オプション品

本章では、Armadillo-IoT ゲートウェイ A6のオプション品について説明します。

表20.1 Armadillo-IoT ゲートウェイ A6関連のオプション品

名称型番

3G/LTE用 外付けアンテナセット 04

OP-ANT-3GLTE-04K

D-Sub9/10ピン シリアル変換ケーブル(ロックなし)

OP-SCDSUB-00

ACアダプタ(5V/2.0A EIAJ#2)

OP-AC5V5-00

Armadillo-IoTゲートウェイA6 U1モデル用 拡張I/Oボード01

OP-AG61-EXT01-00


20.1. 3G/LTE用 外付けアンテナセット 04

20.1.1. 概要

3G/LTE用 外付けアンテナセット 04は、LTEモジュール(EMS31-J)対応のアンテナセットです。

20.1.2. セット内容

  • 外付けアンテナ
  • アンテナケーブル

20.1.3. 組み立て方法

アンテナケーブルは、LTE アンテナインターフェース(サブユニット CON1)に取り付けます。

[警告]

アンテナ端子にアンテナケーブルを接続する際、 無理な力を加えると破損の原因となりますので、 十分にご注意ください。

[警告]

アンテナケーブルを引き抜く際は、専用の引き抜き治具(U.FL-LP-N-2/ヒロセ電機 等)を用いて行うことを推奨します。 引き抜き治具を用いずに引き抜いた場合に、コネクタの変形やケーブルの断線等の原因となります。

images/ufl-lp-n-2.svg

図20.1 外付けアンテナケーブルの引き抜き方法


20.1.4. 形状図

images/op-ant-3glte-04k-antenna-dimension.svg

図20.2 アンテナ形状


images/op-ant-3glte-04k-antenna-cable-dimension.png

図20.3 アンテナケーブル形状


20.2. Armadillo-IoTゲートウェイA6 U1モデル用 拡張I/Oボード01

20.2.1. 概要

Armadillo-IoTゲートウェイA6 U1モデル用 拡張I/Oボード01(以降、拡張I/Oボードと記載します)は、電気的に絶縁された RS485 のシリアルインターフェースを 1 ポート、デジタル入力 2 ポート、デジタル出力 2 ポートを追加することができ、リアルタイムクロックのバックアップ電池ホルダと8Vから26.4Vまでの電源電圧が入力可能な5V電圧レギュレータを搭載しています。

20.2.2. セット内容

  • Armadillo-IoTゲートウェイ A6 U1モデル用 拡張I/Oボード01 本体

20.2.3. 仕様

表20.2 Armadillo-IoTゲートウェイA6 U1モデル用 拡張I/Oボード01の仕様

デジタル入力

入力点数

2 点

入力インピーダンス

4.7kΩ

入力ON電流

2.0mA 以上

入力OFF電流

0.2mA 以下

応答時間

1ms 以内

入力電圧

最大 26.4V

デジタル出力

出力点数

2 点

定格電圧

最大48V

定格電流

最大 500mA

応答時間

2ms 以内

出力形式

無極性

シリアル(UART)

RS485 x 1

2線式: Data+, Data-, GND

最大データ転送レート: 230.4kbps

スイッチ

RS485終端抵抗切り替え用ディップスイッチ

RTCバックアップ

サブユニットのリアルタイムクロック用コイン電池ホルダ 搭載

電池サイズ:CR2032 [a]

絶縁耐圧

2kV [b]

電源入力電圧

DC8V~26.4V

電源出力 [c]

出力電圧: DC5V

出力電流: 最大 1A

消費電力(参考値)[d]

約1.5mW(シャットダウン時 [e]), 約100mW(スリープ時 [f]), 約180mW(スリープ時[SMS起床可能] [g]), 約600mW(アクティブ時 [h]), 約1500mW(最大消費電力[h]

動作温湿度範囲

-20~+70℃/15~85%RH (ただし結露なきこと)

サイズ

75 x 50mm (突起部を除く)

