Armadilloの電源を入れる前に

4.1. 準備するもの

Armadilloを使用する前に、次のものを必要に応じて準備してください。

作業用PC
LinuxまたはWindowsが動作し、ネットワークインターフェースと 1つ以上のUSBポートを持つPCです。「開発/動作確認環境の構築」を参照して、作業用PC上に開発/動作確認環境を構築してください。
ネットワーク環境
Armadilloと作業用PCをネットワーク通信ができるようにしてください。
microSDカード
microSDスロットの動作を確認する場合などに利用します。
USBメモリ
USBの動作を確認する場合などに利用します。
tar.xz形式のファイルを展開するソフトウェア
開発/動作確認環境を構築するために利用します。Linuxでは、tar で展開できます。Windowsでは、7-Zip や Lhazなどが対応しています。
nanoSIM(UIM カード)とAPN 情報
LTE モデルで 3G/LTE の動作を確認する場合に利用します。通信事業者との契約が必要です。SMS の動作を確認する場合は、SMS が利用可能な nanoSIM(UIM カード)が必要です。

4.2. 開発/動作確認環境の構築

アットマークテクノ製品のソフトウェア開発や動作確認を簡単に行うために、VMware仮想マシンのデータイメージを提供しています。このVMware仮想マシンのデータイメージをATDE(Atmark Techno Development Environment)と呼びます。ATDEの起動には仮想化ソフトウェアであるVMwareを使用します。ATDEのデータは、tar.xz圧縮されています。環境に合わせたツールで展開してください。

[ティップ]

仮想化ソフトウェアとして、VMwareの他にOracle VM VirtualBoxが有名です。 Oracle VM VirtualBoxには以下の特徴があります。

  • GPL v2(General Public License version 2)で提供されている [4]
  • VMware形式の仮想ディスク(.vmdk)ファイルに対応している

Oracle VM VirtualBoxからATDEを起動し、ソフトウェア開発環境として使用することができます。

ATDEは、バージョンにより対応するアットマークテクノ製品が異なります。本製品に対応しているATDEは、ATDE9 の v20211201 以降です。

ATDE9 は Debian GNU/Linux 11 (コードネーム bullseye) をベースに、Armadillo-IoT ゲートウェイ G4 のソフトウェア開発を行うために必要なクロス開発ツールや、Armadillo-IoT ゲートウェイ G4 の動作確認を行うために必要なツールが事前にインストールされています。

4.2.1. ATDEのセットアップ

4.2.1.1. VMwareのインストール

ATDEを使用するためには、作業用PCにVMwareがインストールされている必要があります。 VMware社 Webページ(http://www.vmware.com/)を参照し、利用目的に合うVMware製品をインストールしてください。 また、ATDEのアーカイブは tar.xz圧縮されていますので、環境に合せたツールで展開してください。

[警告]

VMwareは、非商用利用限定で無償のものから、商用利用可能な有償のものまで複数の製品があります。製品ごとに異なるライセンス、エンドユーザー使用許諾契約書(EULA)が存在するため、十分に確認した上で利用目的に合う製品をご利用ください。

[警告]

VMwareやATDEが動作しないことを未然に防ぐため、使用するVMwareのドキュメントから以下の項目についてご確認ください。

  • ホストシステムのハードウェア要件
  • ホストシステムのソフトウェア要件
  • ゲストOSのプロセッサ要件

VMwareのドキュメントは、VMware社 Webページ(http://www.vmware.com/)から取得することができます。

4.2.1.2. ATDEのアーカイブを取得

ATDEのアーカイブは Armadillo サイト(http://armadillo.atmark-techno.com)から取得可能です。

[注記]

本製品に対応している ATDE のバージョンは ATDE9 v20211201 以降です。

[警告]

作業用PCの動作環境(ハードウェア、VMware、ATDEの対応アーキテクチャなど)により、ATDEが正常に動作しない可能性があります。VMware社 Webページ(http://www.vmware.com/)から、使用しているVMwareのドキュメントなどを参照して動作環境を確認してください。

4.2.1.3. ATDEのアーカイブを展開

ATDEのアーカイブを展開します。ATDEのアーカイブは、tar.xz形式の圧縮ファイルです。

Windowsでの展開方法を「WindowsでATDEのアーカイブ展開する」に、Linuxでの展開方法を手順「Linuxでtar.xz形式のファイルを展開する」に示します。

