第21章 設計情報

本章では、Armadillo-IoTの機能拡張、信頼性向上のための、設計情報について説明します。

21.1. アドオンモジュールの設計

Armadillo-IoTゲートウェイ ベースボードのアドオンインターフェース(CON1、CON2)には、 複数の機能をもったi.MX257の信号線が接続されており、様々な機能拡張を行うことができます。

アドオンモジュールを設計する際の、基板形状、部品の搭載制限などについて説明します。

21.1.1. 基板形状

スタンダードモデルG2の標準筐体に組み込む場合の、アドオンモジュールの推奨基板寸法は図21.1「アドオンモジュール推奨基板寸法(B面)」のとおりです[36]。 ベースボード上には、アドオンモジュール固定用の穴が12箇所あります。アドオンモジュールのサイズに合わせて固定用穴を設けてください。

ベースボードとの接続コネクタは、アドオンインターフェース CON1側に実装します。

アドオンモジュール推奨基板寸法(B面)
[Unit : mm]

図21.1 アドオンモジュール推奨基板寸法(B面)


アドオンインターフェースの一方に、弊社製アドオンモジュールを搭載する場合の、アドオンモジュールの推奨基板寸法は図21.2「アドオンモジュール推奨基板寸法(B面、一方に弊社製アドオンモジュールを搭載)」のとおりとなります[36]

アドオンモジュール推奨基板寸法(B面、一方に弊社製アドオンモジュールを搭載)
[Unit : mm]

図21.2 アドオンモジュール推奨基板寸法(B面、一方に弊社製アドオンモジュールを搭載)


ベースボードの固定穴はGNDに接続されています。絶縁等でGND分離が必要な場合はキリ穴で設計してください。

21.1.2. 部品の搭載制限

スタンダードモデルG2標準筐体に組み込む場合の、部品の搭載制限は図21.3「アドオンモジュールの部品の搭載制限」のとおりとなります。

アドオンモジュールの部品の搭載制限
[Unit : mm]

1

最大部品高さ0.8mm(A面)

2

最大部品高さ5.5mm(A面)

3

最大部品高さ7.5mm(A面)

4

最大部品高さ3.0mm(A面)

5

最大部品高さ13.5mm(A面)

6

最大部品高さ15.1mm(B面、基板厚さを含む)

7

部品搭載禁止領域(A面、B面)

図21.3 アドオンモジュールの部品の搭載制限


アドオンインターフェースの一方に、弊社製アドオンモジュールを搭載する場合の、部品の搭載制限は図21.4「部品の搭載制限(一方に弊社製アドオンモジュールを搭載)」のとおりとなります。

部品の搭載制限(一方に弊社製アドオンモジュールを搭載)
[Unit : mm]

1

最大部品高さ0.8mm(A面)

2

最大部品高さ7.5mm(A面)

3

最大部品高さ13.5mm(A面)

4

最大部品高さ15.1mm(B面、基板厚さを含む)

5

部品搭載禁止領域(A面、B面)

図21.4 部品の搭載制限(一方に弊社製アドオンモジュールを搭載)


21.1.3. 接続コネクタ

ベースボードとの接続コネクタは、HIROSE ELECTRIC製DF17(4.0)-60DP-0.5V(57)を搭載してください。ピン配置は図21.5「アドオンモジュールに実装する接続コネクタのピン配置(A面)」のとおりです。

アドオンモジュールに実装する接続コネクタのピン配置(A面)

図21.5 アドオンモジュールに実装する接続コネクタのピン配置(A面)


ピン機能については、Armadilloサイトからダウンロード可能な『Armadillo-IoT ベースボード マルチプレクス表』をご確認ください。

21.2. WWAN拡張モジュールの設計

Armadillo-IoTゲートウェイ ベースボードのWWAN拡張インターフェース(CON10)[37]には、ワイヤレスWAN拡張用のi.MX257の信号線が接続されています。

WWAN拡張モジュールを設計する際の、基板形状、部品の搭載制限などについて説明します。

21.2.1. 基板形状

スタンダードモデルG2の標準筐体に組み込む場合の、WWAN拡張モジュールの推奨基板寸法は図21.6「WWAN拡張モジュールの推奨基板寸法(B面)」のとおりです[38]

WWAN拡張モジュールの推奨基板寸法(B面)
[Unit : mm]

1

基板固定用の固定穴です。ベースボード側の固定穴はGNDに接続されており、金属スペーサ等でGNDに接続することができます。

2

ベースボード側に固定穴がないため、固定することはできません。

3

突起部を含む寸法となります。

図21.6 WWAN拡張モジュールの推奨基板寸法(B面)


