第13章 ハードウェア仕様

本章では、Armadillo-EVA 1500のハードウェア仕様について説明します。

13.1. プロセッサ

ルネサスエレクトロニクス製アプリケーションプロセッサ「RZ/G1M」を搭載しています。

13.1.1. 特長

  • ARM Cortex-A15デュアルコア 1.5GHz

  • L1命令キャッシュ: 32KByte、L1データキャッシュ: 32KByte、L2キャッシュ: 1MByte

  • DDR3(L)-SDRAM(DDR3-1600)対応メモリコントローラ、データバス幅: 32bit x 2

  • PowerVR SGX544MP2(3D)

  • VCP3(H.264/AVC、MPEG-2/4、VC-1等)

  • USB 3.0、USB 2.0インターフェース

  • PCI Expressインターフェース

  • シリアルATAインターフェース

  • SDホストインターフェース

  • その他各種周辺機能

  • 電源電圧: 3.3V、1.8V、1.5/1.35V、1.03V

RZ/G1M概要

図13.1 RZ/G1M概要


13.1.2. モード設定

RZ/G1Mの動作モードはパワーオンリセット解除時のMDピンの状態により設定されます。

13.1.2.1. 動作モード

MDピンで設定できる動作モードについて説明します[26]。動作モードの詳細については、「R8A77430HA01BG User's Manual Hardware」をご確認ください。

MD0は自走モード、ステップアップモードの設定をします。

表13.1 MD0 - 自走モード/ステップアップモードの設定

MD0設定
0自走モード
1ステップアップモード

MD1、MD2、MD3はブートデバイスの設定をします。

表13.2 MD1、MD2、MD3 - ブートデバイスの設定

MD3MD2MD1設定
000エリア0 Boot(CON2に接続した外部メモリから起動)
010QSPI Boot(48.75MHz/16KByte transfer)
100QSPI Boot(39MHz/16KByte transfer)
110QSPI Boot(39MHz/4KByte transfer)

