Armadillo-IoT ゲートウェイ A6E 上で Node-RED を使用するためのセットアップ方法を説明します。
Armadillo-IoT ゲートウェイ A6E に Node-RED 対応用のインストールディスクをインストールし、開発用パソコンと Armadillo-IoT ゲートウェイ A6E を有線 LAN で繋がる様にします。
セットアップが完了すると Node-RED の起動画面が表示されます。
3.2. インストールディスクを使用してセットアップを行う
microSD カードを用いてインストールディスクを作成して Node-RED コンテナと最新の Armadillo Base OS をインストールする手段を説明します。
インストールディスクイメージについては以下から取得可能です。
作業用 PC 上でダウンロードした Zip ファイルにはインストールディスクイメージ (baseos-6e-installer-[VERSION]-node-red.img) のファイルが含まれています。このファイルを microSD カードに書き込みます。
3.2.1. Windows PC 上でインストールディスクを作成する
Windows PCの場合、[Win32 Disk Imager Renewal] を使用してimgファイルをmicroSDカードに書き込みます。
[Win32 Disk Imager Renewal] は以下からダウンロードしてください。
最新版のEXEファイルをダウンロードして起動します。以下にimgファイルの書き込み手順について示します。
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ダウンロードしてきたZipファイルを解凍して書き込み用のimgファイルを取得します。
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[image File] に先ほど展開したimgファイルを指定します。
[Device] には microSDが挿入されているスロットを指定します。
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[write] ボタンを押すと警告が出ますので、問題なければ[はい]を選択して書き込みます。
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書き込み終了ダイアログが表示されたらインストールディスクの作成は完了です。
3.2.2. Linux PC 上でインストールディスクを作成する
Linux PCの場合、以下のようにmicroSDカードに書き込むことができます。
sd[X] の [X] は microSD のドライブを指定してください。
書き込みが終了したらインストールディスクの作成は完了です。
3.2.3. 作成したインストールディスクを使用してセットアップする
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Armadillo-IoT ゲートウェイ A6E のケースを開けます。ケースの分解手順は「ケースの分解」を参照してください。
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インストールディスクを Armadillo-IoT ゲートウェイ A6E の microSD に挿入します。microSD の挿抜方法は「microSDカードの挿抜方法」を参照してください。
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Armadillo-IoT ゲートウェイ A6E の起動デバイス設定スイッチを ON にし、起動デバイスを microSD に設定します。起動デバイス設定スイッチの場所は、「インターフェースレイアウト」の「
起動デバイス設定スイッチ」です。
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Armadillo-IoT ゲートウェイ A6E の AC アダプターをコンセントに繋ぎ電源を投入すると、20分程度でソフトウェアの初期化が完了します。
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インストールが完了すると電源が切れます(SYS(システムLED)が消灯します)。LED の位置は「インターフェースレイアウト」の「
システムLED」です。
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Armadillo-IoT ゲートウェイ A6E の AC アダプターをコンセントから抜き、続いての起動デバイス設定スイッチを OFF に設定し、microSD カードを外してください。
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Armadillo-IoT ゲートウェイ A6E のケースを組み立ててください。組み立て手順は「ケースの組み立て手順」を参照してください。
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10 秒以上待ってから再び電源を投入すると Node-RED が入った Armadillo-IoT ゲートウェイ A6E が起動します。
本製品はねじを使用しないスナップフィット方式を採用しており、容易に組み立てと分解が可能です。分解する際には手のけがやパーツの破損を防止するためマイナスドライバーなどの工具を使用してください。
表3.3 ケースモデル展開図パーツ一覧
番号 | 名称 | 説明 |
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1 | ケーストップ | ケース上側のパーツです。 ケースボトムとは4か所のツメで固定されます。 ケースを分解する際は、マイナスドライバーを使用してツメを破損させないよう慎重に取り外してください。 |
2 | ケースボトム | ケース下側のパーツです。 |
