付録A Armadillo-440との比較

Armadillo-410はArmadillo-410拡張ボードと組み合わせる事で、Armadillo-440と同等の機能を実現することが可能です。ただし、すべてが同じではありません。

Armadillo-440とArmadillo-410+Armadillo-410拡張ボードの違いについて説明します。

[ティップ]

Armadillo-440の詳細については、『Armadillo-400シリーズハードウェアマニュアル』をご参照ください。

A.1. 仕様の比較

Armadillo-440とArmadillo-410+Armadillo-410拡張ボードの仕様の違いは次のとおりです。

Armadillo-440とArmadillo-410+Armadillo-410拡張ボード

図A.1 Armadillo-440とArmadillo-410+Armadillo-410拡張ボード


表A.1 Armadillo-440とArmadillo-410+Armadillo-410拡張ボードの仕様比較

モデル名Armadillo-440Armadillo-410+Armadillo-410拡張ボード
プロセッサFreescale i.MX257 (MCIMX257)
CPUコアARM926EJ-S
CPUコアクロック400MHz
バスクロック133MHz
RAM

LPDDR SDRAM: 128MByte(16bit幅)

フラッシュメモリNORフラッシュメモリ 32MByte(16bit幅)
LAN(Ethernet)

RJ-45コネクタ

(10BASE-T/100BASE-TX AUTO-MDIX対応)

RJ-45コネクタ

(10BASE-T/100BASE-TX AUTO-MDIX対応、Power over Ethernet(PoE)(IEEE802.3af)対応

シリアル(UART)RS232Cレベル×1、3.3V CMOSレベル×3
汎用入出力(GPIO)最大35bit
USB USB2.0 HOST×2(High Speed対応×1、Full Speed対応×1)
SDmicroSDスロット/HIROSEmicroSDスロット/JST
カレンダ時計I2C拡張可能(専用RTCオプションモジュール有り)
オーディオI2S拡張可能
ビデオLCD拡張可能(最大解像度: 800×600/18bpp)
タッチパネル拡張可能(4線式アナログ)
キーパッド拡張可能(最大24キー)
スイッチタクトスイッチ×1タクトスイッチ×1、リセットスイッチ×1
LED赤色(φ3mm)×1、緑色(φ3mm)×1、黄色(面実装)×1赤色(面実装)×1、緑色(面実装)×1、黄色(面実装)×1
拡張インターフェースUART、GPIO、SD、1-Wire、I2C、SPI、I2S等
LCD拡張インターフェースUART、GPIO、I2C、I2S、LCD、タッチパネル、キーパッド等
JTAG8ピン、2.54mmピッチ-
電源電圧

DC 3.1~5.25V

(USB使用時は、内部で生成した+5VをUSB電源として利用可能)

DC 3.1~5.25V

(USB使用時は、DC4.75~5.25V)

消費電力約1.2W(外部デバイスの消費電力を除く)
使用周囲温度-20~70℃(ただし結露なきこと)
基板サイズ75×50mm(突起部を除く)

Armadillo-410: 50×40mm

Armadillo-410拡張ボード: 82×106mm(突起部を除く)


A.1.1. LAN

Armadillo-410+Armadillo-410拡張ボードは、Power over Ethernet(PoE)に対応可能です。 詳細は「CON2(LANインターフェース)」のPoEに関する記載をご参照ください。

A.1.2. microSD

Armadillo-410のmicroSDスロットにはカード検出の機能がないため、カード検出ピンをプルダウンし、擬似的に常時カードが挿入されている状態を作っています。このため、Armadillo-440とArmadillo-410では、カード検出の処理が違います。

Armadillo-410ではカードが挿入されていない場合でも、SDカードが挿入されていると通知されてしまうため、LinuxカーネルはSDカードに対して初期化コマンドを発行します。しかし、実際にはSDカードは挿入されていないため、コマンドがタイムアウトします。コマンドがタイムアウトしたことで、カードが入っていないことを検出します。

A.1.3. USB

Armadillo-410+Armadillo-410拡張ボードでは、パワーマネージメントIC(PMIC)からUSBへの電源供給ができません。

Armadillo-440では、+4.75Vより低い電圧でを動作させる場合、USB電源にパワーマネージメントIC(PMIC)で生成する+5Vを選択することが可能でしたが、Armadillo-410のUSB電源には、必ずVINを使用することになります。

A.1.4. シリアル(UART)

Armadillo-440では、省電力モードの時にシリアルインターフェース(CON3)に繋がっているシリアル信号のRS232Cレベル変換ICの電源を強制的に落とし、消費電力を押えることができました。

Armadillo-410+Armadillo-410拡張ボードでは、RS232Cレベル変換ICの電源を強制的に落とすためのピン(FORCEOFF)に制御信号を繋いでおらず、省電力モードにしてもRS232Cレベル変換ICの電源を落とすことができません。

RS232Cレベル変換ICはArmadillo-410拡張ボード側に実装しているので、新規で拡張ボードを設計する際には、RS232Cレベル変換ICの電源を強制的に落とすためのピン(FORCEOFF)をGPIOなどを専用ピンに繋ぎ制御することも可能です。

