アットマークテクノ製品のソフトウェア開発や動作確認を簡単に行うために、VMware仮想マシンのデータイメージを提供しています。このVMware仮想マシンのデータイメージをATDE(Atmark Techno Development Environment)と呼びます。ATDEの起動には仮想化ソフトウェアであるVMwareを使用します。ATDEのデータは、tar.xz圧縮されています。環境に合わせたツールで展開してください。
| |
---|
仮想化ソフトウェアとして、VMwareの他にOracle VM VirtualBoxが有名です。Oracle VM VirtualBoxには以下の特徴があります。
Oracle VM VirtualBoxからATDEを起動し、ソフトウェア開発環境として使用することができます。
|
ATDEは、バージョンにより対応するアットマークテクノ製品が異なります。Armadillo-EVA 1500に対応しているATDEは、ATDE5 (ATDEバージョン5)です。
ATDE5はDebian GNU/Linux 7(コードネーム wheezy)をベースに、Armadillo-EVA 1500のソフトウェア開発を行うために必要なクロス開発ツールや、Armadillo-EVA 1500の動作確認を行うために必要なツールが事前にインストールされています。
ATDE5を使用するためには、作業用PCにVMwareがインストールされている必要があります。VMware社 Webページ(http://www.vmware.com/)を参照し、利用目的に合うVMware製品をインストールしてください。また、ATDE5は tar.xz圧縮されていますので、環境に合せたツールで展開してください。
| |
---|
VMwareは、非商用利用限定で無償のものから、商用利用可能な有償のものまで複数の製品があります。製品ごとに異なるライセンス、エンドユーザー使用許諾契約書(EULA)が存在するため、十分に確認した上で利用目的に合う製品をご利用ください。
|
| |
---|
VMwareやATDE5が動作しないことを未然に防ぐため、使用するVMwareのドキュメントから以下の項目についてご確認ください。
ホストシステムのハードウェア要件
ホストシステムのソフトウェア要件
ゲストOSのプロセッサ要件
VMwareのドキュメントは、VMware社 Webページ(http://www.vmware.com/)から取得することができます。
|
表4.1「ATDE5の種類」に示すATDE5のアーカイブのうちいずれか1つを作業用PCにコピーします。ATDE5のアーカイブはArmadilloサイト(http://armadillo.atmark-techno.com)または、評価セット付属のDVDから取得可能です。
表4.1 ATDE5の種類
ATDE5アーカイブ | ベースのDebian GNU/Linux |
---|
atde5-[version]-amd64.tar.xz | 64-bit PC(「amd64」)アーキテクチャ用 Debian GNU/Linux 7 |
atde5-[version]-i386.tar.xz | 32-bit PC(「i386」)アーキテクチャ用 Debian GNU/Linux 7 |
| |
---|
作業用PCの動作環境(ハードウェア、VMware、ATDE5の種類など)により、ATDE5が正常に動作しない可能性があります。VMware社 Webページ(http://www.vmware.com/)から、使用しているVMwareのドキュメントなどを参照して動作環境を確認してください。
|
ATDE5のアーカイブを展開します。ATDE5のアーカイブは、tar.xz形式の圧縮ファイルです。
Windowsでの展開方法を手順4.1「WindowsでATDE5のアーカイブ展開する」に、Linuxでの展開方法を手順4.2「Linuxでtar.xz形式のファイルを展開する」に示します。
手順4.1 WindowsでATDE5のアーカイブ展開する
7-Zipのインストール
7-Zipをインストールします。7-Zipは、圧縮解凍ソフト 7-Zip(http://sevenzip.sourceforge.jp)または、評価セット付属のDVDから取得可能です。
7-Zipの起動
7-Zipを起動します。
xz圧縮ファイルの選択
xz圧縮ファイルを展開して、tar形式のファイルを出力します。tar.xz形式のファイルを選択して、「展開」をクリックします。
xz圧縮ファイルの展開先の指定
「展開先」を指定して、「OK」をクリックします。
xz圧縮ファイルの展開
展開が始まります。
tarアーカイブファイルの選択
xz圧縮ファイルの展開が終了すると、tar形式のファイルが出力されます。