MD4はCS0空間サイズを64MByte空間とするか128MByte空間とするかの設定をします。

表13.3 MD4 - CS0空間サイズ設定

MD4設定
064MByte
1128MByte

MD5は予約されています。Highレベルに固定する必要があります。

MD6、MD7はMaster boot processorの設定をします。

表13.4 MD6、MD7 - Master boot processorの設定

MD7MD6設定
00Cortex-A15 Boot

MD8はCS0空間のデータバス幅の設定をします。

表13.5 MD8 - CS0空間データバス幅の設定

MD8設定
08bitバス
116bitバス

MD9はEXTALピン、XTALピンに接続する源発振の設定をします。

表13.6 MD9 - 水晶発振器/水晶発振子の設定

MD9設定
0EXTALピンに水晶発振器を接続
1EXTAL/XTALピンに水晶振動子を接続

MD10、MD11、MD12、MD20、MD21、MDT0、MDT1はJTAG(CON1)でデバッグする機能を設定します。

表13.7 MD10、MD11、MD12、MD20、MD21、MDT0、MDT1 - JTAGの機能設定

MD12MD10MD21MD20MD11MDT1MDT0JTAG(CON1)
0000---バウンダリスキャン
00100--Coresightデバッグポート

MD13、MD14は周波数モードの設定をします。

表13.8 MD13、MD14 - 周波数モードの設定

MD14MD13設定
0015MHz
0120MHz
1026MHz
1130MHz

MD19はDDR3-SDRAMのバスクロックの設定をします。

表13.9 MD19 - DDR3-SDRAMバスクロックの設定

MD19設定
0DDR3-1600 mode
1DDR3-1333 mode

MD22、MD27、MD28はDDR3-SDRAMのインターフェース設定をします。

表13.10 MD22、MD27、MD28 - DDR3-SDRAMのインターフェース設定

MD28MD27MD22設定
011DDR64bit x 1ch
111DDR32bit x 2ch

MD23はSATA0、USB3.0のどちらを使用するかの設定をします。

表13.11 MD23 - SATA0/USB3.0の設定

MD23設定
0SATA0
1USB3.0

MD24はSATA1、PCIECのどちらを使用するかの設定をします。

表13.12 MD24 - SATA1/PCIeの設定

MD24設定
0SATA1
1PCIEC

13.1.2.2. Armadillo-EVA 1500のMDピンの初期設定

Armadillo-EVA 1500のMDピンの出荷時の設定を表13.13「MDピンの出荷時の設定」に示します。

表13.13 MDピンの出荷時の設定

MDピン出荷時の設定設定方法設定内容
MD00SW1自走モード
MD10抵抗QSPI(48.75MHz/16KByte transfer)
MD21SW1
MD30SW1
MD40抵抗CS0空間サイズ 64MByte
MD51抵抗Reserved
MD60抵抗Cortex-A15 boot
MD70抵抗
MD81抵抗CS0空間データバス幅 16bit
MD90抵抗水晶発振器
MD100抵抗バウンダリスキャン
MD110SW1
MD120抵抗
MD200抵抗
MD210SW1
MDT00抵抗
MDT11抵抗
MD131抵抗入力周波数 20MHz
MD140抵抗
MD190抵抗DDR3-1600 mode
MD221抵抗DDR32bit x 2ch
MD271抵抗
MD281抵抗
MD231抵抗USB 3.0
MD240SW1SATA1

13.2. RAM

4Gbit、16bit幅のDDR3L-SDRAM(DDR3-1600)を4個搭載しています。RZ/G1Mとは32bit x 2チャンネルモードで接続しています。

13.3. eMMC

8GByteのSAMSUNG製eMMCを搭載しています。eMMCはRZ/G1MのMMC(Multi Media Card Interface)と接続されています。

eMMC周辺の構成

図13.2 eMMC周辺の構成


13.4. SPIフラッシュメモリ

8MByteのMicron製SPIフラッシュメモリを搭載しています。SPIフラッシュメモリはマルチプレクサを経由してRZ/G1MのQSPI(Quad Serial Peripheral Interface)と接続されています。QSPIは拡張インターフェース(CON2)にも接続されており、SPIフラッシュメモリを使用する場合は、SW2.6をONに設定します。

SPIフラッシュメモリ周辺の構成

図13.3 SPIフラッシュメモリ周辺の構成


13.5. LAN(Ethernet)

10BASE-T/100BASE-TXに対応したLANインターフェース(CON7)を搭載しています。カテゴリ5以上のLANケーブルを接続することができます。信号線はMicrochip Technology製PHY(LAN8720AI-CP)を経由してRZ/G1MのEther(Ethernet MAC Controller)に接続されています。

LAN周辺の構成

図13.4 LAN周辺の構成


表13.14 LANコネクタLED

名称(色)状態説明
LINK_ACTIVE_LED(緑色)消灯リンクが確立されていない
点灯リンクが確立されている
点滅リンクが確立されておりキャリアを検出した状態
SPEED_LED(黄色)消灯10BASE-T
点灯100BASE-TX

13.6. 無線LAN

Armadillo-WLAN(AWL13)用コネクタ(CON5)を搭載しています。信号線はマルチプレクサを経由してRZ/G1MのSDHI2(SD Card Host Interface)に接続されています。 SDHI2はSDインターフェース(CON4)、拡張インターフェース(CON3)にも接続されており、CON5を使用する場合は、SW2.5をOFFに設定します。

CON5に供給される電源は、GP6_26により制御しており、Highで電源供給、Lowで電源切断されます。信号線の電源はGP6_27により3.3V/1.8Vの切替をしており、CON5を使用する場合は、3.3V(High)に設定する必要があります。

WLANインターフェース(CON5)周辺の構成

図13.5 WLANインターフェース(CON5)周辺の構成


13.7. シリアル(UART)