4.2.1.4. WindowsでATDEのアーカイブ展開する

  1. 7-Zipのインストール

    7-Zipをインストールします。7-Zipは、圧縮解凍ソフト 7-Zipのサイト(http://sevenzip.sourceforge.jp)からダウンロード取得可能です。

  2. 7-Zipの起動

    7-Zipを起動します。

    images/common-images/atde/7-zip1.png
  3. xz圧縮ファイルの選択

    xz圧縮ファイルを展開して、tar形式のファイルを出力します。tar.xz形式のファイルを選択して、「展開」をクリックします。

    images/common-images/atde/7-zip2.png
  4. xz圧縮ファイルの展開先の指定

    「展開先」を指定して、「OK」をクリックします。

    images/common-images/atde/7-zip3.png
  5. xz圧縮ファイルの展開

    展開が始まります。

    images/common-images/atde/7-zip4.png
  6. tarアーカイブファイルの選択

    xz圧縮ファイルの展開が終了すると、tar形式のファイルが出力されます。tarアーカイブファイルを出力したのと同様の手順で、tarアーカイブファイルからATDEのデータイメージを出力します。tar形式のファイルを選択して「展開」をクリックし、「展開先」を指定して、「OK」をクリックします。

    images/common-images/atde/7-zip5.png
  7. 展開の完了確認

    tarアーカイブファイルの展開が終了すると、ATDEアーカイブの展開は完了です。「展開先」に指定したフォルダにATDEのデータイメージが出力されています。

    images/common-images/atde/7-zip6.png

4.2.1.5. Linuxでtar.xz形式のファイルを展開する

  1. tar.xz圧縮ファイルの展開

    tarxf オプションを使用して tar.xz 圧縮ファイルを展開します。

    [PC ~]$ tar xf atde9-amd64-[VERSION].tar.xz
  2. 展開の完了確認

    tar.xz圧縮ファイルの展開が終了すると、ATDEアーカイブの展開は完了です。 atde9-amd64-[VERSION] ディレクトリにATDEのデータイメージが出力されています。

    [PC ~]$ ls atde9-amd64-[VERSION]/
    atde9-amd64-s001.vmdk  atde9-amd64-s008.vmdk
    atde9-amd64-s002.vmdk  atde9-amd64-s009.vmdk
    atde9-amd64-s003.vmdk  atde9-amd64.nvram
    atde9-amd64-s004.vmdk  atde9-amd64.vmdk
    atde9-amd64-s005.vmdk  atde9-amd64.vmsd
    atde9-amd64-s006.vmdk  atde9-amd64.vmx
    atde9-amd64-s007.vmdk  atde9-amd64.vmxf

4.2.1.6. ATDEの起動

ATDEのアーカイブを展開したディレクトリに存在する仮想マシン構成(.vmx)ファイルをVMware上で開くと、ATDEを起動することができます。ATDE9にログイン可能なユーザーを、表4.1「ユーザー名とパスワード」に示します [5]

表4.1 ユーザー名とパスワード

ユーザー名パスワード権限

atmark

atmark

一般ユーザー

root

root

特権ユーザー


[ティップ]

ATDEを起動する環境によっては、GUIログイン画面が表示されずに以下のようなエラー画面が表示される場合があります。

images/common-images/atde/atde_error.png

この場合は、VMwareの設定で「3D グラフィックスのアクセラレーション」をONにした後、ATDEを起動すると 正常にGUIログイン画面が表示されます。設定箇所を以下に示します。

images/common-images/atde/vmware_setting.png
images/common-images/atde/vmware_setting_3d.png
[ティップ]

ATDEに割り当てるメモリおよびプロセッサ数を増やすことで、ATDEをより快適に使用することができます。仮想マシンのハードウェア設定の変更方法については、VMware社 Webページ(http://www.vmware.com/)から、使用しているVMwareのドキュメントなどを参照してください。

4.2.2. 取り外し可能デバイスの使用

VMwareは、ゲストOS (ATDE)による取り外し可能デバイス(USBデバイスやDVDなど)の使用をサポートしています。デバイスによっては、ホストOS (VMwareを起動しているOS)とゲストOSで同時に使用することができません。そのようなデバイスをゲストOSで使用するためには、ゲストOSにデバイスを接続する操作が必要になります。

[ティップ]