[a] 電池は付属しません。

[b] デジタル入出力およびRS485に適用

[c] Armadillo-IoT ゲートウェイA6および拡張I/Oボードへの電源供給用

[d] 電源入力電圧12VにおけるArmadillo-IoT ゲートウェイA6本体との合計消費電力

[e] 測定条件(シャットダウン): CPU/LTE/LAN/RS485停止

[f] 測定条件(スリープ): CPU待機、LTE/LAN/RS485停止

[g] 測定条件(スリープ[SMS起床可能]): CPU/LTE待機、LAN/RS485停止

[h] 測定条件(アクティブ/最大消費電力): CPU動作、LTE/LAN/RS485通信


20.2.4. ブロック図

images/op-ag61-ext01-00-block.png

図20.4 Armadillo-IoTゲートウェイA6 U1モデル用 拡張I/Oボード01 ブロック図


20.2.5. インターフェース仕様

Armadillo-IoTゲートウェイA6 U1モデル用 拡張I/Oボード01のインターフェース仕様について説明します。

20.2.5.1. インターフェースレイアウト

images/op-ag61-ext01-00-interface.svg

図20.5 Armadillo-IoTゲートウェイA6 U1モデル用 拡張I/Oボード01 インターフェースレイアウト


表20.3 搭載コネクタ、スイッチ型番一覧

部品番号

インターフェース名

型番

メーカー

CON1

サブユニット拡張インターフェース

PPPC072LJBN-RC

Sullins Connector Solutions

CON3

入出力インターフェース

TBL002A-350-12GY-2GY

CUI Inc

CON4

RTC バックアップインターフェース

HU2032

株式会社タカチ電機工業

SW1

設定スイッチ

DS01-254-S-01BE

CUI Inc


20.2.5.2. CON1(サブユニット拡張インターフェース)

CON1 はArmadillo-IoTゲートウェイA6 サブユニット CON3(拡張インターフェース)との接続コネクタです。

[警告]

本書およびピンマルチプレクス表におけるCON1のピン配列は、Armadillo-IoTゲートウェイA6が搭載しているコネクタのピン配列に従っています。そのため、基板上に印刷されているピン番号および製品の回路図に記載されたピン番号とは相違がありますので、ご注意ください。

表20.4 CON1 信号配列

ピン番号ピン名I/O説明

1

VCC_5V

Power

電源(VCC_5V)、Armadillo-IoTゲートウェイA6本体への電源出力

2

GND

Power

電源(GND)

3

RTC_BAT

Power

電源(RTC_BAT)、電池ボックスに接続、Armadillo-IoTゲートウェイA6本体のリアルタイムクロックへバックアップ電源を供給します。

4

GND

Power

電源(GND)

5

GPIO_INT_N

Out

GPIO ExpanderのINT_Nピンに接続

6

-

-

未使用

7

RS485_DE/RE_N

In

RS485トランシーバのDEピン、RE_Nピンに接続

8

RS485_PWR_EN

In

RS485トランシーバ電源スイッチのENピンに接続

9

RS485_TX

In

RS485トランシーバのDピンに接続

10

I2C2_SCL

In

I2C クロック入力、GPIO Expander の SCL ピンに接続

11

RS485_RX

Out

RS485トランシーバのRピンに接続

12

I2C2_SDA

In/Out

I2C データ入出力、GPIO Expander の SDA ピンに接続

13

VCC_3.3V

Power

電源(VCC_3.3V)、Armadillo-IoTゲートウェイA6本体からの電源入力

14

GND

Power

電源(GND)


20.2.5.3. CON3(入出力インターフェース)

CON3は複数の機能を持った入出力インターフェースです。

  • デジタル入力
  • デジタル出力
  • RS485
  • 電源入力

デジタル入力部はフォトカプラによる絶縁入力(電流シンク出力タイプに接続可能)となっています。入力部を駆動するための電源は、外部から供給する必要があります。

images/op-ag61-ext01-00-con3-in.svg

図20.6 CON3 デジタル入力部


デジタル出力部はフォトリレーによる絶縁出力(無極性)となっています。出力部を駆動するためには外部に電源が必要となります。出力 1 点につき最大電流 500mA(定格 48V)まで駆動可能です。

images/op-ag61-ext01-00-con3-out.svg

図20.7 CON3 デジタル出力部


RS485は電気的に絶縁されたシリアルインターフェースです。設定スイッチ(SW1)で終端抵抗のON/OFFが可能です。

  • 最大データ転送レート: 230.4kbps
  • 通信方式: 2線式
images/op-ag61-ext01-00-block-rs485.svg

図20.8 RS485 トランシーバ周辺回路


電源入力部は、8Vから26.4Vまでの電源電圧が入力可能な5V電圧レギュレータを搭載し、 Armadillo-IoTゲートウェイA6および拡張I/Oボードの電源として使用されます。

  • 入力電圧範囲: 8V~26.4V
  • 出力最大電流: 1A
[警告]

Armadillo-IoTゲートウェイA6のメインユニット CON12(電源インターフェース)と拡張I/Oボードの5V電圧レギュレータ出力は接続されていますので、メインユニット CON12(電源インターフェース)から電源を供給することはできません。

[警告]