非同期(調歩同期)シリアルインターフェース(CON16)を搭載しています。信号線はTexas Instruments製RS232Cレベル変換IC(SN65C3232EPW)とマルチプレクサを経由してRZ/G1MのSCIFB0(Serial Communications Interface with FIFO B)に接続されています。SCIFB0は拡張インターフェース(CON15)にも接続されており、CON16を使用する場合はSW2.3をONに設定します。

シリアル(CON16)周辺の構成

図13.6 シリアル(CON16)周辺の構成


13.8. USBシリアル

非同期(調歩同期)のUSBシリアルインターフェース(CON14)を搭載しています。信号線はFTDI製USBシリアル変換IC(FT232RL-REEL)、バッファICを経由してRZ/G1MのSCIFB1(Serial Communications Interface with FIFO B)に接続されています。

USBシリアル(CON14)周辺の構成

図13.7 USBシリアル(CON14)周辺の構成


表13.15 シリアルLED

部品番号(色)状態説明
LED1(黄)点滅データ送信中
LED2(黄)点滅データ受信中

13.9. SD

SDインターフェースを2つ(CON4、CON6)搭載しています。

13.9.1. CON4

CON4はUHS-I(SDR50、最大クロック周波数: 97.5MHz)に対応したSDインターフェースです。信号線はマルチプレクサを経由してRZ/G1MのSDHI2(SD Card Host Interface)に接続されています。 SDHI2はWLANインターフェース(CON5)にも接続されており、CON4を使用する場合は、SW2.5をONに設定します。 CON4の信号線は拡張インターフェース(CON3)にも接続されており、同時に使用することはできません。

SDスロットに供給される電源は、GP6_26により制御しており、Highで電源供給、Lowで電源切断されます。信号線の電源はGP6_27により3.3V/1.8Vの切替をしており、Highで3.3V、Lowで1.8Vが供給されます。

SDスロット(CON4)周辺の構成

図13.8 SDスロット(CON4)周辺の構成


13.9.2. CON6

CON6はUHS-I(SDR104、最大クロック周波数: 156MHz)に対応したSDインターフェースです。信号線はRZ/G1MのSDHI0(SD Card Host Interface)に接続されています。 SDスロットに供給される電源は、GP6_24により制御しており、Highで電源供給、Lowで電源切断されます。 信号線の電源はGP6_25により3.3V/1.8Vの切替をしており、Highで3.3V、Lowで1.8Vが供給されます。

SDスロット(CON6)周辺の構成

図13.9 SDスロット(CON6)周辺の構成


13.10. USB 2.0

USB 2.0ホストインターフェース(CON8)とUSB 2.0ファンクションインターフェース(CON9)を搭載しています。信号線はマルチプレクサを経由してRZ/G1MのUSB0(USB 2.0 Controller)に接続されています。USB0の接続先は、SW2.4により切替可能で、ONでCON8、OFFでCON9に接続されます。CON8の電源はUSB0_PWEN信号で制御をしており、Highで電源供給、Lowで電源切断されます。

データ転送モード

・High Speed(480Mbps)
・Full Speed(12Mbps)
・Low Speed(1.5Mbps)

USB 2.0周辺の構成

図13.10 USB 2.0周辺の構成


13.11. USB 3.0

USB 3.0ホストインターフェース(CON10)を搭載しています。信号線はRZ/G1MのUSB3(USB 3.0 Controller)、USB1(USB 2.0 Controller)に接続されています。USB1の信号線はminiPCIeインターフェース(CON12)にも接続されており、CON10を使用する場合は、SW1.1をONに設定します。VBUSに供給する電源はUSB1_PWEN信号で制御しており、Highで電源供給、Lowで電源切断されます。

データ転送モード

・Super Speed(5Gbps)
・High Speed(480Mbps)
・Full Speed(12Mbps)
・Low Speed(1.5Mbps)

