第5章 WEBブラウザによるArmadilloの管理

5.1. AT Admin: 管理画面

Bonjour機能をつかってArmadilloを選択すると、WEBブラウザに 図5.1「AT admin: Overview」 のようにArmadilloのトップページが表示されます。

Armadilloのトップページは、AT adminの「Overview」です。AT adminには「Overview」の他に「USB Data」と「System」が用意されています。

メニュー機能
Overviewシステム概要
USB DataUSBメモリ内データ表示
Systemシステム設定

これら3つの機能は、必ずページ上方のメニュー内に表示されます。文字列をクリックすることで、各ページを開くことができます。

AT admin: Overview

図5.1 AT admin: Overview


5.2. AT Admin: 認証

AT Adminではユーザ名とパスワードによる認証を要求する場合があります。Armadillo-220/240ではSystemを選択する場合に、Armadillo-230ではSystemとPacket Scanを選択する場合に認証が必要です。このときは 図5.2「AT Admin: System ユーザ名/パスワード認証」 のようにサブウィンドウが表示されます。

初期状態でのユーザ名およびパスワードは以下の通りです。

ユーザ名パスワード
adminadmin

ユーザ名とパスワードを入力し、OKボタンを押してください。認証が正しく行われた場合、選択した画面が表示されます。

AT Admin: System ユーザ名/パスワード認証

図5.2 AT Admin: System ユーザ名/パスワード認証


5.3. AT Admin: Overview

Overview画面の各部位について説明します。Overviewには大きくわけて4つの情報が表示されます。

  • Show USB Data

  • Network

  • Uptime

  • Firmware

5.3.1. Show USB Data

USBメモリにあるデータを表示します。

5.3.2. Network

Networkでは現在のネットワーク設定の概要が表示されます。表示される項目は以下の3つです。

IP Address

現在のIPアドレスが表示されます。IPアドレスの後ろに「(auto)」と書かれている場合は、DHCPまたはZeroconfにより自動的にIPアドレスの設定がされていることを示します。逆に「(static)」となっている場合は固定IPアドレスが設定されていることを示します。

MAC Address

割り振られている固有のMACアドレスが表示されます。

Host name

設定されているホスト名が表示されます。初期状態はa220-0 [8] です。

5.3.3. Uptime

Armadilloが起動してからの経過時間が表示されます。時間表示は、日(days)、時(hours)、分(min)、秒(sec)で表されます。

5.3.4. Firmware

現在動作しているファームウェアについて表示されます。

Dist

使用しているディストリビューションのバージョンとプロファイル名が表示されます。

Kernel

Linuxカーネルのバージョンが表示されます。

5.4. AT Admin: USB Data

Overview画面から「Show USB Data」をクリックするか、メニューバーから「USB Data」をクリックすると、USB Data画面が表示されます。

AT Admin: USB Data

図5.3 AT Admin: USB Data


画面の中央に、USBメモリ内のファイル一覧が表示されます。ディレクトリをクリックするとディレクトリ移動し、ファイルをクリックすると(PCのファイル種類関連付けに従い)ファイルが開かれます。後からUSBメモリの抜き差しを行った場合などは、上下にある「Refresh」ボタンを押してください。画面内容が最新状態に更新されます。

5.5. AT Admin: System

5.5.1. AT Admin: System - System Overview

System OverviewではArmadilloに関する情報の設定および確認を行います。System Overviewには大きく分けて3つの情報が表示されます。

  • Network Info

  • System State

  • Firmware

AT Admin: System - System Overview

図5.4 AT Admin: System - System Overview


5.5.1.1. Network Info

Network Infoにはネットワーク設定の詳細が表示されます。

IP Address

現在のIPアドレスが表示されます。IP番号の後ろに表示される文字列の意味は以下の通りです。

文字列意味
(auto)DHCPまたはZeroconfによる自動IP設定
(static)固定IPアドレスによる手動IP設定
MAC Address

Armadillo固有に割り振られているMACアドレスが表示されます。

Host name

設定されているホスト名が表示されます。初期状態はa220-0 [9] です。

Traffic

システム起動後にネットワーク送受信されたパケット数が表示されます。

Zeroconf

Bonjourによる自動的なデバイス検出が有効であるかどうかが表示されます。

また、さらに詳しいネットワーク情報は「show ifconfig」から参照することができます。Show ifconfigのページは ifconfigコマンドの出力をそのまま表示します。表示内容の詳細については ifconfigのマニュアルを参照してください。

5.5.1.2. System State

現在のシステム状況を確認することができます。確認できる情報は以下の3つです。

Load

システム負荷状態(Load Average)が表示されます。

Memory

メモリの使用状態が表示されます。

Uptime

Armadilloシステム起動時点からの経過時間が表示されます。

また、「show meminfo」および「show syslog」から、meminfoの情報とシステムログファイルの情報をそのままの状態で確認することができます。

