本章では、Armadillo-EVA 1500のハードウェア仕様について説明します。
ルネサスエレクトロニクス製アプリケーションプロセッサ「RZ/G1M」を搭載しています。
ARM Cortex-A15デュアルコア 1.5GHz
L1命令キャッシュ: 32KByte、L1データキャッシュ: 32KByte、L2キャッシュ: 1MByte
DDR3(L)-SDRAM(DDR3-1600)対応メモリコントローラ、データバス幅: 32bit x 2
PowerVR SGX544MP2(3D)
VCP3(H.264/AVC、MPEG-2/4、VC-1等)
USB 3.0、USB 2.0インターフェース
PCI Expressインターフェース
シリアルATAインターフェース
SDホストインターフェース
その他各種周辺機能
電源電圧: 3.3V、1.8V、1.5/1.35V、1.03V
RZ/G1Mの動作モードはパワーオンリセット解除時のMDピンの状態により設定されます。
MDピンで設定できる動作モードについて説明します[]。動作モードの詳細については、「R8A77430HA01BG User's Manual Hardware」をご確認ください。
MD0は自走モード、ステップアップモードの設定をします。
表13.1 MD0 - 自走モード/ステップアップモードの設定
MD1、MD2、MD3はブートデバイスの設定をします。
表13.2 MD1、MD2、MD3 - ブートデバイスの設定
MD3 | MD2 | MD1 | 設定 |
---|
0 | 0 | 0 | エリア0 Boot(CON2に接続した外部メモリから起動) |
0 | 1 | 0 | QSPI Boot(48.75MHz/16KByte transfer) |
1 | 0 | 0 | QSPI Boot(39MHz/16KByte transfer) |
1 | 1 | 0 | QSPI Boot(39MHz/4KByte transfer) |
MD4はCS0空間サイズを64MByte空間とするか128MByte空間とするかの設定をします。
MD5は予約されています。Highレベルに固定する必要があります。
MD6、MD7はMaster boot processorの設定をします。
表13.4 MD6、MD7 - Master boot processorの設定
MD7 | MD6 | 設定 |
---|
0 | 0 | Cortex-A15 Boot |
MD8はCS0空間のデータバス幅の設定をします。
表13.5 MD8 - CS0空間データバス幅の設定
MD9はEXTALピン、XTALピンに接続する源発振の設定をします。
表13.6 MD9 - 水晶発振器/水晶発振子の設定
MD9 | 設定 |
---|
0 | EXTALピンに水晶発振器を接続 |
1 | EXTAL/XTALピンに水晶振動子を接続 |
MD10、MD11、MD12、MD20、MD21、MDT0、MDT1はJTAG(CON1)でデバッグする機能を設定します。
表13.7 MD10、MD11、MD12、MD20、MD21、MDT0、MDT1 - JTAGの機能設定
MD12 | MD10 | MD21 | MD20 | MD11 | MDT1 | MDT0 | JTAG(CON1) |
---|
0 | 0 | 0 | 0 | - | - | - | バウンダリスキャン |
0 | 0 | 1 | 0 | 0 | - | - | Coresightデバッグポート |
MD13、MD14は周波数モードの設定をします。
表13.8 MD13、MD14 - 周波数モードの設定
MD14 | MD13 | 設定 |
---|
0 | 0 | 15MHz |
0 | 1 | 20MHz |
1 | 0 | 26MHz |
1 | 1 | 30MHz |
MD19はDDR3-SDRAMのバスクロックの設定をします。
表13.9 MD19 - DDR3-SDRAMバスクロックの設定
MD19 | 設定 |
---|
0 | DDR3-1600 mode |
1 | DDR3-1333 mode |
MD22、MD27、MD28はDDR3-SDRAMのインターフェース設定をします。
表13.10 MD22、MD27、MD28 - DDR3-SDRAMのインターフェース設定
MD28 | MD27 | MD22 | 設定 |
---|
0 | 1 | 1 | DDR64bit x 1ch |
1 | 1 | 1 | DDR32bit x 2ch |
MD23はSATA0、USB3.0のどちらを使用するかの設定をします。
