第1章 はじめに

1.1. マニュアルについて

本マニュアルは、アットマークテクノが配布しているatmark-distを使用する上で必要な情報のうち、以下の点について記載されています。

  • カーネルとユーザーランドのビルド

  • カスタマイズ

  • アプリケーション開発

  • デバイスドライバ開発

  • 特有のアプリケーション

作業用PCはLinuxをベースとしたOSが動作しているものと仮定します。Windowsの場合には、仮想的なLinux環境を構築する必要があります。

Windows上にLinux環境を構築する方法として、「VMware」を推奨しています。VMwareを使用する場合は、開発に必要なソフトウェアがインストールされた状態のOSイメージ「ATDE(Atmark Techno Development Environment)」を提供しています。

ATDEは、各製品の開発モデルの付属CDや、アットマークテクノのダウンロードサイトなどから入手可能です。

また、ATDEの動作環境を構築する手順についてのドキュメントは以下のとおりです。詳しくは、こちらを参照してください。

  • ATDEインストールガイド

本マニュアルがatmark-distの機能を最大限引き出すためにご活用いただければ幸いです。

1.2. フォントについて

このマニュアルでは以下のようにフォントを使っています。

表 1.1. 使用しているフォント

フォント例説明
本文中のフォント本文
[PC ~]$ lsプロンプトとユーザ入力文字列
:コマンド実行後の出力を省略

1.3. コマンド入力例の表記について

このマニュアルに記載されているコマンドの入力例は、表示されているプロンプトによって、それぞれに対応した実行環境を想定して書かれています。「/」の部分はカレントディレクトリによって異なります。ユーザホームディレクトリは「~」で表します。

表 1.2. 表示プロンプトと実行環境の関係

プロンプトコマンドの実行環境
[PC /]#作業用PC上のrootユーザで実行
[PC /]$作業用PC上の一般ユーザで実行
[Target /]#ターゲットボード上のrootユーザで実行
[Target /]$ターゲットボード上の一般ユーザで実行

コマンド中で、変更の可能性のあるものや、環境により異なるものに関しては以下のように表記します。適時読み替えて入力してください。

表 1.3. コマンド入力例での省略表記

表記説明
[version]ファイルなどのバージョン番号

1.4. 謝辞

atmark-distはuClinux-distをベースに作成されています。

uClinux-distで使用しているソフトウェアは Free Software / Open Source Softwareで構成されています。Free Software / Open Source Softwareは世界中の多くの開発者の成果によってなりたっています。この場を借りて感謝の意を示したいと思います。

uClinuxは D. Jeff Dionne氏やGreg Ungere氏、David McCulloughu氏、さらにuClinux development listに参加しているすべての人の成果によって支えられています。

uClibc、Busyboxは Eric Andersen氏、さらにそれぞれのコミュニティによって開発・保守されています。