デバイスファイル GPIO番号

/dev/gpiochip0

0~31(GPIO1_IO00~GPIO1_IO31)O3

/dev/gpiochip1

32~53(GPIO2_IO00~GPIO2_IO21)O2

/dev/gpiochip2

64~92(GPIO3_IO00~GPIO3_IO28)O2

/dev/gpiochip3

96~124(GPIO4_IO00~GPIO4_IO28)O2

/dev/gpiochip4

128~139(GPIO5_IO00~GPIO5_IO11)O1

/dev/gpiochip5

504~511 [a] (TCA9534)

[a] GPIOエキスパンダーを追加した場合は、番号が異なる可能性があります。

sysfs GPIOクラスディレクトリ
  • /sys/class/gpio/
[ティップ]

sysfs GPIOクラスは旧バージョンのLinuxカーネルとの互換性維持の為に残っています。新しくアプリケーションを開発する際の利用はおすすめしません。 新しくアプリケーションを開発する場合は、libgpiodパッケージに含まれるアプリケーションまたはLinux カーネルのソースコードに含まれているサンプル(tools/gpio/)を参考にしてください。

3.6.10.3. 使用方法

コンテナ内で動作するアプリケーションから GPIO を扱うためには、Podman のイメージからコンテナを作成する際にホスト OS 側のデバイスファイル /dev/gpiochipN を渡す必要があります。以下は、/dev/gpiochip2 を渡して alpine イメージからコンテナを作成する例です。 /dev/gpiochipN を渡すと、GPION+1 を操作することができます。

[armadillo ~]# vi /etc/atmark/containers/gpio_example.conf
set_image docker.io/alpine
set_command sleep infinity
add_devices /dev/gpiochip2
[armadillo ~]# podman_start gpio_example
Starting 'gpio_example'
956a0fecc48d5ea1210069910f7bb48b9e90b2dadb12895064d9776dae0360b5

図3.80 GPIO を扱うためのコンテナ作成例


コンテナ内に入ってコマンドで GPIO を操作する例を以下に示します。この例では GPIO3_IO21 を操作しています。

[armadillo ~]# podman exec -it gpio_example sh
[container ~]# apk upgrade
[container ~]# apk add libgpiod
[container ~]# gpioget gpiochip2 21 1
0 2
[container ~]# gpioset gpiochip2 21=1 3

図3.81 コンテナ内からコマンドで GPIO を操作する例


1

GPIO 番号 21 の値を取得します。

2

取得した値を表示します。

3

GPIO 番号 21 に 1(High) を設定します。

他にも、gpiodetect コマンドで認識している gpiochip をリスト表示できます。 以下の例では、コンテナを作成する際に渡した /dev/gpiochip2 が認識されていることが確認できます。

[container ~]# gpiodetect
gpiochip2 [30220000.gpio] (32 lines)

図3.82 gpiodetect コマンドの実行


gpioinfo コマンドでは、指定した gpiochip の詳細な情報を表示することができます。

[container ~]# gpioinfo gpiochip2
gpiochip2 - 32 lines:
        line   0:      unnamed          "?"  output  active-high [used]
        line   1:      unnamed       unused   input  active-High
        line   2:      unnamed       unused   input  active-high
        line   3:      unnamed       unused   input  active-high
        line   4:      unnamed       unused   input  active-high
        line   5:      unnamed       unused   input  active-high
        line   6:      unnamed       unused   input  active-high
        line   7:      unnamed       unused   input  active-high
        line   8:      unnamed       unused   input  active-high
        line   9:      unnamed       unused   input  active-high
        line  10:      unnamed       unused   input  active-high
        line  11:      unnamed       unused   input  active-high
        line  12:      unnamed       unused   input  active-high
        line  13:      unnamed       unused   input  active-high
        line  14:      unnamed       unused   input  active-high
        line  15:      unnamed       unused   input  active-high
        line  16:      unnamed       unused   input  active-high
        line  17:      unnamed       unused   input  active-high
        line  18:      unnamed       unused   input  active-high
        line  19:      unnamed       unused   input  active-high
        line  20:      unnamed       unused   input  active-high
        line  21:      unnamed       unused   input  active-high
        line  22:      unnamed       unused   input  active-high
        line  23:      unnamed       unused   input  active-high
        line  24:      unnamed       unused   input  active-high
        line  25:      unnamed       unused   input  active-high
        line  26:      unnamed       unused   input  active-high
        line  27:      unnamed       unused   input  active-high
        line  28:      unnamed       unused   input  active-high
        line  29:      unnamed       unused   input  active-high
        line  30:      unnamed       unused   input  active-high
        line  31:      unnamed       unused   input  active-high

図3.83 gpioinfo コマンドの実行


C 言語プログラムから操作する場合は、GPIO 操作ライブラリである libgpiod を使用することができます。

3.6.11. I2C デバイスを使用する

3.6.11.1. ハードウェア仕様

Armadillo-IoT ゲートウェイ A6E の I2C インターフェースは、i.MX6ULL の I2C(I2C Controller) を利用します。また、i2c-gpioを利用することで、I2C バスを追加することができます。 Armadillo-IoT ゲートウェイ A6E で利用している I2C バスと、接続される I2C デバイスを次に示します。

表3.24 I2C デバイス

I2C バス I2C デバイス

アドレス

デバイス名

 

0(I2C1)

0x08

PF3000 (PMIC)

1(I2C2)

0x20

TCA9534 (GPIOエキスパンダー)

0x32

RV8803 (RTC)

0x48

SE050(セキュアエレメント)


Armadillo-IoT ゲートウェイ A6E の標準状態では、CONFIG_I2C_CHARDEV が有効となっているためユーザードライバで I2C デバイスを制御することができます。ユーザードライバを利用する場合は、Linux カーネルで I2Cデバイスに対応するデバイスドライバを無効にする必要があります。

機能
  • 最大転送レート: 384kbps

3.6.11.2. ソフトウェア仕様

デバイスファイル
  • /dev/i2c-0 (I2C1)
  • /dev/i2c-1 (I2C2)
  • /dev/i2c-2 (I2C3)
  • /dev/i2c-3 (I2C4)

3.6.11.3. 使用方法

コンテナ内で動作するアプリケーションから I2C を扱うためには、Podman のイメージからコンテナを作成する際にホスト OS 側のデバイスファイル /dev/i2c-N を渡す必要があります。以下は、/dev/i2c-1 を渡して alpine イメージからコンテナを作成する例です。

[armadillo ~]# vi /etc/atmark/containers/i2c_example.conf
set_image docker.io/alpine
set_command sleep infinity
add_devices /dev/i2c-1
[armadillo ~]# podman_start i2c_example
Starting 'i2c_example'
efa1eb129c1f036a709755f0d53b21a0f2a39307ecae32b24aac98c0b6567bf0

図3.84 I2C を扱うためのコンテナ作成例


コンテナ内に入り、i2c-tools に含まれる i2cdetect コマンドを使ってスレーブアドレスを確認することができます。

[armadillo ~]# podman exec -it i2c_example sh
[container ~]# apk upgrade
[container ~]# apk add i2c-tools
[container ~]# i2cdetect -y 1
     0  1  2  3  4  5  6  7  8  9  a  b  c  d  e  f
00:                         -- -- -- -- -- -- -- --
10: -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- --
20: -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- --
30: -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- UU -- --
40: -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- UU -- -- --
50: UU -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- --
60: -- -- -- -- -- -- -- -- 68 -- -- -- -- -- -- --
70: -- -- 72 -- -- -- -- --

図3.85 i2cdetect コマンドによる確認例


3.6.12. RTC を使用する

3.6.12.1. ハードウェア仕様

Armadillo-IoT ゲートウェイ A6E のリアルタイムクロックは、Micro Crystal製 RV-8803-C7 が搭載されておりこれを利用しています。 RV-8803-C7 は、「ハードウェア仕様」に示す I2C2 に接続されています。 i.MX6ULL の RTC 機能も存在します。

機能
  • アラーム割り込みサポート

3.6.12.2. ソフトウェア仕様

デバイスファイル
  • /dev/rtc ( /dev/rtc0 へのシンボリックリンク)
  • /dev/rtc0 (RV-8803-C7)
  • /dev/rtc1 (i.MX6ULL SNVS_HP Real Time Counter)
[ティップ]

RTCが /dev/rtc0 となるよう、Device Treeでエイリアスを設定しています。そのため、i.MX6ULLのRTC機能は /dev/rtc1 となります。 エイリアスの設定は、 arch/arm/boot/dts/armadillo-iotg-a6e.dts で行っています。

アラーム割り込みは、デバイスファイル経由で利用することができます。

詳細な情報については、Linux カーネルのソースコードに含まれているドキュメント(Documentation/admin-guide/rtc.rst)やサンプルプログラム(tools/testing/selftests/rtc/rtctest.c)を参照してください。

3.6.12.3. 使用方法

  • コンテナで使用する

    コンテナ内から RTC を扱うためには、Podman のイメージからコンテナを作成する際にホスト OS 側のデバイスファイル /dev/rtc0 を渡すと同時に、RTC への時刻の設定を行うための権限も渡す必要があります。 以下は、/dev/rtc0 を渡して alpine イメージからコンテナを作成する例です。権限として SYS_TIME も渡しています。

    [armadillo ~]# vi /etc/atmark/containers/rtc_example.conf
    set_image docker.io/alpine
    set_command sleep infinity
    add_args --cap-add=SYS_TIME
    add_devices /dev/rtc0
    [armadillo ~]# podman_start rtc_example
    Starting 'rtc_example'
    025209e0d96f43c2911239a8397b7002c3eaab057e031d8abb765df5707d75bd

    図3.86 RTC を扱うためのコンテナ作成例


    コンテナ内に入り、hwclock コマンドで RTC の時刻表示と設定ができます。

    [armadillo ~]# podman exec -it rtc_example sh
    [container ~]# hwclock 1
    Thu Feb 18 05:14:37 2021  0.000000 seconds
    [container ~]# date --set "2021-04-01 09:00:00" 2
    Thu Apr  1 09:00:00 UTC 2021
    [container ~]# hwclock --systohc 3
    [container ~]# hwclock 4
    Thu Apr  1 09:00:28 2021  0.000000 seconds

    図3.87 hwclock コマンドによるRTCの時刻表示と設定例


    1

    RTC に設定されている現在時刻を表示します。

    2

    システム時刻を 2021 年 4 月 1 日 9 時 0 分 0 秒に設定します。

    3

    システム時刻を RTC に反映させます。

    4

    RTC に設定されている時刻が変更されていることを確認します。

  • Armadillo 上で RTC に時刻を設定する

    Linuxの時刻には、Linuxカーネルが管理するシステムクロックと、RTCが管理するハードウェアクロックの2種類があります。RTCに時刻を設定するためには、まずシステムクロックを設定します。その後に、ハードウェアクロックをシステムクロックと一致させる手順となります。

    システムクロックは、dateコマンドを用いて設定します。dateコマンドの引数には、設定する時刻を [MMDDhhmmCCYY.ss] というフォーマットで指定します。時刻フォーマットの各フィールドの意味を次に示します。

    表3.25 時刻フォーマットのフィールド

    フィールド意味

    MM

    DD

    日(月内通算)

    hh

    mm

    CC

    年の最初の2桁(省略可)

    YY

    年の最後の2桁(省略可)

    ss

    秒(省略可)


    2023年3月2日12時34分56秒に設定する例を次に示します。

    [armadillo ~]# date
    Sat Jan  1 09:00:00 JST 2000
    [armadillo ~]# date 030212342023.56
    Fri Mar  2 12:34:56 JST 2023
    [armadillo ~]# date
    Fri Mar  2 12:34:57 JST 2023

    図3.88 システムクロックを設定


    システムクロックを設定後、ハードウェアクロックを hwclock コマンドを用いて設定します。

    [armadillo ~]# hwclock  1
    2000-01-01 00:00:00.000000+09:00
    [armadillo ~]# hwclock --utc --systohc  2
    [armadillo ~]# hwclock --utc  3
    2023-03-02 12:57:20.534140+09:00

