本章では、SDカードから直接起動(以降「SDブート」と表記します)する手順を示します。SDブートを活用すると、SDカードを取り替えることでシステムイメージを変更することができます。 本章に示す手順を実行するためには、容量が1GByte 以上のSD カードを必要とします。以下では、例としてDebian GNU/Linux 6.0(コードネーム squeeze)をSDブートする手順を示しますが、他のOSをSDブートすることも可能です。
作業用PCで、SDブートを行うためのSDカードを作成します。このSDカードをブートディスクと呼びます。本章で作成するブートディスクの構成については表9.1「ブートディスクの構成」を参照してください。
表9.1 ブートディスクの構成 パーティション番号 | ファイルシステム | 配置するファイル |
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1 | VFAT | ブートローダーイメージファイル | 2 | ext3 | ルートファイルシステムおよびカーネルイメージファイル |
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ブートローダーイメージファイルをブートディスクに配置する場合、次の制約があります。
本章に示す手順を実行した場合、問題になることはありませんが、独自のブートディスクを作成する場合は注意してください。
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SDブートは、CON7(SDインターフェース1)にのみ対応しています。CON8でSDブートすることはできません。
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ブートディスク作成時のコマンドは、ATDEで実行した場合の例です。Armadillo-800 EVAでも同様の手順でブートディスクを作成することができますがデバイスファイル名など一部異なるため、適宜読み替えてください。
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9.1.1. ブートディスクの作成に必要なファイルの取得
表9.2「ブートディスクの作成に必要なファイル」に示す、ブートディスクの作成に必要なファイルを取得します。これらのファイルはArmadilloサイト(http://armadillo.atmark-techno.com)または、付属DVD-ROMから取得可能です。
表9.2 ブートディスクの作成に必要なファイル ファイル | 説明 |
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loader-armadillo800eva-mmcsd-v[version].bin | ブートローダーイメージファイル | debian-squeeze_a800eva_[version].tar.gz | Debian GNU/Linux 6.0 ルートファイルシステムアーカイブ | linux-a800eva-[version].bin | カーネルイメージファイル |
「パーティションの作成」で作成したそれぞれのパーティションにファイルシステムを構築します。
作業用PCにSDカードを接続したまま、図9.3「ファイルシステム作成手順」のようにファイルシステムを作成します。
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ファイルシステムの構築にmkfs.vfatコマンド(dosfstoolsパッケージ)を使用します。作業用PCにインストールされていない場合は、次のようにインストールを行ってください。
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「システムイメージの展開」で展開したDebian GNU/Linux 6.0 ルートファイルシステムは、eMMC パーティション2 をルートファイルシステムとして使用するように設定されています。図9.5「fstabの編集」に示すように、"/dev/mmcblk0p2"を"/dev/mmcblk1p2"に修正します。
「ブートディスクの作成」で作成したブートディスクから起動します。Armadillo-800 EVA に電源を投入する前に以下の準備を行います。
SDスロット1(CON7)にブートディスクを接続します。 ブートディスクのブートローダーから起動するためにディップスイッチの起動デバイス設定をSDHI0(SW1.2をON、SW1.3をOFF)に設定します。 ブートローダーを保守モードで起動するためにディップスイッチの起動モード設定を(SW1.1)をONに設定します。
準備の完了後、電源を投入すると保守モードで起動します。図9.6「ブートディスクからの起動」を参照して、ブートディスクのカーネルおよびルートファイルシステムを使用するよう設定後、bootコマンドで起動してください。
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