フラッシュメモリの内容を書き換えることで、Armadilloの機能を変更することができます。この章ではフラッシュメモリの書き換え方法を説明します。
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何らかの原因により「書き換えイメージの転送」に失敗した場合、Armadilloが正常に起動しなくなる場合があります。書き換えの際は次の点に注意してください。
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作業用PCにダウンローダをインストールします。
ダウンローダの種類には、表 5.1. 「ダウンローダ一覧」のようなものがあります。
表 5.1. ダウンローダ一覧
ダウンローダ | OSタイプ | 説明 |
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hermit-at | Linux | Linux用のCUIアプリケーションです。 |
shoehorn-at | Linux | Linux用のCUIアプリケーションです。 |
hermit-at-win | Windows | Windows用のGUIアプリケーションです。 |
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ATDE(Atmark Techno Development Environment)を利用する場合、ダウンローダパッケージはすでにインストールされているので、インストールする必要はありません。
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付属CDのdownloader/debディレクトリよりパッケージファイルを用意し、インストールします。必ずrootユーザで行ってください。
付属CDのdownloader/win32/hermit-at-win_[version]
.zip
を任意のフォルダに展開します。
フラッシュメモリの書き込み先頭アドレスは、領域(リージョン)名で指定することができます。書き込み領域毎に指定するイメージファイルは、表 5.2. 「リージョン名と対応するイメージファイル
」のようになります。
表 5.2. リージョン名と対応するイメージファイル
[]
製品 | 領域名 | ファイル名 |
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Armadillo-210 | bootloader | loader-armadillo2x0-[version] .bin |
kernel | linux-a210-[version] .bin.gz |
userland | romfs-a210-recover-[version] .img.gz romfs-a210-base-[version] .img.gz |
Armadillo-220/230/240 | bootloader | loader-armadillo2x0-eth-[version] .bin |
kernel | linux-a2x0-[version] .bin.gz |
userland | romfs-a2x0-recover-[version] .img.gz romfs-a2x0-base-[version] .img.gz |
Armadillo-9 | bootloader | loader-armadillo9-[version] .bin |
kernel | linux-[version] .bin.gz |
userland | romfs-[version] .img.gz |
Armadillo-300 | ipl | ipl-a300.bin(※書き換え不可) |
bootloader | loader-armadillo-3x0-[version] .bin |
kernel | linux-a300-[version] .bin.gz |
userland | romfs-a300-[version] .img.gz |
Armadillo-500 | bootloader | loader-armadillo5x0-[version] .bin |
kernel | linux-a500-[version] .bin.gz |
userland | romfs-a500-[version] .img.gz |
Armadillo-500 FX | bootloader | loader-armadillo5x0-fx-[version] .bin |
kernel | linux-a500-fx-[version] .bin.gz |
userland | romfs-a500-fx-[version] .img.gz |
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一部製品のユーザーランドには、RecoverとBaseという2種類のイメージファイルが用意されています。Recoverイメージは、出荷状態でオンボードフラッシュメモリに書き込まれていて、各製品の特徴や性能を利用するアプリケーションが含まれています。Baseイメージは、開発のベースとなるように、基本的なアプリケーションやツールのみが含まれています。 |
5.3. Hermit-Atダウンローダを使用してフラッシュメモリを書き換える
ここでは、Hermit-Atダウンローダを使用してフラッシュメモリを書き換える手順について説明します。項5.1. 「ダウンローダのインストール」でインストールしたHermit-Atダウンローダを使用します。これは、Armadilloのブートローダーと協調動作を行い、作業用PCからArmadilloのフラッシュメモリを書き換えることができます。
項2.3. 「ジャンパピンの設定について」を参照し、Hermit-Atを起動してください。