表13.11 MD23 - SATA0/USB3.0の設定
MD24はSATA1、PCIECのどちらを使用するかの設定をします。
表13.12 MD24 - SATA1/PCIeの設定
13.1.2.2. Armadillo-EVA 1500のMDピンの初期設定
Armadillo-EVA 1500のMDピンの出荷時の設定を表13.13「MDピンの出荷時の設定」に示します。
表13.13 MDピンの出荷時の設定
MDピン | 出荷時の設定 | 設定方法 | 設定内容 |
---|
MD0 | 0 | SW1 | 自走モード |
MD1 | 0 | 抵抗 | QSPI(48.75MHz/16KByte transfer) |
MD2 | 1 | SW1 |
MD3 | 0 | SW1 |
MD4 | 0 | 抵抗 | CS0空間サイズ 64MByte |
MD5 | 1 | 抵抗 | Reserved |
MD6 | 0 | 抵抗 | Cortex-A15 boot |
MD7 | 0 | 抵抗 |
MD8 | 1 | 抵抗 | CS0空間データバス幅 16bit |
MD9 | 0 | 抵抗 | 水晶発振器 |
MD10 | 0 | 抵抗 | バウンダリスキャン |
MD11 | 0 | SW1 |
MD12 | 0 | 抵抗 |
MD20 | 0 | 抵抗 |
MD21 | 0 | SW1 |
MDT0 | 0 | 抵抗 |
MDT1 | 1 | 抵抗 |
MD13 | 1 | 抵抗 | 入力周波数 20MHz |
MD14 | 0 | 抵抗 |
MD19 | 0 | 抵抗 | DDR3-1600 mode |
MD22 | 1 | 抵抗 | DDR32bit x 2ch |
MD27 | 1 | 抵抗 |
MD28 | 1 | 抵抗 |
MD23 | 1 | 抵抗 | USB 3.0 |
MD24 | 0 | SW1 | SATA1 |
4Gbit、16bit幅のDDR3L-SDRAM(DDR3-1600)を4個搭載しています。RZ/G1Mとは32bit x 2チャンネルモードで接続しています。
8GByteのSAMSUNG製eMMCを搭載しています。eMMCはRZ/G1MのMMC(Multi Media Card Interface)と接続されています。
8MByteのMicron製SPIフラッシュメモリを搭載しています。SPIフラッシュメモリはマルチプレクサを経由してRZ/G1MのQSPI(Quad Serial Peripheral Interface)と接続されています。QSPIは拡張インターフェース(CON2)にも接続されており、SPIフラッシュメモリを使用する場合は、SW2.6をONに設定します。
10BASE-T/100BASE-TXに対応したLANインターフェース(CON7)を搭載しています。カテゴリ5以上のLANケーブルを接続することができます。信号線はMicrochip Technology製PHY(LAN8720AI-CP)を経由してRZ/G1MのEther(Ethernet MAC Controller)に接続されています。
表13.14 LANコネクタLED
名称(色) | 状態 | 説明 |
---|
LINK_ACTIVE_LED(緑色) | 消灯 | リンクが確立されていない |
点灯 | リンクが確立されている |
点滅 | リンクが確立されておりキャリアを検出した状態 |
SPEED_LED(黄色) | 消灯 | 10BASE-T |
点灯 | 100BASE-TX |
Armadillo-WLAN(AWL13)用コネクタ(CON5)を搭載しています。信号線はマルチプレクサを経由してRZ/G1MのSDHI2(SD Card Host Interface)に接続されています。
SDHI2はSDインターフェース(CON4)、拡張インターフェース(CON3)にも接続されており、CON5を使用する場合は、SW2.5をOFFに設定します。
CON5に供給される電源は、GP6_26により制御しており、Highで電源供給、Lowで電源切断されます。信号線の電源はGP6_27により3.3V/1.8Vの切替をしており、CON5を使用する場合は、3.3V(High)に設定する必要があります。
非同期(調歩同期)シリアルインターフェース(CON16)を搭載しています。信号線はTexas Instruments製RS232Cレベル変換IC(SN65C3232EPW)とマルチプレクサを経由してRZ/G1MのSCIFB0(Serial Communications Interface with FIFO B)に接続されています。SCIFB0は拡張インターフェース(CON15)にも接続されており、CON16を使用する場合はSW2.3をONに設定します。