5V電圧レギュレータの出力はArmadillo-IoTゲートウェイA6のUSBポートにも供給されます。デバイスの消費電流を含め、レギュレータの最大電流1Aを超えないよう十分ご注意ください。

表20.5 CON3 信号配列

ピン番号ピン名I/O説明

1

VIN+

Power

電源入力(+)

2

VIN-

Power

電源入力(-)

3

COM+

In

デジタル入力プラスコモン

4

DIN1

In

デジタル入力1

5

DIN2

In

デジタル入力2

6

RY1A

-

デジタル出力1A

7

RY1B

-

デジタル出力1B

8

RY2A

-

デジタル出力2A

9

RY2B

-

デジタル出力2B

10

RS485_DATA+

In/Out

送受信データ(+) RS485トランシーバのA/Yピンに接続

11

RS485_DATA-

In/Out

送受信データ(-) RS485トランシーバのB/Zピンに接続

12

RS485_GND

Power

電源(RS485_GND)


20.2.5.4. CON4(RTC バックアップインターフェース)

CON4はリアルタイムクロックのバックアップインターフェースです。 長時間電源が切断されても時刻データを保持させたい場合にご使用ください。

  • 対応バッテリー: CR2032

表20.6 CON4 信号配列

ピン番号ピン名I/O説明

1

+

Power

Armadillo-IoTゲートウェイA6本体のリアルタイムクロックへバックアップ電源を供給します。

2

-

Power

電源(GND)


20.2.5.5. SW1(設定スイッチ)

SW1 は終端抵抗(120Ω)の ON/OFF を行うためのディップスイッチです。

表20.7 SW1 機能

ONOFF

終端抵抗(120Ω) ON

終端抵抗(120Ω) OFF


[ティップ]

終端は RS485 の信号線の最遠端で行います。Armadillo-IoT が最遠端に なる場合は終端抵抗を ON にしてください。

20.2.6. 組み立て方法

拡張I/OボードをArmadillo-IoTゲートウェイA6に取り付けます。 図を参考に拡張I/OボードのCON1をArmadillo-IoTゲートウェイA6 サブユニット CON3(拡張インターフェース)に接続してください。

images/op-ag61-ext01-00-assembly-before.svg

図20.9 組み立て図


images/op-ag61-ext01-00-assembly-after.svg

図20.10 完成図


[警告]

拡張I/OボードのCON1とサブユニットCON3の間に隙間があるため、ピンの差し間違いには十分ご注意ください。

[警告]

拡張I/Oボードの基板底面とArmadillo-IoTゲートウェイA6の基板底面間には4mmの差があります。そのため基板を固定するスペーサーを用意する場合は、それぞれの基板高さに合ったスペーサーを用意してください。

20.2.7. 端子台の使用方法

入出力インターフェース(CON3)に実装されている端子台に接続可能な電線は次のとおりです。

表20.8 端子台に接続可能な電線

 ULIEC

電線範囲

24~20 AWG

0.2~0.75mm2

被覆剥き長さ

8~9mm

使用可能フェルール端子

メーカー:ミスミ

型番:MTRE0.25-8VI


20.2.8. 形状図

images/op-ag61-ext01-00-center-dimension.svg

図20.11 基板形状およびコネクタ中心寸法


images/op-ag61-ext01-00-hole-dimension.svg

図20.12 固定穴寸法


images/op-ag61-ext01-00-assembly-dimension.svg

図20.13 組立後固定穴寸法


20.2.9. 動作方法

20.2.9.1. DTB の配置

"Armadillo サイト" より最新の 拡張 I/O ボード用 DTB(Device Tree Blob) をダウンロードし、以下の手順で Armadillo-IoT ゲートウェイ A6 に配置してください。

[armadillo ~]# mount /dev/mmcblk0p2 /mnt  1
[armadillo ~]# cp armadillo-iotg-a6-extboard-v4.14-at[version].dtb /mnt/boot/a640.dtb  2
[armadillo ~]# umount /mnt  3

1

eMMCの第2パーティションを/mnt/ディレクトリにマウントします。

2

DTBをa640.dtbにリネームして/mnt/boot/ディレクトリにコピーします。

3

/mnt/ディレクトリにマウントしたeMMCの第2パーティションをアンマウントします。

また、v4.14-at35 以降のLinux カーネルのソースコードをビルドすることで拡張 I/O ボード用の DTB を作成することも可能です。ビルド手順は11章ビルド手順を参照ください。 ビルドが終了すると、 arch/arm/boot/dts/ ディレクトリ以下に armadillo-iotg-a6-extboard.dtb が作成されています。