3 | フック | ケースをDINレールに固定するためのパーツです。 |
4 | 基板 | |
5 | カバーパーツA | ケース開口部のカバーです。 ケーストップとは1か所のツメで固定されます。 |
6 | カバーパーツB | ケース開口部のカバーです。 ケーストップとは1か所のツメで固定されます。 |
7 | カバーパーツC | ケース開口部のカバーです。 ケーストップとは1か所のツメで固定されます。 |
8 | カバーパーツD | ケース開口部のカバーです。 ケーストップとは1か所のツメで固定されます。 |
9 | LEDライトパイプ | カバーパーツCに装着するLEDのライトパイプです。強い衝撃を加えた場合、ライトパイプが外れる場合がありますので、図3.7「ケースモデル展開図」を参考にカバーパーツCの丸穴に差し込んでください。 |
フックは以下の図を参考に取り付けてください。
以下の手順に従い、ケースを組み立ててください。
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基板をケーストップに入れる
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ケースボトムをケーストップにはめ込み、基板を固定する
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フックをケースボトムにはめ込む
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カバーパーツをケーストップにはめ込む
![[警告]](images/warning.png) | |
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WLAN+BT コンボモジュールを搭載した製品におきましては、ケーストップに貼り付けられているWLAN基板アンテナのケーブルが製品基板のANT3と接続しています。
ケースを分解する際に、無理な力をかけるとケーブル部が破損する場合がありますので、慎重に作業してください。
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![[警告]](images/warning.png) | |
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ツメに強い力を加えますと破損する恐れがありますので、十分ご注意ください。 |
マイナスドライバーなどの工具を用意してください。以下の手順に従い、ケースを分解してください。
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フックをケースボトムから取り外す
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ケースボトムを取り外す
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基板を取り外す
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カバーパーツを取り外す
フックはツメで固定されていますので、図3.11「フックのツメ」を参考にツメを押しながらフックを引き出してください。
ケースボトムはツメ4か所で固定されていますので、図3.12「ケースボトムのツメ」を参考にマイナスドライバーをケースの隙間に差し込み順に外してください。
Cat.1モデル, Cat.M1モデルではアンテナコネクタがケース開口部より飛び出しているため、反対側のLANコネクタ側から先にケーストップから出すようにしてください。基板を取り外す際、LANコネクタの突起部がケーストップに当たらないよう、ケースを広げながら基板を取り外すようにしてください。
カバーはツメ1か所でケーストップに固定されています。図3.13「カバーのツメ」を参考にマイナスドライバーをケースの隙間に差し込み外してください。
Node-RED の開発をするパソコンと Armadillo のネットワークを接続するために Armadillo-IoT ゲートウェイ A6E の IP アドレスを取得または設定します。
Armadillo の有線 LAN は、初期状態で DHCP の設定となっておりますので、DHCP が稼働している有線 LAN に接続した場合は、なんらかの IP アドレスが付与された状態になっています。
DHCP で IP アドレスが付与される環境の場合、ABOS Web を使用することで IP アドレスの確認が可能です。
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Armadillo-IoT ゲートウェイ A6E を 「インストールディスクを使用してセットアップを行う」 でセットアップを済ませた場合は ABOS Web が起動しています。
再起動がまだの場合は電源を再投入します。
開発用パソコンで Web ブラウザーを起動し https://armadillo.local:58080 にアクセスします。
![[ティップ]](images/tip.png) | |
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ABOS Web が動作する Armadillo が、同じ LAN 上に複数ある場合、ABOS Web に接続する URL のホスト名部分(armadillo.local)は、2 台目は armadillo-2.local、3 台目は armadillo-3.local と、違うものが自動的に割り当てられます。この場合どの URL がどの Armadillo かを判別するのは難しいので固定 IP アドレスを設定し、IP アドレスで指定できるようにする方法があります。固定 IP アドレスの設定方法は「Armadillo の有線 LAN に固定 IP アドレスを設定する」を参照ください。 |
初回接続時は、ABOS Web のパスワードを設定する必要がありますので、設定します。
