Armadillo のセットアップ

Armadillo-610 上で Node-RED を使用するためのセットアップ方法を説明します。 Armadillo-610 に Node-RED 対応用のインストールディスクをインストールし、開発用パソコンと Armadillo-610 を有線 LAN で繋がる様にします。 セットアップが完了すると Node-RED の起動画面が表示されます。

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図3.1 初回起動時の Node-RED 画面


3.1. 作業の前に

3.1.1. 開発セット内容物の確認

開発セットに同梱されている内容物は、同梱の内容物一覧でご確認いただけます。 お使いになる前に、内容物がすべて揃っていることをご確認ください。 万一、内容物の不足または部品の破損等がございましたら、ご購入の販売代理店までご連絡ください。

3.1.2. 開発に必要なもの

Armadillo-610 上で Node-RED を使用するためには以下のものが必要です。

表3.1 開発に必要なもの

品目説明

Armadillo-610 開発セット

本製品です。

開発用パソコン

Linux または Windows が動作し、ネットワークインターフェースと 1 つ以上の USB ポート、microSD ポートを持つパソコンです。

有線 LAN ケーブル

本ガイドではArmadillo-610と開発用パソコンを有線 LAN で接続する前提で記載しています。

512MB 以上の microSD カード

Node-RED の開発環境をインストールするために使用します。開発用パソコンの SD ポートが microSD ではなく、SD/miniSD ポートの場合、microSD へ変換するアダプターも必要となります。


3.1.3. 接続方法

Armadillo-610開発セットと周辺装置の接続例を図3.2「Armadillo-610 開発セットの接続例」に示します。

開発用パソコンとのファイル転送やインターネットへの接続は、LAN を介して行いますので LAN ケーブルを接続してください。

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図3.2 Armadillo-610 開発セットの接続例


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Armadillo-610 開発セット
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ACアダプタ(12V/2A)
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作業用PC
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USBシリアル変換アダプタ
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USB2.0ケーブル(A-miniBタイプ)
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LAN HUB
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Ethernetケーブル
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USBメモリ
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microSDカード
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SDカード
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スピーカー
[警告]

ACアダプタから電源を供給する際、DCプラグをArmadillo-610 拡張ボードのDCジャックに接続してから、ACプラグをコンセントに接続 してください。 突入電流により、故障する可能性があります。

[警告]

シリアルインターフェース(Armadillo-610 拡張ボード: CON3)にUSBシリアル変換アダプタを接続する際は、 ケーブルの根本を軽く握り、指先でコネクタを押すようにして挿入してください。 取り外しの際は、全ケーブルが均等に引きぬかれるようにケーブルをつかみ、引き抜いてください。 また、両コネクタを水平にして挿入・抜去してください。 30°以上傾けた状態での斜め挿入・抜去は、端子変形、ケース破損の原因となります。

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図3.3 USBシリアル変換アダプタの挿抜角度


[警告]

Armadillo-610 開発セットに同梱されているスピーカーを直接端子台に取り付ける場合、 8~9mmワイヤーストリッパー等で剥いてください。 剥かずに取り付けた場合、音がでない等のトラブルの原因となる可能性があります。

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図3.4 スピーカーのリード線


3.2. Node-RED コンテナをインストールする

SWUpdate の機能を使用して SWU で Armadillo Base OS を最新版にアップデートし、Node-RED コンテナをインストールします。 SWUpdate で使用する SWU イメージは以下から取得可能です。

上記で取得した SWU イメージを USB メモリに配置します。 USBメモリを Armadillo-610 に接続すると自動的にアップデートが始まります。アップデート終了後に Armadillo-610 は自動で再起動します。

3.3. インターフェースレイアウト

Armadillo-610および開発セット付属の拡張ボードインターフェースレイアウトは次のとおりです。 各インターフェースの配置場所等を確認してください。

[警告]

コネクタの挿抜寿命を記載していますが、製品出荷時における目安であり、 実際に挿抜可能な回数を保証するものではありません。 また、無理な挿抜は接触不良や破損の原因となりますので、取り扱いには十分ご注意ください。

3.3.1. Armadillo-610 インターフェースレイアウト

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図3.5 Armadillo-610 インターフェースレイアウト


表3.2 Armadillo-610 インターフェース内容

部品番号インターフェース名 形状 備考

CON1

SDインターフェース

microSDスロット(ヒンジタイプ)

CON2

拡張インターフェース

基板間コネクタ100ピン(0.4mmピッチ)

