3.3. コンパクトフラッシュの活線挿入時にリセットがかかる (A500-Erratum #3)
動作中基板にコンパクトフラッシュを挿入した際、CPUリセットがかかることがあります。
動作中の基板にコンパクトフラッシュを挿入した際、I/O電圧が一時低下し、電圧監視ICの閾値を超えてリセットが入ることがあります。
コンパクトフラッシュへの電源供給をゆるやかに行うように回路を追加しました。
以下について、修正対応済みです。
上記対応後であっても、ソケットへの電源供給がONの状態でコンパクトフラッシュを挿入した場合は、リセットが入ることがあります。コンパクトフラッシュへの電源供給状態については、ソフトウェアで正しく管理してください。
3.5. NAND型フラッシュメモリとEthernet/NOR型フラッシュメモリの同時使用時にエラーが発生する (A500-Erratum #5)
NAND 型フラッシュメモリとEthernet、またはNAND型フラッシュメモリとNOR型フラッシュメモリを同時使用した場合、エラーが発生することがあります。
i.MX31のエラッタ「TLSbo74193」により、Nand Flash Controler(NFC)とWEIM(Ethernet及びNOR型フラッシュメモリが接続されている)が同時使用できません。
NAND型フラッシュメモリとEthernet、またはNAND型フラッシュメモリとNOR型フラッシュメモリを同時使用しない設計としてください。
i.MX31のエラッタについては、Freescale Semiconductor社ドキュメント「MCIMX31 and MCIMX31L Chip Errata」を参照してください。
3.6. HI-SPEED接続USBデバイスとの通信でエラーが発生する (A500-Erratum #6)
HI-SPEEDで接続されたUSBデバイスとの通信時、データ転送でエラーが発生する場合があります。
USB PHYデバイスNXP社製ISP1504のエラッタ「Erratum 3」により、正常に通信ができない場合があります。
ISP1504のエラッタ情報を元にして、対策を行います。
この問題は、将来リビジョンのベースボードで修正予定です。
ISP1504のエラッタについては、NXP社ドキュメント「ISP1504_Errata_080225」を参照してください。
3.7. フラッシュメモリのWAIT信号とベースボードのECB信号が衝突する (A500-Erratum #7)
Armadillo-500 CPU モジュールに搭載されたフラッシュメモリのWAIT出力信号と、ベースボードの外部拡張メモリバスインターフェースのECB*出力信号が衝突するタイミングがあります。
フラッシュメモリのWAIT信号とベースボードのECB*信号が共にi.MX31のECBに接続されているため、両信号が同時に出力になると衝突が発生します。Armadillo-500 開発セットでは、ベースボードのECB*信号出力は通常High出力となっており、フラッシュメモリのWAIT信号はハイインピーダンスとなっています。WAIT信号は、フラッシュメモリへのリードアクセス時にLow出力となるため、衝突が発生します。
その場合、フラッシュメモリのアクセス期間約100nsecの間衝突が発生し、約25mAの過電流が流れます。なお、衝突時の過電流はデバイスの最大定格電流以下であり、衝突によるデバイスの破壊および故障はありません。
衝突によるデバイスへの影響はないため、既存のベースボードに対するハードウェアの修正は必要ありません。新たにArmadillo-500 CPUモジュール用ボードを設計され、ECB信号を必要としない場合には、ECB信号は未接続で使用されることをお勧めします。
なお、出力信号同士の電圧レベルを合わせることで、衝突時の過電流発生を抑制できます。Hermit ブートローダ hermit-at v1.1.24(ブートローダイメージファイル: loader-armadillo5x0-v1.1.24.bin) 以降では、この対策が適用されています。
上記対策済みのHermit ブートローダでは、フラッシュメモリのWAIT 信号の論理極性設定を変更して出力信号同士の電圧レベルを合わせることで、衝突時の過電流発生を抑制しています。
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対策済みのHermit ブートローダを使用された場合でも電源投入時から本対策の設定を行うまでのあいだに実行されるフラッシュメモリへのリードアクセスがあり、その間はひきつづき衝突が発生します。 |