    図3.89 ハードウェアクロックを設定


    1

    現在のハードウェアクロックを表示します。

    2

    ハードウェアクロックを協定世界時(UTC)で設定します。

    3

    ハードウェアクロックが UTC で正しく設定されていることを確認します。

    [ティップ]

    インターネットに接続できている場合は、chronyd により自動的に日時設定が行われます。そのため、手動で日時設定を行う必要はありません。

3.6.13. 起動デバイスを変更する

SW2は起動デバイス設定スイッチです。 SW2を操作することで、起動デバイスを設定することができます。

3.6.13.1. ハードウェア仕様

images/a6e-sw2.svg

図3.90 スイッチの状態と起動デバイス


images/common-images/callouts/1.svg
起動デバイスはeMMCになります。
images/common-images/callouts/2.svg
起動デバイスはmicroSDになります。

3.6.14. ユーザースイッチを使用する

3.6.14.1. ハードウェア仕様

SW1はユーザーが自由に利用できる押しボタンスイッチです。

インターフェース仕様(SW1)

表3.26 SW1 信号配列

部品番号 名称 説明

SW1

ユーザースイッチ

i.MX6ULL の JTAG_MOD ピンに接続

(Low: 押されていない状態、High: 押された状態)


3.6.14.2. ソフトウェア仕様

Linux では、ユーザー空間でイベント(Press/Release)を検出することができます。Linux では、GPIO 接続用キーボードドライバ(gpio-keys)で制御することができます。

ユーザースイッチと信号には、次に示すキーコードが割り当てられています。

表3.27 インプットデバイスファイルとイベントコード

ユーザースイッチインプットデバイスファイルイベントコード

SW1

/dev/input/by-path/platform-gpio-keys-event

148 (KEY_PROG1)


[警告]

インプットデバイスは検出された順番にインデックスが割り振られます。USBデバイスなどを接続してインプットデバイスを追加している場合は、デバイスファイルのインデックスが異なる可能性があります。

3.6.14.3. 使用方法

スイッチのプッシュ/リリースイベントを取得するためには、 Podman のイメージからコンテナを作成する際にホスト OS 側の /dev/input ディレクトリを渡す必要があります。 以下は、/dev/input を渡して alpine イメージからコンテナを作成する例です。ここで渡された /dev/input ディレクトリは コンテナ内の /dev/input にマウントされます。

[armadillo ~]# vi /etc/atmark/containers/sw_example.conf
set_image docker.io/alpine
set_command sleep infinity
add_devices /dev/input
[armadillo ~]# podman_start sw_example
Starting 'sw_example'
c0cd8b801883266197a3c20552b0e8b6c7dd473bb0b24e05bf3ecdb581c822b9

図3.91 ユーザースイッチのイベントを取得するためのコンテナ作成例


コンテナ内に入り、evtest コマンドでイベントを確認できます。

[armadillo ~]# podman exec -it sw_example sh
[container ~]# apk upgrade
[container ~]# apk add evtest
[container ~]# evtest /dev/input/event1
Input driver version is 1.0.1
Input device ID: bus 0x19 vendor 0x1 product 0x1 version 0x100
Input device name: "gpio-keys"
Supported events:
  Event type 0 (EV_SYN)
  Event type 1 (EV_KEY)
    Event code 28 (KEY_ENTER)
Properties:
Testing ... (interrupt to exit)
Event: time 1612849227.554456, type 1 (EV_KEY), code 28 (KEY_ENTER), value 1  1
Event: time 1612849227.554456, -------------- SYN_REPORT ------------
Event: time 1612849229.894444, type 1 (EV_KEY), code 28 (KEY_ENTER), value 0  2
Event: time 1612849229.894444, -------------- SYN_REPORT ------------

図3.92 evtest コマンドによる確認例


1

SW1のボタン プッシュ イベントを検出したときの表示

2

SW1のボタン リリース イベントを検出したときの表示

[ティップ]

Armadillo Base OS では、スイッチの制御を簡単に実装できる buttond デーモンを用意しております。 詳細は「ボタンやキーを扱う」 を参照してください。

3.6.15. LED を使用する

LED は SYS、APP、WWAN が実装されており、Armadillo Base OS にて表3.29「LED状態と製品状態の対応について」に示す状態を表示しています。

LTE モジュール非搭載の LAN モデル及び WLAN モデルは、 WWAN LED をユーザー開放しております。

3.6.15.1. ハードウェア仕様

インターフェース仕様

表3.28 LED 信号配列

部品番号 名称(色) 説明

SYS

システムLED(緑)

電源(VCC_3.3V)の入力状態を表示、i.MX6ULLのUART2_CTS_Bピン(GPIO1_IO22)に接続

(Low: 消灯、High: 点灯)

APP

アプリケーションLED(緑)

アプリケーションの状態を表示、i.MX6ULLのUART2_RTS_Bピン(GPIO1_IO23)に接続

(Low: 消灯、High: 点灯)

WWAN

ワイヤレスWAN LED(緑)

LTE通信の状態を表示、i.MX6ULLのUART1_RX_DATAピン(GPIO1_IO17)に接続

(Low: 消灯、High: 点灯)


3.6.15.2. ソフトウェア仕様

Linuxでは、GPIO接続用LEDドライバ(leds-gpio)で制御することができます。

sysfs LEDクラスディレクトリ
  • /sys/class/leds/app
  • /sys/class/leds/sys
  • /sys/class/leds/wwan

表3.29 LED状態と製品状態の対応について

LED状態\LED名称 SYS APP WWAN

OFF

電源OFF

アプリ起動不可

SIM 未検出または認識中、または LTE モデム未検出

ON

電源ON

アプリ起動可能

LTE 接続済み

Blink Slow

シャットダウン中

アプリ起動完了

SIM 検出、LTE 未接続 [a]

Blink Fast

アップデート中

アプリエラー

SIM 検出、LTE 未接続、電波品質が低い [a]

[a] LTE コネクションが未作成、設定間違いの場合もこの状態となります


[ティップ]

WLAN/LAN モデルでは WWAN KED を自由に使用することができます。

3.6.15.3. 使用方法

  • コンテナで使用する

    LED を扱うためには、 Podman のイメージからコンテナを作成する際にホスト OS 側の /sys ディレクトリを渡す必要があります。 以下は、/sys を渡して alpine イメージからコンテナを作成する例です。ここで渡された /sys ディレクトリはコンテナ内の /sys にマウントされます。

    [armadillo ~]# vi /etc/atmark/containers/led_example.conf
    set_image docker.io/alpine
    set_command sleep infinity
    add_volumes /sys
    [armadillo ~]# podman_start led_example
    Starting 'led_example'
    c770f76d7714f4cceb1229be2240382bded236c2c51bb6b866bc0098c2cb987a

    図3.93 LED を扱うためのコンテナ作成例


    コンテナ内に入り、brightness ファイルに値を書き込むことで LED の点灯/消灯を行うことができます。 0 を書き込むと消灯、0 以外の値 (1~255) を書き込むと点灯します。

    [armadillo ~]# podman exec -it led_example sh
    [container ~]# echo 0 > /sys/class/leds/app/brightness
    [container ~]# echo 1 > /sys/class/leds/app/brightness

    図3.94 LED の点灯/消灯の実行例


以降の説明では、任意のLEDを示すLEDクラスディレクトリを /sys/class/leds/[LED]/ のように表記します。 [LED] の部分を適宜読みかえてください。

  • LEDを点灯/消灯する

    LEDクラスディレクトリ以下の brightness ファイルへ値を書き込むことによって、LEDの点灯/消灯を行うことができます。 brightness に書き込む有効な値は 0~255です。

    brightness に 0 以外の値を書き込むとLEDが点灯します。

    [armadillo ~]# echo 1 > /sys/class/leds/[LED]/brightness

    図3.95 LEDを点灯させる


    [注記]

    Armadillo-IoT ゲートウェイ A6E のLEDには輝度制御の機能がないため、0(消灯)、1~255(点灯)の2つの状態のみ指定することができます。

    brightness に0を書き込むとLEDが消灯します。

    [armadillo ~]# echo 0 > /sys/class/leds/[LED]/brightness

    図3.96 LEDを消灯させる


    brightness を読み出すとLEDの状態が取得できます。

    [armadillo ~]# cat /sys/class/leds/[LED]/brightness

    図3.97 LEDの状態を表示する


  • トリガを使用する

    Linux では、LED をある特定のタイミングで光らせることができます。これを「トリガ」と呼びます。LEDクラスディレクトリ以下の trigger ファイルへ値を書き込むことによってLEDの点灯/消灯にトリガを設定することができます。 trigger でサポートされている値は以下の通りです。

    表3.30 LEDトリガの種類

    設定 説明

    none

    トリガを設定しません

    mmc0

    eMMCのアクセスランプにします

    mmc1

    microSDスロットのアクセスランプにします

    timer

    任意のタイミングで点灯/消灯を行います。この設定にすることにより、LEDクラスディレクトリ以下にdelay_on, delay_offファイルが出現し、それぞれ点灯時間, 消灯時間をミリ秒単位で指定します

    heartbeat

    心拍のように点灯/消灯を行います

    default-on

    主にLinuxカーネルから使用します。LEDが点灯します


    trigger ファイルを読み出すとサポートしているトリガと、現在有効のトリガが表示されます。 [] が付いているものが現在のトリガです。

    [armadillo ~]# cat /sys/class/leds/[LED]/trigger
    [none] rc-feedback bluetooth-power rfkill-any rfkill-none kbd-scrolllock kbd-numlock kbd-capslock kbd-kanalock kbd-shiftlock kbd-altgrlock kbd-ctrllock kbd-altlock kbd-shiftllock kbd-shiftrlock kbd-ctrlllock kbd-ctrlrlock rfkill0 rfkill1 timer oneshot heartbeat backlight gpio default-on mmc0 mmc1

    図3.98 対応している LEDトリガを表示


    以下のコマンドを実行すると、LEDが2秒点灯、1秒消灯を繰り返します。

    [armadillo ~]# echo timer > /sys/class/leds/[LED]/trigger
    [armadillo ~]# echo 2000 > /sys/class/leds/[LED]/delay_on
    [armadillo ~]# echo 1000 > /sys/class/leds/[LED]/delay_off

    図3.99 LEDのトリガにtimerを指定する


3.6.16. 拡張インターフェースを使用する

CON8は機能拡張用のインターフェースです。複数の機能(マルチプレクス)を持つ、 i.MX6ULL の信号線が接続されており、GPIO、UART、I2C、SPI、CAN、PWM等の機能を拡張することができます。

[ティップ]

拡張できる機能の詳細につきましては、 Armadilloサイトからダウンロードできる 「Armadillo-IoT ゲートウェイ A6E マルチプレクス表」をご参照ください。

表3.31 CON8 搭載コネクタと対向コネクタ例

名称 型番 メーカー 備考

搭載コネクタ

A1-34PA-2.54DSA(71)

HIROSE ELECTRIC

許容電流 3A(端子1本あたり)

対向コネクタ

6130xx21821 [a]

Wurth Elektronik

-

[a] xxにはピン数が入ります。


表3.32 CON8 信号配列

ピン番号ピン名 I/O 説明

1

VIN

Power

電源出力(VIN)

2

GND

Power

電源(GND)

3

VCC_5V

Power

電源出力(VCC_5V)

4

GND

Power

電源(GND)

5

VCC_3.3V

Power

電源出力(VCC_3.3V)

6

GND

Power

電源(GND)

7

GPIO1_IO01

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのGPIO1_IO01ピンに接続

8

GPIO1_IO02

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのGPIO1_IO02ピンに接続

9

GPIO1_IO03

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのGPIO1_IO03ピンに接続

10

GPIO1_IO04

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのGPIO1_IO04ピンに接続

11

GND

Power

電源(GND)

