第7章 ネットワーク

この章では、ネットワークの設定方法やネットワークを使用するアプリケーションの使用方法について説明します。

7.1. ネットワークの設定

Armadillo上の「/etc/config」以下にあるファイルを編集し、コンフィグ領域を保存することにより起動時のネットワーク設定を変更することができます。コンフィグ領域の保存については、第6章を参照してください。

また、出荷時のネットワーク設定は、DHCPとなっています。

[警告]

ネットワーク接続に関する不明な点については、ネットワークの管理者へ相談してください。

7.1.1. 固定IPアドレスに設定する

表 7.1. 「固定IPアドレス設定例」に示す内容に設定変更するには、viエディタで/etc/config/interfacesを、図 7.1. 「固定IPアドレス設定」のように編集します。

表 7.1. 固定IPアドレス設定例

項目設定
IPアドレス192.168.10.10
ネットマスク255.255.255.0
ネットワークアドレス192.168.10.0
ブロードキャストアドレス192.168.10.255
デフォルトゲートウェイ192.168.10.1

[armadillo ~]# vi /etc/config/interfaces
# /etc/network/interfaces -- configuration file for ifup(8), ifdown(8)

auto lo eth0
iface lo inet loopback
iface eth0 inet static
	address 192.168.10.10
	netmask 255.255.255.0
	network 192.168.10.0
	broadcast 192.168.10.255
	gateway 192.168.10.1

図 7.1. 固定IPアドレス設定


7.1.2. DHCPに設定する

DHCPに設定するには、viエディタで/etc/config/interfacesを、図 7.2. 「DHCP設定」のように編集します。

[armadillo ~]# vi /etc/config/interfaces
# /etc/network/interfaces -- configuration file for ifup(8), ifdown(8)

auto lo eth0
iface lo inet loopback
iface eth0 inet dhcp

図 7.2. DHCP設定


7.1.3. DNSサーバを指定する

DNSサーバを指定する場合は、viエディタで/etc/config/resolv.confを編集します。

[armadillo ~]# vi /etc/config/resolv.conf
nameserver 192.168.10.1

図 7.3. DNSサーバの設定


7.1.4. 接続を確認する

ここでは、変更したIP設定で正常に通信が可能か確認します。

まず、設定を反映させます。設定後、コンフィグ領域を保存し再起動した場合は必要ありません。

[armadillo ~]# ifdown -a
[armadillo ~]# ifup -a

図 7.4. 設定を反映させる


同じネットワーク内にある通信機器とPING通信を行ってみます。

[armadillo ~]# ping 192.168.10.1

図 7.5. PING確認


7.2. ファイアーウォール

Armadilloでは、簡易ファイアーウォールが動作しています。設定されている内容を参照するには、図 7.6. 「iptables」のようにコマンド実行してください。

[armadillo ~]# iptables --list

図 7.6. iptables


7.3. ネットワークアプリケーション

ここでは、出荷時に収録されているソフトウェアのうちネットワークに関するアプリケーションの操作方法を説明します。

7.3.1. TELNET

7.3.1.1. TELNETサーバ

他のPCからネットワーク経由でログインし、リモート操作が可能となります。表 7.2. 「telnetでログイン可能なユーザ」に示すユーザでログインすることができます。

表 7.2. telnetでログイン可能なユーザ

ユーザ名パスワード
guestguest

7.3.1.2. TELNETクライアント

telnetを使用して、他のPCにリモートログインすることができます。telnet使用するには、図 7.7. 「telnet」のようにコマンドを実行します。

[armadillo ~]# telnet 192.168.10.1

図 7.7. telnet


7.3.2. FTP

7.3.2.1. FTPサーバ

他のPCからネットワーク経由でファイルの転送ができます。表 7.3. 「ftpでログイン可能なユーザ」に示すユーザでログインすることが可能です。

表 7.3. ftpでログイン可能なユーザ

ユーザ名パスワード
ftp(none)

7.3.2.2. FTPクライアント

ftpを使用して、他のPCとファイル転送ができます。ftpを使用するには、図 7.8. 「ftp」のようにコマンドを実行してください。

[armadillo ~]# ftp 192.168.10.1

図 7.8. ftp


7.3.3. SSH

7.3.3.1. SSHサーバ

他のPCからネットワーク経由でログインし、安全にリモート操作が可能となります。表 7.4. 「sshでログイン可能なユーザ」に示すユーザでログインすることができます。

表 7.4. sshでログイン可能なユーザ

ユーザ名パスワード
guestguest

7.3.3.2. SSHクライアント

sshを使用して、安全に他のPCへリモートログインすることができます。sshを使用するには、図 7.9. 「ssh」のようにコマンドを実行します。

[armadillo ~]# ssh user@192.168.10.1

図 7.9. ssh


7.3.4. Webサーバ

Armadilloでは、Webサーバが動作しています。PCなどのWebブラウザからArmadilloのURL(http://[ArmadilloのIPアドレス])[6]にアクセスすると、「/home/www-data」以下のディレクトリをブラウズすることが出来ます。

7.3.5. NTPクライアント

Armadilloでは、SNTP(Simple Network Time Protocol)クライアントが使用できます。SNTPに対応しているタイムサーバから時刻情報を取得することができます。

図 7.10. 「msntp」のようにコマンドを実行します。

[armadillo ~]# msntp -r 192.168.10.1
The time correction is 17180483.054 +/- 0.075+0.001 seconds
Do you want to correct the time anyway? y

図 7.10. msntp




[6] ArmadilloのIPアドレスが192.168.10.10の場合、http://192.168.10.10/ となります。