Armadillo-400シリーズの Linux 3.14 と Linux 2.6.26での主なパフォーマンスの比較を次に示します。スループットの低下原因については調査中です。
消費電力については、Linux 3.14 と Linux 2.6.26で、ほぼ同等です。
機能増加に伴い、カーネルおよびユーザーランドの使用メモリ量が増加しています。そのため起動直後のフリーメモリが相対的に減っています。Linux 2.6.26 の製品を Linux 3.14 へ移行する場合は、お客様のシステムでメモリ量に問題がないことを確認してください。
Linux 2.6.26 と Linux 3.14の起動直後のメモリ使用量を次に示します。測定した状態は、Armadillo-420 ベーシックモデル開発セット と Armadillo-440 液晶モデル開発セット に、Ethernetケーブルのみ接続した状態です。
表2.1 Armadillo-420の起動後の状態
バージョン | total memory | used | free | shared | buffers |
---|
2.6.26-at25 | 61504 KB | 26836 KB | 34662 KB | 0 KB | 276 KB |
3.14-at4 | 58628 KB | 36348 KB | 22280 KB | 0 KB | 560 KB |
表2.2 Armadillo-440/410の起動後の状態
バージョン | total memory | used | free | shared | buffers |
---|
2.6.26-at25 | 126416 KB | 53612 KB | 72804 KB | 0 KB | 616 KB |
3.14-at5 | 123236 KB | 76236 KB | 47000 KB | 0 KB | 1056 KB |
2.4. オンボードフラッシュメモリのメモリマップ
カーネルのサイズ変更により、kernel リージョンを 4 MB に拡張しました。また、大きな config リージョンが必要との声を反映し、config 領域を 128 KB から 1 MB に拡張しています。その結果 userland リージョンが 3 MB ほど小さくなり、フラッシュメモリのメモリマップが以下のように変更になっています。
表2.3 Armadillo-420のメモリマップ
リージョン名 | 3.14 (MB) | 2.6.26 (MB) | 説明 |
---|
bootloader | 0.125 | 0.125 | ブートローダーイメージを格納する |
kernel | 4.000 | 2.000 | カーネルイメージを格納する |
userland | 10.875 | 13.750 | ユーザーランドイメージを格納する |
config | 1.000 | 0.125 | 設定情報を保存する |
表2.4 Armadillo-440/410のメモリマップ
リージョン名 | 3.14 (MB) | 2.6.26 (MB) | 説明 |
---|
bootloader | 0.125 | 0.125 | ブートローダーイメージを格納する |
kernel | 4.000 | 2.000 | カーネルイメージを格納する |
userland | 26.875 | 29.750 | ユーザーランドイメージを格納する |
config | 1.000 | 0.125 | 設定情報を保存する |
メモリマップの変更により、ユーザーランドリージョンに配置できる、ユーザーランドのサイズが小さくなっています。Armadillo-420の場合、圧縮時のユーザーランドサイズは 10.875 MB が上限となります。また、DRAMのメモリ量の制限により、展開後のユーザーランドサイズは 25 MB 程度に制限されます。この値は、カーネルのサイズやカーネルがユーザーランドを準備している時のメモリ状態により変化するため、目安の値となります。
圧縮時のユーザーランドサイズと、展開後のユーザーランドサイズの目安値の上限を次に示します。