第8章 拡張ボード/オプションモジュール

本章では、Armadillo-400シリーズに接続可能な拡張ボードおよびオプションモジュールのハードウェアについて説明します。

8.1. Armadillo-400シリーズ LCD拡張ボード

8.1.1. ボード概要

Armadillo-400シリーズ LCD拡張ボード(以下、LCD拡張ボード)は、Armadillo-400シリーズのLCDインターフェース(CON11)に接続可能な拡張ボードです。タッチパネルLCDモジュール、オーディオコーデック、リアルタイムクロック(以下、RTC)が搭載されています。LCD拡張ボードおよび搭載LCDモジュールの主な仕様は次の通りです。

LCD拡張ボードは、製品リビジョンによって一部仕様が異なりますでご注意ください。製品リビジョンの判定方法は、Armadillo開発者サイト製品マニュアルページの「Armadillo-400シリーズリビジョン情報」にてご確認ください。

表8.1 LCD拡張ボード仕様

LCD I/F

DATA IMAGE社製LCD「FG040360DSSWBG03」用コネクタ x 1

汎用LCD I/Fコネクタ x 1

バックライト用LEDドライバ搭載

オーディオ

WOLFSON社製コーデック「WM8978GEFL/V」搭載

ステレオヘッドホン出力ジャック x 1

モノラルマイク入力ジャック x 1

リアルタイムクロック(RTC) セイコーインスツル社製RTC「S-35390A」搭載
RTCバックアップ 製品リビジョンA 約5日間(周囲温度25℃、参考値)
製品リビジョンB

300秒(Typ.)、60秒(Min.)、

RTC外部バックアップコネクタ(CON8、CON9、CON10)経由で外部バッテリを接続可能

LED/スイッチ

タクトスイッチ x 3

電源LED(緑色) x 1

基板サイズ 106.0 × 82.0 mm (突起部含まず)
電源電圧 製品リビジョンA

主電源:DC3.1~3.3V

LCDバックライト用:DC2.8~5.5V

製品リビジョンB

主電源:DC3.3V±0.2V

LCDバックライト用:DC2.8~5.5V

消費電力 約0.8W(LCDモジュール含む)
使用温度範囲 製品リビジョンA -10~60℃(ただし結露なきこと)
製品リビジョンB -20~70℃(ただし結露なきこと)

[警告]

RTCの平均月差は、周囲温度25℃で±30秒程度(参考値)です。時間精度は、周囲温度に大きく影響を受けますので、ご使用の際は十分に特性の確認をお願いします。

[警告]

RTCバックアップ時間は、周囲温度、電圧印加時間等に大きく影響を受けますので、ご使用の際は十分に特性の確認をお願いします。

[警告]

LCD拡張ボード(製品リビジョンA)に搭載されているRTCバックアップ用の電気二重層コンデンサ(Panasonic社製EECEN0F204RK)は、有限寿命部品です。経時的に容量は減少し、内部抵抗は増大します。

電気二重層コンデンサの寿命予測には、一般的に10℃2倍則が適用できます。

Lx=Lo×2((To-Tx)/10)

ここで、Lo:上限温度における保証寿命(時間)、Lx:実使用時の推定寿命(時間)、To:上限温度(℃)、Tx:実使用時の周囲温度(℃)

メーカーで公開されているEECEN0F204RKの耐久性保証値は、+60℃で500時間(静電容量変化率が初期値の±30%以内、内部抵抗が4kΩ以下)です。周囲温度25℃で使用すると仮定した場合、推定寿命は以下になります。

Tx=500×2((60-25)/10)=約5600時間

なお、電気二重層コンデンサの寿命は充放電サイクル数ではなく、電圧が印加されている時間に影響しますので、上式で算出される時間は累積稼働時間となります。

規定の寿命を超えた場合、急激な特性劣化や液漏れに至る可能性があります。長期連続稼働が想定される量産製品に使用する場合は、定期的な点検・交換を行ってください。

表8.2 搭載LCDモジュール仕様

型式 FG040360DSSWBG03
メーカ DATA IMAGE社
タイプ TFT
色数 24bit
スクリーンサイズ 4.3インチ
バックライト LED (VL=15~18V, IL=40mA)
タッチパネル 4線抵抗膜方式
外形寸法 105.5(W) x 67.2(H) x 4.2(D) mm
アクティブエリア 95.04(W) x 53.856(H) mm
ドット構成 480 x (R, G, B) x 272 dot
ドットピッチ 0.066(W) x 0.198(H) mm
動作温度範囲 -20~70℃