5.5.1.3. Firmware

現在動作しているファームウェアについて表示されます。

Dist

ディストリビューションと使用プロファイルについての情報です。ユーザーランド(アプリケーション群)ソフトウェアのバージョンと種類について表示されます。

Kernel

Linuxカーネルのバージョンについて表示されます。

5.5.2. AT Admin: System - Network

Networkでは、ネットワークに関する各種設定を変更することができます。

Networkでは大きく分けて2つの設定を行うことができます。

  • IPアドレス

  • Hostname

AT Admin: System - Network

図5.5 AT Admin: System - Network


5.5.2.1. IPアドレス

AUTO IP

自動でIPアドレス取得・設定を行いたい場合に選択します。

初期状態ではこちらが選択されています。

ネットワーク内にDHCPサーバがある場合、DHCP接続を行います。DHCPサーバが見つからなかった場合、Zeroconfによって自動でIPが割り振られます。詳細については 6章ネットワーク設定 を参照してください。

STATIC IP

固定でIPアドレスを設定する場合に選択します。

以下の項目について、手動で入力設定する必要があります。

Address

設定するIPアドレスを入力します。

Netmask

設定するサブネットマスクを入力します。

Gateway

設定するゲートウェイサーバのIPアドレスを入力します。ゲートウェイを使用しない場合は、空欄にしてください。

DNS Server

設定するDNS(ドメインネームシステム)サーバのIPアドレスを入力します。DNSを使用しない場合は、空欄にしてください。

5.5.2.2. Hostname

ホスト名の変更確認を行います。変更する場合はテキストボックス内に新しいホスト名を入力してください。初期状態では「a220-0」 [10] となっています。Bonjourでは、この設定とデフォルトのネットワーク名である「.local」の組み合わせを使用するため、初期状態では「a220-0.local」がArmadilloの名称となります。この名称は、WEBブラウザのアドレスで確認することができます。詳細については 「Bonjour上のホスト名について」 を参照してください。

5.5.2.3. Update

設定を入力後「Update」ボタンを押すと、以下のような画面が表示された後、Armadilloは新しいネットワーク設定で動作を開始します。

AT Admin: System - Network Update

図5.6 AT Admin: System - Network Update


ネットワーク設定を変更している間は、ArmadilloのLED(赤)が点灯します。数秒~十数秒後に消灯します。消灯を確認してからArmadilloのトップページにアクセスしてください。

[警告]

設定を適用しただけでは、変更されたネットワーク設定は保存されていません。

変更した設定を保存し、次回起動時から有効にするためには、Armadillo-220のフラッシュメモリに設定を保存する必要があります。保存方法については、「AT Admin: System - Save & Load」を参照してください。

5.5.3. AT Admin: System - Password

Passwordでは、Packet ScanとSystem画面の認証で使用するユーザ名とパスワードの変更を行います。

AT Admin: System - Password

図5.7 AT Admin: System - Password


5.5.3.1. User and Password Details

Username

管理ユーザの名前を入力します。初期状態では「admin」です。

Current password

現在のパスワードを確認のため入力します。初期状態では「admin」です。

New password

新しいパスワードを入力します。

Confirm new password

確認のため、もう一度新しいパスワードを入力します。

5.5.3.2. ユーザ名・パスワード設定の適用

設定を入力後「Update」ボタンを押すと、変更内容が適用されます。

[警告]

設定を適用しただけでは、変更された設定は保存されていません。変更した設定を保存し、次回起動時から有効にするためには、Armadilloのフラッシュメモリに設定を保存する必要があります。保存方法については、 「AT Admin: System - Save & Load」 を参照してください。

5.5.4. AT Admin: System - Firmware

Firmwareでは、ユーザーランド(アプリケーション群)及びLinuxカーネルのファームウェア更新を行うことができます。

AT Admin: System - Firmware

図5.8 AT Admin: System - Firmware


公式WEBサイトで公開されているイメージファイルに更新する場合 [11] 、まず「Get firmware options」ボタンを押してください。その下の「Applications(Userland)」「Kernel」の各ボックスに、存在するイメージファイルが表示されます。

5.5.4.1. Applications(Userland)

ユーザーランド(アプリケーション群)更新を行う項目です。

イメージ選択ボックス

サーバに存在するユーザーランドイメージが登録されています。更新したいイメージを選択します。

URL入力ボックス

ダウンロードするユーザーランドイメージファイルのURLが表示されます。ボックス右側の「Edit」にチェックを入れると、このボックスに任意のURLを直接入力することが可能になります。

[ティップ]