取り外し可能デバイスの使用方法については、VMware社 Webページ(http://www.vmware.com/)から、使用しているVMwareのドキュメントなどを参照してください。

Armadillo-IoT ゲートウェイ G4の動作確認を行うためには、表4.2「動作確認に使用する取り外し可能デバイス」に示すデバイスをゲストOSに接続する必要があります。

表4.2 動作確認に使用する取り外し可能デバイス

デバイスデバイス名

USBシリアル変換IC

Silicon CP2102N USB to UART Bridge Controller


4.2.3. コマンドライン端末(GNOME端末)の起動

ATDEで、CUI (Character-based User Interface)環境を提供するコマンドライン端末を起動します。ATDEで実行する各種コマンドはコマンドライン端末に入力し、実行します。コマンドライン端末にはいくつかの種類がありますが、ここではGNOMEデスクトップ環境に標準インストールされているGNOME端末を起動します。

GNOME端末を起動するには、図4.1「GNOME端末の起動」のようにデスクトップ左上のアプリケーションの「ユーティリティ」カテゴリから「端末」を選択してください。

images/common-images/open-gnome_terminal-on-atde/gnome_terminal_menu.png

図4.1 GNOME端末の起動


図4.2「GNOME端末のウィンドウ」のようにウィンドウが開きます。

images/common-images/open-gnome_terminal-on-atde/gnome_terminal_open.png

図4.2 GNOME端末のウィンドウ


4.2.4. シリアル通信ソフトウェア(minicom)の使用

シリアル通信ソフトウェア(minicom)のシリアル通信設定を、表4.3「シリアル通信設定」のように設定します。また、minicomを起動する端末の横幅を80文字以上にしてください。横幅が80文字より小さい場合、コマンド入力中に表示が乱れることがあります。

表4.3 シリアル通信設定

項目設定

転送レート

115,200bps

データ長

8bit

ストップビット

1bit

パリティ

なし

フロー制御

なし


  1. 図4.3「minicomの設定の起動」に示すコマンドを実行し、minicomの設定画面を起動してください。

    [ATDE ~]$ sudo LANG=C minicom --setup

    図4.3 minicomの設定の起動


  2. 図4.4「minicomの設定」が表示されますので、「Serial port setup」を選択してください。

                +-----[configuration]------+
                | Filenames and paths      |
                | File transfer protocols  |
                | Serial port setup        |
                | Modem and dialing        |
                | Screen and keyboard      |
                | Save setup as dfl        |
                | Save setup as..          |
                | Exit                     |
                | Exit from Minicom        |
                +--------------------------+

    図4.4 minicomの設定


  3. 図4.5「minicomのシリアルポートの設定」が表示されますので、Aキーを押してSerial Deviceを選択してください。

        +-----------------------------------------------------------------------+
        | A -    Serial Device      : /dev/ttyUSB0                              |
        | B - Lockfile Location     : /var/lock                                 |
        | C -   Callin Program      :                                           |
        | D -  Callout Program      :                                           |
        | E -    Bps/Par/Bits       : 115200 8N1                                |
        | F - Hardware Flow Control : No                                        |
        | G - Software Flow Control : No                                        |
        |                                                                       |
        |    Change which setting?                                              |
        +-----------------------------------------------------------------------+

    図4.5 minicomのシリアルポートの設定


  4. Serial Deviceに使用するシリアルポートを入力してEnterキーを押してください。

    [ティップ]シリアル通信用USBケーブル(A-microB)使用時のデバイスファイル確認方法

    Linuxでシリアル通信用USBケーブル(A-microB)を接続した場合、コンソールに以下のようなログが表示されます。 ログが表示されなくても、dmesgコマンドを実行することで、ログを確認することができます。

    usb 2-2.1: new full-speed USB device number 4 using uhci_hcd
    usb 2-2.1: New USB device found, idVendor=10c4, idProduct=ea60, bcdDevice= 1.00
    usb 2-2.1: New USB device strings: Mfr=1, Product=2, SerialNumber=3
    usb 2-2.1: Product: CP2102N USB to UART Bridge Controller
    usb 2-2.1: Manufacturer: Silicon Labs
    usb 2-2.1: SerialNumber: 6a9681f80272eb11abb4496e014bf449
    usbcore: registered new interface driver usbserial_generic
    usbserial: USB Serial support registered for generic
    usbcore: registered new interface driver cp210x
    usbserial: USB Serial support registered for cp210x
    usb 2-2.1: cp210x converter now attached to ttyUSB0