[警告]

評価・開発用途の液晶モデル開発セットでは、タッチパネルLCDモジュールは弾力性のある両面テープによって固定されています。液晶画面に強い力が加わった場合に両面テープがつぶれて液晶フレームと基板配線が接触する可能性があります。液晶画面を必要以上に強く押さないようご注意ください。

量産製品にLCDモジュールを固定する際は、図8.8「LCD拡張ボード(製品リビジョンB)のLCD固定金具の組み立て例」のように固定金具を使用して固定することを推奨します。

8.1.2. インターフェース配置

8.1.2.1. LCD拡張ボード(製品リビジョンA)

LCD拡張ボード(製品リビジョンA)のインターフェース配置

図8.1 LCD拡張ボード(製品リビジョンA)のインターフェース配置


表8.3 LCD拡張ボード(製品リビジョンA)のインターフェース内容

部品番号インターフェース形状備考
CON1Armadillo-400シリーズ接続インターフェース

FFCコネクタ50ピン

(0.5mmピッチ)

 
CON2DATA IMAGE社製LCDインターフェース

FFCコネクタ40ピン

(0.5mmピッチ)

 
CON3モノラルマイク入力ジャックφ3.5mmミニジャック 
CON4ステレオヘッドホン出力ジャックφ3.5mmミニジャック 
CON5リザーブ端子2ピン(2mmピッチ)コネクタ非搭載
CON6汎用LCDインターフェース40ピン(2.54mmピッチ)コネクタ非搭載
CON7リザーブ端子10ピン(2.54mmピッチ)コネクタ非搭載
SW1, SW2, SW3ユーザースイッチタクトスイッチ 
SW4, SW5, SW6リザーブスイッチタクトスイッチスイッチ非搭載
LED1電源LED(緑色)面実装LED 
LED2, LED3リザーブLEDφ3mm LEDLED非搭載

[ティップ]

LCD拡張ボードの各コネクタの信号配列は、付属DVDの/document/hardwareディレクトリに収録されている「Armadillo-400シリーズ LCD拡張ボード回路図」でご確認ください。

[警告]

LCD拡張ボードのCON2とCON6は、共通の信号が接続されていますので同時に使用できません。CON6に他のLCDモジュールを接続する場合は、CON2からDATA IMAGE社製LCDを取り外してご使用ください。

8.1.2.2. LCD拡張ボード(製品リビジョンB)

LCD拡張ボード(製品リビジョンB)のインターフェース配置

図8.2 LCD拡張ボード(製品リビジョンB)のインターフェース配置


表8.4 LCD拡張ボード(製品リビジョンB)のインターフェース内容

部品番号インターフェース形状備考
CON1Armadillo-400シリーズ接続インターフェース

FFCコネクタ50ピン

(0.5mmピッチ)

 
CON2DATA IMAGE社製LCDインターフェース

FFCコネクタ40ピン

(0.5mmピッチ)

 
CON3モノラルマイク入力ジャックφ3.5mmミニジャック 
CON4ステレオヘッドホン出力ジャックφ3.5mmミニジャック 
CON5リザーブ端子2ピン(2mmピッチ)コネクタ非搭載
CON6汎用LCDインターフェース40ピン(2.54mmピッチ)コネクタ非搭載
CON7リザーブ端子10ピン(2.54mmピッチ)コネクタ非搭載
CON8RTC外部バックアップコネクタ1[a]HU2032(タカチ電機工業)対応電池:CR2032またはBR2032
CON9RTC外部バックアップコネクタ2[a]DF13-2P-1.25DS(20)(ヒロセ電機)コネクタ非搭載、対応電池:CR2032 WK11(日立マクセル)等
CON10RTC外部バックアップコネクタ3[a]2ピン(2.54mmピッチ)コネクタ非搭載
SW1, SW2, SW3ユーザースイッチタクトスイッチ 
SW4, SW5, SW6リザーブスイッチタクトスイッチスイッチ非搭載
LED1電源LED(緑色)面実装LED 
LED2, LED3リザーブLEDφ3mm LEDLED非搭載