"初回ログイン"のパスワード登録画面で、"パスワード" フィールドと "パスワード(確認)" フィールドに、登録したいパスワードを入力してから、"登録" ボタンをクリックしてください。パスワード登録完了画面が表示されたら、パスワード登録の完了です。
ログインします。
左のメニューから「状態一覧」を選択します。
「LAN 情報」の「IP アドレス」の欄に有線 LAN の IP アドレスが表示されていますのでメモしておいてください。
3.6.1. Armadillo の有線 LAN に固定 IP アドレスを設定する
DHCP サーバーが存在しない環境で開発を行う場合、Armadillo-IoT ゲートウェイ A6Eに固定の IP アドレスを付与して開発を行います。
Armadillo にシリアルコンソールを接続してコマンドを入力する必要があります。シリアルコンソールの接続方法は 「接続方法」 を参照ください。
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Armadillo-IoT ゲートウェイ A6E と開発用パソコンを開発セットに同梱されています USB(A オス-microB)ケーブルで接続します。Armadillo-IoT ゲートウェイ A6E 側は図3.6「Armadillo-IoT ゲートウェイ A6E インターフェースレイアウト」に示す「
USB コンソールインターフェース」に microB を、開発用パソコン側は Type-A を接続してください。
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開発用パソコンでシリアルコンソールを開きます。対応しているソフトウェアは、Windows OS であれば TeraTerm、Linux であれば minicom などがありますので、インストールしてご利用ください。
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ソフトウェアのシリアル設定を表3.4「シリアル通信設定」に示します。
表3.4 シリアル通信設定
項目 | 設定 |
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転送レート | 115,200bps |
データ長 | 8bit |
ストップビット | 1bit |
パリティ | なし |
フロー制御 | なし |
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Armadillo-IoT ゲートウェイ A6E の AC アダプターをコンセントに繋ぎ電源を投入します。
シリアルコンソールに以下のようにログインプロンプトが表示されましたら、root ユーザーでログインします。特に設定していない場合の root ユーザーの初期パスワードは root です。
Welcome to Alpine Linux 3.18
Kernel 5.10.197-0-at on an armv7l (/dev/ttymxc2)
armadillo login:
"Wired connection 1" に固定 IP アドレスを設定します。
[armadillo ~]# nmcli connection modify "Wired connection 1" \
ipv4.method manual ipv4.addresses 192.0.2.10/24 ipv4.gateway 192.0.2.1
有線 LAN eth0 を再起動します。
[armadillo ~]# nmcli connectio down "Wired connection 1"
[armadillo ~]# nmcli connectio up "Wired connection 1"
設定された IP アドレスは ip addr
コマンドで確認できます。
[armadillo ~]# ip addr show eth0
2: eth0: ...中略...
inet 192.0.2.10/24 brd 192.0.2.255 scope global noprefixroute eth0
valid_lft forever preferred_lft forever
... 後略 ...
設定を永続化するために、persist_file
コマンドを実行してください。
[armadillo ~]# persist_file /etc/NetworkManager/system-connections/"Wired connection 1.nmconnection"
IoT 機器において、悪意のある第三者が容易に悪用できる USB コネクタなどのインターフェースを外部に露出したままでの運用は、セキュリティ的な脆弱性に繋がります。
しかし、保守運用のために USB インターフェースを露出しておかなければならない場合や、機器として USB で接続する周辺デバイスがある場合など、全ての USB インターフェースを物理的に閉じておくことが難しいことも考えられます。
Armadillo Base OS は、 USB デバイスの許可リストを作成・管理し、許可リストにないデバイスが接続されても認識しないように設定できる USB 接続制御機能を持っています。
この機能を用いることで、悪意のある第三者が不正な USB デバイスを接続しても、システムに影響を与えません。
![[注記]](images/note.png) | |
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ABOS Web による USB 接続制御機能は、ABOS バージョン 3.21.3-at.12 以降で対応しています。 |
ABOS Web では、Armadillo の USB 接続制御の設定を行うことができます。
ここでは、USB デバイスの許可リストを作成・管理し、許可リストにないデバイスが接続されても認識しないように設定できます。
この機能を用いることで、悪意のある第三者が不正な USB デバイスを接続しても、システムに影響を与えません。
図3.25「USB 接続制御の設定画面」に設定画面を示します。