tarアーカイブファイルを出力したのと同様の手順で、tarアーカイブファイルからATDE5のデータイメージを出力します。tar形式のファイルを選択して「展開」をクリックし、「展開先」を指定して、「OK」をクリックします。
展開の完了確認
tarアーカイブファイルの展開が終了すると、ATDE5アーカイブの展開は完了です。「展開先」に指定したフォルダにATDE5のデータイメージが出力されています。
手順4.2 Linuxでtar.xz形式のファイルを展開する
tar.xz圧縮ファイルの展開
tarのJxf
オプション使用してtar.xz圧縮ファイルを展開します。
展開の完了確認
tar.xz圧縮ファイルの展開が終了すると、ATDE5アーカイブの展開は完了です。atde5-i386-[version]
ディレクトリにATDE5のデータイメージが出力されています。
ATDE5のアーカイブを展開したディレクトリに存在する仮想マシン構成(.vmx)ファイルをVMware上で開くと、ATDE5を起動することができます。ATDE5にログイン可能なユーザーを、表4.2「ユーザー名とパスワード」に示します[]。
表4.2 ユーザー名とパスワード
ユーザー名 | パスワード | 権限 |
---|
atmark | atmark | 一般ユーザー |
root | root | 特権ユーザー |
| |
---|
ATDEに割り当てるメモリおよびプロセッサ数を増やすことで、ATDEをより快適に使用することができます。仮想マシンのハードウェア設定の変更方法については、VMware社 Webページ(http://www.vmware.com/)から、使用しているVMwareのドキュメントなどを参照してください。
|
VMwareは、ゲストOS (ATDE)による取り外し可能デバイス(USBデバイスやDVDなど)の使用をサポートしています。デバイスによっては、ホストOS (VMwareを起動しているOS)とゲストOSで同時に使用することができません。そのようなデバイスをゲストOSで使用するためには、ゲストOSにデバイスを接続する操作が必要になります。
Armadillo-EVA 1500 の動作確認を行うためには、表4.3「動作確認に使用する取り外し可能デバイス」に示すデバイスをゲストOSに接続する必要があります。
表4.3 動作確認に使用する取り外し可能デバイス
デバイス | デバイス名 |
---|
開発用 USB シリアル変換アダプタ(Armadillo-EVA シリーズ対応) | Future Devices FT232R USB UART |
作業用PCの物理シリアルポート | シリアルポート |
4.2.3. コマンドライン端末(GNOME端末)の起動
ATDE5で、CUI (Character-based User Interface)環境を提供するコマンドライン端末を起動します。ATDE5で実行する各種コマンドはコマンドライン端末に入力し、実行します。コマンドライン端末にはいくつかの種類がありますが、ここではGNOMEデスクトップ環境に標準インストールされているGNOME端末を起動します。
GNOME端末を起動するには、図4.1「GNOME端末の起動」のようにデスクトップ左上のメニューから「端末」を選択してください。
図4.2「GNOME端末のウィンドウ」のようにウィンドウが開きます。
4.2.4. シリアル通信ソフトウェア(minicom)の使用
シリアル通信ソフトウェア(minicom)のシリアル通信設定を、表4.4「シリアル通信設定」のように設定します。また、minicomを起動する端末の横幅を80文字以上にしてください。横幅が80文字より小さい場合、コマンド入力中に表示が乱れることがあります。
表4.4 シリアル通信設定
項目 | 設定 |
---|
転送レート | 115,200bps |
データ長 | 8bit |
ストップビット | 1bit |
パリティ | なし |
フロー制御 | なし |
minicomの設定を開始するには、図4.3「minicom設定方法」のようにしてください。設定完了後、デフォルト設定(dfl)に保存して終了します。
minicomを起動させるには、図4.4「minicom起動方法」のようにしてください。
| |
---|
デバイスファイル名は、環境によって/dev/ttyS0 や/dev/ttyUSB1 など、本書の実行例とは異なる場合があります。
|
minicomを終了させるには、まずCtrl+aに続いてqキーを入力します。図4.5「minicom終了確認」のように表示されたら「Yes」にカーソルを合わせてEnterキーを入力するとminicomが終了します。
| |
---|
Ctrl+aに続いてzキーを入力すると、minicomのコマンドヘルプが表示されます。
|