第1章 はじめに

このたびはArmadillo-210をお求めいただき、ありがとうございます。

Armadillo-210はイーサネットとシリアル、汎用I/Oインターフェースを持つ超小型ネットワークコンピュータです。ご購入頂いた状態で、簡単にシリアル-イーサネット変換通信や汎用I/Oによる外部機器の制御を行うことが可能です。

さらに、標準のOS(オペレーティングシステム)にLinuxを搭載していますので、フラッシュメモリの内容を書き換えることで、Linuxの豊富なソフトウェア資産を利用することができます。また、GNUアセンブラやCコンパイラを使用して、オリジナルのプログラムを作成し実行することも可能です。

本マニュアルには、ご購入状態で利用できる各種機能の利用方法が記載されています。(Armadillo-210をカスタマイズしてご利用される場合は、「Armadillo-210 ソフトウェアマニュアル」を参照して下さい。)

購入状態では次のようなことが可能です。

Windowsから簡単設定

Windows上で動作する「Armadillo-210設定ツール」を用いて簡単に、ネットワーク、シリアル通信、そして汎用I/Oの設定が行えます。

シリアル-イーサネット変換機能

PCからイーサネット経由でシリアル制御機器をコントロールすることが可能です。また、シリアル機器同士をイーサネットでブリッジすることもできます。

汎用I/Oの遠隔監視・遠隔操作

ネットワーク経由で簡単に、汎用I/Oの入力状態の参照や出力の設定、そして入力状態が変化した時の通知を行うことができます。また、ネットワーク通信のプロトコルにSNMPを利用しているため、簡単なプログラムで汎用I/Oの遠隔自動制御が行えます。

ネットワークセキュリティー機能

シリアル-イーサネット変換機能等のネットワークを介したデータ通信において、データ部分を暗号化することで安全にデータ通信を行うことができます。

1.1. 本書および関連ファイルのバージョンについて

本書を含めた関連マニュアル、ソースファイルやイメージファイルなどの関連ファイルは最新版を使用することをおすすめいたします。本書を読み進める前に、Armadilloサイト(http://armadillo.atmark-techno.com)から最新版の情報をご確認ください。

1.2. 対象となる読者

  • ハードウェアの動作確認をされる方

  • ソフトウェアの基本的な使用方法の確認をされる方

上記以外の方でも、本書を有効に利用していただけたら幸いです。

1.3. 本書の構成

本書では、Armadilloの基本的な使用方法について記載されています。

以下に主な項目を挙げます。

  • 接続方法

  • 起動と終了

  • 各種設定方法

  • 各種アプリケーションの使用方法

1.4. 表記について

1.4.1. フォント

本書では以下のような意味でフォントを使いわけています。

表1.1 使用しているフォント

フォント例説明
本文中のフォント本文
[PC ~]$ lsプロンプトとユーザ入力文字列
text編集する文字列や出力される文字列。またはコメント

1.4.2. コマンド入力例

本書に記載されているコマンドの入力例は、表示されているプロンプトによって、それぞれに対応した実行環境を想定して書かれています。「/」の部分はカレントディレクトリによって異なります。各ユーザのホームディレクトリは「~」で表わします。

表1.2 表示プロンプトと実行環境の関係

プロンプトコマンドの実行環境
[PC /]#作業用PC上のrootユーザで実行
[PC /]$作業用PC上の一般ユーザで実行
[armadillo /]#Armadillo上のrootユーザで実行
[armadillo /]$Armadillo上の一般ユーザで実行
hermit>Armadillo上の保守モードで実行

コマンド中で、変更の可能性のあるものや、環境により異なるものに関しては以下のように表記します。適時読み替えて入力してください。

表1.3 コマンド入力例での省略表記

表記説明
[version]ファイルのバージョン番号

1.4.3. アイコン

本書では以下のようにアイコンを使用しています。

[警告]

注意事項を記載します。

[ティップ]

役に立つ情報を記載します。

1.5. 謝辞

Armadilloで使用しているソフトウェアは Free Software / Open Source Softwareで構成されています。Free Software / Open Source Softwareは世界中の多くの開発者の成果によってなりたっています。この場を借りて感謝の意を表します。