    図4.6 例. シリアル通信用USBケーブル(A-microB)接続時のログ


    上記のログからシリアル通信用USBケーブル(A-microB)がttyUSB0に割り当てられたことが分かります。

  5. Fキーを押してHardware Flow ControlをNoに設定してください。
  6. Gキーを押してSoftware Flow ControlをNoに設定してください。
  7. キーボードのEキーを押してください。 図4.7「minicomのシリアルポートのパラメータの設定」 が表示されます。

                          +---------[Comm Parameters]----------+
                          |                                    |
                          |     Current: 115200 8N1            |
                          | Speed            Parity      Data  |
                          | A: <next>        L: None     S: 5  |
                          | B: <prev>        M: Even     T: 6  |
                          | C:   9600        N: Odd      U: 7  |
                          | D:  38400        O: Mark     V: 8  |
                          | E: 115200        P: Space          |
                          |                                    |
                          | Stopbits                           |
                          | W: 1             Q: 8-N-1          |
                          | X: 2             R: 7-E-1          |
                          |                                    |
                          |                                    |
                          | Choice, or <Enter> to exit?        |
                          +------------------------------------+

    図4.7 minicomのシリアルポートのパラメータの設定


  8. 図4.7「minicomのシリアルポートのパラメータの設定」では、転送レート、データ長、ストップビット、パリティの設定を行います。
  9. 現在の設定値は「Current」に表示されています。 それぞれの値の内容は図4.8「minicomシリアルポートの設定値」を参照してください。

    minicomシリアルポートの設定値

    図4.8 minicomシリアルポートの設定値


  10. Eキーを押して、転送レートを115200に設定してください。
  11. Qキーを押して、データ長を8、パリティをNone、ストップビットを1に設定してください。
  12. Enterキーを2回押して、図4.4「minicomの設定」に戻ってください。
  13. 図4.4「minicomの設定」から、「Save setup as dfl」を選択し、設定を保存してください。
  14. 「Exit from Minicom」を選択し、minicomの設定を終了してください。

minicomを起動させるには、図4.9「minicom起動方法」のようにしてください。

[ATDE ~]$ sudo LANG=C minicom --wrap --device /dev/ttyUSB0

図4.9 minicom起動方法


[注記]

デバイスファイル名は、環境によって /dev/ttyS0/dev/ttyUSB1 など、本書の実行例とは異なる場合があります。

[ティップ]

minicomがオープンする /dev/ttyS0/dev/ttyUSB0 といったデバイスファイルは、 root または dialout グループに属しているユーザーしかアクセスできません。

ユーザーを dialout グループに入れることで、以降、sudoを使わずにminicomで /dev/ttyUSB0 をオープンすることができます。

[ATDE ~]$ sudo usermod -aG dialout atmark
[ATDE ~]$ LANG=C minicom --wrap --device /dev/ttyUSB0

minicomを終了させるには、まず Ctrl-a に続いて q キーを入力します。その後、以下のように表示されたら「Yes」にカーソルを合わせてEnterキーを入力するとminicomが終了します。

+-----------------------+
| Leave without reset? |
|     Yes       No     |
+-----------------------+

図4.10 minicom終了確認


[注記]

Ctrl-a に続いて z キーを入力すると、minicomのコマンドヘルプが表示されます。

4.3. インターフェースレイアウト

Armadillo-IoT ゲートウェイ G4のインターフェースレイアウトです。 各インターフェースの配置場所等を確認してください。

images/g4-interface-layout.svg

図4.11 インターフェースレイアウト (ケース内部)


images/g4-interface-layout-front.svg

図4.12 インターフェースレイアウト (ケース正面)


表4.4 インターフェース内容

部品番号 インターフェース名 形状 備考

CON1

SDインターフェース

microSDスロット

-

CON2

LANインターフェース2

RJ-45コネクタ

-

CON3

LANインターフェース1

RJ-45コネクタ

-

CON4

USBインターフェース

USB 3.0 Type-Aコネクタ

-

CON5

M.2インターフェース

M.2コネクタ(E-Key)

-

CON6

USBコンソールインターフェース

USB micro Bコネクタ

-

CON7

JTAGインターフェース

ピンヘッダ8ピン(2.54mmピッチ)