A.2. ピンアサイン対応表(Armadillo-410→Armadillo-440)

Armadillo-410のCON2(拡張インターフェース)には、Armadillo-440のCON5、CON7、CON9、CON11、CON13、CON14等の信号が配線されています。Armadillo-410側からみたArmadillo-440のピンアサインの対応は次のとおりです。

表A.2 ピンアサイン対応表(Armadillo-410→Armadillo-440)

CON2

ピン番号

信号名機能Armadillo-440備考
部品番号ピン番号
1USB_HS_DPUSB1のプラス側信号、i.MX257のUSBPHY1_DPピンに接続CON53EMIFIL未実装
2USB_HS_DMUSB1のマイナス側信号、i.MX257のUSBPHY1_DMピンに接続CON52EMIFIL未実装
3GND電源(GND)   
4USB_FS_DMUSB2のマイナス側信号、i.MX257のUSBPHY2_DMピンに接続CON56EMIFIL未実装
5USB_FS_DPUSBプラス側信号、i.MX257のUSBPHY2_DPピンに接続CON57EMIFIL未実装
6GND電源(GND)   
7USB_HS_VBUSVBUS検出信号、i.MX257のUSBPHY1_VBUSピンに接続-- 
8USB_PWRSEL_ENUSBへの供給電源のON/OFF信号、i.MX257のNFWE_Bピンに接続-- 
9LINK_LED

LANのLINK表示

(Low: リンク確立時、High: 非リンク時)

CON78 
10ACTIVITY_LED

LANのACTIVITY表示

(Low: データ送受信時、High: 非データ送受信時)

CON72 
11RLED_CNLED用信号、i.MX257のNFALEピンに接続、オープンコレクタ出力LED3- 
12GLED_CNLED用信号、i.MX257のNFCLEピンに接続、オープンコレクタ出力LED4- 
13UART2_RI被呼表示、i.MX257のUART1_CTSピンに接続--信号レベル: 3.3VCMOS[a]
14TOUCH_XPi.MX257のXPピンに接続CON1134 
15TOUCH_XNi.MX257のXNピンに接続CON1135 
16TOUCH_YPi.MX257のYPピンに接続CON1136 
17TOUCH_YNi.MX257のYNピンに接続CON1137 
18LCD_LD0i.MX257のLD0ピンに接続CON1113 
19LCD_LD1i.MX257のLD1ピンに接続CON1114 
20LCD_LD2i.MX257のLD2ピンに接続CON1115 
21LCD_LD3i.MX257のLD3ピンに接続CON1116 
22LCD_LD4i.MX257のLD4ピンに接続CON1117 
23LCD_LD5i.MX257のLD5ピンに接続CON1118 
24LCD_LD6i.MX257のLD6ピンに接続CON1120 
25LCD_LD7i.MX257のLD7ピンに接続CON1121 
26LCD_LD8i.MX257のLD8ピンに接続CON1122 
27LCD_LD9i.MX257のLD9ピンに接続CON1123 
28LCD_LD10i.MX257のLD10ピンに接続CON1124 
29LCD_LD11i.MX257のLD11ピンに接続CON1125 
30LCD_LD12i.MX257のLD12ピンに接続CON1127 
31LCD_LD13i.MX257のLD13ピンに接続CON1128 
32LCD_LD14i.MX257のLD14ピンに接続CON1129 
33LCD_LD15i.MX257のLD15ピンに接続CON1130 
34LCD_LD16i.MX257のLD16ピンに接続CON1131 
35LCD_LD17i.MX257のLD17ピンに接続CON1132 
36GND電源(GND)   
37LCD_LSCLKi.MX257のLSCLKピンに接続CON118 
38LCD_HSYNi.MX257のHSYNCピンに接続CON119 
39LCD_VSYNi.MX257のVSYNCピンに接続CON1110 
40LCD_OE_ACDi.MX257のOEACDピンに接続CON1111 
41PWMO1i.MX257のPWMピンに接続CON1112 
42JP2

ユーザージャンパ用信号、i.MX257のNF_CE0ピンに接続

+1.8Vで10kΩプルアップ

JP22 
43SW1_CNユーザースイッチ用信号、i.MX257のNFWP_Bピンに接続SW1- 
44EXT_RESET*

外部リセット

(Low: リセット状態、High: リセット解除)