[ATDE ~/linux-v4.14-at[version]]$ ls arch/arm/boot/dts/armadillo-iotg-a6-extboard.dtb
arch/arm/boot/dts/armadillo-iotg-a6-extboard.dtb

20.2.9.2. RS485 (uart1) の制御方法

初期状態では RS485 (uart1) に電源が投入されていません。電源を投入するには、 GPIO 103 を HIGH レベルに設定します。 GPIO の制御方法は、「GPIO」 を参照ください。 また、GPIO 103 を LOW レベルに設定することで RS485 (uart1) の電源をオフに出来ます。

シリアルインターフェースのデバイスファイルは、/dev/ttymxc0 を使用します。

20.2.9.3. デジタル入出力の GPIO による制御

拡張 I/O ボード CON3 のデジタル入出力ピンは以下の GPIO と対応しており、GPIO による制御が可能です。 GPIO の制御方法は、「GPIO」 を参照ください。

表20.9 拡張 I/O ボード CON3 ピンと GPIO 番号の対応

ピン番号 ピン名 GPIO番号

3,4

DI 1

504

3,5

DI 2

505

6,7

DO 1

506

8,9

DO 2

507


[ティップ]消費電力を抑えるために

本製品で使用しているGPIO Expanderの未使用ピン4本を入力から出力に切り替えることで、 未使用ピンの入力レベル不定による消費電力増加を抑えることができます。 (電源投入時GPIO ExpanderのI/Oピンはすべて入力にリセットされます。拡張 I/O ボード用 DTB を適用すると CON2 の未使用I/OピンはArmadillo起動時、自動的に出力に切り替えられます。)

表20.10 12V電源時シャットダウン消費電力(参考)

未使用ピンを入力状態にした場合

約12mW

未使用ピンを出力状態にした場合

約1.5mW


[ティップ]

表20.9「拡張 I/O ボード CON3 ピンと GPIO 番号の対応」 に示した GPIO は、I2C GPIO Expander の全入力ポートのどれかに変化があった際、割り込みが発生します。ピン単位での割り込み指定・検出はできません。 そのため、入力値の変化を無視したいポートに対しては、いったん割り込みを受けてからソフト側でポートの値を読み、無視する・しないを判断する機構が必要となります。

[ティップ]Armadillo 本体電源オフ後もピンの状態を保持する方法

拡張 I/O ボードの CON3 ピン 1,2 から電源を入力することで、Armadillo-IoT ゲートウェイ A6 本体の電源をオフしても 拡張ボード上のピンの状態を保持することができます。その場合、 Armadillo-IoT ゲートウェイ A6 再起動後 GPIO をエクスポートする際 export に out の値を設定するとピンの状態が LOW レベルになってしまいます。この対処として、以下のスクリプトの様に direction を設定する前に値をチェックし、値に応じて high または low に direction を設定することで Armadillo-IoT ゲートウェイ A6 の電源を再投入した後も値を保持したままにできます。

#!/bin/sh

if [ $# -lt 1 ]; then
        echo "set-gpio-direction-out GPIO_NUMBER"
        exit 1
fi

echo "$1" > /sys/class/gpio/export
val=$(cat /sys/class/gpio/gpio"$1"/value)

if [ "$val" = "0" ]; then
        echo low > /sys/class/gpio/gpio"$1"/direction
elif [ "$val" = "1" ]; then
        echo high > /sys/class/gpio/gpio"$1"/direction
else
        echo "value is illigal[$val]."
fi

20.2.9.4. スリープモードからの起床条件設定

拡張 I/O ボードを使用することで、「スリープモードへの遷移と起床」 に説明のあるスリープモードからの起床条件として、RS485 (uart1) データー受信による起床と、I2C GPIO Expander の割り込みによる起床が可能となります。それぞれの設定方法を以下に示します。

RS485 (uart1) データー受信を起床条件として有効にする手順です。

[armadillo ~]# aiot-set-wake-trigger all disabled 1
[armadillo ~]# echo enabled > /sys/bus/platform/drivers/imx-uart/2020000.serial/tty/ttymxc0/power/wakeup 2

1

全ての起床条件をクリアします。

2

uart1 を有効に設定します。

I2C GPIO expander の割り込みを起床条件として有効にする手順です。

[armadillo ~]# aiot-set-wake-trigger all disabled 1
[armadillo ~]# echo enabled > /sys/bus/platform/devices/i2c-gpio1/i2c-4/4-0020/power/wakeup 2

1

全ての起床条件をクリアします。

2

I2C GPIO expander の割り込みを有効に設定します。

複数の起床条件を設定する場合は、全ての起床条件をクリアするコマンドは最初にだけ入力してください。