本章では、工場出荷イメージと同じイメージを作成する手順について説明します。
使用するソースコードは、開発セット付属のDVDに収録されています。最新版のソースコードは、Armadilloサイトからダウンロードすることができます。新機能の追加や不具合の修正などが行われているため、DVDに収録されているものよりも新しいバージョンがリリースされているかを確認して、最新バージョンのソースコードを利用することを推奨します。
工場出荷イメージの作成に必要な Oracle Java SE Embedded は、Oracle社 Webページ(http://www.oracle.com/)から取得してください。Armadillo-IoT ゲートウェイでは、「Oracle Java SE Embedded version 8」の「ARMv5 Linux - SoftFP ABI, Little Endian」を使用します。
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開発作業では、基本ライブラリ・アプリケーションやシステム設定ファイルの作成・配置を行います。各ファイルは作業ディレクトリ配下で作成・配置作業を行いますが、作業ミスにより誤って作業用 PC 自体の OS を破壊しないために、すべての作業は root ユーザーではなく一般ユーザーで行ってください。
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型番が AG43*-ではじまる製品をご利用の場合、「Hermit-At」と「Linuxカーネル」は以下バージョンのソースコードを使用する必要があります。
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11.1. Linuxカーネル/ユーザーランドをビルドする
ここでは、「Atmark Dist」、「Linuxカーネル」、「AWL13デバイスドライバ」のソースコードと、「Oracle Java SE Embedded 8」からイメージファイルを作成する手順を説明します。
手順11.1 Linuxカーネル/ユーザーランドをビルド
アーカイブの展開
各ソースコードアーカイブと、Java SE Embeddedのアーカイブを展開します。
シンボリックリンクの作成
Atmark Distに、AWL13、LinuxカーネルおよびJava SE Embeddedのシンボリックリンクを作成します。
コンフィギュレーションの開始
コンフィギュレーションを開始します。ここでは、menuconfigを利用します。
ベンダー/プロダクト名の選択
メニュー項目は、上下キーで移動することができます。下部のSelect/Exit/Helpは左右キーで移動することができます。選択するにはEnterキーを押下します。
"Vendor/Product Selection --->"に移動してEnterキーを押下します。
Vendorには "AtmarkTechno" を選択し、AtmarkTechno Productsには "Armadillo-IoTG-Std" を選択します。
デフォルトコンフィギュレーションの適用
前のメニューに戻るには、"Exit"に移動してEnterキーを押下します。
続いて、"Kernel/Library/Defaults Selection --->"に移動してEnterキーを押下します。"Default all settings (lose changes)"に移動して"Y"キーを押下します。押下すると"[*]"のように選択状態となります。
コンフィギュレーションの終了
前のメニューに戻るため、"Exit"に移動してEnterキーを押下します。コンフィギュレーションを抜けるためにもう一度"Exit"に移動してEnterキーを押下します。
コンフィギュレーションの確定
コンフィギュレーションを確定させるために"Yes"に移動してEnterキーを押下します。
ビルド
コンフィギュレーションが完了するので、続いてビルドを行います。
ビルドは"make"コマンドを実行します。
ビルドログが表示されます。ビルドするPCのスペックにもよりますが、数分から十数分程度かかります。
イメージファイルの生成確認
ビルドが終了すると、atmark-dist/images/ディレクトリ以下にイメージファイルが作成されています。Armadillo-IoT では圧縮済みのイメージ(拡張子が".gz"のもの)を利用します。
ここでは、ブートローダーである「Hermit-At」のソースコードからイメージファイルを作成する手順を説明します。
手順11.2 ブートローダーをビルド
ソースコードの準備
Hermit-Atのソースコードアーカイブを準備し展開します。展開後、hermit-atディレクトリに移動します。
デフォルトコンフィギュレーションの適用
Hermit-Atディレクトリに入り、Armadillo-IoT ゲートウェイ用のデフォルトコンフィギュレーションを適用します。ここでは例としてフラッシュメモリ起動用イメージを作成します。デフォルトコンフィグにはarmadillo_iotg_std_defconfig
を指定します。UART起動用イメージを作成する場合は、armadillo_iotg_std_boot_defconfig
を指定してください。
ビルド
ビルドには"make"コマンドを利用します。
イメージファイルの生成確認
ビルドが終了すると、hermit-at/src/target/armadillo-iotg-std/
ディレクトリ以下にイメージファイルが作成されています。