CON81 
453.3V_CPUUARTブート用電源出力(3.3V_CPU)   
463.3V_IO電源(3.3V_IO)CON114 
473.3V_IO電源(3.3V_IO)CON115 
48VIN電源(VIN)CON132 
49VIN電源(VIN)CON132 
50VIN電源(VIN)CON132 
51GND電源(GND)   
52GND電源(GND)   
53EXT_IO34拡張入出力34、i.MX257のGPIO_Bピンに接続CON1149 
54EXT_IO33拡張入出力33、i.MX257のGPIO_Aピンに接続CON1148 
55EXT_IO32拡張入出力32、i.MX257のKPP_COL3ピンに接続CON1147 
56EXT_IO31拡張入出力、i.MX257のKPP_COL2ピンに接続CON1146 
57EXT_IO30拡張入出力、i.MX257のKPP_COL1ピンに接続CON1145 
58EXT_IO29拡張入出力、i.MX257のKPP_COL0ピンに接続CON1144 
59EXT_IO28拡張入出力、i.MX257のKPP_ROW3ピンに接続CON1143 
60EXT_IO27拡張入出力、i.MX257のKPP_ROW2ピンに接続CON1142 
61EXT_IO26拡張入出力、i.MX257のKPP_ROW1ピンに接続CON1141 
62EXT_IO25拡張入出力、i.MX257のKPP_ROW0ピンに接続CON1140 
63EXT_IO24拡張入出力、i.MX257のDE_Bピンに接続CON1139 
64EXT_IO23拡張入出力、i.MX257のGPIO_Dピンに接続CON144 
65EXT_IO22拡張入出力、i.MX257のGPIO_Cピンに接続CON143 
66EXT_IO21拡張入出力、i.MX257のEXT_ARMCLKピンに接続CON928 
67EXT_IO20拡張入出力、i.MX257のCLKOピンに接続CON927 
68EXT_IO19拡張入出力、i.MX257のCSPI1_RDYピンに接続CON926 
69EXT_IO18拡張入出力、i.MX257のCSPI1_SS0ピンに接続CON925 
70EXT_IO17拡張入出力、i.MX257のCSI_PIXCLKピンに接続CON924 
71EXT_IO16拡張入出力、i.MX257のCSI_HSYNCピンに接続CON923 
72EXT_IO15拡張入出力、i.MX257のCSI_VSYNCピンに接続CON922 
73EXT_IO14拡張入出力、i.MX257のCSI_MCLKピンに接続CON921 
74EXT_IO13拡張入出力、i.MX257のCSI_D7ピンに接続CON918 
75EXT_IO12拡張入出力、i.MX257のCSI_D9ピンに接続CON917 
76EXT_IO11拡張入出力、i.MX257のCSI_D6ピンに接続CON916 
77EXT_IO10拡張入出力、i.MX257のCSI_D8ピンに接続CON915 
78EXT_IO9拡張入出力、i.MX257のCSI_D5ピンに接続CON914 
79EXT_IO8拡張入出力、i.MX257のCSPI1_SCLKピンに接続CON913 
80EXT_IO7拡張入出力、i.MX257のCSI_D4ピンに接続CON912 
81EXT_IO6拡張入出力、i.MX257のCSPI1_SS1ピンに接続CON911 
82EXT_IO5拡張入出力、i.MX257のCSI_D3ピンに接続CON96 
83EXT_IO4拡張入出力、i.MX257のCSPI1_MISOピンに接続CON95 
84EXT_IO3拡張入出力、i.MX257のCSI_D2ピンに接続CON94 
85EXT_IO2拡張入出力、i.MX257のCSPI1_MOSIピンに接続CON93 
86EXT_IO1拡張入出力、i.MX257のRTCKピンに接続CON92 
87EXT_IO0拡張入出力、i.MX257のVSTBY_REQピンに接続CON91 
88UART2_DCDキャリア検出、i.MX257のUART1_RTSピンに接続--信号レベル: 3.3VCMOS[a]
89UART2_DSRデータセットレディ、i.MX257のUART1_TXDピンに接続--信号レベル: 3.3VCMOS[a]
90UART2_DTRデータ端末レディ、i.MX257のUART1_RXDピンに接続--信号レベル: 3.3VCMOS[a]
91UART2_CTS送信可能、i.MX257のUART2_RTSピンに接続--信号レベル: 3.3VCMOS[a]
92UART2_RTS送信要求、i.MX257のUART2_CTSピンに接続--信号レベル: 3.3VCMOS[a]
93UART2_RXD受信データ、i.MX257のUART2_RXDピンに接続--信号レベル: 3.3VCMOS[a]
94UART2_TXD送信データ、i.MX257のUART2_TXDピンに接続--信号レベル: 3.3VCMOS[a]
95GND電源(GND)   
96RXN差動のツイストペア送信/受信(-)、EthernetPHYのRXNピンに接続--EthernetPHY入出力[b]
97RXP差動のツイストペア送信/受信(+)、EthernetPHYのRXPピンに接続--EthernetPHY入出力[b]
98GND電源(GND)   
99TXN差動のツイストペア送信/受信(-)、EthernetPHYのTXNピンに接続--EthernetPHY入出力[b]
100TXP差動のツイストペア送信/受信(+)、EthernetPHYのTXPピンに接続--EthernetPHY入出力[b]

[a] Armadillo-440 CON3(シリアルインターフェース1)と同様に使用するためには、RS232Cレベル変換ICとD-Sub9ピンコネクタが必要です。

[b] Armadillo-440 CON2(LANインターフェース)と同様に使用するためには、トランスとRJ-45コネクタが必要です。