12

I2C4_SCL

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのI2C4_SCLピンに接続

13

I2C4_SDA

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのI2C4_SDAピンに接続

14

GPIO3_IO05

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのLCD_DATA00ピンに接続、基板上で10kΩプルダウンされています。

15

GPIO3_IO06

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのLCD_DATA01ピンに接続、基板上で10kΩプルアップ(VCC_3.3V)されています。

16

GPIO3_IO07

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのLCD_DATA02ピンに接続、基板上で10kΩプルダウンされています。

17

GPIO3_IO08

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのLCD_DATA03ピンに接続、基板上で10kΩプルダウンされています。

18

GND

Power

電源(GND)

19

GPIO3_IO10

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのLCD_DATA05ピンに接続、起動デバイス設定スイッチ(SW2)がeMMC側に設定されている時10kΩプルアップ(VCC_3.3V)、SD側に設定されている時10kΩプルダウンされます。

20

GPIO3_IO11

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのLCD_DATA06ピンに接続、基板上で10kΩプルアップ(VCC_3.3V)されています。

21

GPIO3_IO12

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのLCD_DATA07ピンに接続、基板上で10kΩプルダウンされています。

22

GPIO3_IO13

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのLCD_DATA08ピンに接続、基板上で10kΩプルダウンされています。

23

GPIO3_IO14

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのLCD_DATA09ピンに接続、基板上で10kΩプルダウンされています。

24

GPIO3_IO15

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのLCD_DATA10ピンに接続、基板上で10kΩプルダウンされています。

25

GPIO3_IO16

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのLCD_DATA11ピンに接続、起動デバイス設定スイッチ(SW2)がeMMC側に設定されている時10kΩプルダウン、SD側に設定されている時10kΩプルアップ(VCC_3.3V)されます。

26

GPIO3_IO20

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのLCD_DATA15ピンに接続、基板上で10kΩプルダウンされています。

27

GPIO3_IO21

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのLCD_DATA16ピンに接続、基板上で10kΩプルダウンされています。

28

GPIO3_IO22

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのLCD_DATA17ピンに接続、基板上で10kΩプルダウンされています。

29

GPIO4_IO25

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのCSI_DATA04ピンに接続

30

GPIO4_IO26

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのCSI_DATA05ピンに接続

31

GPIO4_IO27

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのCSI_DATA06ピンに接続

32

GPIO4_IO28

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのCSI_DATA07ピンに接続

33

GND

Power

電源(GND)

34

GND

Power

電源(GND)


拡張基板の設計に関しては、「拡張基板の設計」も参照ください。

3.6.17. 電源を入力する

3.6.17.1. ハードウェア仕様

CON5 と CON6 の一部は電源入力用のインターフェースです。

インターフェース仕様(CON5)

CON5 には DC ジャックが実装されており、図3.100「ACアダプタの極性マーク」と同じ極性マークのあるACアダプタが使用できます。 対応プラグは内径2.1mm、外形5.5mmのものとなります。

images/common-images/center-plus.svg

図3.100 ACアダプタの極性マーク


インターフェース仕様(CON6:電源入力)

端子台を実装しています。 接続可能な電線については、表3.34「CON6 接続可能な電線」をご確認ください。

表3.33 電源入力関連 CON6 信号配列

ピン番号ピン名 I/O 説明

1

VIN

Power

電源入力(+)

2

GND

Power

電源入力(GND)

12

GND

Power

電源入力(GND)


表3.34 CON6 接続可能な電線

規格

UL

IEC

電線範囲

26~18 AWG

0.12~0.9mm2

被覆剥き長さ

5~6mm

使用可能フェルール端子

型番 : MFL25-5BE

メーカー:ミスミ

推奨ねじ締めトルク

0.28Nm


[警告]

電線の先端に予備半田しないでください。正しい接続ができなくなります。

[警告]

端子台に電線を接続する際、端子台に過度な力を加えないでください。 端子台が破損する恐れがあります。

[警告]

CON5、CON6の電源ライン(VIN)は接続されており、同時に電源を供給することはできません。

[警告]

CON5から電源供給する場合、ACアダプタのDCプラグをDCジャックに接続してから、ACプラグをコンセントに挿してください。

[警告]

電源を再投入する際は、コンデンサに蓄えられた電荷を抜くため、電源を切断後、一定時間以上待つ必要があります。 開発セット付属のACアダプタの場合に必要な時間は以下のとおりです。

  • DCプラグ側で電源を切断した場合 : 約5秒
  • ACプラグ側で電源を切断した場合 : 約1分

コンデンサに蓄えられた電荷が抜ける前に電源を再投入した場合、 電源シーケンスが守られず、起動しない等の動作不具合の原因となります。

3.6.18. Wi-SUN デバイスを使用する

ここでは、Wi-SUN デバイスが UART で接続されている場合の例を示します。 この場合、コンテナ内で動作するアプリケーションから Wi-SUN デバイスで通信を行うためには、 Podman のイメージからコンテナを作成する際にホスト OS 側のデバイスファイル /dev/ttymxcN のうち、 Wi-SUN と対応するものを渡す必要があります。 以下は、/dev/ttymxc0 を渡して alpine イメージからコンテナを作成する例です。

[armadillo ~]# vi /etc/atmark/containers/wisun_example.conf
set_image docker.io/alpine
set_command sleep infinity
add_devices /dev/ttymxc0
[armadillo ~]# podman_start wisun_example
Starting 'wisun_example'
ef9a5a2f7eee4236cb28c1fbf5090a6f0db9d6dfe7f3a34573867e0833dd3122
[armadillo ~]# podman exec -it wisun_example sh
[container ~]# ls /dev/ttymxc0
/dev/ttymxc0

図3.101 Wi-SUN デバイスを扱うためのコンテナ作成例


コンテナ内から、/dev/ttymxc0 を使って Wi-SUN データの送受信ができるようになります。

3.6.19. EnOcean デバイスを扱う

ここでは、EnOcean デバイスが UART で接続されている場合の例を示します。 この場合、コンテナ内で動作するアプリケーションから EnOcean デバイスで通信を行うためには、 Podman のイメージからコンテナを作成する際にホスト OS 側のデバイスファイル /dev/ttymxcN のうち、 EnOcean と対応するものを渡す必要があります。 以下は、/dev/ttymxc0 を渡して alpine イメージからコンテナを作成する例です。

[armadillo ~]# vi /etc/atmark/containers/enocean_example.conf
set_image docker.io/alpine
set_command sleep infinity
add_devices /dev/ttymxc0
[armadillo ~]# podman_start enocean_example
Starting 'enocean_example'
a808b491a100f9078d8c72a7b36966d9182614f3657fe054fb8d7f87b0d4b31c
[armadillo ~]# podman exec -it enocean_example sh
[container ~]# ls /dev/ttymxc0
/dev/ttymxc0

図3.102 EnOcean デバイスを扱うためのコンテナ作成例


コンテナ内から、/dev/ttymxc0 を使って EnOcean データの送受信ができるようになります。

3.7. ソフトウェアの設計

Armadillo-IoT ゲートウェイ A6E を用いた製品のソフトウェア設計は、一般的な組み込み開発と基本的には変わりません。 しかし、 Armadillo Base OS という独自OSを搭載しているため、ソフトウェアの設計には特有のポイントがいくつかあります。 本章では、それらの設計時に考慮すべき Armadillo Base OS 特有のポイントについて紹介していきます。

3.7.1. 開発者が開発するもの、開発しなくていいもの

Armadillo Base OS では、組み込み機器において必要になる様々な機能を標準で搭載しています。

図3.103「開発者が開発するもの、開発しなくていいもの」図3.104「ゲートウェイコンテナ使用時、開発者が開発するもの、開発しなくていいもの」は、 Armadillo Base OS 搭載製品において、開発者が開発するものと開発しなくていいものをまとめた図です。

images/common-images/development-judge.png

図3.103 開発者が開発するもの、開発しなくていいもの


images/development-judge-a6e-with-gw-container.png

図3.104 ゲートウェイコンテナ使用時、開発者が開発するもの、開発しなくていいもの


開発しなくていいものについては設計を考える必要はありません。 開発するものに絞って設計を進めることができます。

[ティップ]

拡張ボードを追加するためにデバイスツリーのカスタマイズが必要となる場合は、デバイスツリー(dtbo)の追加が必要となります。

使用するデバイスによっては、Linux カーネルドライバの追加が必要となり、Linux カーネルのカスタマイズが必要となります。

3.7.2. ユーザーアプリケーションの設計

Armadillo Base OSでは基本的にユーザーアプリケーションを Podman コンテナ上で実行します。 そのため、実行環境として Armadillo Base OS を意識する必要はありません。

Podmanは、同じくコンテナを扱えるソフトウェアである Docker と基本的に互換性があります。

アットマークテクノでは、アットマークテクノが提供する Debian GNU/Linux ベースのコンテナイメージを提供しておりますが、それ以外のlink:Docker Hub などから使い慣れたディストリビューションのコンテナイメージを取得して開発することができます。

また Armadillo-IoT ゲートウェイ A6E では、ゲートウェイコンテナというコンテナイメージをプリインストールしています。必要な機能がゲートウェイコンテナに全て含まれているのであれば、VS Code にて設定を実施して Armadillo にインストールするだけでクラウドへの計測データーの送信や Armadillo の簡易な制御が可能となります。

3.7.2.1. LTE 通信を使用する場合に考慮すべきこと

LTE 通信は、周辺の状況や工事などによって長時間通信ができなくなる可能性があります。そのため、クラウドやサーバーへ送信すべきデーターを即時に送信できない可能性があります。

データーの再送処理や動作しているコンテナ内にキャッシュする処理を実装して、上記状況に備えてください。

3.7.2.2. ゲートウェイコンテナの概要

Armadillo-IoT ゲートウェイ A6E には、ゲートウェイコンテナがプリインストールされています。 このコンテナを利用することで、インターフェースの操作やクラウドへのデータアップロードなどを簡単に行うことができます。

ゲートウェイコンテナを利用して実施できる内容は下記の通りです。

表3.35 利用できるインターフェース・機能

インターフェース機能

RS485 (ModbusRTU)

レジスタ読み出し

レジスタ書き込み

接点入力 2ch

ポーリング監視

エッジ検出

接点出力 2ch

指定レベル出力

アプリケーションLED

点灯/消灯操作

ユーザースイッチ

状態取得


表3.36 利用できるクラウドベンダー・サービス

クラウドベンダークラウドサービス

AWS

AWS IoT Core

Azure

Azure IoT


インターフェースやクラウドサービスの選択はコンフィグ設定で行う事ができます。 また、センサーデータのログ出力やネットワーク断時のキャッシュ機能にも対応しています。

詳細は、「ゲートウェイコンテナを動かす」 を参照してください。

3.7.3. 省電力・間欠動作の設計

Armadillo-IoT ゲートウェイ A6E は、バッテリー駆動などで必要となる、省電力・間欠動作での動作を行う為の制御を用意しております。 必要があれば、どのタイミングでスリープ・シャットダウンモードへ遷移するか、なにをトリガーとして起床するかを設計します。 次の章「間欠動作モード・起床条件と状態遷移図」にて、省電力・間欠動作の起床条件・状態遷移を説明します。詳細な使用方法は「省電力・間欠動作機能を使う」に記載しております。

3.7.3.1. 間欠動作モード・起床条件と状態遷移図

Armadillo-IoT ゲートウェイ A6E の動作モード・起床条件と状態遷移を次に示します。

images/aiotg_a6e_psmode.svg

図3.105 状態遷移図


3.7.3.2. 間欠動作モード・起床条件

次に、各動作モードと利用することのできる起床条件について説明します。

3.7.3.3. アクティブモード

「CPU:動作」、「LTE-M:動作」 状態のモードです。

Armadillo-IoT ゲートウェイ A6Eの電源投入後Linuxカーネルが起動し、まずはアクティブモードに遷移します。

任意のアプリケーションの実行や、外部センサー・デバイスの制御、LTE-MやEthernetでの通信が可能ですが、最も電力を消費するモードです。 アクティブモードの時間をより短くすることで、消費電力を押さえることができます。