USB 3.0周辺の構成

図13.11 USB 3.0周辺の構成


13.12. PCI Express

miniPCIeインターフェース(CON12)を搭載しています。信号線はマルチプレクサを経由してRZ/G1MのPCIEC(PCI-Express Controller)、USB1(USB 2.0 Controller)に接続されています。PCIECとUSB1の信号線はそれぞれSATAインターフェース(CON11)、USB 3.0ホストインターフェース(CON10)にも接続されており、CON12を使用する場合、SW1.1、SW1.2をOFFに設定します。また、MDピンを設定する必要があり、SW1.3をOFFに設定します。RZ/G1M内蔵のPCIECはPCI Express Base Specification Rev2.0(5.0GT/s、2.5GT/s)に対応しています。

PCI Express周辺の構成

図13.12 PCI Express周辺の構成


[注記]

差動配線長差を抑えるため、D+/D-のスワップ機能を使い、TODN0_PCIeとTODP0_PCIeを入れ替えて接続しています。

13.13. シリアルATA

シリアルATAインターフェース(CON11)を搭載しています。信号線はマルチプレクサを経由して、RZ/G1MのSerial-ATAインターフェースに接続されています。miniPCIeインターフェース(CON12)にも共通の信号線が接続されており、CON11を使用する場合は、SW1.2をOFFに設定します。また、MDピンを設定する必要があり、SW1.3をONに設定します。RZ/G1M内蔵のSerial-ATAインターフェースは、SATA Revision 3.1に準拠し、1.5Gbpsおよび3.0Gbpsの転送速度に対応しています。SATAデバイスに電源を供給する場合、CON13を使用することが可能です。

シリアルATA周辺の構成

図13.13 シリアルATA周辺の構成


13.14. コンポジットビデオ入力

コンポジットビデオ入力用コネクタ(CON26)を搭載しています。信号線はビデオコーデック(ADV7180/Analog Devices)、マルチプレクサを経由してRZ/G1MのVIN2(Video Input Module)に接続されています。VIN2は拡張インターフェース(CON30)にも接続されており、CON26で使用する場合、SW2.1をONに設定します。

コンポジットビデオ入力周辺の構成

図13.14 コンポジットビデオ入力周辺の構成


13.15. LCD

Ampire製タッチパネルLCD(AM-800480L1TMQW-T00H7)用のコネクタ(CON23)を搭載しています。信号線はRZ/G1MのDU1(Digital RGB)に接続されています。

HDMIトランスミッター、拡張インターフェース(CON24)にも共通の信号線が接続されており、同時に使用することはできません。

LCD周辺の構成

図13.15 LCD周辺の構成


[ティップ]

CON23に接続可能なタッチパネルLCDと取り付け用のネジ類をひとまとめにしたオプションセットを販売しています。詳細については、「Armadillo-EVA 1500 LCDオプションセット」をご確認ください。

13.16. LVDS

LVDSインターフェース(CON25)を搭載しています。信号線はRZ/G1MのDU0(LVDSインターフェース)に接続されています。ドットクロック用として、DU1_DOTCLKINに74.25MHzの発振器を、DU0_DOTCLKINに2.5 x 2.0mmパッケージ用のパターンを設けています。

LVDS周辺の構成

図13.16 LVDS周辺の構成


13.17. デジタルHD出力

デジタルHD出力インターフェース(CON17)を搭載しています。信号線はAnalog Devices製のHDMIトランスミッター(ADV7511W)を経由してRZ/G1MのDU1(Digital RGB)、SSI0、1、2、9(Serial Sound Interface)に接続されています。LCDインターフェース(CON23)、拡張インターフェース(CON24)にも共通の信号線が接続されており、同時に使用することはできません。

Digital HD周辺の構成

図13.17 Digital HD周辺の構成


13.18. オーディオ

ヘッドホン用ミニジャック(CON18)、マイク/ライン入力用ミニジャック(CON21)を搭載しています。信号線はマルチプレクサ、オーディオコーデック(CS42L52-CNZ/Cirrus Logic)を経由してRZ/G1MのSSI3、4(Serial Sound Interface Unit)に接続されています。CON22の8ピンにマルチプレクサのセレクトピンが接続されており、Highレベル(+3.3V)入力でCON22、Open(基板上にて10kΩ抵抗でGNDに接続されています)でオーディオコーデックに切替可能です。