非同期(調歩同期)のUSBシリアルインターフェース(CON14)を搭載しています。信号線はFTDI製USBシリアル変換IC(FT232RL-REEL)、バッファICを経由してRZ/G1MのSCIFB1(Serial Communications Interface with FIFO B)に接続されています。
表13.15 シリアルLED
部品番号(色) | 状態 | 説明 |
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LED1(黄) | 点滅 | データ送信中 |
LED2(黄) | 点滅 | データ受信中 |
SDインターフェースを2つ(CON4、CON6)搭載しています。
CON4はUHS-I(SDR50、最大クロック周波数: 97.5MHz)に対応したSDインターフェースです。信号線はマルチプレクサを経由してRZ/G1MのSDHI2(SD Card Host Interface)に接続されています。
SDHI2はWLANインターフェース(CON5)にも接続されており、CON4を使用する場合は、SW2.5をONに設定します。
CON4の信号線は拡張インターフェース(CON3)にも接続されており、同時に使用することはできません。
SDスロットに供給される電源は、GP6_26により制御しており、Highで電源供給、Lowで電源切断されます。信号線の電源はGP6_27により3.3V/1.8Vの切替をしており、Highで3.3V、Lowで1.8Vが供給されます。
CON6はUHS-I(SDR104、最大クロック周波数: 156MHz)に対応したSDインターフェースです。信号線はRZ/G1MのSDHI0(SD Card Host Interface)に接続されています。
SDスロットに供給される電源は、GP6_24により制御しており、Highで電源供給、Lowで電源切断されます。
信号線の電源はGP6_25により3.3V/1.8Vの切替をしており、Highで3.3V、Lowで1.8Vが供給されます。
USB 2.0ホストインターフェース(CON8)とUSB 2.0ファンクションインターフェース(CON9)を搭載しています。信号線はマルチプレクサを経由してRZ/G1MのUSB0(USB 2.0 Controller)に接続されています。USB0の接続先は、SW2.4により切替可能で、ONでCON8、OFFでCON9に接続されます。CON8の電源はUSB0_PWEN信号で制御をしており、Highで電源供給、Lowで電源切断されます。
- データ転送モード
・High Speed(480Mbps) |
・Full Speed(12Mbps) |
・Low Speed(1.5Mbps) |
USB 3.0ホストインターフェース(CON10)を搭載しています。信号線はRZ/G1MのUSB3(USB 3.0 Controller)、USB1(USB 2.0 Controller)に接続されています。USB1の信号線はminiPCIeインターフェース(CON12)にも接続されており、CON10を使用する場合は、SW1.1をONに設定します。VBUSに供給する電源はUSB1_PWEN信号で制御しており、Highで電源供給、Lowで電源切断されます。
- データ転送モード
・Super Speed(5Gbps) |
・High Speed(480Mbps) |
・Full Speed(12Mbps) |
・Low Speed(1.5Mbps) |
miniPCIeインターフェース(CON12)を搭載しています。信号線はマルチプレクサを経由してRZ/G1MのPCIEC(PCI-Express Controller)、USB1(USB 2.0 Controller)に接続されています。PCIECとUSB1の信号線はそれぞれSATAインターフェース(CON11)、USB 3.0ホストインターフェース(CON10)にも接続されており、CON12を使用する場合、SW1.1、SW1.2をOFFに設定します。また、MDピンを設定する必要があり、SW1.3をOFFに設定します。RZ/G1M内蔵のPCIECはPCI Express Base Specification Rev2.0(5.0GT/s、2.5GT/s)に対応しています。
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差動配線長差を抑えるため、D+/D-のスワップ機能を使い、TODN0_PCIeとTODP0_PCIeを入れ替えて接続しています。