3.7.3.4. シャットダウンモード

「CPU:停止」、「LTE-M:停止」の状態であり最も消費電力を抑えることのできるモードです。

その反面、CPUを停止させ、Linuxカーネルをシャットダウンしている状態であるため、アクティブモードに遷移する場合はLinuxカーネルの起動分の時間がかかります。

シャットダウンモードからアクティブモードに遷移するには、RTCのアラーム割り込みを使用するか、一度電源を切断・再接続を行う必要があります。

3.7.3.5. スリープモード

「CPU:待機」、「LTE-M:停止」 状態のモードです。

CPU(i.MX6ULL)はパワーマネジメントのSuspend-to-RAM状態になり、LinuxカーネルはPauseの状態になります。 シャットダウンモードと比較すると消費電力は高いですが、Linuxカーネルの起動は不要であるため数秒程度でアクティブモードに遷移が可能です。 ユーザスイッチの投下、RTCアラーム割り込み、GPIO割り込み、USBデバイスの接続、UARTによるデータ受信、によってアクティブモードへの遷移ができます。

[警告]

Armadillo Base OS バージョン 3.17.3-at5 以降、Cat.M1 モデルで LTE 接続中にスリープモードをご利用になる場合、スリープモードからアクティブモードへ遷移するタイミングで ping による LTE 通信の導通確認を実施します。

ping 導通確認先の IP アドレスは以下の順序・ルールで決定します。「LTE再接続サービス」 で使用している設定ファイルを参照しています。

  1. /etc/atmark/connection-recover/gsm-ttyMux0_connection-recover.conf が存在してファイル内に PING_DEST_IP があれば、この値を使用します。
  2. /etc/atmark/connection-recover.conf が存在してファイル内に PING_DEST_IP があれば、この値を使用します。
  3. 両方とも存在しない場合は、8.8.8.8 を導通先として使用します。

3.7.3.6. スリープ(SMS 起床可能)モード (Cat.M1 モデルのみ)

「CPU:待機」、「LTE-M:待機」 状態のモードです。

スリープモードとの違いは、SMSの受信によって、アクティブモードへの遷移も可能である点です。 LTE-M:待機(PSM)の状態であるため、スリープモードよりも電力を消費します。

3.7.4. ログの設計

ユーザーアプリケーションのログは、不具合発生時の原因究明の一助になるため必ず残しておくことを推奨します。

3.7.4.1. ログの保存場所

ユーザーアプリケーションが出力するログは、「電源を切っても保持されるディレクトリ(ユーザーデータディレクトリ)」にも記載があるとおり、 /var/app/volumes/ 以下に配置するのが良いです。

コンテナの中から /var/app/volumes/ ディレクトリにアクセスすることになります。 手順についての詳細は実際に開発を行う箇所にて紹介します。

3.7.4.2. 保存すべきログ

  • Ethernet、LTE、BT、WLANなどの無線系のログ

    一般に不具合発生時によく疑われる箇所なので、最低でも接続・切断情報などのログを残しておくことをおすすめします。

  • ソフトウェアのバージョン

    /etc/sw-versions というファイルが Armadillo Base OS 上に存在します。 これは、 SWUpdate に管理されている各ソフトウェアのバージョンが記録されているファイルです。 このファイルの内容をログに含めておくことで、当時のバージョンを記録することができます。

  • A/B 面どちらであったか

    アップデート後になにか不具合があって、自動的にロールバックしてしまう場合があります。 後でログを確認する際に、当時 A/B 面どちらであったかで環境が大きく変わってしまい解析に時間がかかる場合があるので、どちらの面で動作していたかをログに残しておくことをおすすめします。

    図3.106「現在の面の確認方法」に示すコマンドを実行することで、現在 A/B どちらの面で起動しているかを確認できます。

    [armadillo ~]# abos-ctrl
    Currently booted on /dev/mmcblk0p1 1
    : (省略)

    図3.106 現在の面の確認方法


    1

    この実行結果から今の面は/dev/mmcblk0p1であることが分かります。

3.8. ネットワーク設定

Armadillo のネットワークの設定を行います。

本章では、ABOS Web によるネットワーク設定をご紹介します。

コマンドラインによるネットワーク設定は「コマンドラインからネットワーク設定を行う」を参照ください。

[警告]

閉塞 LTE 網を使用する料金プランをご契約で本サービスをご利用になられる際の注意点。

「LTE再接続サービス」をご利用になられる場合(Cat.1 モデルはデフォルトで有効となっております、Cat.M1 モデルはデフォルト無効です)、コネクション状態確認時 PING 送付先の初期値は 8.8.8.8 ですが、この IP アドレスに対して ping 導通ができない場合、ping 導通が可能となる IP アドレスを指定する必要があります。

設定方法は、「LTE再接続サービス」を参照ください。

3.8.1. ABOS Web とは

Armadillo Base OS(以降、 ABOS) には、 Armadillo と作業用 PC が同一 LAN 内に存在していれば Web ブラウザからネットワークの設定や、 SWU イメージのインストールなどを行うことが可能となる、 ABOS Web という機能があります。 この機能は、バージョン v3.17.4-at.7 以降の ABOS に標準で組み込まれています。

現在、ネットワークに関して ABOS Web で設定できるのは以下のものです。

  • WWAN設定
  • WLAN設定
  • 各接続設定(各ネットワークインターフェースの設定)
  • DHCPサーバー設定
  • NAT設定
  • VPN設定
[ティップ]

ABOS Webで設定できる項目はネットワーク関連以外にもありますが、それらについては「Web UI から Armadillo をセットアップする (ABOS Web)」で紹介します。

LTE モジュールを搭載した Armadillo をお使いで、LTE モジュールによる WWAN 接続でインターネットにアクセスする場合に、Armadillo に LAN で接続した機器から Armadillo をルーターとして利用したい場合には、NAT設定機能が役に立つでしょう。 LTE モジュールによる WWAN 通信でクラウドサービスに接続し、WLAN や LAN で接続した機器から集めたデータをクラウドサービスに転送したり、それらの機器を、クラウドサービスから Armadillo 経由で遠隔制御するようなシステムを構成する場合にご利用ください。

以下では、 ABOS Web を利用した各種ネットワーク設定の方法について紹介します。

3.8.2. ABOS Web へのアクセス

Armadillo と PC を有線 LAN で接続して、Armadillo の電源を入れて PC で Web ブラウザを起動したら、Web ブラウザのアドレスバーに次の URL を入力してください。  https://armadillo.local:58080

[注記]

ABOS Web が動作する Armadillo が、同じ LAN 上に複数あると、ABOS Web に接続する URL のホスト名部分(armadillo.local)は、2台めでは armadillo-2.local、3台めでは armadillo-3.local のように、違うものが自動的に割り当てられます。 どのホスト名が、どの Armadillo のものなのかを判別するのが難しいので、複数台の Armadillo で同時に ABOS Web を動かすときは、LAN に固定 IP アドレスを設定して、IP アドレスで指定できるようにするのがよいでしょう。

3.8.3. ABOS Web のパスワード登録

「SWUイメージの作成」で ABOS Web のログイン用パスワードを設定していない場合、 ABOS Web 初回ログイン時に、 "初回ログイン"のパスワード登録画面が表示されますので、パスワードを設定してください。

images/abos-images/abos-web/new-password.png

図3.107 パスワード登録画面


"初回ログイン"のパスワード登録画面で、"パスワード" フィールドと "パスワード(確認)" フィールドに、登録したいパスワードを入力してから、"登録" ボタンをクリックしてください。 パスワード登録完了画面が表示されたら、パスワード登録の完了です。

images/abos-images/abos-web/new-password_success.png

図3.108 パスワード登録完了画面


パスワード登録完了画面にある "ログインページ" というリンクをクリックすると、ログイン画面が表示されますので、先ほど登録したパスワードを入力して "ログイン" ボタンをクリックしてください。

ABOS Web に対応した Armadillo が正常に起動していれば、Web ブラウザに ABOS Web のログイン画面が表示されます。

images/abos-images/abos-web/login.png

図3.109 ログイン画面


ログイン画面で ABOS Web のパスワードを入力して認証されれば、ABOS Web の設定画面に表示が変わり、設定操作を行うことができます。

images/abos-images/abos-web/top.png

図3.110 トップページ


3.8.4. ABOS Web の設定操作

ABOS Web で Armadillo の動作設定を行うには、ログイン後に表示されるトップページで、設定したい機能へのリンクをクリックしてください。 リンクをクリックすると、リンク先の設定画面が表示されますので、設定画面で、現在の設定内容の確認や設定変更を行ってください。 現在の設定内容を確認するには、"各接続設定"をクリックしてください。 各機能の設定ページへのリンクは、それぞれの設定ページでも、左端にサイドメニュー形式で表示されます。 以後、サイドメニュー形式で表示されたリンクをクリックすることを、「サイドメニューから xxx を選択する」と表記します。 ログイン後に表示されるトップページと、それぞれの設定ページには、左端のサイドメニューに加え、上端右側に、現在の接続状態が表示されます。 現在の接続状態は、WWAN、WLAN、LAN、のそれぞれについて表示されます。 WWAN と WLAN は、それらの通信モジュールが Armadillo に搭載されていなければ、表示されません。

3.8.5. ログアウト

ABOS Web で必要なセットアップを行なったら、サイドメニューから "ログアウト" を選択してログアウトしてください。 ログアウトすると、ログイン画面が再び表示されますので、ABOS Web をすぐに使わないのであれば、Web ブラウザを閉じてください。

3.8.6. WWAN設定

LTE をはじめとする WWAN 通信モジュールを搭載した Armadillo の、WWAN 設定を行います。 この設定画面では、WWAN 接続設定の登録と、WWAN 接続の状態(現在のアドレス情報)の表示、登録済み WWAN 接続設定の編集と削除を行うことができます。 設定項目のうち、"MCC/MNC" は、通常は空欄にしてください。 MCC/MNC 以外の項目を正しく設定しても WWAN 通信が動作しない場合、特に SIM カードがマルチキャリア SIM の場合は、ご契約の通信事業者に MCC/MNM を問い合わせ、通信事業者から提示された MCC/MNC の値を設定してください。 それぞれの入力フィールドに設定値を入力して "接続して保存" ボタンをクリックすると、WWAN 接続の設定を登録して、WWAN 接続動作を実行します。 WWAN 通信設定が行われ、ネットワーク接続が確立した状態では、割当たっている IP アドレスなどを "現在のWWAN接続情報" に表示します。 図3.111「WWAN設定画面」に、WWAN 設定を行った状態を示します。

images/abos-images/abos-web/wwan.png

図3.111 WWAN設定画面


3.8.7. WLAN 設定

無線 LAN モジュールを搭載した Armadillo の、WLAN(無線 LAN)設定を行います。 この設定画面では、WLAN クライアント(子機)としての設定または、WLAN アクセスポイントとしての設定を行うことができます。 クライアントとアクセスポイントのどちらか一方について、接続設定の登録と接続の状態の表示、登録済み設定の削除を行なえます。 クライアントとアクセスポイントのどちらに設定するかは、"動作モード選択"欄で指定します。