AUDIO CODEC周辺の構成

図13.18 AUDIO CODEC周辺の構成


バイアスジャンパ(JP2、JP3)をショートすることにより、バイアス電圧を供給することが可能です。ライン入力、バイアスを必要としないマイク入力を使用する場合は、ジャンパは必要ありません。

JP2、JP3周辺回路

図13.19 JP2、JP3周辺回路


13.19. 拡張インターフェース

拡張インターフェースを6つ(CON2、CON3、CON15、CON22、CON24、CON30)搭載しています。拡張インターフェースには複数の機能が割り当てられた信号を配線しています。

13.19.1. CON2

CON2の信号線はRZ/G1MのLBSC(Local Bus State contoller)等に接続されており、SRAMインターフェース、パラレルATAインターフェースに対応したバスを拡張することが可能です。 LBSCの上位アドレス(A20~A25)のピンはSPIフラッシュメモリにも接続されており、CON2で使用する場合はSW2.6をOFFに設定します。

CON2周辺の構成

図13.20 CON2周辺の構成


13.19.2. CON3

CON3の信号線はマルチプレクサを経由してRZ/G1MのSDHI2(SD Card Host Interface)に接続されています。 CON3を使用する場合は、SW2.5をONに設定します。 CON3の信号線はSDインターフェース(CON4)にも接続されており、同時に使用することはできません。

CON3に供給される電源および信号線の電源はGP6_27により3.3V/1.8Vの切替をしており、Highで3.3V、Lowで1.8Vが供給されます。

CON3周辺の構成

図13.21 CON3周辺の構成


13.19.3. CON15

CON15の信号線はRZ/G1MのCAN1(Controller Area Network Interface)とマルチプレクサを経由してRZ/G1MのSCIFB0(SerialCommunications Interface with FIFO B)に接続されています。CON15を使用する場合は、SW2.3をOFFに設定します。

CON15周辺の構成

図13.22 CON15周辺の構成


13.19.4. CON22

CON22の信号線はRZ/G1MのSSI3、4(Serial Sound Interface)に接続されており、音声の入出力インターフェース等を拡張可能です。一部の信号線はマルチプレクサを経由してRZ/G1Mに接続されており、CON22で使用する場合は、CON22の8ピンにHighレベル(+3.3V)入力します。

CON22周辺の構成

図13.23 CON22周辺の構成


13.19.5. CON24

CON24の信号線はRZ/G1MのDU1(Digital RGB)に接続されており、LCD等を接続することが可能です。

HDMIトランスミッター、LCDインターフェース(CON23)にも共通の信号線が接続されており、同時に使用することはできません。

CON24周辺の構成

図13.24 CON24周辺の構成


13.19.6. CON30

CON30の信号線は主にRZ/G1MのVIN0(Video Input Module)に接続されており、カメラ等を接続することが可能です。 一部の信号線はマルチプレクサを経由して接続されており、CON30で使用する場合、SW2.1をOFFに設定します。

CON30周辺の構成

図13.25 CON30周辺の構成


13.20. I2C

I2C6、GPIO_I2C0、GPIO_I2C1、GPIO_I2C2バスに接続されているデバイス、インターフェースは次のとおりです。

表13.16 I2Cバスの接続

I2Cバス接続
I2C6PMIC(DA9063)
PMIC(DA9210)
GPIO_I2C0PMIC(DA9063)
RTC(S-35390A)
GPIO_I2C1EEPROM(M24C01)
HDMIトランスミッター(ADV7511)
オーディオコーデック(CS42L52)
ビデオデコーダ(ADV7180)
GPIO_I2C2miniPCIeインターフェース(CON12)
LCDインターフェース(CON23)