[a] CON8、CON9、CON10はRTCの外部バックアップコネクタです。電源が切断されても長期間時刻データを保持させたい場合に、別途リチウムコイン電池(CRまたはBR)等の外部バッテリを接続することができます。これらコネクタは共通の端子に接続されていますので、同時に使用することはできません。


[ティップ]

LCD拡張ボードの各コネクタの信号配列は、付属DVDの/document/hardwareディレクトリに収録されている「Armadillo-400シリーズ LCD拡張ボード回路図」でご確認ください。

[警告]

LCD拡張ボードのCON2とCON6は、共通の信号が接続されていますので同時に使用できません。CON6に他のLCDモジュールを接続する場合は、CON2からDATA IMAGE社製LCDを取り外してご使用ください。

[警告]

RTC外部バックアップコネクタ(CON9、CON10)にリチウムコイン電池(CRまたはBR)以外のバッテリを接続する際は、付属DVDの/document/hardwareディレクトリに収録されている「Armadillo-400シリーズ LCD拡張ボード回路図」にて搭載部品の絶対定格値を超えないことをご確認の上、接続してください。

8.1.3. 基板形状図

8.1.3.1. LCD拡張ボード(製品リビジョンA)

LCD拡張ボード(製品リビジョンA)の基板形状および固定穴寸法

図8.3 LCD拡張ボード(製品リビジョンA)の基板形状および固定穴寸法


LCD拡張ボード(製品リビジョンA)のコネクタ位置寸法

図8.4 LCD拡張ボード(製品リビジョンA)のコネクタ位置寸法


8.1.3.2. LCD拡張ボード(製品リビジョンB)

LCD拡張ボード(製品リビジョンB)の基板形状および固定穴寸法

図8.5 LCD拡張ボード(製品リビジョンB)の基板形状および固定穴寸法


LCD拡張ボード(製品リビジョンB)のコネクタ位置寸法

図8.6 LCD拡張ボード(製品リビジョンB)のコネクタ位置寸法


LCD拡張ボード(製品リビジョンB)には、LCDモジュールを金具等で固定する際に利用可能な穴があります。この穴を利用した固定金具の参考寸法図および組み立て例を示します。

LCD拡張ボード(製品リビジョンB)のLCD固定金具の参考寸法図

図8.7 LCD拡張ボード(製品リビジョンB)のLCD固定金具の参考寸法図


LCD拡張ボード(製品リビジョンB)のLCD固定金具の組み立て例

図8.8 LCD拡張ボード(製品リビジョンB)のLCD固定金具の組み立て例


8.1.4. 接続方法

LCDとLCD拡張ボードの接続方法を、図8.9「LCDとLCD拡張ボードの接続方法」に示します。LCD拡張ボード CON2のロックレバーを上げてLCDのフレキシブル基板(以下FPC)が止まるところまで挿入し、ロックレバーを下ろすことでFPCとFPCコネクタが接続します。

LCDとLCD拡張ボードの接続方法

図8.9 LCDとLCD拡張ボードの接続方法


[警告]

LCD拡張ボード CON2のロックレバーに力を強く加えるとコネクタが破損する恐れがありますので、FPCを取り付ける際には十分にご注意ください。

「Armadillo-440 液晶モデル開発セット」に付属するLCD拡張ボードは、LCDとLCD拡張基板を両面テープで図8.10「LCDとLCD拡張基板の接着」のように接着しています。

LCDとLCD拡張基板の接着

図8.10 LCDとLCD拡張基板の接着


[警告]

LCD拡張ボードの取り付けは、安全設計を行った上で安全に留意してご使用ください。

[警告]

付属の両面テープは、以下の理由から量産時の使用は推奨はいたしません。両面テープのご使用は、安全に留意してお使いください。

(1) 経年変化により両面テープの粘着力が低下し、LCDパネルが剥がれる恐れがあります。

(2) LCDパネルの表面を強く押すと両面テープが収縮し、LCD拡張基板と接触し、ショートする恐れがあります。

[警告]

両面テープをご使用の場合には、以下のことに十分ご注意ください。

付属の両面テープを指定の箇所に貼付した場合、両面テープがフレキシブルプリント基板(以下、FPC)の一部と干渉して貼付します。LCDパネルをLCD拡張基板から引き剥がす際に、FPCが両面テープに接着したまま引っ張られ断線することがあります。