クライアント設定とアクセスポイント設定の、それぞれについて、以下に説明します。

3.8.7.1. WLAN 設定(クライアントとしての設定)

"動作モード選択"欄で"クライアントとして使用する"を選択すると、クライアント設定画面が表示されます。 もしアクセスポイントに設定済みの場合は、アクセスポイントの設定を削除してください。 そうしないと、動作モードをクライアントに切り替えることができません。 設定項目のうち、ネットワーク名(SSID) は、リストから選択してください。 WLAN アクセスポイントを Armadillo が何も検出できない場合は、このリストが空になります。 セキュリティ方式も、リストから選択してください。 DHCP と 固定 は、DHCP を選択すると DHCP サーバーから IP アドレスを取得します。 固定 を選択すると、固定 IP アドレス設定用の入力フィールドを表示します。 それぞれの入力フィールドに設定値を入力して "接続して保存" ボタンをクリックすると、WLAN クライアント設定を登録して、WLAN 接続動作を実行します。 WLAN 接続設定が行われ、WLAN 接続が確立した状態では、割当たっている IP アドレスなどを "現在のWLAN接続情報" に表示します。

ABOS-WEB上では複数のネットワーク設定を保存することが可能です。 設定項目のうちにネットワーク情報を入力した後、 "保存" ボタンをクリックすると、入力した内容の登録のみを行い、接続は行いません。 登録した設定の一覧は WLAN ページの中央にあるリストに表示されます。 このリストでは WLAN 設定の接続/編集/削除を行うことができます。 保存した設定に接続先を変更したい場合はリストから選択して、"接続" ボタンをクリックしてください。 保存した設定を編集したい場合はリストから選択して、"設定を編集" ボタンをクリックしてください。 保存した設定を削除したい場合はリストから選択して、"設定を削除" ボタンをクリックしてください。

図3.112「WLAN クライアント設定画面」に、WLAN クライアント設定を行った状態を示します。

images/abos-images/abos-web/wlan_sta.png

図3.112 WLAN クライアント設定画面


登録済み WLAN クライアント設定を削除して、WLAN アクセスポイントとの接続を切断するには、"設定を削除" ボタンをクリックしてください。

3.8.7.2. WLAN 設定(アクセスポイントとしての設定)

"動作モード選択"欄で"アクセスポイントとして使用する"を選択すると、アクセスポイント設定画面が表示されます。 もしクライアントに設定済みの場合は、クライアントの設定を削除してください。 そうしないと、動作モードをアクセスポイントに切り替えることができません。 設定項目のうち、ブリッジアドレス は、WLAN アクセスポイントに割り当てる IP アドレスを入力してください。 サブネットマスク は、アクセスポイントのサブネットのものを入力してください。 使用周波数は、5GHz と 2.4GHz のうち使用するものを選択してください。 両方の周波数を同時に使用することはできません。 使用チャンネルは、リストから選択してください。 SSID と パスワード に入力した値は、アクセスポイントに設定した Armadillo に WLAN 子機を接続する際に使用します。

それぞれの入力フィールドに設定値を入力して "設定" ボタンをクリックすると、WLAN アクセスポイント設定を登録して、WLAN アクセスポイント動作を開始します。 WLAN アクセスポイント設定が行われ、アクセスポイント動作中の状態では、"現在のアクセスポイント情報" に設定内容を表示します。

図3.113「WLAN アクセスポイント設定画面」に、WLAN アクセスポイント設定を行った状態を示します。

images/abos-images/abos-web/wlan_ap.png

図3.113 WLAN アクセスポイント設定画面


[ティップ]

アクセスポイントモードのセキュリティ方式は、WPA2 を使用します。

3.8.8. 各接続設定(各ネットワークインターフェースの設定)

設定されたネットワーク接続の一覧を表示します。表示した接続のそれぞれについて、接続の有効化(「接続」)や無効化(「切断」)、および接続設定内容の編集や削除を行うことができます。 接続の操作を行う時は、操作したい接続をラジオボタンで選択してください。

images/abos-images/abos-web/connection.png

図3.114 現在の接続情報画面


ここで、「ネットワーク接続」は、Linux のネットワーク接続管理機能(NetworkManager)が管理するコネクションです。 ネットワーク接続に対する設定項目の詳細は、NetworkManager のリファレンス(https://developer-old.gnome.org/NetworkManager/stable/nmcli.html)をご覧ください。 接続設定内容を編集したい接続を選択して "設定を編集" ボタンをクリックすると、設定内容の編集画面を表示します。 LAN の接続以外、つまり、WWANと WLAN の接続に対する設定は、"WWAN設定" や "WLAN設定" の設定画面をお使いいただくのが簡単です。

それぞれの接続設定画面では、IPv4 と IPv6 のそれぞれについて、IP アドレスを自動割り当てするかまたは固定 IP アドレスにするかを選択して設定できます。 IP アドレスの割り当ては、デフォルトでは自動割り当てです。 Armadillo を接続した LAN や WLAN で、Armadillo を DHCP サーバーとして運用する場合は、それらのネットワーク接続を固定 IP アドレスに設定してください。

3.8.8.1. LAN 接続設定

LAN 接続の接続名は、デフォルトでは "Wired conneciton 1" です。 LAN ポートを二つ搭載した Armadillo では、二つめの LAN ポートに対応する "Wired connection 2" も有効です。 Armadillo を LAN と WWAN との間で IPv4 ルーターとして運用する場合は、LAN 接続の設定で IPv4 アドレスを固定 IP アドレスに設定して下さい。 図3.115「LAN 接続設定で固定 IP アドレスに設定した画面」に、LAN 接続の設定編集画面で固定 IP アドレスに設定した状態を示します。

images/abos-images/abos-web/connection-setup_lan.png

図3.115 LAN 接続設定で固定 IP アドレスに設定した画面


3.8.8.2. WWAN 接続設定

WWAN 接続の接続名は、デフォルトでは "gsm-ttyCommModem" です。

3.8.8.3. WLAN 接続設定

WLAN 接続の接続名は、デフォルトでは、クライアントモードが "abos_web_wlan"、アクセスポイントモードが "abos_web_br_ap" です。

3.8.9. DHCPサーバー設定

ネットワークインターフェースごとに、接続したネットワーク上で Armadillo を DHCP サーバーとして動作させる設定を行うことができます。 接続済みの DHCP サーバー情報を、画面上部の"現在のDHCP情報"に表示します。 DHCPサーバーの設定を登録する場合は、"DHCP情報入力"欄に設定内容を入力して"設定"ボタンをクリックしてください。 図3.116「eth0 に対する DHCP サーバー設定」に、一つめの LAN ポート(eth0)に対する設定を行った状態を示します。

images/abos-images/abos-web/dhcp.png

図3.116 eth0 に対する DHCP サーバー設定


たとえば、LAN ポートが二つある Armadillo で、それぞれの LAN ポートを異なる LAN に接続して、それぞれの LAN 上で Armadillo を DHCP サーバーとして運用する場合は、eth0 と eth1 に対して DHCP サーバー設定を行ってください。 DHCP サーバー設定を削除するには、"現在のDHCP情報"の一覧で削除したい設定を選択して、"削除"ボタンをクリックしてください。

3.8.10. NAT設定

この設定画面では、ルーター機能での宛先インターフェース設定と、Armadillo を接続した LAN 上の機器用のポートフォワーディング設定を行うことができます。 Armadillo を LAN や WLAN と WWAN との間でルーターとして運用する場合は、NAT設定の宛先インターフェースを WWAN のインターフェースに設定してください。 そして、LAN や WLAN 上の機器を、WWAN 接続したインターネットにサーバーとして公開したい場合は、ポートフォワーディング設定を使ってください。

3.8.10.1. NAT 設定

ルーター機能での宛先インターフェース設定を行なえます。 図3.117「LTE を宛先インターフェースに指定した設定」に、宛先インターフェースに ppp0 を指定した場合の画面を示します。

images/abos-images/abos-web/nat_if_ppp0.png

図3.117 LTE を宛先インターフェースに指定した設定


3.8.10.2. ポートフォワーディング設定

受信インターフェースごとに、ポートフォワーディング設定を登録できます。 図3.118「LTE からの受信パケットに対するポートフォワーディング設定」 に、受信インターフェース ppp0 について、ポート8080番宛の tcp パケットをポートフォワーディングする設定を行った状態を示します。

images/abos-images/abos-web/nat_port_forwarding.png

図3.118 LTE からの受信パケットに対するポートフォワーディング設定


3.8.10.3. VPN設定

Armadillo の VPN 接続設定を行います。 この設定画面では、認証方式や VPN クライアントの設定ファイル、認証用の証明書と鍵の設定を行うことができます。 VPN 接続を設定していれば、現在の接続状態も表示します。 現在の接続状態表示欄にある "接続" ボタンと "切断" ボタンで、VPN 接続の接続と切断を行なえます。 VPN クライアントは、現在 OpenVPN をサポートしています。

図3.119「VPN 設定」に、VPN 接続設定を行った状態を示します。

images/abos-images/abos-web/vpn-setting.png

図3.119 VPN 設定


認証方式は、"ユーザ名とパスワード" と "証明書" のどちらか一方を選択できます。 認証方式が "証明書" の場合、.ovpn ファイルに証明書や鍵が埋め込まれていれば、それらのファイルを指定する必要はありません。

ABOS Web は、VPN 接続を設定する際に abos_web_openvpn という名前のコンテナを自動的に作成し、このコンテナで VPN クライアントを実行します。 VPN 接続動作を実行する時には、進行状況を示すログを表示します。

登録済み VPN 設定を削除して、VPN 接続を切断するには、"設定を削除" ボタンをクリックしてください。

3.8.11. 状態一覧

各設定画面で行った設定の現在状態を、設定ごとに区切って一覧表示します。

3.9. ゲートウェイコンテナを開発する

ATDE 上の VSCode でゲートウェイコンテナ内で動作するゲートウェイコンテナアプリケーションを開発する手順を示します。

3.9.1. ゲートウェイコンテナアプリケーション開発の流れ

ゲートウェイコンテナアプリケーションを開発する流れは以下のようになります。

images/gw-app-prj-cycle.svg

図3.120 ゲートウェイコンテナアプリケーション開発の流れ


3.9.2. VSCode 側の操作

「VSCode のセットアップ」 の手順は完了している前提です。

3.9.2.1. プロジェクトの作成

VSCode の左ペインの [A6E] から [GW New Project] を実行し、表示されるディレクトリ選択画面からプロジェクトを保存する ディレクトリを選択してください。実行するためには右に表示されている三角形ボタンを押してください。 保存先を選択すると、プロジェクト名を入力するダイアログが表示されるので、任意のプロジェクト名を入力してエンターキーを押してください。 ここでは、ホームディレクトリ直下に my_project として保存しています。

images/gw-app-prj-new-prj.png

図3.121 プロジェクトを作成する


images/gw-app-prj-new-prj-name.png

図3.122 プロジェクト名を入力する


3.9.2.2. 初期設定

初期設定では主に Armadillo と SSH で接続するための秘密鍵と公開鍵の生成を行います。 mkswu を用いて Armadillo の初期設定用の SWU イメージを作成するため、事前に 「SWUイメージの作成」 を参照して SWU の初期設定を行ってください。 作成したプロジェクトディレクトリへ移動して VSCode を起動してください。

[ATDE ~]$ cd my_project
[ATDE ~/my_project]$ code ./

図3.123 初期設定を行う


VSCode の左ペインの [my_project] から [Generate development swu] を選択します。 選択すると、 VSCode の下部に以下のようなターミナルが表示されます。

images/gw-app-prj-ssh-keygen.png

図3.124 VSCode のターミナル


このターミナル上で以下のように入力してください。

 *  Executing task: ./scripts/setup_armadillo.sh

Generating public/private rsa key pair.
Enter passphrase (empty for no passphrase): 1
Enter same passphrase again:
Your identification has been saved in config/ssh/id_rsa
Your public key has been saved in config/ssh/id_rsa.pub
:(省略)

 *  Terminal will be reused by tasks, press any key to close it.  2

図3.125 SSH 用の鍵を生成する


1

パスフレーズを設定します。設定しない場合は何も入力せず Enter を押します。

2

ここで何か任意のキーを押すとターミナルが閉じます。

Armadillo の初期設定を行う scripts/setup_armadillo.swu が作成されたことを確認してください。

3.9.2.3. ssh_config の編集

ATDE 上で操作するためにゲートウェイコンテナアプリケーションプロジェクトのディレクトリに含まれています config/ssh_config ファイルを編集して IP アドレスを書き換えてください。