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シリアルATAインターフェース(CON11)を搭載しています。信号線はマルチプレクサを経由して、RZ/G1MのSerial-ATAインターフェースに接続されています。miniPCIeインターフェース(CON12)にも共通の信号線が接続されており、CON11を使用する場合は、SW1.2をOFFに設定します。また、MDピンを設定する必要があり、SW1.3をONに設定します。RZ/G1M内蔵のSerial-ATAインターフェースは、SATA Revision 3.1に準拠し、1.5Gbpsおよび3.0Gbpsの転送速度に対応しています。SATAデバイスに電源を供給する場合、CON13を使用することが可能です。
コンポジットビデオ入力用コネクタ(CON26)を搭載しています。信号線はビデオコーデック(ADV7180/Analog Devices)、マルチプレクサを経由してRZ/G1MのVIN2(Video Input Module)に接続されています。VIN2は拡張インターフェース(CON30)にも接続されており、CON26で使用する場合、SW2.1をONに設定します。
Ampire製タッチパネルLCD(AM-800480L1TMQW-T00H7)用のコネクタ(CON23)を搭載しています。信号線はRZ/G1MのDU1(Digital RGB)に接続されています。
HDMIトランスミッター、拡張インターフェース(CON24)にも共通の信号線が接続されており、同時に使用することはできません。
LVDSインターフェース(CON25)を搭載しています。信号線はRZ/G1MのDU0(LVDSインターフェース)に接続されています。ドットクロック用として、DU1_DOTCLKINに74.25MHzの発振器を、DU0_DOTCLKINに2.5 x 2.0mmパッケージ用のパターンを設けています。
デジタルHD出力インターフェース(CON17)を搭載しています。信号線はAnalog Devices製のHDMIトランスミッター(ADV7511W)を経由してRZ/G1MのDU1(Digital RGB)、SSI0、1、2、9(Serial Sound Interface)に接続されています。LCDインターフェース(CON23)、拡張インターフェース(CON24)にも共通の信号線が接続されており、同時に使用することはできません。
ヘッドホン用ミニジャック(CON18)、マイク/ライン入力用ミニジャック(CON21)を搭載しています。信号線はマルチプレクサ、オーディオコーデック(CS42L52-CNZ/Cirrus Logic)を経由してRZ/G1MのSSI3、4(Serial Sound Interface Unit)に接続されています。CON22の8ピンにマルチプレクサのセレクトピンが接続されており、Highレベル(+3.3V)入力でCON22、Open(基板上にて10kΩ抵抗でGNDに接続されています)でオーディオコーデックに切替可能です。
バイアスジャンパ(JP2、JP3)をショートすることにより、バイアス電圧を供給することが可能です。ライン入力、バイアスを必要としないマイク入力を使用する場合は、ジャンパは必要ありません。
拡張インターフェースを6つ(CON2、CON3、CON15、CON22、CON24、CON30)搭載しています。拡張インターフェースには複数の機能が割り当てられた信号を配線しています。
CON2の信号線はRZ/G1MのLBSC(Local Bus State contoller)等に接続されており、SRAMインターフェース、パラレルATAインターフェースに対応したバスを拡張することが可能です。
LBSCの上位アドレス(A20~A25)のピンはSPIフラッシュメモリにも接続されており、CON2で使用する場合はSW2.6をOFFに設定します。
CON3の信号線はマルチプレクサを経由してRZ/G1MのSDHI2(SD Card Host Interface)に接続されています。
CON3を使用する場合は、SW2.5をONに設定します。
CON3の信号線はSDインターフェース(CON4)にも接続されており、同時に使用することはできません。
CON3に供給される電源および信号線の電源はGP6_27により3.3V/1.8Vの切替をしており、Highで3.3V、Lowで1.8Vが供給されます。
