第3章 システム概要

3.1. ボード概要

主な仕様は次の通りです。

表3.1 仕様

プロセッサルネサスエレクトロニクス R-Mobile A1(R8A77404DBA)
CPUコア

メイン: ARM Cortex-A9

- 命令/データキャッシュ 32kByte/32kByte

- L2キャッシュ 256kByte

- メディアプロセッシングエンジン(NEON)搭載

- 浮動小数点コプロセッサ(VFPv3)搭載

リアルタイム制御用: SH-4A

システムクロック

CPUコアクロック(ARM Cortex-A9): 792MHz

CPUコアクロック(SH-4A): 594MHz

DDRクロック: 396MHz

源発振クロック: 32.768kHz 24MHz

RAMDDR3 SDRAM: 512MByte バス幅32bit (DDR3-800)
フラッシュメモリNORフラッシュメモリ: 128MByte バス幅16bit
LAN(Ethernet)

RJ-45 x 1

10BASE-T/100BASE-TX AUTO-MDIX対応

USB

USB Type Aコネクタ x 2

SD/MMCSDスロット x 1
HDMI

HDMI Type A コネクタ x 1

解像度最大1920 x 1080ピクセル(Full HD)

リニアPCM音声

CEC対応

シリアル(UART)

3.3V CMOS x 1

フロー制御ピンあり(CTS、RTS)

最大データ転送レート:1Mbps

拡張インターフェース1(Cコネクタ)

LCD x 1、カメラ x 1、コンポジットビデオ x 1、SD/MMC x 1、eMMC x 1、USB(Host/Device) x 1、UART x 7、SPI x 2、I2S x 1、I2C x 1、PWM x 4、GPIO x 76、キースキャン x 1[a]

拡張インターフェース2(Dコネクタ)カメラ x 2、UART x 5、I2C x 1、PWM x 3、GPIO x 36[a]
カレンダー時計

リアルタイムクロック

外部バックアップ用電源入力コネクタ搭載

スイッチリセットスイッチ
JTAG10ピン(2.54mmピッチ)[b]
LED黄色(面実装) x 2
電源電圧DC 5V±5%
消費電力2.0W(Typ.)[c]
使用周囲温度-20~70℃(ただし結露なきこと)
基板サイズ98 x 60mm(突起部を除く)

[a] 各々のチャンネル数はR-Mobile A1のマルチプレクス機能で、他の機能を無効化して優先的に設定した場合のチャンネル数となります。

[b] オプション品の「8ピンJTAG変換ケーブル(Armadillo-400/800シリーズ対応)」(OP-JC8P25-00)を使用してARM標準20ピンに変換することが可能です。

[c] 外部接続機器の消費分は含みません。


3.2. ブロック図

ブロック図は次の通りです。

ブロック図

図3.1 ブロック図


3.3. 電気的仕様

3.3.1. 絶対最大定格

表3.2 絶対最大定格

項目記号MinMax単位備考
電源電圧VIN-0.35.3V 
入力電圧VIO-0.5VCC_3.3V+0.5V 
動作温度範囲Topr-2070ただし結露なきこと

[警告]

絶対最大定格はあらゆる使用条件、又は試験条件であっても瞬時たりとも越えてはならない値です。上記の値に対して余裕をもってご使用ください。

3.3.2. 推奨動作条件

表3.3 推奨動作条件

項目記号MinTypMax単位備考
電源電圧VIN4.7555.25V 
使用周囲温度Ta-202570ただし結露なきこと

3.3.3. 入出力インターフェースの電気的仕様

表3.4 入出力インターフェースの電気的仕様

項目記号MinTypMax単位備考
入出力インターフェース電源電圧VCC_3.3V3.1353.33.465V 
入力電圧VIHVCC_3.3Vx0.8-VCC_3.3V+0.3V 
VIL-0.3-VCC_3.3V x 0.2V 
出力電圧VOHVCC_3.3V-0.5--VIOH=-2mAの時
VOL--0.5VIOL=2mAの時
出力電流(per pin)IOL--2.0mA 
IOH---2.0mA 
出力電流(total)ΣIOL--120mA 
ΣIOH---40mA 
出力電流(I2C)I2C_IOL--5mA 
プルアップ/ダウン抵抗値PULL2550100 

3.4. ソフトウェア構成

本章ではArmadillo-840で動作するソフトウェアの構成について説明します。

Armadillo-840で利用可能なソフトウェアを表3.5「Armadillo-840で利用可能なソフトウェア」に示します。

表3.5 Armadillo-840で利用可能なソフトウェア

ソフトウェア説明
Hermit-Atブートローダーです。Linuxカーネルを起動させる機能の他に、ダウンローダーと協調動作を行いフラッシュメモリを書き替える機能など様々な機能を持っています。工場出荷状態ではブートローダーイメージはフラッシュメモリに配置されていますが、プロセッサ(R-Mobile A1)の機能によりSDカードに配置することもできます。
Linuxカーネルバージョン3.x系のLinuxカーネルです。工場出荷状態ではLinuxカーネルイメージはフラッシュメモリに配置されていますが、Hermit-Atの機能によりSDカードに配置することもできます。
Atmark DistuClinux-distをベースにしたアットマークテクノ製品向けのLinuxディストリビューションです。フラッシュメモリ向けのユーザーランドを提供します。工場出荷状態ではAtmark Distユーザーランドイメージはフラッシュメモリに配置されていますが、SDカードなどのストレージに配置することもできます。
Debian GNU/LinuxDebian Projectによって作成されたLinuxディストリビューションです。パッケージ管理システムを備えているため、Debian Projectが提供する豊富なソフトウェアパッケージを簡単に追加することができます。利用する場合は、SDカードなどのストレージデバイスに構築する必要があります。
armhfアーキテクチャ用OpenGL ES2ライブラリarmhfアーキテクチャ用のOpenGL ES2ライブラリです。GPU(PowerVR SGX540)を利用するために必要です。
AVコーデックミドルウェアH.264/AACデコードなどに対応したミドルウェアです。[a]

[a] 現在は使用することができません。2013年秋以降に順次ダウンロード提供を開始する見込です。


Armadillo-840のフラッシュメモリのメモリマップを表3.6「フラッシュメモリ メモリマップ」に示します。

表3.6 フラッシュメモリ メモリマップ

物理アドレスパーティション名サイズ工場出荷状態で書き込まれているソフトウェア

0x04000000

0x0403FFFF

bootloader256kByte

Hermit-Atブートローダーイメージ

0x04040000

0x0407FFFF

config256kByte

アプリケーションの設定情報など

0x04080000

0x040BFFFF

license256kByte

AVコーデックミドルウェアライセンス

0x040C0000

0x044BFFFF

firmware4MByte

armhfアーキテクチャ用OpenGL ES2ライブラリ

AVコーデックミドルウェア[a]

0x044C0000

0x048BFFFF

kernel4MByte

Linuxカーネルイメージ

0x048C0000

0x0BFFFFFF

userland119.25Mbyte

Atmark Distユーザーランドイメージ

[a] 現在は使用することができません。2013年秋以降に順次ダウンロード提供を開始する見込です。