一番上の「機能の状態」に現在の USB 接続制御機能が有効であるか(enabled)無効であるか(disabled)表示します。
有効である場合、「接続済みのUSBデバイス」、「許可済みのUSBデバイス」および「許可済みのUSBデバイスクラス」の欄が表示されます。
図3.26「接続済みの USB デバイス」に示すように、「接続済みのUSBデバイス」では、現在接続されている USB デバイスが一覧として表示されます。
"詳細表示" ボタンを押すと、図3.27「接続済み USB デバイスの詳細情報」に示す画面が表示されて、その USB デバイスに関するより詳細な情報が表示されます。
「可否」が allow である場合、その USB デバイスは接続が許可されています。
block の場合、図3.28「USB デバイスを許可する」に表示されている "許可" ボタンを押すことで allow に変更できます。
"許可" ボタンを押すと、図3.29「許可済み USB デバイス」に示すように「許可済みのUSBデバイス」の欄に許可ルールが追加されます。
「許可済みのUSBデバイス」に表示されているUSBデバイスは永続的に接続が許可されます。
図3.30「接続済みの個体と同じメーカー・製品の全ての個体を許可する」に示すように、「同じメーカー・製品の全ての個体を許可」のチェックボックスを選択した状態で "許可" ボタンを押すと、選択した USB デバイスと同じメーカー・製品であれば、どの個体であっても接続が許可されます。
その場合、図3.31「全ての個体を許可する場合の表示」に示すように、「許可済みの USB デバイス」の「全ての個体を許可」の欄に「✓」が表示されます。
図3.31「全ての個体を許可する場合の表示」に示すように、USB デバイスの許可ルールを選択した状態で "削除" ボタンを押すと、図3.32「許可ルールを削除する」に示す画面に遷移します。
確認画面が表示されて、問題なければ改めて "削除" のボタンを押すことでその許可ルールを削除できます。
その USB デバイスに関する許可ルールが削除されると永続的にその USB デバイスの接続は拒否されます。
「接続済みの USB デバイス」では、「可否」が block に変更されます。
図3.33「USB デバイスクラス」に表示されている「許可済みの USB デバイスクラス」では、許可する USB デバイスをデバイスクラス単位で設定することができます。
一覧に表示されている USB デバイスクラスは現在許可されているデバイスクラスです。
デバイスクラスを選択した後、"削除" ボタンを押すことでそのデバイスクラスの許可ルールを削除できます。
削除の手順は図3.32「許可ルールを削除する」と同様です。
"追加" ボタンを押すと、図3.34「USB デバイスクラスの追加」に示す画面が表示されます。
追加可能な USB デバイスクラスを選択し、"追加" ボタンを押してください。
3.9. Node-RED コンテナに設定を追加する
Node-RED コンテナにユーザ独自の設定を追加することが可能です。
この作業を行うためには Armadillo とシリアルケーブルで接続する必要があります。
接続方法については 「Armadillo の有線 LAN に固定 IP アドレスを設定する」 をご参照ください。
![[警告]](images/warning.png) | |
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この機能を使用するには、以下に示すバージョンのソフトウェアが必要です。 |
手順は以下です。
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/etc/atmark/containers
ディレクトリに node-red.conf.d
ディレクトリを作成する。
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/etc/atmark/containers/node-red.conf.d
ディレクトリ内に 任意の conf ファイルを作成する
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作成した conf ファイルを永続化する
以下は例として、addition.conf という conf ファイルを作成した場合の実行コマンドです。
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node-red.conf.d ディレクトリを作成します。
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addition.conf ファイルを作成します。
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addition.conf ファイルの内容を確認します。
今回は add_armadillo_env という Armadillo の設定を
Node-RED コンテナに渡す設定を追加しました。
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addition.conf ファイルを永続化します。
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上記設定を行うことで、通常の Node-RED コンテナの設定に加えて、
ユーザ独自の設定を追加することが可能です。
![[ティップ]](images/tip.png) | |
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Node-RED コンテナ 1.2.1 以上をご使用の場合は、
/etc/atmark/containers/node-red.conf.d ディレクトリが自動作成されます。
ディレクトリ内には addition.conf.example という記載例のファイルが配置されます。
必要に応じてファイルをコピーしてご使用ください。 |