-

CON8

HDMIインターフェース

HDMI Type-Dコネクタ

-

CON9

LVDSインターフェース

LVDSコネクタ31ピン

挿抜寿命: 50回[a]

CON10

MIPI-CSIインターフェース

FFCコネクタ15ピン(1mmピッチ)

挿抜寿命: 30回[a]

CON11

拡張インターフェース1

ピンヘッダ34ピン(2.54mmピッチ)

-

CON12

拡張インターフェース2

ピンヘッダ16ピン(2.54mmピッチ)

-

CON13

RTCバックアップインターフェース

電池ボックス

対応電池: CR2032等

CON14

電源入力インターフェース1

DCジャック

対応プラグ: 内径2.1mm 外形5.5mm

CON15

電源入力インターフェース2

ピンヘッダ2ピン(2mmピッチ)

-

JP1

起動デバイス設定ジャンパ

ピンヘッダ2ピン(2.54mmピッチ)

-

SW1

ユーザースイッチ

タクトスイッチ

-

LED3

ユーザーLED

LED(緑色、φ3mm)

-

LED4

電源LED

LED(緑色、面実装)

-

SP1

M.2用スタッド

スペーサー(M2、L=2.45mm)

-

[a] 挿抜寿命は製品出荷時における目安であり、実際の挿抜可能な回数を保証するものではありません。


images/g4-lte-interface-layout.svg

図4.13 インターフェースレイアウト LTEモデル(ケース内部)


images/g4-lte-interface-layout-front.svg

図4.14 インターフェースレイアウト LTEモデル(ケース正面)


表4.5 インターフェース内容

部品番号 インターフェース名 形状 備考

CON21

3G/LTEアンテナインターフェース1

小型同軸コネクタ

挿抜寿命: 30回[a]

CON22

3G/LTEアンテナインターフェース2

小型同軸コネクタ

挿抜寿命: 30回[a]

CON23

nanoSIMインターフェース

nanoSIMスロット

-

LED20

3G/LTEステータス確認用LED

LED(緑色、φ3.4mm)

-

[a] 挿抜寿命は製品出荷時における目安であり、実際の挿抜可能な回数を保証するものではありません。


4.4. 接続方法

Armadillo-IoT ゲートウェイ G4と周辺装置の接続例を図4.15「Armadillo-IoT ゲートウェイ G4の接続例」に示します。 3G/LTE用アンテナおよびnanoSIMカード接続例については、図4.18「3G/LTE用アンテナおよびnanoSIMカード接続例」 を参照してください。

images/g4-connection.svg

図4.15 Armadillo-IoT ゲートウェイ G4の接続例


images/common-images/callouts/1.svg
Armadillo-IoT ゲートウェイ G4
images/common-images/callouts/2.svg
ACアダプタ(12V/3.0A)
images/common-images/callouts/3.svg
作業用PC
images/common-images/callouts/4.svg
シリアル通信用USBケーブル(A-microB)
images/common-images/callouts/5.svg
LAN HUB
images/common-images/callouts/6.svg
Ethernetケーブル
images/common-images/callouts/7.svg
microSDカード
images/common-images/callouts/8.svg
USBメモリ
images/common-images/callouts/9.svg
ディスプレイ(HDMI対応)
images/common-images/callouts/10.svg
HDMIケーブル
[ティップ]

作業用PCがWindowsの場合、一部のBluetoothデバイスドライバがUSBコンソールインターフェースと 同じポート番号のCOMを重複して取得し、USBコンソールインターフェースが利用できないことがあります。

images/windows-comport-1.png

図4.16 COM7が競合している状態


この場合は、デバイスマネージャーからBluetoothのデバイスを選択して「ポートの設定→詳細設定」 からCOMの番号を変更するか、Bluetoothデバイスを無効にしてください。

images/windows-comport-2.png

図4.17 Bletoothに割当のCOMを変更した状態


仮想マシンであるATDEにUSBコンソールインターフェースデバイスを接続する場合は、この影響はありません。

images/g4-lte-connection.svg

図4.18 3G/LTE用アンテナおよびnanoSIMカード接続例


images/common-images/callouts/1.svg
3G/LTE用アンテナ
images/common-images/callouts/2.svg
nanoSIMカード ※nanoSIMカードはケースを開けた状態でのみ挿抜可能です。