[ATDE ~/my_project]$ code config/ssh_config
Host Armadillo
    Hostname x.x.x.x 1
    User root
    Port 22
    IdentityFile config/ssh/id_rsa

図3.126 ssh_config を編集する


1

Armadillo の IP アドレスに置き換えてください。

3.9.2.4. タスク一覧

ゲートウェイコンテナアプリケーションプロジェクトでは現在以下のタスクが実行可能です。 実行するためには VSCode の左ペインの [my_project] から選択します。

images/gw-app-prj-tasks.png

図3.127 タスク一覧


  • App run on Armadillo

    ゲートウェイコンテナアプリケーションを実行します。

  • App stop on Armadillo

    ゲートウェイコンテナアプリケーションを停止します。

  • Generate release swu

    リリース用の SWU を作成します。

  • Gererate development swu

    初期設定用の SWU を作成します。「初期設定」 で使用したタスクになります。

  • Get device certificate file from Armadillo

    デバイス証明書を取得します。

3.9.3. Armadillo のセットアップ

3.9.3.1. 初期設定用 SWU イメージの書き込み

ここでは、開発開始時の Armadillo 上でのセットアップ手順について説明します。 「SWUイメージの作成」 で作成した SWU の初期設定用の SWU イメージのインストールがまだの場合は先に実行してください。 その後、 「初期設定」 で作成した scripts/setup_armadillo.swu「SWU イメージのインストール」 を参照して Armadillo へインストールしてください。 Armadillo にパスフレーズを設定した場合は、アプリケーションを Armadillo へ転送する時にパスフレーズの入力を求められることがあります。

3.9.4. ゲートウェイコンテナアプリケーション開発

ゲートウェイコンテナアプリケーションは、ゲートウェイコンテナ上で動作します。 ゲートウェイコンテナについての詳細は 「ゲートウェイコンテナの概要」 をご参照ください。

3.9.4.1. ゲートウェイコンテナの設定ファイルの編集

ゲートウェイコンテナの設定ファイルは app/config ディレクトリに配置されています。

  • cloud_agent.conf: クラウド情報の設定
  • sengins_mgr.conf: インターフェース設定

3.9.4.2. 接続先クラウド情報の設定

クラウドと連携する場合、接続先クラウドの情報を入力する必要があります。 設定ファイルは Armadillo Base OS では /var/app/rollback/volumes/gw_container/config/cloud_agent.conf に存在し、VSCode では app/config/cloud_agent.conf に存在します。

[CLOUD]
SERVICE = ;AWS or AZURE

[LOG]
FILE_LOG = true
STREAM_LOG = true

[AWS]
AWS_IOT_HOST =
AWS_IOT_REGION =
AWS_IOT_ACCOUNTID =
AWS_IOT_ENDPOINT =
AWS_IOT_CERT_FILE = /cert/device/device_cert.pem
AWS_IOT_POLICY_FILE = /config/aws_iot_policy.json
AWS_IOT_SHADOW_ENDPOINT =
AWS_IOT_CA_FILE = /cert/ca/AmazonRootCA1.pem
AWS_IOT_PKCS11_PATH = /usr/lib/plug-and-trust/libsss_pkcs11.so
AWS_IOT_KEY_LABEL = sss:100100F0
AWS_ACCESS_KEY =
AWS_SECRET_KEY =
AWS_IOT_PORT = 443
AWS_IOT_PIN =

[AZURE]
AZURE_IOT_DEVICE_DPS_ENDPOINT = global.azure-devices-provisioning.net
AZURE_IOT_DEVICE_DPS_ID_SCOPE =
AZURE_IOT_KEY_FILE = /cert/device/key.pem
AZURE_IOT_CERT_FILE = /cert/device/device_cert.pem

図3.128 /var/app/rollback/volumes/gw_container/config/cloud_agent.conf のフォーマット


  • 接続先の クラウドサービス 種別

    ゲートウェイコンテナが接続するクラウドサービスの種別を指定します。 設定ファイル中の以下の箇所が該当します。

    [CLOUD]
    SERVICE = ;AWS or AZURE

    表3.37 [CLOUD] 設定可能パラメータ

    項目概要 設定値 内容

    SERVICE

    接続先クラウドサービスを指定

    AWS

    AWS IoT Core に接続

    Azure

    Azure IoT に接続


  • ログ出力

    クラウド との接続状態や送受信したデータのログを ログファイルに保存したり、コンソールに出力することが可能です。 設定ファイル中の以下の箇所が該当します。

    [LOG]
    FILE_LOG = true
    STREAM_LOG = true

    表3.38 [CLOUD] 設定可能パラメータ

    項目概要 設定値 内容

    FILE_LOG

    ログファイルに出力するか

    (デフォルト)true

    出力する

    false

    出力しない

    STREAM_LOG

    コンソールに出力するか

    (デフォルト)true

    出力する

    false

    出力しない


  • AWS

    ここでは、 AWS に接続する場合の設定内容を記載します。 設定ファイル中の以下の箇所が該当します。

    [AWS]
    AWS_IOT_HOST =
    AWS_IOT_REGION =
    AWS_IOT_ACCOUNTID =
    AWS_IOT_ENDPOINT =
    AWS_IOT_CERT_FILE = /cert/device/device_cert.pem
    AWS_IOT_POLICY_FILE = /config/aws_iot_policy.json
    AWS_IOT_SHADOW_ENDPOINT =
    AWS_IOT_CA_FILE = /cert/ca/AmazonRootCA1.pem
    AWS_IOT_PKCS11_PATH = /usr/lib/plug-and-trust/libsss_pkcs11.so
    AWS_IOT_KEY_LABEL = sss:100100F0
    AWS_ACCESS_KEY =
    AWS_SECRET_KEY =
    AWS_IOT_PORT = 443
    AWS_IOT_PIN =

    表3.39 [AWS] 設定可能パラメータ

    項目概要設定値・設定例 取得方法

    AWS_IOT_HOST

    IoT Core REST API エンドポイント(リージョンに準ずる)

    (例) iot.ap-northeast-1.amazonaws.com

    AWS IoT Core - コントロールプレーンエンドポイント [https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/general/latest/gr/iot-core.html] から取得

    AWS_IOT_REGION

    リージョン

    (例) ap-northeast-1

    AWS リージョンエンドポイント[https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/general/latest/gr/rande.html] から取得

    AWS_IOT_ACCOUNTID

    アカウントID

    (例) 111111111111

    AWS マネジメントコンソール上から取得(参考:「設定に必要となるパラメータを取得する」)

    AWS_IOT_ENDPOINT

    AWS IoT Core エンドポイント(リージョンに準ずる)

    (例) https://iot.ap-northeast-1.amazonaws.com

    AWS IoT Core - コントロールプレーンエンドポイント [https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/general/latest/gr/iot-core.html] から取得

    AWS_IOT_CERT_FILE

    デバイス証明書ファイルパス

    (デフォルト)/cert/device/device_cert.pem [a]

    変更不要

    AWS_IOT_POLICY_FILE

    AWS IoT Core ポリシー テンプレートファイルパス

    (デフォルト)/config/aws_iot_policy.json

    変更不要

    AWS_IOT_SHADOW_ENDPOINT

    AWS IoT Core エンドポイント

    (例)xxxxxxxxx-ats.iot.ap-northeast-1.amazonaws.com

    AWS IoT Core [設定] - [デバイスデータエンドポイント] から取得 (参考:「設定に必要となるパラメータを取得する」)

    AWS_IOT_CA_FILE

    AWS IoT Core ルートCAファイルパス

    (デフォルト)/cert/ca/AmazonRootCA1.pem [a]

    変更不要

    AWS_IOT_PKCS11_PATH

    PKCS#11 ライブラリパス

    (デフォルト)/usr/lib/plug-and-trust/libsss_pkcs11.so

    変更不要

    AWS_IOT_KEY_LABEL

    利用する秘密鍵のラベル

    (デフォルト)sss:100100F0

    変更不要

    AWS_ACCESS_KEY

    アクセスキー

    (例)AAAAAAAAAXXXXXXX

    「アクセスキーを作成する」 でダウンロードしたIAM ユーザー アクセスキー情報

    AWS_SECRET_KEY

    シークレットキー

    (例)sssssssddddddtttttttttt

    「アクセスキーを作成する」 でダウンロードしたIAM ユーザー アクセスキー情報

    AWS_IOT_PORT

    MQTT 接続ポート

    (デフォルト)443

    変更不要

    AWS_IOT_PIN

    PIN

    -

    指定不要

    [a] ゲートウェイコンテナバージョン 2.1.1 でパスを変更しました


[注記]

上記パラメータのうち、以下のパラメータはAWS IoT Core へのデバイス登録完了後クリアされます。 デバイスを AWS IoT Core から削除した場合など再度デバイス登録を行いたい場合は、再度設定してください。

  • AWS_IOT_ACCOUNTID
  • AWS_ACCESS_KEY
  • AWS_SECRET_KEY
  • Azure

    ここでは、 Azure に接続する場合の設定内容を記載します。 設定ファイル中の以下の箇所が該当します。

    [AZURE]
    AZURE_IOT_DEVICE_DPS_ENDPOINT = global.azure-devices-provisioning.net
    AZURE_IOT_DEVICE_DPS_ID_SCOPE =
    AZURE_IOT_KEY_FILE = /cert/device/key.pem
    AZURE_IOT_CERT_FILE = /cert/device/device_cert.pem

    表3.40 [AZURE] 設定可能パラメータ

    項目概要設定値・設定例 取得方法

    AZURE_IOT_DEVICE_DPS_ENDPOINT

    DPS エンドポイント

    (デフォルト)global.azure-devices-provisioning.net

    変更不要

    AZURE_IOT_DEVICE_DPS_ID_SCOPE

    Azure IoT Central ID スコープ

    (例)0ne12345678

    図6.70「Azure IoT Hub と DPS の設定を実行する」 で表示された内容を使用

    AZURE_IOT_KEY_FILE

    デバイスリファレンスキーファイルパス

    (デフォルト)/cert/device/key.pem [a]

    変更不要

    AZURE_IOT_CERT_FILE

    デバイス証明書ファイルパス

    (デフォルト)/cert/device/device_cert.pem [a]

    変更不要

    [a] ゲートウェイコンテナバージョン 2.1.1 でパスを変更しました。


3.9.4.3. インターフェース設定

インターフェースの動作設定を行います。 設定ファイルは Armadillo Base OS では、`/var/app/rollback/volumes/gw_container/config/sensing_mgr.conf`に存在し、VSCode では `app/config/sensing_mgr.conf`に存在します。

[DEFAULT]
; cloud_config=true or false
cloud_config=false
; send_cloud=true or false
send_cloud=false
; cache=true or false
cache=false
; send_interval[sec]
send_interval=10
; data_send_oneshot=true or false
data_send_oneshot=false
; wait_container_stop[sec]
wait_container_stop=0

[LOG]
file=true
stream=true

[CPU_temp]
; type=polling or none
type=polling
; polling_interval[sec]
polling_interval=1

[DI1]
; type=polling or edge
type=
; interval[sec]
interval=
; edge_type=falling or rising or both
edge_type=

[DI2]
; type=polling or edge
type=
; interval[sec]
interval=
; edge_type=falling or rising or both
edge_type=

[DO1]
; output_state=high or low
output_state=
; output_time[sec]
output_time=
; output_delay_time[sec]
output_delay_time=

[DO2]
; output_state=high or low
output_state=
; output_time[sec]
output_time=
; output_delay_time[sec]
output_delay_time=

[RS485_Data1]
;[RS485_Data1] ~ [RS485_Data4]
method=none
baudrate=
data_size=
; parity=none or odd or even
parity=
; stop=1 or 2
stop=
device_id=
func_code=
register_addr=
register_count=
; endian=little or big
endian=
; interval[sec]
interval=
; data_offset is option
data_offset=
; data_multiply is option
data_multiply=
; data_devider is option
data_devider=