Armadillo-440/460 とLCD拡張ボードは、ピッチ0.5mm 50ピンのフレキシブルフラットケーブル(以下FFC)により接続することができます。図8.12「Armadillo-440 と LCD拡張ボードの接続方法」図8.13「Armadillo-460 と LCD拡張ボードの接続方法」に接続例を示します。FFCコネクタのロックレバーを上げてFFCが止まるところまで挿入し、ロックレバーを下ろすことでFFCとFFCコネクタが接続します。

[警告]

Armadillo-440/460 のFFCコネクタ CON11 の1ピンとLCD拡張ボードのFFCコネクタ CON1 の50ピンが対応するように、FFCケーブルを接続してください。CON1の1ピンとCON11の1ピンが対応するようにFFCを接続しますと、電源とGNDがショートし破損の原因となりますので、接続には十分にご注意ください。

[警告]

FFCの電極はArmadillo-440/460 のFFCコネクタ CON11 あるいは LCD拡張ボードのFFCコネクタ CON1の上側となるように接続してください。FFCの電極が下側となるように接続しますと実装部品とFFCの電極が接触する可能性があります。

フレキシブルフラットケーブル(FFC)

図8.11 フレキシブルフラットケーブル(FFC)


Armadillo-440 と LCD拡張ボードの接続方法

図8.12 Armadillo-440 と LCD拡張ボードの接続方法


Armadillo-460 と LCD拡張ボードの接続方法

図8.13 Armadillo-460 と LCD拡張ボードの接続方法


Armadillo-460基板にはスリットがあり、FFCを基板の表面/裏面のどちらにも引き回すことが可能です。

Armadillo-460 のスリット

図8.14 Armadillo-460 のスリット


8.1.5. LCDパネルのドット欠けについて

LCDパネルはその性質上、一定の割合でドット欠け(点欠陥)が生じます。LCD拡張ボードに使用されているLCDパネルの点欠陥の許容範囲は、以下の基準に従います。

8.1.5.1. 点欠陥の定義

表8.5 点欠陥の定義

輝点全黒表示画面において、周辺同色画素より明るいと認識される点欠陥。
黒点全白表示画面において、周辺同色画素より暗いと認識される点欠陥。
連続点欠陥

輝点、黒点の点欠陥が複数にわたり連続して発生している物。

黒点-黒点、輝点-輝点のいずれの場合についても連続点欠陥とする。


8.1.5.2. 検査基準

表8.6 点欠陥許容範囲

欠陥許容範囲
輝点欠陥4個
黒点欠陥5個
2連続点欠陥

2組(輝点)

3組(黒点)

連続点欠陥(3連続以上)0個(輝点、黒点とも)
欠陥総数5個

8.2. Armadillo-400シリーズ RTCオプションモジュール(型番:OP-A400RTCMOD-00)

8.2.1. ボード概要

Armadillo-400シリーズ RTCオプションモジュール(以下、RTCオプションモジュール)は、Armadillo-400シリーズの拡張インターフェース2(CON14)に接続可能なモジュール基板です。このRTCオプションモジュールには、セイコーインスツル社製のリアルタイムクロック(以下、RTC)が搭載されています。RTCは電気二重層コンデンサにより、電源切断後も一定時間動作することが可能です。長時間電源が切断されても時刻データを保持させたい場合は、別途外部バッテリを接続することができます。

[ティップ]

CON14の信号が、i.MX257の信号マルチプレクス機能でI2C2に設定されている場合に通信が可能です。

RTCオプションモジュールの主な仕様は次の通りです。

表8.7 RTCオプションモジュール(型番:OP-A400RTCMOD-00)仕様

リアルタイムクロック(RTC) セイコーインスツル社製RTC「S-35390A」搭載
バックアップ

5日間程度(周囲温度25℃、参考値)

RTC外部バックアップコネクタ(CON2)経由で外部バッテリを接続可能

基板サイズ 10.0 × 22.0 mm
電源電圧 DC2.0~3.3V
使用温度範囲 -10~60℃(ただし結露なきこと)

[警告]

RTCの平均月差は、周囲温度25℃で±30秒程度(参考値)です。時間精度は、周囲温度に大きく影響を受けますので、ご使用の際は十分に特性の確認をお願いします。

[警告]

RTCバックアップ時間は、周囲温度、電圧印加時間等に大きく影響を受けますので、ご使用の際は十分に特性の確認をお願いします。

[警告]