CON15の信号線はRZ/G1MのCAN1(Controller Area Network Interface)とマルチプレクサを経由してRZ/G1MのSCIFB0(SerialCommunications Interface with FIFO B)に接続されています。CON15を使用する場合は、SW2.3をOFFに設定します。
CON22の信号線はRZ/G1MのSSI3、4(Serial Sound Interface)に接続されており、音声の入出力インターフェース等を拡張可能です。一部の信号線はマルチプレクサを経由してRZ/G1Mに接続されており、CON22で使用する場合は、CON22の8ピンにHighレベル(+3.3V)入力します。
CON24の信号線はRZ/G1MのDU1(Digital RGB)に接続されており、LCD等を接続することが可能です。
HDMIトランスミッター、LCDインターフェース(CON23)にも共通の信号線が接続されており、同時に使用することはできません。
CON30の信号線は主にRZ/G1MのVIN0(Video Input Module)に接続されており、カメラ等を接続することが可能です。
一部の信号線はマルチプレクサを経由して接続されており、CON30で使用する場合、SW2.1をOFFに設定します。
I2C6、GPIO_I2C0、GPIO_I2C1、GPIO_I2C2バスに接続されているデバイス、インターフェースは次のとおりです。
表13.16 I2Cバスの接続
I2Cバス | 接続 |
---|
I2C6 | PMIC(DA9063) |
PMIC(DA9210) |
GPIO_I2C0 | PMIC(DA9063) |
RTC(S-35390A) |
GPIO_I2C1 | EEPROM(M24C01) |
HDMIトランスミッター(ADV7511) |
オーディオコーデック(CS42L52) |
ビデオデコーダ(ADV7180) |
GPIO_I2C2 | miniPCIeインターフェース(CON12) |
LCDインターフェース(CON23) |
次の水晶発振器、水晶振動子を使用しています。
表13.17 水晶発振器、水晶振動子
部品番号 | 周波数 | 接続先 | 備考 |
---|
X1 | 14.7456MHz | RZ/G1M(SCIF_CLK) | |
X2 | 74.25MHz | RZ/G1M(DU1_DOTCLKIN) | |
X3 | - | RZ/G1M(DU0_DOTCLKIN) | 未実装 |
X4 | 20MHz | RZ/G1M(XTAL、EXTAL) | 未実装、X5と排他で使用 |
X5 | 20MHz | RZ/G1M(EXTAL) | |
X6 | 48MHz | RZ/G1M(USB_XTAL、USB_EXTAL) | |
X7 | 25MHz | Ethernet PHY | |
X8 | 25MHz | miniPCIe/SATA/USB3.0用クロックジェネレータ | |
X9 | 12MHz | HDMIトランスミッタ- | |
X10 | 12.288MHz | オーディオコーデック、RZ/G1M(AUDIO_CLKA) | |
X11 | 28.6363MHz | ビデオデコーダ | |
X12 | - | 拡張インターフェース(CON30) | 未実装、PWM5と排他で使用 |
X13 | 32.768kHz | リアルタイムクロック | |
X14 | 32.768kHz | PMIC | |
機能選択用のディップスイッチ、ユーザーが自由に使用できるタクトスイッチ、電源をON/OFFするためのスライドスイッチ、リセット用のタクトスイッチ、SDブートデバイス選択用のタクトスイッチを搭載しています。
機能選択用に8接点のディップスイッチを2つ(SW1、SW2)搭載しています。RZ/G1MのMDピン、マルチプレクサのセレクトピン等に接続されており、有効にする機能の選択をします。
表13.18 機能選択スイッチの機能
部品番号 | No. | 機能 |
---|
SW1 | 1 | USB 3.0、SATA/miniPCIe設定 |
2 |
3 |
4 | 自走モード/ステップアップモード設定 |
5 | JTAG設定 |
6 |
7 | IPL起動デバイス設定 |
8 |
SW2 | 1 | ビデオ入力設定 |
2 | Reserved |
3 | シリアル(UART)設定 |
4 | USB 2.0設定 |
5 | SD/WLAN設定 |
6 | SPI設定 |
7 | Hermit-At起動デバイス設定 |
8 | Hermit-At起動モード設定 |