「Edit」にチェックを入れた場合、URL入力ボックスへの直接入力が優先され、イメージ選択ボックスによる選択は無視されます。

「Update userland」ボタンを押すと、ユーザーランドイメージのダウンロードが始まり、その後フラッシュメモリの更新が開始されます。また、現在と異なる種類のユーザーランドイメージに更新する場合 [12] は、「Update userland」ボタンを押す前に、「Allow all image types」にチェックを入れてください。

5.5.4.2. Kernel

Linuxカーネル更新を行う項目です。

イメージ選択ボックス

サーバに存在するカーネルイメージが登録されています。更新したいイメージを選択します。

URL入力ボックス

ダウンロードするLinuxカーネルイメージファイルのURLが表示されます。ボックス右側の「Edit」にチェックを入れると、このボックスにURLを直接入力することが可能になります。

[ティップ]

「Edit」にチェックを入れた場合、URL入力ボックスへの直接入力が優先され、イメージ選択ボックスによる選択は無視されます。

「Update kernel」ボタンを押すと、Linuxカーネルイメージのダウンロードが始まり、その後フラッシュメモリの更新が開始されます。

5.5.4.3. イメージの更新

「Update userland」や「Update kernel」が開始されると、 図5.9「AT Admin: System - Updating Firmware」 が表示されます。

AT Admin: System - Updating Firmware

図5.9 AT Admin: System - Updating Firmware


ファームウェアの更新中は、Armadilloの電源を切らないでください。更新完了前にArmadilloの電源が切断された場合、Armadilloが起動しなくなる可能性がありますので、十分に注意してください。

更新完了後は、 図5.8「AT Admin: System - Firmware」 のFirmware画面に戻ります。ユーザーランド・カーネルの更新を連続して行いたい場合、続けて選択・入力を行ってから更新開始ボタンを押してください。

以前と異なる種類のファームウェアを書き込んだ場合、設定ファイルの初期化が必要となります。設定ファイルの初期化については、 「AT Admin: System - Save & Load」 を参照してください。

すべての更新完了後、新しいファームウェアで動作させるためにはArmadilloの再起動を行う必要があります。AT Adminからの再起動方法については、 「AT Admin: System - Save & Load」 を参照してください。

5.5.5. AT Admin: System - Save & Load

Save & Loadでは、変更した各種システム設定のフラッシュメモリへの保存や、以前の設定状態の回復・初期化、システムの再起動などを行うことができます。

AT Admin: System - Save & Load

図5.10 AT Admin: System - Save & Load


5.5.5.1. Save & Load System Settings

システム設定の保存・回復を行うための項目です。

現在の設定をフラッシュに保存する(Save)

Network SettingsやPasswordで適用した設定をフラッシュメモリに保存します。保存した設定は、一旦Armadilloの電源を切断した後、次回以降の起動時にも有効になります。

現在のシステム設定を破棄し、フラッシュに保存されている元の設定に戻す(Reload)

現在動作している設定を破棄し、フラッシュメモリに保存されている設定を読み出して以前の状態に戻します。以下のような画面が表示された後、Armadilloは新しい(フラッシュメモリから読み出された)ネットワーク設定で動作を開始します。

AT Admin: System - Reload

図5.11 AT Admin: System - Reload


以前の設定に戻した結果、ネットワーク接続が変更された場合は、ArmadilloのLED(赤)が点灯します。LED(赤)の消灯を確認してから、Armadilloのトップページにアクセスしてください。

現在のシステム設定を破棄し、初期状態の設定にする(Restore Defaults)

現在動作している設定を破棄し、システム設定を動作中のファームウェアにおける初期状態にします。フラッシュメモリに保存されている設定についても初期化されます。

5.5.5.2. System Reboot

システムの再起動を行うための項目です。

システムを再起動する(Reboot)

Armadilloを再起動します。図5.12「AT Admin: System - Reboot」が表示された後、10秒程度でArmadilloが終了し、再び起動します。

AT Admin: System - Reboot

図5.12 AT Admin: System - Reboot


再起動後、ネットワーク接続を変更している間は、ArmadilloのLED(赤)が点灯します。十秒~数分後に消灯しますので、これを確認してから改めてArmadilloトップページにアクセスしてください。



[8] Armadillo-220の場合。Armadillo-230の場合は「a230-0」、Armadillo-240の場合は「a240-0」となります

[9] Armadillo-220の場合。Armadillo-230の場合は「a230-0」、Armadillo-240の場合は「a240-0」となります。

[10] Armadillo-220の場合。Armadillo-230の場合は「a230-0」、Armadillo-240の場合は「a240-0」となります。

[11] 当機能を使用する場合、インターネットに接続可能である必要があります。

[12] BaseからRecoverイメージ、またはRecoverからBaseイメージに更新する場合です。