システム利用手順

本章では、実際に本システムをArmadillo-IoT ゲートウェイ G3(以下Armadillo)上で動作させる手順を説明します。

3.1. セットアップ方法

本システムで使用する、「小型電力量モニタ」「AWS」「アプリケーション」の各種セットアップ方法を説明します。

3.1.1. OMRON 小型電力量モニタ KM-N1 設定

小型電力量モニタについて、以下の設定を変更します。

変更対象項目 設定値 説明

使用CT

5A or 50A

使用する分圧型変流器(CT)の数値。計測対象のアンペアに合わせて値を設定してください。

プロトコル

MODB

通信プロトコル。本アプリケーションで使用するModbusに設定してください。

設定の変更方法については、本体同梱の説明書、またはこちらからダウンロードできる 小型電力量モニタ ユーザーズマニュアル をご確認ください。

3.1.2. AWS設定

この手順は、既にAWSのアカウントを作成し、AWSマネジメントコンソールにログインできていることを前提としています。AWSアカウントの作成方法については、こちらを参照してください。

3.1.2.1. IAMユーザー作成

AWSマネジメントコンソールへログインし、サービス一覧からIAMを選択してください。その後、ユーザータブを開き、「ユーザーを追加」をクリックします。

3.1.2.2. ユーザーを追加

下記の通りに入力と選択を行い、「次のステップ:アクセス権限」に進みます。

  • ユーザー名
  • AWSアクセスの種類を両方選択
  • コンソールのパスワードは自動生成パスワードを選択
  • 「パスワードのリセットが必要」にチェックを入れる
images/add_user.png

3.1.2.3. アクセス許可の設定

下記の手順でポリシーをアタッチし、「次のステップ:タグ」に進みます。

  • 「既存のポリシーを直接アタッチ」を選択
  • 表示された中から以下にチェック

    • AWSIoTConfigAccess
    • AWSIoTDataAccess
    • AWSLambdaFullAccess
    • IAMFullAccess
    • CloudWatchFullAccess
    • AmazonAPIGatewayAdministrator
images/access_permission.png

3.1.2.4. タグの追加(オプション)

この項目は、本システムでは設定不要です。「次のステップ:確認」に進みます。

3.1.2.5. 確認画面

確認画面が表示されます。設定通りの内容となっていることを確認し、「ユーザーの作成」を押下してください。

images/add_user_check.png

3.1.2.6. IAMユーザー作成完了

作成が成功すると下記画面が表示されます。後ほどArmadilloの設定で使用するcsvファイルをダウンロードできるため、必ず「.csvのダウンロード」を押下してください。行わなかった場合、再度IAMユーザーを作成する必要があります。

images/success_add_user.png

ダウンロードしたファイル( credentials.csv )の内容は、以下のようなカンマ区切りの文字列になります。

User name,Password,Access key ID,Secret access key,Console login link
user,pass,AWS123,asdfghjkl,https://***.signin.aws.amazon.com/console

この例の場合、Access key IDの値は AWS123 で、Secret access keyの値は asdfghjkl です。

3.1.2.7. AWSマネジメントコンソールにログイン

credentials.csv の Console login link のリンクにアクセスし、作成したIAMユーザーでAWSマネジメントコンソールにログインします。ユーザー名とパスワードも credential.csv に記載されているものを使用してください。

ログインすると初回はパスワードの変更を求められますので、任意のパスワードに変更してください。

3.1.2.8. AWS IoT Core にアクセス

AWSマネジメントコンソールの「サービスを検索する」欄に「IoT Core」と入力し、表示されたIoT CoreをクリックしてAWS IoT Coreにアクセスしてください。

images/aws_console_iot_core.png

3.1.3. インストールディスクの作成

消費電力監視システムのインストールディスクイメージをダウンロードしてください。

インストールディスクイメージのダウンロード

ダウンロードしたインストールディスクイメージを SD カードに書き込みます。SD カードをPCに接続してください。 PCのOS毎に書き込み方法が異なりますので、該当の項目を参考に書き込んでください。

3.1.3.1. Windows

Armadillo-IoT(G3/G3L)/X1: Windows上でのインストールディスクの作成方法の手順を参考に SD カードにインストールディスクイメージを書き込んでください。

3.1.3.2. Linux

Armadillo-IoT ゲートウェイ G3 製品マニュアル 「インストールディスクの作成」の手順を参考に SD カードにインストールディスクイメージを書き込んでください。