図3.129 /var/app/rollback/volumes/gw_container/config/sensing_mgr.conf のフォーマット


  • 全体動作設定

    全体的な動作設定を行います。 設定ファイル中の以下の箇所が該当します。

    [DEFAULT]
    ; cloud_config=true or false
    cloud_config=false
    ; send_cloud=true or false
    send_cloud=false
    ; cache=true or false
    cache=false
    ; send_interval[sec]
    send_interval=10
    ; data_send_oneshot=true or false
    data_send_oneshot=false
    ; wait_container_stop[sec]
    wait_container_stop=0

    表3.41 [DEFAULT] 設定可能パラメータ

    項目概要 設定値 内容

    cloud_config

    クラウドからの設定変更を許容するか

    true

    許容する

    (デフォルト)false

    無視する

    send_cloud

    クラウドにデータを送信するか

    true

    送信する

    (デフォルト)false

    送信しない

    cache

    キャッシュ実施可否

    true

    キャッシュを実施する。ネットワーク状態の異常などによりクラウドへデーターを送信できない場合、キャッシュに計測データ―を一時保存し、ネットワーク復旧後にクラウドへ送信します。

    (デフォルト)false

    キャッシュを実施しない

    send_interval

    データ送信間隔[sec]

    1~10

    この値に従って、クラウドへデータを送信する

    data_send_oneshot

    データ取得後コンテナを終了させるか

    true

    1回データを取得し、コンテナを終了します。コンテナ終了通知をトリガに間欠動作を行う( 「状態遷移トリガにコンテナ終了通知を利用する」 )場合は、この設定にする必要があります。

    (デフォルト)false

    コンテナの実行を継続する (設定したインターバルでデータを取得する)

    wait_container_stop

    コンテナ終了までの待ち時間[sec]

    0~60

    data_send_oneshot が true の場合、クラウドへのデータ送信後、設定した時間 wait してからコンテナを終了する [a]

    [a] 現時点では 0 を設定してください


[注記]

クラウドへのデータ送信は send_interval で指定した間隔毎に行います。 値の取得間隔は、後述の通り各項目毎に指定することができます。 値を取得するタイミングとクラウドへのデータ送信のタイミングを近くするためには、 値の取得間隔より send_interval を短くするか、同じにすることを推奨します。

  • ログ出力

    取得したデータのログを ログファイルに保存したり、コンソールに出力することが可能です。 設定ファイル中の以下の箇所が該当します。

    [LOG]
    file=true
    stream=true

    表3.42 [LOG] 設定可能パラメータ

    項目概要 設定値 内容

    FILE_LOG

    ログファイルに出力するか

    (デフォルト)true

    出力する

    false

    出力しない

    STREAM_LOG

    コンソールに出力するか

    (デフォルト)true

    出力する

    false

    出力しない


  • CPU_temp

    CPU 温度読み出しに関する設定を行います。 設定ファイル中の以下の箇所が該当します。

    [CPU_temp]
    ; type=polling or none
    type=polling
    ; polling_interval[sec]
    polling_interval=1

    表3.43 [CPU_temp] 設定可能パラメータ

    項目概要 設定値 内容

    type

    動作種別

    (空欄) or none

    CPU 温度取得を行わない

    polling

    ポーリング

    polling_interval

    データ取得間隔[sec]

    1~3600

    この値に従って、CPU 温度を読み出します


  • 接点入力

    接点入力に関する設定を行います。 設定ファイル中の以下の箇所が該当します。

    [DI1]
    ; type=polling or edge
    type=
    ; interval[sec]
    interval=
    ; edge_type=falling or rising or both
    edge_type=
    
    [DI2]
    ; type=polling or edge
    type=
    ; interval[sec]
    interval=
    ; edge_type=falling or rising or both
    edge_type=

    表3.44 [DI1,DI2] 設定可能パラメータ

    項目概要 設定値 内容

    type

    動作種別

    (空欄) or none

    接点入力状態取得を行わない

    polling

    ポーリング

    edge

    エッジ検出。データ取得間隔に設定した周期で値を取得し、前回取得時から指定方向に値が変化した場合、クラウドへデータ―を送信します。

    interval

    データ取得間隔[sec]

    1~3600

    この値に従って、値を読み出します

    edge_type

    エッジ検出設定

    falling

    立ち下がりエッジ

    rising

    立ち上がりエッジ

    both

    両方


  • 接点出力

    接点出力に関する設定を行います。 設定ファイル中の以下の箇所が該当します。 表3.41「[DEFAULT] 設定可能パラメータ」 において、クラウドと通信しない場合はゲートウェイコンテナ起動後に設定した内容を出力します。クラウドと通信する場合は、「クラウドからの操作」 がトリガとなり、出力を開始します。

    [DO1]
    ; output_state=high or low
    output_state=
    ; output_time[sec]
    output_time=
    ; output_delay_time[sec]
    output_delay_time=
    
    [DO2]
    ; output_state=high or low
    output_state=
    ; output_time[sec]
    output_time=
    ; output_delay_time[sec]
    output_delay_time=

    表3.45 [DO1,DO2] 設定可能パラメータ

    項目概要 設定値 内容

    output_state

    出力状態

    high

    High 出力。クラウドからの設定内容更新が有効の場合に、クラウドからの設定変更が可能です。

    low

    Low 出力。クラウドからの設定内容更新が有効の場合に、クラウドからの設定変更が可能です。

    disable

    「電源を安全に切るタイミングを通知する」 で接点出力を使用する場合など、ゲートウェイコンテナで接点出力を使用しないときに設定します。また、この値に設定すると、クラウドからの設定変更・動作指示は無視されます。

    指定なし

    ゲートウェイコンテナで接点出力の初期状態を設定しないときに使用します。接点出力を設定しないため、ゲートウェイコンテナ起動時の出力状態になります。クラウドからの設定内容更新が有効の場合に、クラウドからの設定変更が可能です。

    output_time

    出力時間[sec]

    1~3600

    出力コマンド実行後に output_state で指定したレベルを出力する時間。 0 を指定すると出力値を固定します。

    output_delay_time

    出力遅延時間[sec]

    0~3600

    出力コマンド実行後、指定した時間遅延して出力します。


    設定と DO の出力タイミングの関連を 図3.130「DO の出力タイミング」 に示します。

    images/do_timing.png

    図3.130 DO の出力タイミング


    (1) ゲートウェイコンテナはクラウドからの要求を取り込みます

    (2) クラウドからの要求を取り込んでから output_delay_time 経過後、出力を切り替えます

    (3) output_time 経過後出力を戻します

  • RS485

    RS485 に関する設定を行います。 設定ファイル中の以下の箇所が該当します。 なお、RS485_Data1 から RS485_Data4 まで、4個のデータについて設定することができます。 デフォルトでは RS485_Data1 のみファイルに記載されているため、RS485_Data2, RS485_Data3, RS485_Data4 については適宜コピーして記載してください。

    [RS485_Data1]
    ;[RS485_Data1] ~ [RS485_Data4]
    method=none
    baudrate=
    data_size=
    ; parity=none or odd or even
    parity=
    ; stop=1 or 2
    stop=
    device_id=
    func_code=
    register_addr=
    register_count=
    ; endian=little or big
    endian=
    ; interval[sec]
    interval=
    ; data_offset is option
    data_offset=
    ; data_multiply is option
    data_multiply=
    ; data_devider is option
    data_devider=

    表3.46 [RS485_Data1, RS485_Data2, RS485_Data3, RS485_Data4] 設定可能パラメータ

    項目概要 設定値 内容

    method

    通信種別

    none

    RS485を利用しない

    rtu

    Modbus-RTU

    data_size

    データサイズ

    8

    baudrate

    ボーレート

    1200~38400[bps]

    通信速度を指定します

    parity

    パリティビット

    none

    None

    odd

    Odd

    even

    Even

    stop

    ストップビット

    1

    1

    2

    2

    device_id

    Modbusスレーブ機器のデバイスID

    0x01 〜 0xF7

    func_code

    ファンクションコード

    0x03 or 0x04

    register_addr

    レジスタアドレス

    機器依存

    値を読み出すレジスタのアドレスを指定

    register_count

    読み出しレジスタ数

    1 or 2

    一度に読み出すレジスタ数を指定

    endian

    エンディアン設定

    little

    リトルエンディアン

    big

    ビッグエンディアン

    interval

    データ取得間隔[sec]

    1~3600

    この値に従って、値を読み出します

    data_offset

    読み出し値に加算する値

    任意の値(整数値)

    指定は任意です。読み出したレジスタ値に加算する値を指定します

    data_multiply

    読み出し値と乗算する値

    任意の値(整数値)

    指定は任意です。読み出したレジスタ値と乗算する値を指定します

    data_devider

    読み出し値と除算する値

    任意の値(整数値)

    指定は任意です。読み出したレジスタ値と除算する値を指定します


3.9.4.4. ゲートウェイコンテナアプリケーションの開始

ゲートウェイコンテナアプリケーションのメインファイルは app/src/main.py です。 VSCode の左ペインの [my_project] から [App run on Armadillo] を実行すると、 変更内容を反映したゲートウェイコンテナアプリケーションが起動します。

VSCode のターミナルに以下のメッセージが表示されることがあります。 これが表示された場合は yes と入力して下さい。

Are you sure you want to continue connecting (yes/no/[fingerprint])?

図3.131 実行時に表示されるメッセージ


3.9.4.5. ゲートウェイコンテナアプリケーションの停止

VSCode の左ペインの [my_project] から [App stop on Armadillo] を選択すると、 ゲートウェイコンテナアプリケーションが停止します。

3.9.4.6. ゲートウェイコンテナアプリケーションが使用するデバイス証明書の取得

VSCode の左ペインの [my_project] から [Get device certificate file from Armadillo] を実行すると、 ゲートウェイコンテナアプリケーションが使用するデバイス証明書を取得することができます。 取得したデバイス証明書は app/device/cert ディレクトリに保存されます。

[ティップ]

このタスクは、「Azure IoT Hub と Azure IoT Hub Device Provisioning Service の設定を行う」 のデバイス証明書を取得する箇所で使用します。

3.9.5. 動作確認

開発したゲートウェイコンテナが想定通り動作しているかを確認してください。

3.9.6. リリース版のビルド

ここでは完成したゲートウェイコンテナアプリケーションをリリース版としてビルドする場合の手順について説明します。

VSCode の左ペインの [my_project] から [Generate release swu] を実行すると、 リリース版の SWU イメージが作成されます。

作成した SWU イメージは scripts/ ディレクトリ下に release_gw-app.swu というファイル名で保存されます。

3.9.7. 製品への書き込み

リリース版のゲートウェイコンテナアプリケーションを含んだ SWU イメージを Armadillo に展開します。 事前に 「SWUイメージの作成」 を参照して SWU の初期設定を行ってください。

VSCode の左ペインの [my_project] から [Generate release swu] を実行すると、 SWU イメージが作成されます。 リリース版のビルドで生成した SWU イメージを 「SWU イメージのインストール」 を参照して Armadillo へインストールすると、 Armadillo 起動時にアプリケーションも自動起動します。

3.9.8. クラウドを含めた動作確認

クラウドを含めた動作確認方法は「ゲートウェイコンテナを動かす」を参照ください。

3.10. CUI アプリケーションを開発する

ここではシェルスクリプトおよび Python を使った CUI アプリケーションの開発方法を紹介します。 開発手順としてはシェルスクリプトと Python で同じであるため、シェルスクリプトの場合の例で説明します。