RTCオプションモジュール(型番:OP-A400RTCMOD-00)に搭載されているRTCバックアップ用の電気二重層コンデンサ(Panasonic社製EECEN0F204RK)は、有限寿命部品です。経時的に容量は減少し、内部抵抗は増大します。

電気二重層コンデンサの寿命予測には、一般的に10℃2倍則が適用できます。

Lx=Lo×2((To-Tx)/10)

ここで、Lo:上限温度における保証寿命(時間)、Lx:実使用時の推定寿命(時間)、To:上限温度(℃)、Tx:実使用時の周囲温度(℃)

メーカーで公開されているEECEN0F204RKの耐久性保証値は、+60℃で500時間(静電容量変化率が初期値の±30%以内、内部抵抗が4kΩ以下)です。周囲温度25℃で使用すると仮定した場合、推定寿命は以下になります。

Tx=500×2((60-25)/10)=約5600時間

なお、電気二重層コンデンサの寿命は充放電サイクル数ではなく、電圧が印加されている時間に影響しますので、上式で算出される時間は累積稼働時間となります。

規定の寿命を超えた場合、急激な特性劣化や液漏れに至る可能性があります。長期連続稼働が想定される量産製品に使用する場合は、定期的な点検・交換を行ってください。

8.2.2. インターフェース配置

RTCオプションモジュール(型番:OP-A400RTCMOD-00)のインターフェース配置

図8.15 RTCオプションモジュール(型番:OP-A400RTCMOD-00)のインターフェース配置


表8.8 RTCオプションモジュール(型番:OP-A400RTCMOD-00)のインターフェース内容

部品番号インターフェース形状備考
CON1

Armadillo-400シリーズ

接続コネクタ

4ピン(2.54mmピッチ) 
CON2RTC外部バックアップコネクタ[a]

DF13-2P-1.25DSA

(ヒロセ電機)

対応電池:CR2032 WK11

(日立マクセル)等

[a] 外部バックアップコネクタ(CON2)の信号配列は、付属DVDの/document/hardwareディレクトリに収録されている「Armadillo-400シリーズ RTCオプションモジュール回路図」でご確認ください。


[警告]

RTC外部バックアップコネクタ(CON2)にリチウムコイン電池(CRまたはBR)以外のバッテリを接続する際は、付属DVDの/document/hardwareディレクトリに収録されている「Armadillo-400シリーズ RTCオプションモジュール回路図」にて搭載部品の絶対定格値を超えないことをご確認の上、接続してください。

8.2.3. 基板形状図

RTCオプションモジュール(型番:OP-A400RTCMOD-00)の基板形状

図8.16 RTCオプションモジュール(型番:OP-A400RTCMOD-00)の基板形状


8.2.4. 組み立て方法

[ティップ]

ここではArmadillo-420/440の組み立て方法を説明しておりますが、Armadillo-460でも同様の方法で組み立てることが可能です。

RTCオプションモジュール(型番:OP-A400RTCMOD-00)組み立て図

図8.17 RTCオプションモジュール(型番:OP-A400RTCMOD-00)組み立て図


1

なべ子ねじ(M2、L=6mm、スプリングワッシャー+小径ワッシャー付)

2

RTCオプションモジュール本体

3

平ワッシャー

4

金属スペーサ(M2、L=11mm、平径=4mm)

5

Armadillo-400シリーズ

8.3. Armadillo-400シリーズ RTCオプションモジュール(型番:OP-A400RTCMOD-01)

8.3.1. ボード概要

Armadillo-400シリーズ RTCオプションモジュール(以下、RTCオプションモジュール)は、Armadillo-400シリーズの拡張インターフェース2(CON14)に接続可能なモジュール基板です。セイコーインスツル社製のリアルタイムクロック(以下、RTC)が搭載されています。RTCは積層セラミックコンデンサにより、電源切断後も数分動作することが可能です。長時間電源が切断されても時刻データを保持させたい場合は、別途外部バッテリを接続することができます。

[ティップ]

CON14の信号が、i.MX257の信号マルチプレクス機能でI2C2に設定されている場合に通信が可能です。

RTCオプションモジュールの主な仕様は次の通りです。

表8.9 RTCオプションモジュール(型番:OP-A400RTCMOD-01)仕様

リアルタイムクロック(RTC) セイコーインスツル社製RTC「S-35390A」搭載
バックアップ

300秒(Typ.)、60秒(Min.)