挿抜寿命: 20回

CON10

JTAGインターフェース

ピンヘッダ 8ピン(2mmピッチ)

コネクタ非搭載

LED5

ユーザーLED

LED(黄色,面実装)


3.3.2. Armadillo-610 拡張ボード インターフェースレイアウト

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図3.6 Armadillo-610 拡張ボード インターフェースレイアウト


表3.3 Armadillo-610 拡張ボード インターフェース内容

部品番号 インターフェース名 形状 備考

CON1

SDインターフェース

SDスロット

CON2

LANインターフェース

RJ-45コネクタ

CON3

シリアルインターフェース

ピンヘッダ7ピン(1.25mm ピッチ)

挿抜寿命: 40回

CON4

Armadillo-610インターフェース

基板間コネクタ100ピン(0.4mmピッチ)

挿抜寿命: 20回

CON5

USBホストインターフェース

Type-Aコネクタ(2ポートスタック)

CON6

USB OTGインターフェース

Micro-ABコネクタ

CON7

Groveインターフェース

ピンヘッダ 4ピン(2.54mmピッチ)

CON8

ピンヘッダ 4ピン(2.54mmピッチ)

CON9

ピンヘッダ 4ピン(2.54mmピッチ)

CON10

ピンヘッダ 4ピン(2.54mmピッチ)

CON11

LCDインターフェース

FFCコネクタ 50ピン(0.5mmピッチ)

挿抜寿命: 20回

CON12

電源入力インターフェース

DCジャック

対応プラグ: 内径 2.1 外形5.5mm

CON13A

電源出力インターフェース

端子台 2ピン

CON13B

DIDOインターフェース

端子台 7ピン

CON13C

RS-485インターフェース

端子台 3ピン

CON13D

オーディオインターフェース

端子台 2ピン

CON14

電源出力インターフェース

ピンヘッダ 2ピン(2.54mmピッチ)

コネクタ非搭載

CON15

RTCバックアップインターフェース

電池ボックス

対応電池: CR2032

CON16

ピンヘッダ 2ピン(2.54mmピッチ)

コネクタ非搭載

CON17

内蔵RTCバックアップインターフェース

ピンヘッダ 2ピン(2.54mmピッチ)

コネクタ非搭載

CON18

WLANインターフェース

基板間コネクタ34ピン(0.5mmピッチ)

CON19

拡張インターフェース

ピンヘッダ10ピン(2.54mmピッチ)

コネクタ非搭載

CON20

ピンヘッダ40ピン(2.54mmピッチ)

コネクタ非搭載

CON21

ピンヘッダ10ピン(2.54mmピッチ)

コネクタ非搭載

CON22

ピンヘッダ10ピン(2.54mmピッチ)

コネクタ非搭載

CON23

リセットインターフェース

ピンヘッダ 2ピン(2.54mmピッチ)

コネクタ非搭載

CON24

電源入力インターフェース

ピンヘッダ 6ピン(2.54mmピッチ)

コネクタ非搭載

JP1

起動デバイス設定ジャンパ

ピンヘッダ 2ピン(2.54mmピッチ)

SW1

ユーザースイッチ

タクトスイッチ

SW2

リセットスイッチ

タクトスイッチ

SW3

ONOFFスイッチ

タクトスイッチ

LED1

LANスピードLED

LED(緑色,面実装)

LED2

LANリンクアクティビティLED

LED(黄色,面実装)

LED3

ユーザーLED

LED(緑色,面実装)

TH7

Armadillo-610用スタッド

スペーサー M3 (L=3mm)

TH8

スペーサー M3 (L=3mm)

TH13

WLAN用スタッド

スペーサー M2 (L=1.5mm)

TH14

スペーサー M2 (L=1.5mm)


3.4. ネットワークに接続する

Node-RED の開発をするパソコンと Armadillo のネットワークを接続するために Armadillo-610 の IP アドレスを取得または設定します。

Armadillo の有線 LAN は、初期状態で DHCP の設定となっておりますので、DHCP が稼働している有線 LAN に接続した場合は、なんらかの IP アドレスが付与された状態になっています。

DHCP で IP アドレスが付与される環境の場合、ABOS Web を使用することで IP アドレスの確認が可能です。

  1. Armadillo-610 を 「Node-RED コンテナをインストールする」 でセットアップを済ませた場合は ABOS Web が起動しています。 再起動がまだの場合は電源を再投入します。
  2. 開発用パソコンで Web ブラウザーを起動し https://armadillo.local:58080 にアクセスします。

    [ティップ]

