Armadillo-200シリーズでは、自動起動するLinuxのブートオプションを設定することができます。設定はフラッシュメモリ上に保存され、次回のLinux起動時から使用されます。Linuxブートオプションの設定は、Hermitコマンドプロンプトから行います。
| |
---|
設定するLinuxブートオプションを決定するためには、使用するLinuxカーネルについての知識が必要です。オプションの内容と効果については、Linuxカーネルについての文献や、ソースファイル付属ドキュメントを参照してください。 |
| Hermit-ATのモード |
---|
Hermit-ATには、2つのモードがあります。コマンドプロンプトを表示して対話的に動作する「対話モード」と、Hermit-ATダウンローダと通信するための「バッチモード」です。バッチモードではコマンドプロンプトの表示や入力した文字の表示を行いませんが、コマンドの実行は可能です。
起動直後のHermit-ATは必ず対話モードになっています。対話モードからバッチモードに移行するにはチルダ「~」を、バッチモードから対話モードに移行するにはエクスクラメーションマーク「!」を入力します。
Hermit-ATダウンローダと通信を行った場合は、バッチモードに移行します。これは通信を確立するためにHermit-ATダウンローダがチルダを送信するためです。
対話モードからバッチモードに移行したり、バッチモード中に入力したコマンドが成功した場合などは以下のように表示されます。
|
シリアルコンソールソフトの起動
Armadilloのシリアルインターフェース1(と作業用PCをシリアルケーブルで接続し、シリアルコンソールソフトを起動します。次のように通信設定を行ってください。
表7.1 シリアル通信設定
項目 | 設定 |
---|
転送レート | 115,200bps |
データ長 | 8bit |
ストップビット | 1bit |
パリティ | なし |
フロー制御 | なし |
ジャンパピンの設定
Armadilloに電源を投入する前に、ジャンパピンを次のように設定します。
詳しいジャンパピンの設定については、
「ジャンパピンの設定」
を参照してください。
Armadilloの起動
Armadilloに電源を投入すると、Hermitコマンドプロンプトが表示されます。
Hermit-At v1.0.4 (armadillo2x0) compiled at 00:00:00, Jun 1 2006
hermit>
Linuxブートオプションを設定するには、Hermitコマンドプロンプトからsetenvコマンドを使用します。setenvに続けて、設定したいLinuxブートオプションを入力します。
hermit>
setenv console=ttyAM0,115200
| |
---|
Linuxブートオプションが未設定(デフォルト)の場合、ブートローダーはLinuxの起動時に自動的にオプション「console=ttyAM0,115200」を使用してシリアルインターフェース1(ttyAM0)をコンソールにしますが、setenvにより任意のブートオプションを設定した場合は、このオプションは自動使用されません。setenvした場合でもシリアルコンソールを使用する場合、オプションに「console=ttyAM0,115200」を含めてください。
|
設定したブートオプションを使用してLinuxを起動するには、一旦Armadilloの電源を切断し、適切なジャンパ設定を行ってから再度電源を入れ直してください。
7.3. 設定されているLinuxブートオプションの確認
現在設定されているLinuxブートオプションを表示して確認するには、setenvコマンドをパラメータなしで入力します。
hermit>
setenv
1: console=ttyAM0,115200
現在設定されているLinuxブートオプションをクリアし、デフォルトの状態に初期化するには、clearenvコマンドを入力します。
hermit>
clearenv
| |
---|
ブートローダーを書き換えた場合、Linuxブートオプションの領域が壊れてしまい正常に起動しない場合があります。この場合、一度clearenvを実行し、Linuxブートオプション領域を初期化する必要があります。
|
Linuxブートオプションの設定例を紹介します。
ex.1) シリアルコンソールを使用し、Linux起動ログをシリアルインターフェース1(ttyAM0)に表示させる場合
hermit>
setenv console=ttyAM0,115200
ex.2) Linux起動ログを表示させない場合
hermit>
setenv console=null