RTC外部バックアップコネクタ(CON2)経由で外部バッテリを接続可能

基板サイズ 10.0 × 22.0 mm
電源電圧 DC2.0~3.5V
使用温度範囲 -20~70℃(ただし結露なきこと)

[警告]

RTCの平均月差は、周囲温度25℃で±30秒程度(参考値)です。時間精度は、周囲温度に大きく影響を受けますので、ご使用の際は十分に特性の確認をお願いします。

[警告]

RTCバックアップ時間は、周囲温度、電圧印加時間等に大きく影響を受けますので、ご使用の際は十分に特性の確認をお願いします。

8.3.2. インターフェース配置

RTCオプションモジュール(型番:OP-A400RTCMOD-01)のインターフェース配置

図8.18 RTCオプションモジュール(型番:OP-A400RTCMOD-01)のインターフェース配置


表8.10 RTCオプションモジュール(型番:OP-A400RTCMOD-01)のインターフェース内容

部品番号インターフェース形状備考
CON1

Armadillo-400シリーズ

接続コネクタ

4ピン(2.54mmピッチ) 
CON2RTC外部バックアップコネクタ[a]

DF13-2P-1.25DS

(ヒロセ電機)

対応電池:CR2032 WK11

(日立マクセル)等

[a] 外部バックアップコネクタ(CON2)の信号配列は、付属DVDの/document/hardwareディレクトリに収録されている「Armadillo-400シリーズ RTCオプションモジュール回路図」でご確認ください。


[警告]

RTC外部バックアップコネクタ(CON2)にリチウムコイン電池(CRまたはBR)以外のバッテリを接続する際は、付属DVDの/document/hardwareディレクトリに収録されている「Armadillo-400シリーズ RTCオプションモジュール回路図」にて搭載部品の絶対定格値を超えないことをご確認の上、接続してください。

8.3.3. 基板形状図

RTCオプションモジュール(型番:OP-A400RTCMOD-01)の基板形状

図8.19 RTCオプションモジュール(型番:OP-A400RTCMOD-01)の基板形状


8.3.4. 組み立て方法

[ティップ]

ここではArmadillo-420/440の組み立て方法を説明しておりますが、Armadillo-460でも同様の方法で組み立てることが可能です。

RTCオプションモジュール(型番:OP-A400RTCMOD-01)組み立て図

図8.20 RTCオプションモジュール(型番:OP-A400RTCMOD-01)組み立て図


1

なべ子ねじ(M2、L=6mm、スプリングワッシャー+小径ワッシャー付)

2

RTCオプションモジュール本体

3

平ワッシャー

4

金属スペーサ(M2、L=11mm、平径=4mm)

5

Armadillo-400シリーズ

8.4. Armadillo-400シリーズ WLANオプションモジュール

8.4.1. ボード概要

Armadillo-400シリーズ WLANオプションモジュール(以下、WLANオプションモジュール)は、Armadillo-400シリーズの拡張インターフェース(CON9、CON14)に接続可能なモジュール基板です。Armadillo-WLANモジュールとArmadillo-400シリーズ WLANインターフェースボード(以下、WLANインターフェースボード)で構成されています。WLANオプションモジュールにはセイコーインスツル社製のリアルタイムクロック(以下、RTC)が搭載されています。RTCは積層セラミックコンデンサにより、電源切断後も数分動作することが可能です。長時間電源が切断されても時刻データを保持させたい場合は、別途外部バッテリを接続することができます。

[ティップ]

CON9およびCON14の信号が、i.MX257の信号マルチプレクス機能でSDHC2やI2C2に設定されている場合に通信が可能です。

WLANオプションモジュールの主な仕様は次の通りです。Armadillo-WLANモジュールの詳細な仕様は、Armadillo開発者サイト製品マニュアルページの「Armadillo-WLANハードウェアマニュアル」にてご確認ください。

表8.11 WLANオプションモジュール仕様

無線LANモジュール Armadillo-WLANモジュール(AWL12-U00Z)搭載
リアルタイムクロック(RTC) セイコーインスツル社製RTC「S-35390A」搭載[a]
バックアップ

300秒(Typ.)、60秒(Min.)[b]

RTC外部バックアップコネクタ(CON5、CON6、CON7)経由で外部バッテリを接続可能

基板サイズ 41.0 × 50.0 mm
電源電圧 DC3.3±0.2V
使用温度範囲 -20~70℃(ただし結露なきこと)