I2C周辺の構成

図13.26 I2C周辺の構成


13.21. クロック

次の水晶発振器、水晶振動子を使用しています。

表13.17 水晶発振器、水晶振動子

部品番号周波数接続先備考
X114.7456MHzRZ/G1M(SCIF_CLK) 
X274.25MHzRZ/G1M(DU1_DOTCLKIN) 
X3-RZ/G1M(DU0_DOTCLKIN)未実装
X420MHzRZ/G1M(XTAL、EXTAL)未実装、X5と排他で使用
X520MHzRZ/G1M(EXTAL) 
X648MHzRZ/G1M(USB_XTAL、USB_EXTAL) 
X725MHzEthernet PHY 
X825MHzminiPCIe/SATA/USB3.0用クロックジェネレータ 
X912MHzHDMIトランスミッタ- 
X1012.288MHzオーディオコーデック、RZ/G1M(AUDIO_CLKA) 
X1128.6363MHzビデオデコーダ 
X12-拡張インターフェース(CON30)未実装、PWM5と排他で使用
X1332.768kHzリアルタイムクロック 
X1432.768kHzPMIC 

13.22. スイッチ

機能選択用のディップスイッチ、ユーザーが自由に使用できるタクトスイッチ、電源をON/OFFするためのスライドスイッチ、リセット用のタクトスイッチ、SDブートデバイス選択用のタクトスイッチを搭載しています。

13.22.1. 機能選択スイッチ

機能選択用に8接点のディップスイッチを2つ(SW1、SW2)搭載しています。RZ/G1MのMDピン、マルチプレクサのセレクトピン等に接続されており、有効にする機能の選択をします。

機能選択スイッチの形状

図13.27 機能選択スイッチの形状


表13.18 機能選択スイッチの機能

部品番号No.機能
SW11USB 3.0、SATA/miniPCIe設定
2
3
4自走モード/ステップアップモード設定
5JTAG設定
6
7IPL起動デバイス設定
8
SW21ビデオ入力設定
2Reserved
3シリアル(UART)設定
4USB 2.0設定
5SD/WLAN設定
6SPI設定
7Hermit-At起動デバイス設定
8Hermit-At起動モード設定

13.22.1.1. USB 3.0、SATA/miniPCIeの設定

SW1.1、SW1.2、SW1.3はRZ/G1MのMD24ピン、マルチプレクサのセレクトピンに接続されており、USB 3.0、SATA、miniPCIeインターフェースの有効/無効を設定します。

表13.19 SW1.1、SW1.2、SW1.3 - USB 3.0、SATA/miniPCIeの設定

SW1機能
123USB 3.0SATAminiPCIe
ON有効無効
OFF無効有効
その他設定禁止

13.22.1.2. 自走モード/ステップアップモード設定

SW1.4はRZ/G1MのMD0に接続されており、RZ/G1Mが自走モードで動作するかステップアップモードで動作するかを設定します。

表13.20 SW1.4 - 自走モード/ステップアップモード設定

SW1機能
4
ON自走モード
OFFステップアップモード

13.22.1.3. JTAG設定

SW1.5、SW1.6はRZ/G1MのMD11、MD21ピンに接続されており、デバッグ機能を設定します。

表13.21 SW1.5、SW1.6 - JTAG設定

SW1機能
56
ONONバウンダリスキャン
ONOFF
OFFONCoresightデバッグポート
OFFOFF設定禁止

13.22.1.4. IPL起動デバイス設定

SW1.7、SW1.8はRZ/G1MのMD2、MD3ピンに接続されており、IPLの起動デバイスを設定します。

表13.22 SW1.7、SW1.8 - IPL起動デバイス設定

SW1機能
78
ONONエリア0(CS0に割り当てられたデバイス)から起動
OFFONSPIフラッシュメモリから起動(48.75MHz/16KByte transfer)
ONOFFSPIフラッシュメモリから起動(39MHz/16KByte transfer)
OFFOFFSPIフラッシュメモリから起動(39MHz/4KByte transfer)[a]

