第7章 ホストボード設計時の注意事項

Armadillo-WLANモジュールを動作させるためのホストボードを設計する場合は、本章に記載してある事項を考慮の上、設計してください。

7.1. 信号一覧

表7.1 信号一覧

信号名I/O[a]機能用途ドライブ能力(Max.)
SDCLKISDIOクロックSDIO 
SDCMDI/OSDIOコマンドSDIO8mA
SDDATA0I/OSDIOデータ0SDIO8mA
SDDATA1I/OSDIOデータ1SDIO8mA
SDDATA2I/OSDIOデータ2SDIO8mA
SDDATA3I/OSDIOデータ3SDIO8mA
SPI_CLKISPIクロックSPI 
SPI_FSISPIデバイス選択SPI 
SPI_TXDOSPI送信データSPI4mA
SPI_RXDISPI受信データSPI 
SPI_RDYOSPI通信レディSPI2mA
HOSTINTOSPIホスト割り込みSPI2mA
WAKEUPIウェイクアップSPI 
UART_TXDOUART送信データUART4mA
UART_RXDIUART受信データUART 
RSTIリセット共通 
POWSTOパワー制御ステータス共通2mA
BOOT2I起動選択2共通 
BOOT3I起動選択3共通 
GPIO10O汎用入出力10共通4mA
GPIO11O汎用入出力11共通4mA
FLASH_CLKOフラッシュメモリクロック共通4mA
FLASH_CS1Oフラッシュメモリ選択共通4mA
FLASH_TXDI/Oフラッシュメモリ送信データ共通4mA
FLASH_RXDIフラッシュメモリ受信データ共通 
VCCPower電源(VCC)共通 
GNDPowerGND共通 

[a] Armadillo-WLANモジュール側から見たI/Oになります。


7.2. 信号の説明

  • SDCLK、SDCMD、SDDATA0、SDDATA1、SDDATA2、SDDATA3

    SDIOインターフェース用の信号です。基本的な機能についてはSDIOの仕様に準拠しています。4bitモードの場合、スリープ動作以外はSDCLKを供給してください。

  • SPI_CLK、SPI_FS、SPI_TXD、SPI_RXD、SPI_RDY、HOSTINT、WAKEUP

    SPIインターフェース用の信号です。Armadillo-WLANモジュールではSPIインターフェースをサポートしていませんので、SPI_CLK、SPI_FS、SPI_RXD、WAKEUP信号はGNDに固定し、SPI_TXD、SPI_RDY、HOSTINT信号は未接続にしてください。

  • UART_TXD、UART_RXD

    UARTインターフェース用の信号です。Armadillo-WLANモジュールではUARTインターフェースをサポートしていませんので、UART_RXD信号はGNDに固定し、UART_TXD信号は未接続にしてください。

  • RST

    Lowアクティブの外部リセット信号です。リセットをかける場合は、120us以上のLow区間を保持してください。RST信号を使用しない場合はVCCに固定してください。

    表7.2 RSTパルス幅

    項目規格値単位
    MIN.TYP.MAX.
    Lowレベルパルス幅120--us

  • POWST

    現在のパワー制御ステータスを示す信号です。パワー制御ステータスをモニタする必要がない場合は、POWST信号を未接続にしてください。

    表7.3 パワー制御ステータス

    POWSTパワー制御ステータス
    0通常状態
    1スリープ状態

  • BOOT2、BOOT3

    起動するファームウェアの場所を指定するための信号です。Armadillo-WLANモジュールでは、SPIインターフェースおよびフラッシュメモリはサポートしていませんので、BOOT2信号をGND、BOOT3信号をVCCに固定してください。

    表7.4 ファームウェア起動選択

    BOOT3BOOT2起動するファームウェアの場所
    Low (GND)Low (GND)SPIインターフェース
    High (VCC)Low (GND)SDIOインターフェース
    Low (GND)High (VCC)フラッシュメモリ
    High (VCC)High (VCC)リザーブ

  • GPIO10、GPIO11

    Armadillo-WLANモジュールではサポートしていませんので、GPIO10、GPIO11信号は未接続にしてください。

  • FLASH_TXD、FLASH_RXD、FLASH_CLK、FLASH_CS1

    フラッシュメモリへアクセスするための信号です。Armadillo-WLANモジュールではフラッシュメモリをサポートしていませんので、FLASH_TXD、FLASH_RXD信号はGNDに固定し、FLASH_CLK、FLASH_CS1信号は未接続にしてください。

  • VCC

    3.3V電源端子です。単調増加とし、Armadillo-WLANモジュールの負荷電流変動に十分に応答できる電源を供給してください。

7.3. 電気的特性

表7.5 電気的特性 (Ta=25℃, VCC=3.3V, GND=0.0V)

項目規格値単位条件
MIN.TYP.MAX.
入力電圧Hレベル0.75 × VCC--V 
Lレベル--0.25 × VCCV 
出力電圧HレベルVCC - 0.55--VIo=2mA、4mA、8mA
Lレベル--GND + 0.55VIo=2mA、4mA、8mA

7.4. ACタイミング

表7.6 ACタイミング (SDIO)

項目規格値単位
MIN.TYP.MAX.
SD Clock Period (tSDCLK)0.1[a] 25MHz
SD Clock High Time (tSDCLKHT) 1/2 tSDCLK
SD Clock Low Time (tSDCLKLT) 1/2 tSDCLK
SD CMD/DAT Setup Time (tSDSETUP)5  ns
SD CMD/DAT Hold Time (tSDHOLD)5  ns
SD Output Delay Time (tSDDLY) [CL<25pF]0 14ns

[a] SD Physical specfication ver.1.10では0Hzと規定されていますが、Armadillo-WLANモジュールでは動作が不安定になるため、100kHz以下でSDレジスタへのアクセスは行わないでください。


SDIOタイミングチャート

図7.1 SDIOタイミングチャート


7.5. ホストボード設計上の注意点

推奨基板レイアウト

図7.2 推奨基板レイアウト


1

接続コネクタにはAXK6F30347YG(パナソニック電工)を使用してください。

2

配線禁止領域です。この領域にはGNDベタや配線を引かないでください。

3

部品配置禁止領域です。この領域にはAXK6F30347YG(パナソニック電工)以外の部品を配置しないでください。

4

チップアンテナを使用する場合、周囲1cm以内には、なるべくArmadillo-WLANモジュールを接続するホストボード以外の基板や筐体を配置しないでください。また、Armadillo-WLANモジュールを収める筐体に金属は使用できません。金属ケースを使用する場合は外付けアンテナを接続してください。

5

Armadillo-WLANモジュールの固定には、高さ1.5mmのスペーサ(金属製)とM2ねじ(金属製)を使用してください。

[ティップ]

Armadillo-WLANモジュール固定用のM2ねじをホストボードのGNDとショートすると、より安定した無線特性を得ることができます。

7.6. 参考回路図

参考回路図 (SDIOインターフェース)

図7.3 参考回路図 (SDIOインターフェース)