Armadilloと接続している作業用PCのシリアルインターフェースが他のアプリケーションで使用されていないことを確認します。使用されている場合は、該当アプリケーションを終了するなどしてシリアルインターフェースを開放してください。
図 5.2. 「ダウンロードコマンド」のようにコマンドを実行します。
download
はhermitのサブコマンドの一つです。--input-file
で指定されたファイルをターゲットボードに書き込む時に使用します。--region
は書き込み対象の領域を指定するオプションです。下記の例では、「kernel領域にlinux.bin.gzを書き込む」という命令になります。
シリアルインターフェースがttyS0以外の場合は、図 5.3. 「ダウンロードコマンド(ポート指定) 」のように--port
オプションを使用してポートを指定してください。
bootloaderリージョンは、誤って書き換えることがないように簡易プロテクトされています。書き換える場合は、図 5.4. 「ダウンロードコマンド(アンプロテクト)[]」のように--force-locked
オプションを使用して、プロテクトの解除をしてください。
hermit-at-win.exeを実行します。図 5.5. 「Hermit-At:Downloadウィンドウ」が表示されます。
Armadilloと接続されているシリアルインターフェースを「Serial Port」に指定してください。ドロップダウンリストに表示されない場合は、直接ポートを入力してください。
Imageには書き込むファイルを指定してください。Regionには書き込み対象のリージョンを指定してください。allやbootloaderリージョンを指定する場合は、Force Lockedをチェックしてください。
すべて設定してから実行ボタンをクリックします。図 5.6. 「Hermit-At:downloadダイアログ」が表示されます。
ダウンロードの設定と進捗状況が表示されます。ダウンロードが完了するとダイアログはクローズされます。
5.4. netflashを使用してフラッシュメモリを書き換える
Linuxアプリケーションのnetflashを使用してフラッシュメモリを書き換えることができます。netflashは、所属するネットワークにあるHTTPサーバーやFTPサーバーが公開しているファイルをダウンロードしてフラッシュメモリを書き換えることができます。
Armadilloにログインし、図 5.7. 「netflashコマンド例」のようにコマンドを実行します。
オプションの"-r [デバイスファイル名]"で書き込み対象のリージョンを指定しています。表 5.3. 「リージョンとデバイスファイルの対応」を参照してください。その他のオプションについては、netflash -hで詳細を確認する事ができます。
表 5.3. リージョンとデバイスファイルの対応
リージョン | デバイスファイル |
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カーネル | /dev/flash/kernel |
ユーザランド | /dev/flash/userland |
loader-armadillo9-notty
が書き込まれているArmadillo-9のブートローダーを書き換えるときや、不正なブートローダーを書き込んでしまいArmadillo-9がブートできなくなってしまった場合の対処方法について説明します。
Armadillo-9は、CPUオンチップブートROMを実装しています。このROMに格納されているソフトウェアを使用して、ブートローダーを出荷状態に戻すことができます。以下にその手順を説明します。
Armadilloの電源が切断されていることを確認し、ArmadilloのジャンパJP1をショートに設定してください。
Armadilloと接続している作業用PCのシリアルインターフェースが他のアプリケーションで使用されていないことを確認します。使用されている場合は、該当アプリケーションを終了するなどしてシリアルインターフェースを開放してください。
図 5.8. 「shoehornコマンド例」のようにコマンド[]を実行してから、Armadilloの電源を入れてください。
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上記は、作業用PCのシリアルインターフェース"/dev/ttyS0"にArmadilloを接続した場合の例です。他のシリアルインターフェースに接続した場合は、shoehornコマンドのオプションに
--port [シリアルインターフェース名]
を追加してください。
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すぐにメッセージ表示が開始されます。正常に表示されない場合、Armadilloの電源を切断し、シリアルケーブルの接続やArmadilloのジャンパ設定を再度確認してください。
この状態で、ジャンパの設定変更や電源の切断をしないでCtrl-Cを押してShoehornを終了してから、項5.3. 「Hermit-Atダウンローダを使用してフラッシュメモリを書き換える」を参照してブートローダの書き込みを行ってください。
hermit-at-win.exe
を実行しShoehornボタンをクリックすると、図 5.9. 「Hermit-At:Shoehornウィンドウ」が表示されます。
Targetにarmadillo9を選択して実行ボタンをクリックします。
ダイアログの表示後、Armadilloの電源を入れてください。
すぐにダイアログにメッセージが表示されます。正常に表示されない場合、Armadilloの電源を切断し、シリアルケーブルの接続やArmadilloのジャンパ設定を再度確認してください。
ダウンロードするための準備が完了するとダイアログは自動的にクローズされます。
この状態で、ジャンパの設定変更や電源の切断をしないで項5.3. 「Hermit-Atダウンローダを使用してフラッシュメモリを書き換える」を参照してブートローダの書き込みを行ってください。