[a] IPLは4KByte以上のサイズですので、起動できません。


13.22.1.5. ビデオ入力設定

SW2.1はVIN2(Video Input Module)の接続先を切替するマルチプレクサのセレクトピンに接続されています。

表13.23 SW2.1 - ビデオ入力設定

SW2機能
1
ON

ビデオデコーダに接続

コンポジットビデオ入力インターフェース(CON26)有効

OFF拡張インターフェース(CON30)に接続

13.22.1.6. シリアル(UART)設定

SW2.3はSCIFB0(Serial Communications Interface with FIFO B)の接続先を切替するマルチプレクサのセレクトピンに接続されています。

表13.24 SW2.3 - シリアル(UART)設定

SW2機能
3
ON

RS232Cレベル変換ICに接続

シリアルインターフェース(CON16)有効

OFF拡張インターフェース(CON15)に接続

13.22.1.7. USB 2.0設定

SW2.4はUSB0(USB 2.0 Controller)の接続先を切替するマルチプレクサのセレクトピンに接続されています。

表13.25 SW2.4 - USB 2.0設定

SW2機能
4
ONUSB 2.0 ホストインターフェース(CON8)有効
OFFUSB 2.0 ファンクションインターフェース(CON9)有効

13.22.1.8. SD/WLAN設定

SW2.5はSDHI2(SD Card Host Interface)の接続先を切替するマルチプレクサのセレクトピンに接続されています。

表13.26 SW2.5 - SD/WLAN設定

SW2機能
5
ONSDインターフェース(CON4)有効
OFFWLANインターフェース(CON5)有効

13.22.1.9. SPI設定

SW2.6はQSPI(Quad Serial Peripheral Interface)の接続先を切替するマルチプレクサのセレクトピンに接続されています。

表13.27 SW2.6 - SPI設定

SW2機能
6
ONSPIフラッシュメモリ有効
OFF拡張インターフェース(CON2)の57~62ピン有効

13.22.1.10. Hermit-At起動デバイス設定

SW2.7はRZ/G1MのGP2_3に接続されています。Hermit-Atを起動させるデバイスを設定します。

表13.28 SW2.7 - Hermit-At起動デバイス設定

SW2機能
7
ONSPIフラッシュメモリから起動
OFFSDカードから起動

13.22.1.11. Hermit-At起動モード設定

SW2.8はRZ/G1MのGP7_7に接続されています。Hermit-At起動後、保守モードとOS自動起動モードのどちらに遷移させるかを設定します。

表13.29 SW2.8 - Hermit-At起動デバイス設定

SW2機能
8
ON保守モード
OFFOS自動起動モード

13.22.2. ユーザースイッチ

ユーザー側で自由に利用できるタクトスイッチを4つ(SW3、SW4、SW5、SW6)搭載しています。信号線はRZ/G1MのGP5_0、GP5_1、GP5_2、GP5_3に接続されています。スイッチが押されている時はLowレベル、押されていない時はHighレベルが各ピンに入力されます。

ユーザースイッチ周辺の構成

図13.28 ユーザースイッチ周辺の構成


13.22.3. SDブートデバイス選択スイッチ

SDブートデバイス選択用のタクトスイッチ(SW9)を搭載しています。信号線はRZ/G1MのGP5_31に接続されてます。スイッチが押されている時はLowレベル、押されていない時はHighレベルが入力されます。

SDブートデバイス選択スイッチ周辺の構成

図13.29 SDブートデバイス選択スイッチ周辺の構成


13.22.4. 電源スイッチ

2接点のスイライドスイッチ(SW7)を搭載しています。+12/+5Vに変換するスイッチングレギュレータのイネーブルピンと+12V_SATA電源のON/OFF制御をするeFuseのイネーブルピンに接続されています。ONで電源供給、OFFで電源切断されます。

