電気的仕様

15.1. 絶対最大定格

表15.1 絶対最大定格

項目 記号 Min. Max. 単位 備考

電源電圧

VIN

-0.3

4.8

V

入出力電圧(USB信号以外)

VI,VO

-0.5

OVDD+0.3

V

OVDD=+3.3V_IO, VDD_SNVS_IN [a]

入力電圧(USB信号)

VI_USB

-0.3

3.63

V

USB_OTG1_DP, USB_OTG1_DN, USB_OTG2_DP, USB_OTG2_DN

入力電圧(USB_VBUS)

VI_VBUS

5.5

V

USB_OTG1_VBUS, USB_OTG2_VBUS

RTCバックアップ電源電圧

RTC_BAT

-0.3

3.6

V

使用温度範囲

Topr

-20

70

結露なきこと

[a] Armadillo-610: CON2の13ピンのみOVDD=VDD_SNVS_INとなります。VDD_SNVS_INはダイオードを介してVSNVSとVDD_HIGH_INの電源が供給されています。


[警告]

絶対最大定格は、あらゆる使用条件や試験状況において、瞬時でも超えてはならない値です。上記の値に対して余裕をもってご使用ください。

15.2. 推奨動作条件

表15.2 推奨動作条件

項目 記号 Min. Typ. Max. 単位 備考

電源電圧

VIN

3.6

4.5

V

入力電圧(USB_VBUS)

VI_VBUS

4.4

5.5

V

USB_OTG1_VBUS, USB_OTG2_VBUS

RTCバックアップ電源電圧

RTC_BAT

2.75

3.3

V

Topr=+25℃

使用温度範囲

Ta

-20

25

70

V

結露なきこと


15.3. 入出力インターフェースの電気的仕様

表15.3 入出力インターフェース(電源)の電気的仕様

項目 記号 Min. Typ. Max. 単位 備考

5V 電源電圧

+5V_IO

4.8

5

5.15

V

3.3V 電源電圧

+3.3V_IO

3.102

3.3

3.498

V

VDD_HIGH_IN

3.201

3.3

3.399

V

セキュア用電源電圧

VSNVS

2.85

3.0

3.21

V

3.2V < VIN < 4.5V, OFF mode

2.85

3.0

3.15

V

3.2V < VIN < 4.5V, On mode

RTC_BAT-0.1

RTC_BAT

V

2.84V < RTC_BAT < 3.3V, Coin cell mode


表15.4 入出力インターフェースの電気的仕様(OVDD = +3.3V_IO、VDD_SNVS_IN)

項目 記号 Min. Max. 単位 備考

ハイレベル出力電圧

VOH

OVDD-0.15

OVDD

V

IOH = -0.1mA, -1mA

ローレベル出力電圧

VOL

0

0.15

V

IOL = 0.1mA, 1mA

ハイレベル入力電圧[a]

VIH

0.7×OVDD

OVDD

V

ローレベル入力電圧[a]

VIL

0

0.3×OVDD

V

ローレベル入力電圧(ONOFF信号)

VIL

0

0.9

V

ローレベル入力電圧(PWRON信号)

VIL

0

0.5

V

ローレベル入力電圧(EXT_RESET_B信号)

VIL

0

0.19

V

入力リーク電流(no Pull-up/Pull-down)

IIN

-1

1

μA

Pull-up抵抗(5kΩ)

4

6

Pull-up抵抗(47kΩ)

37.6

56.4

Pull-up抵抗(100kΩ)

80

120

Pull-down抵抗(100kΩ)

80

120

[a] オーバーシュートとアンダーシュートは0.6V以下でかつ4nsを超えないようにしてください。


15.4. 電源回路の構成

Armadillo-610の電源回路の構成は図15.1「電源回路の構成」のとおりです。

images/block-power.svg

図15.1 電源回路の構成


拡張インターフェース(Armadillo-610: CON2)からの入力電圧(VIN)をパワーマネジメントIC(PMIC)で各電圧に変換し、 内部回路および各インターフェースに供給しています。 各インターフェースやスイッチング・レギュレータの最大出力電流値を超えないように、 外部機器の接続、供給電源の設計を行なってください。

