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「Armadillo(アルマジロ)」は、ARMコアプロセッサ搭載・Linux対応の組み込み機器プラットフォームのブランドです。Armadilloブランド製品には以下の特長があります。
ARMコアプロセッサを搭載しています。1~数ワット程度で動作する省電力設計で、発熱が少なくファンを必要としません。
CPUボードは名刺サイズ程度の手のひらサイズが主流です。名刺1/3程度の小さなCPUモジュールや無線LANモジュール等、超小型のモジュールもラインアップしています。
標準OSにLinuxを採用しており、豊富なソフトウェア資産と実績のある安定性を提供します。ソースコードをオープンソースとして公開しています。
ネットワークインターフェースを標準搭載しています。LinuxのTCP/IPプロトコルスタックと組み合わせて、ネットワーク対応機器の開発も簡単に実現します。
Armadilloの開発環境として、「Atmark Techno Development Environment (ATDE)」を無償で提供しています。ATDEは、VMwareなど仮想マシン向けのデータイメージです。このイメージには、Linuxデスクトップ環境をベースにGNUクロス開発ツールやその他の必要なツールが事前にインストールされています。ATDEを使うことで、開発用PCの用意やツールのインストールなどといった開発環境を整える手間を軽減することができます。
Armadillo-410は、Freescale製ARM9プロセッサ「i.MX257」、LPDDR SDRAM、フラッシュメモリを中心に構成された、Armadillo-400シリーズのCPUボードです。Armadillo-410には以下の特長があります。
50×40mmの超小型サイズでありながら、microSDコネクタをオンボード上に実装。100ピンの拡張コネクタ経由で、Ethernet、USB、GPIOなど組み込み機器に必要とされる機能に加え、LCD、タッチパネル、オーディオなどのマルチメディア機能を自由に拡張可能です。
Armadillo-410は、アプリケーションソフトウェアがArmadillo-440と完全互換になるように設計されており、すでにArmadillo-440用にソフトウェア開発をされている場合でも、無駄にすることがありません。また、製品台数が少ない場合には手軽なArmadillo-440を使って開発し、台数の増加に合せてArmadillo-410に移行することが可能です。
スリープモードを搭載しているほか、通常動作時の消費電力も約1.2Wと省電力設計です。
動作温度範囲は-20℃~+70℃まで対応してしています。産業用途に安心して利用することが可能です。
サンプルとして拡張ボードの回路図が公開されているため、スムーズに開発を進めることが可能です。
Armadillo-410の主な仕様は次のとおりです。
表3.1 Armadillo-410の仕様
Freescale i.MX257 (MCIMX257)
- ARM926EJ-S コア
- 命令/データキャッシュ 16KByte/16KByte
- 内部 SRAM 128KByte
- Thumb code(16bit 命令セット)サポート
CPUコアクロック: 400MHz
BUS クロック: 133MHz
源発振クロック: 32.768kHz, 24MHz
LPDDR SDRAM: 128MByte(16bit幅)
Micron MT46H64M16LFBF-6 IT:Bもしくは同等品
NORフラッシュメモリ 32MByte(16bit幅)
Micron PC28F256P30BFEもしくは同等品
LAN×1、UART×4、USB×2、SD×1、LCD×1、I2S×2、I2C×2、SPI×2、GPIO×35等[a]
[a] 各々のチャンネル数はi.MX257の信号マルチプレクス機能で、他の機能を無効化して優先的に設定した場合のチャンネル数となります。
[b] 外部デバイスの消費電力を除く。
Armadillo-440とArmadillo-410+Armadillo-410 拡張ボードの仕様差分については、付録A Armadillo-440との比較を参照してください。
Armadillo-410のブロック図は次のとおりです。
図3.1 Armadillo-410のブロック図
Armadillo-410の物理メモリマップは次のとおりです。
表3.2 Armadillo-410の物理メモリマップ
[a] i.MX257内部レジスタの詳細は、アットマークテクノ ユーザーズサイトよりダウンロード可能な『i.MX25 Multimedia Applications Processor Reference Manual』を参照してください。