4.5. ジャンパピンの設定について

ジャンパの設定を変更することで、Armadillo-IoT ゲートウェイ G4 の動作を変更することができます。

images/g4-jp.svg

図4.19 JP1の位置


各ジャンパは必要に応じて切り替えの指示があります。ここでは、JP1をオープンに設定しておきます。

[ティップ]ジャンパのオープン、ショートとは
images/common-images/jumper_open.svg
「オープン」とはジャンパピンにジャンパソケットを接続していない状態です。
images/common-images/jumper_short.svg
「ショート」とはジャンパピンにジャンパソケットを接続している状態です。

4.6. viエディタの使用方法

viエディタは、Armadilloに標準でインストールされているテキストエディタです。本書では、Armadilloの設定ファイルの編集などにviエディタを使用します。

viエディタは、ATDEにインストールされてるgeditやemacsなどのテキストエディタとは異なり、モードを持っていることが大きな特徴です。viのモードには、コマンドモードと入力モードがあります。コマンドモードの時に入力した文字はすべてコマンドとして扱われます。入力モードでは文字の入力ができます。

本章で示すコマンド例はATDEで実行するよう記載していますが、Armadilloでも同じように実行することができます。

4.6.1. viの起動

viを起動するには、以下のコマンドを入力します。

[ATDE ~]# vi [file]

図4.20 viの起動


file にファイル名のパスを指定すると、ファイルの編集(+file+が存在しない場合は新規作成)を行います。viはコマンドモードの状態で起動します。

4.6.2. 文字の入力

文字を入力するにはコマンドモードから入力モードへ移行する必要があります。コマンドモードから入力モードに移行するには、表4.6「入力モードに移行するコマンド」に示すコマンドを入力します。入力モードへ移行後は、キーを入力すればそのまま文字が入力されます。

表4.6 入力モードに移行するコマンド

コマンド動作

i

カーソルのある場所から文字入力を開始

a

カーソルの後ろから文字入力を開始


入力モードからコマンドモードに戻りたい場合は、ESCキーを入力することで戻ることができます。現在のモードが分からなくなった場合は、ESCキーを入力し、一旦コマンドモードへ戻ることにより混乱を防げます。

[警告]

日本語変換機能をOFFに

viのコマンドを入力する時はATDEの日本語入力システム(Mozc)をOFFにしてください。日本語入力システムのON/OFFは、半角/全角キーで行うことができます。

「i」、「a」それぞれのコマンドを入力した場合の文字入力の開始位置を図4.21「入力モードに移行するコマンドの説明」に示します。

images/common-images/vi-insert-command.svg

図4.21 入力モードに移行するコマンドの説明


[ティップ]

viでの文字削除

コンソールの環境によってはBS(Backspace)キーで文字が削除できず、「^H」文字が入力される場合があります。その場合は、「文字の削除」で説明するコマンドを使用し、文字を削除してください。

4.6.3. カーソルの移動

方向キーでカーソルの移動ができますが、コマンドモードで表4.7「カーソルの移動コマンド」に示すコマンドを入力することでもカーソルを移動することができます。

表4.7 カーソルの移動コマンド

コマンド動作

h

左に1文字移動

j

下に1文字移動

k

上に1文字移動

l

右に1文字移動


4.6.4. 文字の削除

文字を削除する場合は、コマンドモードで表4.8「文字の削除コマンド」に示すコマンドを入力します。

表4.8 文字の削除コマンド

コマンド動作

x

カーソル上の文字を削除

dd

現在行を削除


「x」コマンド、「dd」コマンドを入力した場合に削除される文字を図4.22「文字を削除するコマンドの説明」に示します。

images/common-images/vi-delete-command.svg

図4.22 文字を削除するコマンドの説明


4.6.5. 保存と終了

ファイルの保存、終了を行うコマンドを表4.9「保存・終了コマンド」に示します。

表4.9 保存・終了コマンド

コマンド動作

:q!

変更を保存せずに終了

:w[file]

ファイルを+file+に指定して保存

:wq

ファイルを上書き保存して終了


保存と終了を行うコマンドは「 : 」(コロン)からはじまるコマンドを使用します。" : "キーを入力すると画面下部にカーソルが移り入力したコマンドが表示されます。コマンドを入力した後Enterキーを押すことで、コマンドが実行されます。



[4] バージョン3.xまではPUEL(VirtualBox Personal Use and Evaluation License)が適用されている場合があります。

[5] 特権ユーザーでGUIログインを行うことはできません