電源スイッチ周辺の構成

図13.30 電源スイッチ周辺の構成


13.22.5. リセットスイッチ

リセット用のタクトスイッチ(SW8)を搭載しています。ONでリセット状態、OFFでリセット解除となります。

リセットスイッチ周辺の構成

図13.31 リセットスイッチ周辺の構成


13.23. LED

シリアルLED、ユーザーLED、電源LED、警告LEDを搭載しています。

13.23.1. シリアルLED

USBシリアルインターフェース(CON14)の送受信の状態を示す面実装の黄色LEDを2つ(LED1、LED2)搭載しています。詳細については「USBシリアル」をご参照ください。

13.23.2. ユーザーLED

ユーザー側で自由に利用できる面実装の黄色LEDを4つ(LED4、LED5、LED6、LED7)搭載しています。信号線はRZ/G1MのGP5_4、GP5_5、GP5_6、GP5_7に接続されています。Highレベル出力で点灯、Lowレベル出力で消灯します。

ユーザーLED周辺の構成

図13.32 ユーザーLED周辺の構成


13.23.3. 電源LED

Armadillo-EVA 1500に電源が供給されていることを示す、面実装の緑色LED(LED8)を搭載しています。 電源LEDは+3.3Vが供給されると点灯します。

電源LED周辺の構成

図13.33 電源LED周辺の構成


13.23.4. 警告LED

警告用に面実装の赤色LED(LED9)を搭載しています。RZ/G1MのGP5_4に接続されており、Highレベル出力で点灯、Lowレベル出力で消灯します。

警告LED周辺の構成

図13.34 警告LED周辺の構成


13.24. JTAG

ARM JTAGデバッガを接続することができるJTAGインターフェース(CON1)を搭載しています。 信号線はRZ/G1MのJTAGピンに接続されています。 JTAGを使用する場合、SW1.5をOFF、SW1.6をONに、通常使用時はSW1.5をONに設定します。

JTAG周辺の構成

図13.35 JTAG周辺の構成


13.25. リアルタイムクロック

セイコーインスツル製リアルタイムクロック(S-35390A)を搭載しています。リアルタイムクロックは積層セラミックコンデンサにより、電源切断後も数分間動作することが可能です。長時間電源が切断されても時刻データを保持させたい場合は、RTC外部バックアップインターフェース(CON31)に別途バッテリ-(CR2032等)を接続することができます。

リアルタイムクロックの主な仕様は次のとおりです。

表13.30 リアルタイムクロック仕様

バックアップ

300秒(Typ.)、60秒(Min.)

RTC外部バックアップインターフェース(CON31)経由で外部バッテリを接続可能

電源電圧DC2.0~3.5V

リアルタイムクロック周辺の構成

図13.36 リアルタイムクロック周辺の構成


13.26. 電源

13.26.1. 電源回路の構成

Armadillo-EVA 1500の電源回路の構成は次のとおりです。CON32もしくはCON33からの入力電圧を電源ICで各電圧に変換し、内部回路および各インターフェースに供給しています。デバイスの電流容量の制限を超えないように、外部機器の接続、供給電源の設計を行ってください。

電源回路の構成

図13.37 電源回路の構成


13.26.2. 電源シーケンス

電源シーケンスは次のとおりです。

電源シーケンス

図13.38 電源シーケンス


13.27. リセット

リセット回路では+3.3V、+5Vを監視しています。電源投入時には+3.3Vが確定すると、パワーオンリセット信号が解除されます。リセットスイッチ(SW8)、JTAGインターフェース(CON1)の15ピン、拡張インターフェース(CON3)の13ピンからもパワーオンリセット信号を発生させることが可能です。外部からリセットする場合、確実にリセットさせるため、200μs以上のLow期間を設定してください。パワーオンリセット信号は、eMMC、ビデオデコーダ、拡張インターフェース(CON2)に接続されています。

リセット回路の構成

図13.39 リセット回路の構成




[26] "0": Lowレベル入力、"1": Highレベル入力、"-" 不定(ただし"0"か"1"どちらかに設定する必要あり)