13.22.1.1. USB 3.0、SATA/miniPCIeの設定
SW1.1、SW1.2、SW1.3はRZ/G1MのMD24ピン、マルチプレクサのセレクトピンに接続されており、USB 3.0、SATA、miniPCIeインターフェースの有効/無効を設定します。
表13.19 SW1.1、SW1.2、SW1.3 - USB 3.0、SATA/miniPCIeの設定
SW1 | 機能 |
---|
1 | 2 | 3 | USB 3.0 | SATA | miniPCIe |
---|
ON | 有効 | 無効 |
OFF | 無効 | 有効 |
その他 | 設定禁止 |
13.22.1.2. 自走モード/ステップアップモード設定
SW1.4はRZ/G1MのMD0に接続されており、RZ/G1Mが自走モードで動作するかステップアップモードで動作するかを設定します。
表13.20 SW1.4 - 自走モード/ステップアップモード設定
SW1 | 機能 |
---|
4 |
---|
ON | 自走モード |
OFF | ステップアップモード |
SW1.5、SW1.6はRZ/G1MのMD11、MD21ピンに接続されており、デバッグ機能を設定します。
表13.21 SW1.5、SW1.6 - JTAG設定
SW1 | 機能 |
---|
5 | 6 |
---|
ON | ON | バウンダリスキャン |
ON | OFF |
OFF | ON | Coresightデバッグポート |
OFF | OFF | 設定禁止 |
SW1.7、SW1.8はRZ/G1MのMD2、MD3ピンに接続されており、IPLの起動デバイスを設定します。
表13.22 SW1.7、SW1.8 - IPL起動デバイス設定
SW1 | 機能 |
---|
7 | 8 |
---|
ON | ON | エリア0(CS0に割り当てられたデバイス)から起動 |
OFF | ON | SPIフラッシュメモリから起動(48.75MHz/16KByte transfer) |
ON | OFF | SPIフラッシュメモリから起動(39MHz/16KByte transfer) |
OFF | OFF | SPIフラッシュメモリから起動(39MHz/4KByte transfer)[] |
SW2.1はVIN2(Video Input Module)の接続先を切替するマルチプレクサのセレクトピンに接続されています。
表13.23 SW2.1 - ビデオ入力設定
SW2 | 機能 |
---|
1 |
---|
ON |
ビデオデコーダに接続
コンポジットビデオ入力インターフェース(CON26)有効
|
OFF | 拡張インターフェース(CON30)に接続 |
SW2.3はSCIFB0(Serial Communications Interface with FIFO B)の接続先を切替するマルチプレクサのセレクトピンに接続されています。
表13.24 SW2.3 - シリアル(UART)設定
SW2 | 機能 |
---|
3 |
---|
ON |
RS232Cレベル変換ICに接続
シリアルインターフェース(CON16)有効
|
OFF | 拡張インターフェース(CON15)に接続 |
SW2.4はUSB0(USB 2.0 Controller)の接続先を切替するマルチプレクサのセレクトピンに接続されています。
表13.25 SW2.4 - USB 2.0設定
SW2 | 機能 |
---|
4 |
---|
ON | USB 2.0 ホストインターフェース(CON8)有効 |
OFF | USB 2.0 ファンクションインターフェース(CON9)有効 |
SW2.5はSDHI2(SD Card Host Interface)の接続先を切替するマルチプレクサのセレクトピンに接続されています。
表13.26 SW2.5 - SD/WLAN設定
SW2 | 機能 |
---|
5 |
---|
ON | SDインターフェース(CON4)有効 |
OFF | WLANインターフェース(CON5)有効 |
SW2.6はQSPI(Quad Serial Peripheral Interface)の接続先を切替するマルチプレクサのセレクトピンに接続されています。
表13.27 SW2.6 - SPI設定
SW2 | 機能 |
---|
6 |
---|
ON | SPIフラッシュメモリ有効 |
OFF | 拡張インターフェース(CON2)の57~62ピン有効 |
13.22.1.10. Hermit-At起動デバイス設定
SW2.7はRZ/G1MのGP2_3に接続されています。Hermit-Atを起動させるデバイスを設定します。