    ABOS Web が動作する Armadillo が、同じ LAN 上に複数ある場合、ABOS Web に接続する URL のホスト名部分(armadillo.local)は、2 台目は armadillo-2.local、3 台目は armadillo-3.local と、違うものが自動的に割り当てられます。この場合どの URL がどの Armadillo かを判別するのは難しいので固定 IP アドレスを設定し、IP アドレスで指定できるようにする方法があります。固定 IP アドレスの設定方法は「Armadillo の有線 LAN に固定 IP アドレスを設定する」を参照ください。

  3. 初回接続時は、ABOS Web のパスワードを設定する必要がありますので、設定します。

    images/abos-images/abos-web/new-password.png

    図3.7 パスワード登録画面


  4. "初回ログイン"のパスワード登録画面で、"パスワード" フィールドと "パスワード(確認)" フィールドに、登録したいパスワードを入力してから、"登録" ボタンをクリックしてください。パスワード登録完了画面が表示されたら、パスワード登録の完了です。

    images/abos-images/abos-web/new-password_success.png

    図3.8 パスワード登録完了画面


  5. ログインします。

    images/abos-images/abos-web/login.png

    図3.9 ログイン画面


  6. 左のメニューから「状態一覧」を選択します。

    images/node-red/common-images/abos-web-show-status.png

    図3.10 状態一覧を選択


  7. 「LAN 情報」の「IP アドレス」の欄に有線 LAN の IP アドレスが表示されていますのでメモしておいてください。

    images/node-red/common-images/abos-web-show-lan-ip.png

    図3.11 LAN 情報


3.4.1. Armadillo の有線 LAN に固定 IP アドレスを設定する

DHCP サーバーが存在しない環境で開発を行う場合、Armadillo-610に固定の IP アドレスを付与して開発を行います。

Armadillo にシリアルコンソールを接続してコマンドを入力する必要があります。USBシリアル変換アダプタの接続方法は 「接続方法」 を参照ください。

  1. Armadillo-610 と開発用パソコンを開発セットに同梱されています USB(A オス-microB)ケーブルで接続します。Armadillo-610 側は 図3.2「Armadillo-610 開発セットの接続例」 に示す「images/common-images/callouts/4.svgUSBシリアル変換アダプタ」に microB を、開発用パソコン側は Type-A を接続してください。
  2. 開発用パソコンでシリアルコンソールを開きます。対応しているソフトウェアは、Windows OS であれば TeraTerm、Linux であれば minicom などがありますので、インストールしてご利用ください。
  3. ソフトウェアのシリアル設定を表3.4「シリアル通信設定」に示します。

表3.4 シリアル通信設定

項目設定

転送レート

115,200bps

データ長

8bit

ストップビット

1bit

パリティ

なし

フロー制御

なし


  1. Armadillo-610 の AC アダプターをコンセントに繋ぎ電源を投入します。
  2. シリアルコンソールに以下のようにログインプロンプトが表示されましたら、root ユーザーでログインします。特に設定していない場合の root ユーザーの初期パスワードは root です。

    Welcome to Alpine Linux 3.18
    Kernel 5.10.197-0-at on an armv7l (/dev/ttymxc2)
    
    armadillo login:
  3. "Wired connection 1" に固定 IP アドレスを設定します。

    [armadillo ~]# nmcli connection modify "Wired connection 1" \
    ipv4.method manual ipv4.addresses 192.0.2.10/24 ipv4.gateway 192.0.2.1
  4. 有線 LAN eth0 を再起動します。

    [armadillo ~]# nmcli connectio down "Wired connection 1"
    [armadillo ~]# nmcli connectio up "Wired connection 1"
  5. 設定された IP アドレスは ip addr コマンドで確認できます。

    [armadillo ~]# ip addr show eth0
    2: eth0: ...中略...
        inet 192.0.2.10/24 brd 192.0.2.255 scope global noprefixroute eth0
           valid_lft forever preferred_lft forever
    ... 後略 ...
  6. 設定を永続化するために、persist_file コマンドを実行してください。

    [armadillo ~]# persist_file /etc/NetworkManager/system-connections/"Wired connection 1.nmconnection"

3.5. Node-RED に接続する

パソコンの Web ブラウザから、「ネットワークに接続する」 で取得した IP アドレスを使用して、 http://<ipアドレス>:1880/ にアクセスしてください。

Node-RED の起動画面が表示されたらセットアップは終了です。

images/node-red/common-images/start.png

図3.12 初回起動時の Node-RED 画面