3.1.4. 設定ファイルの書き込み

インストールディスクの第1パーティションには、本アプリケーションが動作するための設定を記入するファイルが格納されています。本手順ではそれらの設定ファイルの編集方法についてご説明します。

3.1.4.1. AWS設定ファイル

Armadillo が AWS にアクセスするためのファイルを配置します。

  1. インストールディスクイメージが書き込まれた SD カードをPCに接続します。
  2. 「ファイル」から 「1.1GB ボリューム」を押下します。

    images/volume.png
  3. etc/aiotg3-powermonitor/ に「IAMユーザー作成完了」でダウンロードした credentials.csv をコピーします。

    images/copy.png

3.1.4.2. 消費電力監視システムの設定ファイル

本アプリケーションが動作する際の設定値の編集を行います。なお、各設定値につきましてはお客様の測定環境に合わせて数値を変更してください。

  1. 「ファイル」から「1.1GB ボリューム」を押下します。
  2. etc/aiotg3-powermonitor/parameter.json をテキストエディタで開きます。

    images/edit_param.png
  3. 以下の項目を編集します。

    項目 説明 初期値(単位)

    threshold

    警告閾値。現在の消費電力量がこの値を超えると警告対象となります。

    7 (W)

    evaluation_periods

    閾値超過回数。この回数以上連続で消費電力量が警告閾値を超えた場合に警告を発生させます。

    1 (回)

    upload_period

    データの送信周期。この時間となったとき、保持している取得消費電力値をすべてAWSに送信します。

    3600 (sec)

    alert_status

    AWS CloudWatch のアラーム設定。"ON"と"OFF"のみ指定可能です。ON なら消費電力量が警告発生条件を満たすとアラームが発生し、OFF なら発生しません。

    ON

    data_get_period

    データの取得周期。この時間となったとき、小型電力量モニタから値を取得し、保持します。

    60 (sec)

3.1.4.3. ネットワーク設定ファイル

本アプリケーションで、3G/LTE または無線LANを用いた通信を行う際に必要な設定値の編集を行います。使用しない場合は、設定不要です。

  1. 「ファイル」から「1.1GB ボリューム」を押下します。
  2. etc/aiotg3-powermonitor/network.json をテキストエディタで開きます。

    images/network.png
  3. 使用する通信方法に合わせ、以下の項目を編集します。

    通信 項目 説明

    lte

    device_name

    接続時の 3G/LTE デバイス名。 デフォルト値は ttyUSB2ttyUSB2 以外に ttyCommModem が設定可能

    apn

    APN名

    username

    ユーザー名

    password

    パスワード

    ppp

    PPP 認証方式。CHAP、 PAP、 空白が選択可能

    wireless

    essid

    アクセスポイントのESSID

    passphrase

    アクセスポイントのパスフレーズ

3.1.4.4. アラーム配信先メールアドレス

本アプリケーションでは、AWS CloudWatch のアラームが発報された際にAWSからメールが送信されます。メールの送り先を以下の手順で設定することが可能です。

  1. 「ファイル」から「1.1GB ボリューム」を押下します。
  2. etc/aiotg3-powermonitor/mail_address_list をテキストエディタで開きます。
  3. メールアドレスを入力します。各メールアドレス間は改行で区切ってください。

    images/edited_mail.png

3.1.4.5. SD カードの取り外し

SD カードの2つのボリュームをアンマウント後、PCから SD カードを取り外してください。

3.1.5. ソフトウェアのインストール

作成したインストールディスクを Armadillo のSDスロット(CON4)に接続し、JP1をショートに設定して電源投入してください。

Armadilloへのソフトウェアインストールが開始されます。インストールには数分間かかります。インストール進捗は、Armadillo の LED3 の状態で確認可能です。進捗と LED の状態の関係は、以下の表の通りです。

進捗 ユーザー LED3

実行中

点滅

正常終了

点灯

異常終了

消灯

インストール完了後、ACアダプタを抜いてください。

3.2. システムの起動

JP1をオープンに設定し、SD カードを取り外してください。以下の画像を参考に、小型電力量モニタと Armadillo を接続してください。

また、Armadillo-IoT 絶縁RS485アドオンモジュール RS02 のSW1は半二重設定にしてください。

images/kmn1.png
images/armadillo_rs02.png

詳細はArmadillo-IoT ゲートウェイ G3 製品マニュアル 「Armadillo-IoT 絶縁 RS485 アドオンモジュール RS02」をご確認ください。