3.10.1. CUI アプリケーション開発の流れ

Armadillo 向けに CUI アプリケーションを開発する場合の流れは以下のようになります。

images/gw-app-prj-cycle.svg

図3.132 CUI アプリケーション開発の流れ


3.10.2. VSCode 上での手順

3.10.2.1. プロジェクトの作成

VSCode の左ペインの [A6E] から [Shell New Project] を実行し、表示されるディレクトリ選択画面からプロジェクトを保存する ディレクトリを選択してください。実行するためには右に表示されている三角形ボタンを押してください。 Python の場合は [Python New Project] を実行してください。 保存先を選択すると、プロジェクト名を入力するダイアログが表示されるので、任意のプロジェクト名を入力してエンターキーを押してください。 ここでは、ホームディレクトリ直下に my_project として保存しています。

images/cui-app-prj-new-prj.png

図3.133 プロジェクトを作成する


images/gw-app-prj-new-prj-name.png

図3.134 プロジェクト名を入力する


3.10.2.2. 初期設定

初期設定では主に Armadillo と SSH で接続するための秘密鍵と公開鍵の生成を行います。 作成したプロジェクトディレクトリへ移動して VSCode を起動してください。

[ATDE ~]$ cd my_project
[ATDE ~/my_project]$ code ./

図3.135 初期設定を行う


VSCode の左ペインの [my_project] から [Setup environment] を実行します。

images/cui_vscode_setup_envronment.png

図3.136 VSCode で初期設定を行う


選択すると、 VSCode の下部に以下のようなターミナルが表示されます。

images/cui-app-prj-ssh-keygen.png

図3.137 VSCode のターミナル


このターミナル上で以下のように入力してください。

 *  Executing task: ./scripts/setup_env.sh

Generating public/private ed25519 key pair.
Enter passphrase (empty for no passphrase): 1
Enter same passphrase again: 2
Your identification has been saved in /home/atmark/.ssh/id_ed25519_vscode
:(省略)

 *  Terminal will be reused by tasks, press any key to close it.  3

図3.138 SSH 用の鍵を生成する


1

パスフレーズを設定します。設定しない場合は何も入力せず Enter を押します。

2

1 でパスフレーズを設定した場合は、確認のため再度入力してください。

3

ここで何か任意のキーを押すとターミナルが閉じます。

パスフレーズを設定した場合は、アプリケーションを Armadillo へ転送する時にパス フレーズの入力を求められることがあります。

[ティップ]

ssh の鍵は $HOME/.ssh/id_ed25519_vscode (と id_ed25519_vscode.pub ) に保存されていますので、 プロジェクトをバックアップする時は $HOME/.ssh も保存してください。

3.10.2.3. アプリケーション実行用コンテナイメージの作成

Armadillo 上でアプリケーションを実行するためのコンテナイメージを作成します。 ここで作成したコンテナイメージは SWU イメージを使用して Armadillo へインストールするため、 事前に 「SWUイメージの作成」 を参照して SWU の初期設定を行ってください。

コンテナイメージの作成および SWU イメージの作成も VSCode で行います。 VSCode の左ペインの [my_project] から [Generate development swu] を実行します。

images/cui_vscode_build_dev_image.png

図3.139 VSCode でコンテナイメージの作成を行う


コンテナイメージの作成にはしばらく時間がかかります。 VSCode のターミナルに以下のように表示されるとコンテナイメージの作成は完了です。

localhost/shell_armv7_app_image:latest はすでに存在しますが、リビルドしますか?(app の更新だけの場合には不要です)[y/N] 1
コンテナイメージを ./swu/shell_armv7_app_image.tar に保存しました。
./swu/shell_app.desc のバージョンを 1 から 2 に変更しました。
./swu/dev.swu を作成しました。
次は Armadillo に ./swu/dev.swu をインストールしてください。
 *  Terminal will be reused by tasks, press any key to close it.

図3.140 コンテナイメージの作成完了


1

Dockerfile やパッケージリストを変更した場合のみにコンテナを再作成してください。

作成した SWU イメージは my_project/swu ディレクトリ下に dev.swu という ファイル名で保存されています。

3.10.3. Armadillo 上でのセットアップ

3.10.3.1. アプリケーション実行用コンテナイメージのインストール

「アプリケーション実行用コンテナイメージの作成」 で作成した dev.swu「SWU イメージのインストール」 を参照して Armadillo へインストールしてください。

インストール後に自動で Armadillo が再起動します。

3.10.4. アプリケーション開発

3.10.4.1. VSCode の起動

ここでは、実際に Armadillo 上でサンプルアプリケーションを起動する場合の手順を説明します。 プロジェクトディレクトリへ移動し VSCode を起動します。

[ATDE ~]$ code ./my_project

図3.141 VSCode で my_project を起動する


3.10.4.2. ディレクトリ構成

プロジェクトにいくつかのディレクトリがあります。

  • app: アプリケーションのソースです。Armadillo では /var/app/rollback/volumes/shell_app または python_app にそのままコピーされます。
  • config: 開発モードのための設定ファイルです。ssh 接続に使用する IP アドレスの設定」 を参照してください。
  • container: スクリプトを実行するコンテナの設定ファイルです。 packages.txt に記載されているパッケージがインストールされます。 Dockerfile を直接編集することも可能です。
  • scripts: VSCode のコマンドに使われているスクリプト類です。編集された場合はサポート対象外となります。
  • swu: mkswu のためのテンプレートとコンテナのコンフィグファイルがあります。 shell_app または python_app のディレクトリの内容はそのまま SWU に組み込まれます。その中の etc/atmark/containers/shell_app.conf または python_app.conf に使われているボリュームやデバイス等が記載されていますので必要な場合に編集してください。

デフォルトのコンテナコンフィグでは appsrc/main.sh または Python の場合に src/main.py を実行しますので、リネームが必要な場合にコンテナのコンフィグも修正してください。

このサンプルアプリケーションは、CPU と SOC の温度を /vol_data/log/temp.txt に出力し、 アプリケーション LED を点滅させます。

3.10.4.3. ssh 接続に使用する IP アドレスの設定

VSCode 上で ABOSDE(Armadillo Base OS Development Environment) から、ABOS Web が動作している Armadillo の一覧を確認し、図3.142「ABOSDE を使用して ssh 接続に使用する IP アドレスを設定する」 の赤枠で囲われているマークをクリックすることで、指定した Armadillo の IP アドレスを ssh 接続に使用します。 ただし、ATDE のネットワークを NAT に設定している場合は Armadillo がリストに表示されません。

images/common-images/abosde_monitor_set_ip.png

図3.142 ABOSDE を使用して ssh 接続に使用する IP アドレスを設定する


図3.143「ABOSDE に表示されている Armadillo を更新する」 の赤枠で囲われているマークをクリックすることで、ABOSDE に表示されている Armadillo を更新することができます。

images/common-images/abosde_monitor_rescan.png

図3.143 ABOSDE に表示されている Armadillo を更新する


ATDE のネットワークを NAT に設定している場合や、ABOS Web を起動していない場合等、ABOSDE のリストに Armadillo が表示されない場合は、 プロジェクトディレクトリに入っている config/ssh_config ファイルを編集して IP アドレスを書き換えてください。

[ATDE ~/my_project]$ code config/ssh_config
Host Armadillo
    Hostname 0.0.0.0 1
    User root
    IdentityFile ${HOME}/.ssh/id_ed25519_vscode
    UserKnownHostsFile config/ssh_known_hosts
    StrictHostKeyChecking accept-new

図3.144 ssh_config を編集する


1

Armadillo の IP アドレスに置き換えてください。

[ティップ]

Armadillo を初期化した場合や、プロジェクトを実行する Armadillo を変えた場合は, プロジェクトの config/ssh_known_hosts に保存されている公開鍵で Armadillo を認識できなくなります。 その場合はファイルを削除するか、「Setup environment」タスクを再実行してください。

3.10.4.4. アプリケーションの実行

VSCode の左ペインの [my_project] から [App run on Armadillo] を実行すると、 アプリケーションが Armadillo へ転送されて起動します。

images/cui_vscode_run_armadillo.png

図3.145 Armadillo 上でアプリケーションを実行する


VSCode のターミナルに以下のメッセージが表示されることがあります。 これが表示された場合は yes と入力して下さい。

Are you sure you want to continue connecting (yes/no/[fingerprint])?

図3.146 実行時に表示されるメッセージ


アプリケーションを終了するには VSCode の左ペインの [my_project] から [App stop on Armadillo] を実行してください。

images/cui_vscode_stop_armadillo.png

図3.147 アプリケーションを終了する


3.10.5. 動作確認

開発したアプリケーションが想定通り動作しているかを確認してください。

3.10.6. リリース版のビルド

ここでは完成したアプリケーションをリリース版としてビルドする場合の手順について説明します。

VSCode の左ペインの [my_project] から [Generate release swu] を実行すると、 リリース版のアプリケーションを含んだ SWU イメージが作成されます。 事前に 「SWUイメージの作成」 を参照して SWU の初期設定を行ってください。

images/cui_vscode_make_swu_image.png

図3.148 リリース版をビルドする


3.10.7. 製品への書き込み

作成した SWU イメージは my_project/swu ディレクトリ下に release.swu というファイル名で保存されています。

この SWU イメージを 「SWU イメージのインストール」 を参照して Armadillo へインストールすると、 Armadillo 起動時にアプリケーションも自動起動します。

3.11. システムのテストを行う

Armadillo 上で動作するシステムの開発が完了したら、製造・量産に入る前に開発したシステムのテストを行ってください。

テストケースは開発したシステムに依ると思いますが、 Armadillo で開発したシステムであれば基本的にテストすべき項目について紹介します。

3.11.1. ランニングテスト

長期間のランニングテストは実施すべきです。

ランニングテストで発見できる現象としては、以下のようなようなものが挙げられます。

  • 長期間稼働することでソフトウェアの動作が停止してしまう

    開発段階でシステムを短い時間でしか稼働させていなかった場合、長期間ランニングした際になんらかの不具合で停止してしまう可能性が考えられます。

    開発が完了したら必ず、長時間のランニングテストでシステムが異常停止しないことを確認するようにしてください。

    コンテナの稼働情報は podman stats コマンドで確認することができます。

  • メモリリークが発生する

    アプリケーションのなんらかの不具合によってメモリリークが起こる場合があります。

    また、運用時の Armadillo は基本的に overlayfs で動作しています。 そのため、外部ストレージやボリュームマウントに保存している場合などの例外を除いて、動作中に保存したデータは tmpfs (メモリ)上に保存されます。 よくあるケースとして、動作中のログなどのファイルの保存先を誤り、 tmpfs 上に延々と保存し続けてしまうことで、メモリが足りなくなってしまうことがあります。

    長時間のランニングテストで、システムがメモリを食いつぶさないかを確認してください。

    メモリの空き容量は図3.149「メモリの空き容量の確認方法」に示すように free コマンドで確認できます。

    [armadillo ~]# free -h
                  total        used        free      shared  buff/cache   available
    Mem:           1.9G      327.9M        1.5G        8.8M       97.4M        1.5G
    Swap:       1024.0M           0     1024.0M

    図3.149 メモリの空き容量の確認方法


3.11.2. 異常系における挙動のテスト

開発したシステムが、想定した条件下で正しく動作することは開発時点で確認できていると思います。 しかし、そのような正常系のテストだけでなく、正しく動作しない環境下でどのような挙動をするのかも含めてテストすべきです。

よくあるケースとしては、動作中に電源やネットワークが切断されてしまった場合です。

電源の切断時には、 Armadillo に接続しているハードウェアに問題はないか、電源が復旧した際に問題なくシステムが復帰するかなどをよくテストすると良いです。

ネットワークの切断時には、再接続を試みるなどの処理が正しく実装されているか、 Armadillo と サーバ側でデータなどの整合性が取れるかなどをよくテストすると良いです。

この他にもシステムによっては多くの異常系テストケースが考えられるはずですので、様々な可能性を考慮しテストを実施してから製造・量産ステップに進んでください。



[5] バージョン3.xまではPUEL(VirtualBox Personal Use and Evaluation License)が適用されている場合があります。

[6] 特権ユーザーでGUIログインを行うことはできません