[a] 平均月差は、周囲温度25℃で±30秒程度(参考値)です。時間精度は、周囲温度に大きく影響を受けますので、ご使用の際は十分に特性の確認をお願いします。

[b] バックアップ時間は、周囲温度、電圧印加時間等に大きく影響を受けますので、ご使用の際は十分に特性の確認をお願いします。


8.4.2. インターフェース配置

WLANオプションモジュールのインターフェース配置

図8.21 WLANオプションモジュールのインターフェース配置


表8.12 WLANオプションモジュールのインターフェース内容

記号インターフェース形状備考
CON1Armadillo-400シリーズ接続コネクタ28ピンソケット(2.54mmピッチ) 
CON3SPIインターフェース14ピン(2.54mmピッチ)コネクタ非搭載
CON4シリアルインターフェース5ピン(2.54mmピッチ)コネクタ非搭載
CON5RTC外部バックアップコネクタ1[a]DF13-2P-1.25DS(20)(ヒロセ電機)対応電池:CR2032 WK11(日立マクセル)等
CON6RTC外部バックアップコネクタ2[a]2ピン(2.54mmピッチ)コネクタ非搭載
CON7RTC外部バックアップコネクタ3[a]HU1220(タカチ電機工業)コネクタ非搭載 対応電池:CR1220またはBR1220

[a] CON5、CON6、CON7は外部バッテリを接続するコネクタです。これらコネクタは同時に使用することはできません。


8.4.2.1. CON1 Armadillo-400シリーズ接続コネクタ

Armadillo-400シリーズの拡張インターフェース(CON9、CON14)との接続コネクタです。

表8.13 WLANオプションモジュール CON1 信号配列

ピン番号信号名I/O機能
1VCCPower電源(VCC)
2GNDPowerGND
3I2C2_SCLIRTC I2Cクロック
4I2C2_SDAI/ORTC I2Cデータ
5SD_PWREN*ISDパワーイネーブル信号(0:ON状態、1:OFF状態)
6RTC_INT1*ORTC割り込み信号
7NC--
8UART5_RXDO

UART受信データ

WLANオプションモジュールCON4(2ピン)に接続

9NC--
10UART5_TXDI

UART送信データ

WLANオプションモジュールCON4(3ピン)に接続

11VCCPower電源(VCC)
12VCCPower電源(VCC)
13GNDPowerGND
14GNDPowerGND
15NC--
16NC--
17NC--
18NC--
19SD2_WP-プルダウン(10kΩ抵抗)
20SD2_CMDI/OArmadillo-WLANモジュールのSDCMD信号に接続
21SD2_CD*-プルダウン(10kΩ抵抗)
22SD2_CLKIArmadillo-WLANモジュールのSDCLK信号に接続
23GNDPowerGND
24+3.3VPowerVCC(VCC)
25SD2_DAT0I/OArmadillo-WLANモジュールのSDDATA0信号に接続
26SD2_DAT1I/OArmadillo-WLANモジュールのSDDATA1信号に接続
27SD2_DAT2I/OArmadillo-WLANモジュールのSDDATA2信号に接続
28SD2_DAT3I/OArmadillo-WLANモジュールのSDDATA3信号に接続

8.4.2.2. CON3 SPIインターフェース

Armadillo-WLANモジュールのSPIインターフェース用の信号が接続されたコネクタです。

表8.14 WLANオプションモジュール CON3 信号配列

ピン番号信号名I/O機能
1VCCPower電源(VCC)
2GNDPowerGND
3RSTIArmadillo-WLANモジュールのRST信号に接続
4SPI_RDYOArmadillo-WLANモジュールのSPI_RDY信号に接続
5HOSTINTOArmadillo-WLANモジュールのHOSTINT信号に接続
6WAKEUPIArmadillo-WLANモジュールのWAKEUP信号に接続
7SPI_FSIArmadillo-WLANモジュールのSPI_FS信号に接続
8SPI_RXDIArmadillo-WLANモジュールのSPI_RXD信号に接続
9SPI_TXDOArmadillo-WLANモジュールのSPI_TXD信号に接続
10SPI_CLKIArmadillo-WLANモジュールのSPI_CLK信号に接続
11NC--
12NC--
13BOOT3IArmadillo-WLANモジュールのBOOT3信号に接続
14GNDPowerGND