21.2.2. 部品の搭載制限

スタンダードモデルG2標準筐体に組み込む場合の部品の搭載制限は図21.7「WWAN拡張モジュールの部品の搭載制限」のとおりとなります。

WWAN拡張モジュールの部品の搭載制限
[Unit : mm]

1

最大部品高さ1.9mm(A面)

2

最大部品高さ1.0mm(A面)

3

最大部品高さ7.6mm(B面、基板厚さを含む)

4

最大部品高さ19.6mm(B面、基板厚さを含む)

5

部品搭載禁止領域(A面、B面)

図21.7 WWAN拡張モジュールの部品の搭載制限


21.2.3. 筐体の開口寸法

スタンダードモデルG2標準筐体の開口寸法は図21.8「筐体の開口寸法」のとおりとなります。 筐体の外側からSIMカード等を操作する場合は、開口の寸法内に収まるように設計してください。

筐体の開口寸法
[Unit : mm]

1

SIMカードのカードロック時の許容寸法

2

筐体の開口寸法[39]

図21.8 筐体の開口寸法


21.2.4. 接続コネクタ

ベースボードとの接続コネクタは、、HIROSE ELECTRIC製DF12(3.0)-30DS-0.5V(86)を搭載してください。ピン配置は図21.9「WWAN拡張モジュールに実装する接続コネクタのピン配置(A面)」のとおりです。

WWAN拡張モジュールに実装する接続コネクタのピン配置(A面)

図21.9 WWAN拡張モジュールに実装する接続コネクタのピン配置(A面)


21.3. 電源ICのON/OFF制御

Armadillo-410の電源入力インターフェース(CON13)の3ピンには、電源IC(PMIC)のON/OFF制御用の信号線(PMIC_ONOFF*信号)が接続されています。

Armadillo-IoTゲートウェイ ベースボードのPMIC ON/OFFインターフェース(CON12)の2ピンには、アドオンインターフェース(CON1、CON2)の55ピンおよびリアルタイムクロックの割り込み信号2が接続されています。

Armadillo-410の電源入力インターフェース(CON13)の3ピンと Armadillo-IoTゲートウェイ ベースボードのPMIC ON/OFFインターフェース(CON12)の2ピンと接続することで、 アドオンインターフェースからの信号またはリアルタイムクロックの割り込み信号2による、電源ICのON/OFF制御が可能になります。

電源IC ON/OFF信号

図21.10 電源IC ON/OFF信号


[ティップ]

PMIC_ONOFF*信号を2秒以上GNDにショートすると、電源ICは電圧出力を停止します。再度PMIC_ONOFF*信号をGNDにショートすると、 電源ICは立ち下がりのエッジを検出することで電圧出力を開始します。

電源IC ON/OFFケーブルは、下記の部品で製作することができます。

表21.1 電源IC ON/OFFケーブルの使用部品例

番号名称型番メーカー名個数備考
1ベースボード側ハーネスACHR-02V-SJ.S.T. Mfg.1 
ベースボード側コンタクトSACH-003G-P0.2J.S.T. Mfg.2 
2Armadillo-410側ハーネスACHR-03V-SJ.S.T. Mfg.1 
Armadillo-410側コンタクトSACH-003G-P0.2J.S.T. Mfg.2 
3リード線AWG#28-2長さ:30mm程度

電源IC(PMIC) ON/OFFケーブルの接続

図21.11 電源IC(PMIC) ON/OFFケーブルの接続


21.4. ESD/雷サージ

ESD耐性を向上させるための情報を以下に記載します。

[ティップ]

Armadillo-IoTゲートウェイ スタンダードモデルG2の標準筐体には、SDスロットキャップ、SIMスロットキャップが添付されています。 ESD耐性向上のため、キャップを取り付けての使用を推奨します。

Armadillo-IoTを組み込んだ機器、またはArmadillo-IoTとLANケーブル等で接続された機器を屋外に設置する場合には、以下の点にご注意ください。

[ティップ]

Armadillo-IoTに接続されたケーブルが屋外に露出するような設置環境では、ケーブルに侵入した雷サージ等のストレスによりインターフェース回路が破壊される場合があります。ストレスへの耐性を向上させるには、Armadillo-IoTと外部機器同士のGND接続を強化することおよびシールド付のケーブルを使用することが効果的です。



[36] 接続コネクタの実装面をA面、裏面をB面とし、B面側から見た図となります。

[37] 3Gモジュールと排他実装になっており、製品型番により搭載していない場合もあります。

[38] 接続コネクタの実装面をA面、裏面をB面とし、B面側から見た図となります。

[39] 筐体の高さ方向の開口寸法は、基板の端面より開口のほうが0.1mm狭くなります。