表13.28 SW2.7 - Hermit-At起動デバイス設定
SW2 | 機能 |
---|
7 |
---|
ON | SPIフラッシュメモリから起動 |
OFF | SDカードから起動 |
13.22.1.11. Hermit-At起動モード設定
SW2.8はRZ/G1MのGP7_7に接続されています。Hermit-At起動後、保守モードとOS自動起動モードのどちらに遷移させるかを設定します。
表13.29 SW2.8 - Hermit-At起動デバイス設定
SW2 | 機能 |
---|
8 |
---|
ON | 保守モード |
OFF | OS自動起動モード |
ユーザー側で自由に利用できるタクトスイッチを4つ(SW3、SW4、SW5、SW6)搭載しています。信号線はRZ/G1MのGP5_0、GP5_1、GP5_2、GP5_3に接続されています。スイッチが押されている時はLowレベル、押されていない時はHighレベルが各ピンに入力されます。
SDブートデバイス選択用のタクトスイッチ(SW9)を搭載しています。信号線はRZ/G1MのGP5_31に接続されてます。スイッチが押されている時はLowレベル、押されていない時はHighレベルが入力されます。
2接点のスイライドスイッチ(SW7)を搭載しています。+12/+5Vに変換するスイッチングレギュレータのイネーブルピンと+12V_SATA電源のON/OFF制御をするeFuseのイネーブルピンに接続されています。ONで電源供給、OFFで電源切断されます。
リセット用のタクトスイッチ(SW8)を搭載しています。ONでリセット状態、OFFでリセット解除となります。
シリアルLED、ユーザーLED、電源LED、警告LEDを搭載しています。
USBシリアルインターフェース(CON14)の送受信の状態を示す面実装の黄色LEDを2つ(LED1、LED2)搭載しています。詳細については「USBシリアル」をご参照ください。
ユーザー側で自由に利用できる面実装の黄色LEDを4つ(LED4、LED5、LED6、LED7)搭載しています。信号線はRZ/G1MのGP5_4、GP5_5、GP5_6、GP5_7に接続されています。Highレベル出力で点灯、Lowレベル出力で消灯します。
Armadillo-EVA 1500に電源が供給されていることを示す、面実装の緑色LED(LED8)を搭載しています。
電源LEDは+3.3Vが供給されると点灯します。
警告用に面実装の赤色LED(LED9)を搭載しています。RZ/G1MのGP5_4に接続されており、Highレベル出力で点灯、Lowレベル出力で消灯します。
ARM JTAGデバッガを接続することができるJTAGインターフェース(CON1)を搭載しています。
信号線はRZ/G1MのJTAGピンに接続されています。
JTAGを使用する場合、SW1.5をOFF、SW1.6をONに、通常使用時はSW1.5をONに設定します。
セイコーインスツル製リアルタイムクロック(S-35390A)を搭載しています。リアルタイムクロックは積層セラミックコンデンサにより、電源切断後も数分間動作することが可能です。長時間電源が切断されても時刻データを保持させたい場合は、RTC外部バックアップインターフェース(CON31)に別途バッテリ-(CR2032等)を接続することができます。
リアルタイムクロックの主な仕様は次のとおりです。
表13.30 リアルタイムクロック仕様
バックアップ |
300秒(Typ.)、60秒(Min.)
RTC外部バックアップインターフェース(CON31)経由で外部バッテリを接続可能
|
電源電圧 | DC2.0~3.5V |
Armadillo-EVA 1500の電源回路の構成は次のとおりです。CON32もしくはCON33からの入力電圧を電源ICで各電圧に変換し、内部回路および各インターフェースに供給しています。デバイスの電流容量の制限を超えないように、外部機器の接続、供給電源の設計を行ってください。
リセット回路では+3.3V、+5Vを監視しています。電源投入時には+3.3Vが確定すると、パワーオンリセット信号が解除されます。リセットスイッチ(SW8)、JTAGインターフェース(CON1)の15ピン、拡張インターフェース(CON3)の13ピンからもパワーオンリセット信号を発生させることが可能です。外部からリセットする場合、確実にリセットさせるため、200μs以上のLow期間を設定してください。パワーオンリセット信号は、eMMC、ビデオデコーダ、拡張インターフェース(CON2)に接続されています。