8.4.2.3. CON4 シリアルインターフェース

表8.15 WLANオプションモジュール CON4 信号配列

ピン番号信号名I/O機能
1NC  
2UART5_RXDIWLANオプションモジュールCON1(8ピン)に接続
3UART5_TXDOWLANオプションモジュールCON1(10ピン)に接続
4VCCPower電源(VCC)
5GNDPowerGND

8.4.2.4. CON5、CON6、CON7 RTC外部バックアップコネクタ

WLANオプションモジュールに搭載されているRTCの外部バックアップコネクタです。電源が切断されても長期間時刻データを保持させたい場合は、別途外部バッテリを接続することができます。CON5、CON6、CON7は共通の端子に接続されているので、同時に使用することはできません。

表8.16 WLANオプションモジュール CON5、CON6 信号配列

ピン番号信号名I/O機能
1BATPowerRTCの外部バックアップ用電源入力
2GNDPowerGND

[警告]

RTC外部バックアップコネクタ(CON5、CON6)にリチウムコイン電池(CRまたはBR)以外のバッテリを接続する際は、付属DVDの/document/hardwareディレクトリに収録されている「Armadillo-400シリーズ WLANインターフェースボード回路図」にて搭載部品の絶対定格値を超えないことをご確認の上、接続してください。

8.4.3. 基板形状図

WLANオプションモジュールの基板形状

図8.22 WLANオプションモジュールの基板形状


8.4.4. 組み立て方法

[ティップ]

ここではArmadillo-420/440の組み立て方法を説明しておりますが、Armadillo-460でも同様の方法で組み立てることが可能です。

8.4.4.1. Armadillo-WLANモジュールとWLANインターフェースボードの組み立て

Armadillo-WLANモジュールとWLANインターフェースボードの組み立て図

図8.23 Armadillo-WLANモジュールとWLANインターフェースボードの組み立て図


1

ナット(M2、L=1.6mm、平径=4mm)

2

金属スペーサ(M2、L=1.5mm、直径=4mm)

3

なべ小ねじ(M2、L=8mm、スプリングワッシャー+小径平ワッシャー付)

[警告]

Armadillo-WLANモジュールとWLANインターフェースボードのコネクタ位置を合わせ接続してください。無理に力を加えると破損の原因となりますので十分に注意してください。

8.4.4.2. WLANオプションモジュールとArmadillo400シリーズの組み立て

WLANオプションモジュールとArmadillo400シリーズの組み立て図

図8.24 WLANオプションモジュールとArmadillo400シリーズの組み立て図


1

なべ小ねじ(M2、L=6mm、スプリングワッシャー+小径平ワッシャー付)

2

金属スペーサ(M2、L=11mm、平径=4mm)

3

ワッシャ(M2、L=0.3mm、直径=4.3mm)

8.4.4.3. WLANオプションモジュールと外付けアンテナの組み立て(評価・開発時)

WLANオプションモジュールと外付けアンテナの組み立て図(評価・開発時)

図8.25 WLANオプションモジュールと外付けアンテナの組み立て図(評価・開発時)


1

なべ小ねじ(M3、L=5mm)

2

樹脂スペーサ(M3、L=8mm、平径=5.5mm)

3

外付けアンテナ取り付け金具

4

外付けアンテナ

[警告]

Armadillo-WLANモジュールのアンテナ端子に外付けアンテナケーブルを接続する際、無理な力を加えると破損の原因となりますので十分に注意してください。

[警告]

外付けアンテナケーブルを引き抜く際は、専用の引き抜き治具(U.FL-LP-N-2:ヒロセ電機)を用いて行うことを推奨します。引き抜き治具を用いずに引き抜いた場合にコネクタの変形やケーブルの断線等の原因となります。

外付けアンテナケーブルの引き抜き方法

図8.26 外付けアンテナケーブルの引き抜き方法


[警告]

Armadillo-WLANモジュールのアンテナ端子に外付けアンテナケーブルを長期間接続した場合、同軸コネクタのスイッチ機能が復帰しない場合があります。復帰しない場合はチップアンテナが使用できなくなります。

評価・開発時において、WLANオプションモジュールを長期使用しない場合は、Armadillo-WLANモジュールのアンテナ端子から外付けアンテナケーブルを外した状態で保存してください。また、量産機器にWLANオプションモジュールを組込んでご使用いただく場合、外部アンテナからチップアンテナへの接続変更は推奨できません。