Armadillo のセットアップ

Armadillo-X2 上で Node-RED を使用するためのセットアップ方法を説明します。 Armadillo-X2 に Node-RED 対応用のインストールディスクをインストールし、開発用パソコンと Armadillo-X2 を有線 LAN で繋がる様にします。 セットアップが完了すると Node-RED の起動画面が表示されます。

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図3.1 初回起動時の Node-RED 画面


3.1. 作業の前に

3.1.1. 開発セット内容物の確認

開発セットに同梱されている内容物は、同梱の内容物一覧でご確認いただけます。 お使いになる前に、内容物がすべて揃っていることをご確認ください。 万一、内容物の不足または部品の破損等がございましたら、ご購入の販売代理店までご連絡ください。

3.1.2. 開発に必要なもの

Armadillo-X2 上で Node-RED を使用するためには以下のものが必要です。

表3.1 開発に必要なもの

品目説明

Armadillo-X2 開発セット

本製品です。

開発用パソコン

Linux または Windows が動作し、ネットワークインターフェースと 1 つ以上の USB ポート、microSD ポートを持つパソコンです。

有線 LAN ケーブル

本ガイドではArmadillo-X2と開発用パソコンを有線 LAN で接続する前提で記載しています。

512MB 以上の microSD カード

Node-RED の開発環境をインストールするために使用します。開発用パソコンの SD ポートが microSD ではなく、SD/miniSD ポートの場合、microSD へ変換するアダプターも必要となります。


3.1.3. 接続方法

Armadillo-X2と周辺装置の接続例を図3.2「Armadillo-X2の接続例」に示します。

開発用パソコンとのファイル転送やインターネットへの接続は、LAN を介して行いますので LAN ケーブルを接続してください。

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図3.2 Armadillo-X2の接続例


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Armadillo-X2
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ACアダプタ(12V/3.0A)
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作業用PC
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シリアル通信用USBケーブル(A-microB)
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LAN HUB
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Ethernetケーブル
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microSDカード
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USBメモリ
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ディスプレイ(HDMI対応)
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HDMIケーブル

3.2. Node-RED コンテナをインストールする

SWUpdate の機能を使用して SWU で Armadillo Base OS を最新版にアップデートし、Node-RED コンテナをインストールします。 SWUpdate で使用する SWU イメージは以下から取得可能です。

上記で取得した SWU イメージを USB メモリに配置します。 USBメモリを Armadillo-X2 に接続すると自動的にアップデートが始まります。アップデート終了後に Armadillo-X2 は自動で再起動します。

3.3. インターフェースレイアウト

Armadillo-X2のインターフェースレイアウトです。 各インターフェースの配置場所等を確認してください。

images/x2-interface-layout.svg

図3.3 インターフェースレイアウト (ケース内部)


表3.2 インターフェース内容

部品番号 インターフェース名 説明

CON1

SDインターフェース

microSDカード用のSDスロットです。外部ストレージが必要な場合や、microSDカードに配置したブートディスクイメージから起動する場合などに使用します。

CON3

LANインターフェース

LANケーブル接続用のRJ-45コネクタです。有線LANを利用する場合に使用します。

CON4

USBインターフェース

USBメモリやUSB接続デバイス接続用のUSB3.0 Type-Aコネクタです。外部ストレージが必要な場合や、USB接続の各種デバイスを使用する場合に使用します。

CON6

USBコンソールインターフェース

USB microBケーブル接続用のUSB micro-Bコネクタです。コンソール入出力を利用する場合に使用します。

CON8

HDMIインターフェース

HDMI Type-Dケーブル接続用のHDMI Type-Dコネクタです。HDMI対応ディスプレイ等を利用する場合に使用します。

CON10

MIPI-CSIインターフェース

MIPI CSI-2対応カメラ接続用の15ピン(1mmピッチ)FFCコネクタです。MIPI CSI-2対応カメラを利用する場合に使用します。

CON11

拡張インターフェース1

2列17ピン(2.54mmピッチ)のピンヘッダが搭載されています。機能拡張する場合に使用します

CON13

RTCバックアップインターフェース

CR2032等のコイン形電池接続用の電池ボックスです。リアルタイムクロックのバックアップ給電が必要な場合に使用します。

CON14

電源入力インターフェース1

ACアダプタ接続用DCジャックです。付属のACアダプタからArmadillo-IoT ゲートウェイ G4へ電源供給する場合に使用します[a]

CON15

電源入力インターフェース2

電源入力用2ピン(2mmピッチ)ライトアングルコネクタです。ACアダプタ以外の電源装置かららArmadillo-IoT ゲートウェイ G4へ電源供給する場合に使用します[a]

CON16

3.3V電源出力インターフェース

2ピン(2.54mmピッチ)のピンヘッダが搭載されています。機能拡張する場合の3.3V電源として使用できます。

CON17

USBインターフェース2

USBメモリやUSB接続デバイス接続用のUSB 2.0 Type-Aコネクタです。外部ストレージが必要な場合や、USB接続の各種デバイスを使用する場合に使用します。

JP1

起動デバイス設定ジャンパ

起動モードを設定するための2ピン(2.54mmピッチ)ピンヘッダです。

SW1

ユーザースイッチ

ユーザーが利用可能なタクトスイッチです。

LED3

ユーザーLED

ユーザーが利用可能な砲弾タイプ(Φ3mm)の緑色LEDです。

LED4

電源LED

電源の入力状態を表示する表面実装タイプの緑色LEDです。

[a] 電源入力インターフェース1と電源入力インターフェース2の両方から同時に電源供給することはできません。


3.4. ネットワークに接続する

Node-RED の開発をするパソコンと Armadillo のネットワークを接続するために Armadillo-X2 の IP アドレスを取得または設定します。