電源シーケンスは次のとおりです。

images/power-sequence.svg

図15.2 電源シーケンス [13]


[ティップ]

USB_OTG1_VBUS, USB_OTG2_VBUSは電源シーケンスに関わらず、いつ電源を投入しても問題ありません。

15.5. リセット回路の構成

リセット回路の構成は図15.3「リセット回路の構成」のとおりです。

images/block-reset.svg

図15.3 リセット回路の構成


拡張インターフェース(Armadillo-610: CON2)およびJTAGインターフェース(Armadillo-610: CON10)のEXT_RESET_Bピンは i.MX6ULLのPOR_Bピンに接続されています。 EXT_RESET_BピンからLowレベル出力することで、システムリセットすることができます。 確実にシステムリセットするためには、20ミリ秒以上Lowレベルを保持する必要があります。

images/reset-sequence.svg

図15.4 システムリセットする場合のLowレベル保持時間


EXT_RESET_Bピンからシステムリセットする場合は、オープンドレイン出力等でGNDとショートする回路を接続してください。

リセット信号が必要なデバイスを拡張する場合、拡張インターフェース(Armadillo-610: CON2)のEXT_RESET_Bピンを利用してリセットすることも可能です。

15.6. 外部からの電源制御

拡張インターフェース(Armadillo-610: CON2)のONOFFピンおよびPWRONピンより、パワーマネジメントICからi.MX6ULLへの電源供給を制御することが可能です。

15.6.1. ONOFFピンからの電源制御

拡張インターフェース(Armadillo-610: CON2)のONOFFピンはi.MX6ULLのONOFFピンに接続されています。 ONOFFピンから一定時間以上Lowレベル出力することで、i.MX6ULLの保持している電源のオン状態、オフ状態が切り替わります。

電源がオフ状態に切り替わった場合、i.MX6ULLからパワーマネジメントICのPWRONピンにLowレベルが出力され、パワーマネジメントICからの電源が切断されます。

電源オン状態からオフ状態に切り替える場合は5秒以上、電源オフ状態からオン状態に切り替える場合は500ミリ秒以上、Lowレベルを保持する必要があります。

連続して電源オンとオフを切り替える場合は、確実に動作させるために5秒以上の間隔を空けてください。

ONOFFピンから電源制御する場合は、オープンドレイン出力等でGNDとショートする回路を接続してください。

表15.5 ONOFFピンから電源オン、オフ切り替えする際のLow保持時間

状態 Low保持時間

電源オンからオフ

5秒以上

電源オフからオン

500ミリ秒以上


電源オンまたはオフの状態は、拡張インターフェース(Armadillo-610: CON2)のVINピンとRTC_BATピンのどちらか一方でも電源が供給されている限り、保持されます。

images/block-onoff.svg

図15.5 ONOFF回路の構成 [14]


[警告]

電源オフの状態にして拡張インターフェース(Armadillo-610: CON2)のVINピンからの電源を切断した場合、 電荷が抜けるまでは電源オフであることが保持されます。 電源オフを保持した状態で電源を投入したくない場合は、5秒以上間隔を空けて電源を投入してください。

15.6.2. PWRONピンからの電源制御

拡張インターフェース(Armadillo-610: CON2)のPWRONピンはパワーマネジメントICのPWRONピンに接続されています。 PWRONピンからLowレベル出力することで、パワーマネジメントICからの電源が切断されます。

PWRONピンから電源制御する場合は、オープンドレイン出力等でGNDとショートする回路を接続してください。



[13] T1: 任意のタイミング

[14] SNVS_LP:低消費電力ドメインです。詳細につきましては、NXP Semiconductorsのホームページからダウンロード可能な『i.MX6ULL Applications Processor Reference Manual』をご参照ください。