Armadillo の有線 LAN は、初期状態で DHCP の設定となっておりますので、DHCP が稼働している有線 LAN に接続した場合は、なんらかの IP アドレスが付与された状態になっています。

DHCP で IP アドレスが付与される環境の場合、ABOS Web を使用することで IP アドレスの確認が可能です。

  1. Armadillo-X2 を 「Node-RED コンテナをインストールする」 でセットアップを済ませた場合は ABOS Web が起動しています。 再起動がまだの場合は電源を再投入します。
  2. 開発用パソコンで Web ブラウザーを起動し https://armadillo.local:58080 にアクセスします。

    [ティップ]

    ABOS Web が動作する Armadillo が、同じ LAN 上に複数ある場合、ABOS Web に接続する URL のホスト名部分(armadillo.local)は、2 台目は armadillo-2.local、3 台目は armadillo-3.local と、違うものが自動的に割り当てられます。この場合どの URL がどの Armadillo かを判別するのは難しいので固定 IP アドレスを設定し、IP アドレスで指定できるようにする方法があります。固定 IP アドレスの設定方法は「Armadillo の有線 LAN に固定 IP アドレスを設定する」を参照ください。

  3. 初回接続時は、ABOS Web のパスワードを設定する必要がありますので、設定します。

    images/abos-images/abos-web/new-password.png

    図3.4 パスワード登録画面


  4. "初回ログイン"のパスワード登録画面で、"パスワード" フィールドと "パスワード(確認)" フィールドに、登録したいパスワードを入力してから、"登録" ボタンをクリックしてください。パスワード登録完了画面が表示されたら、パスワード登録の完了です。

    images/abos-images/abos-web/new-password_success.png

    図3.5 パスワード登録完了画面


  5. ログインします。

    images/abos-images/abos-web/login.png

    図3.6 ログイン画面


  6. 左のメニューから「状態一覧」を選択します。

    images/node-red/common-images/abos-web-show-status.png

    図3.7 状態一覧を選択


  7. 「LAN 情報」の「IP アドレス」の欄に有線 LAN の IP アドレスが表示されていますのでメモしておいてください。

    images/node-red/common-images/abos-web-show-lan-ip.png

    図3.8 LAN 情報


3.4.1. Armadillo の有線 LAN に固定 IP アドレスを設定する

DHCP サーバーが存在しない環境で開発を行う場合、Armadillo-X2に固定の IP アドレスを付与して開発を行います。

Armadillo にシリアルコンソールを接続してコマンドを入力する必要があります。シリアルコンソールの接続方法は 「接続方法」 を参照ください。

  1. Armadillo-X2 と開発用パソコンを開発セットに同梱されています USB(A オス-microB)ケーブルで接続します。Armadillo-X2 側は 図3.2「Armadillo-X2の接続例」 に示す「images/common-images/callouts/4.svg」の microB を、開発用パソコン側は Type-A を接続してください。
  2. 開発用パソコンでシリアルコンソールを開きます。対応しているソフトウェアは、Windows OS であれば TeraTerm、Linux であれば minicom などがありますので、インストールしてご利用ください。
  3. ソフトウェアのシリアル設定を表3.3「シリアル通信設定」に示します。

表3.3 シリアル通信設定

項目設定

転送レート

115,200bps

データ長

8bit

ストップビット

1bit

パリティ

なし

フロー制御

なし


  1. Armadillo-X2 の AC アダプターをコンセントに繋ぎ電源を投入します。
  2. シリアルコンソールに以下のようにログインプロンプトが表示されましたら、root ユーザーでログインします。特に設定していない場合の root ユーザーの初期パスワードは root です。

    Welcome to Alpine Linux 3.18
    Kernel 5.10.197-0-at on an armv7l (/dev/ttymxc2)
    
    armadillo login:
  3. "Wired connection 1" に固定 IP アドレスを設定します。

    [armadillo ~]# nmcli connection modify "Wired connection 1" \
    ipv4.method manual ipv4.addresses 192.0.2.10/24 ipv4.gateway 192.0.2.1
  4. 有線 LAN eth0 を再起動します。

    [armadillo ~]# nmcli connectio down "Wired connection 1"
    [armadillo ~]# nmcli connectio up "Wired connection 1"
  5. 設定された IP アドレスは ip addr コマンドで確認できます。

    [armadillo ~]# ip addr show eth0
    2: eth0: ...中略...
        inet 192.0.2.10/24 brd 192.0.2.255 scope global noprefixroute eth0
           valid_lft forever preferred_lft forever
    ... 後略 ...
  6. 設定を永続化するために、persist_file コマンドを実行してください。

    [armadillo ~]# persist_file /etc/NetworkManager/system-connections/"Wired connection 1.nmconnection"

3.5. Node-RED に接続する

パソコンの Web ブラウザから、「ネットワークに接続する」 で取得した IP アドレスを使用して、 http://<ipアドレス>:1880/ にアクセスしてください。

Node-RED の起動画面が表示されたらセットアップは終了です。

images/node-red/common-images/start.png

図3.9 初回起動時の Node-RED 画面