本章では、Armadillo-IoT G3L 向けサンプルアプリケーションによって Ethernet側ネットワークからのLTEへのルーティングを実施する方法を説明します。
サンプルアプリケーションは Armadillo-IoT G3L 上で、NATとIPv4パケットフォワーディングを実施し、DHCPサーバーを実行することで、
Ethernetポートに直結、あるいはスイッチングHUBを経由して接続した端末がArmadillo-IoT G3LのLTE回線を通じてインターネットに対して接続することができるようにします。
サンプルアプリケーションのデフォルト設定を下記に示します。
ここでは、サンプルアプリケーションをインストールする方法を説明します。サンプルアプリケーションは Debian パッケージの形式で当社 apt パッケージリポジトリ (http://download.atmark-techno.com/debian/) から供給されています。事前にArmadilloがインターネットに接続されてる事を確認してください。
下記の手順でパッケージのインストールを行います。
手順4.1 サンプルアプリケーションのインストール手順
パッケージをインストールする
Armadilloがインターネット接続できている状態で、次のコマンドをroot権限で実行してください。
パッケージがインストールできたか確認する
サンプルアプリケーションを動作させるためには、LTE回線に接続するためのAPN情報が必要です。また、Armadillo-IoT G3Lに標準で搭載しているLTE通信モジュールは3G回線には接続することはできません。必ず、Armadilloに接続したmicroSIMカードの契約でLTE回線が利用可能であることを確認してください。
手順4.2 サンプルアプリケーションの設定手順
sample ユーザーによるログイン
サンプルアプリケーションの設定用インターフェースは sample ユーザーとしてログインすることで使うことができます。
LTE回線の接続情報を入力する
メインメニューからLTE_setup をカーソルキーで選択してエンターキーを押してください。
Armadilloに接続したmicroSIMカードの回線情報を入力してください。
カーソルキーで入力項目を移動することができます。全て入力ができたらエンターキーを押すと、接続の確認と設定の保存が行われます。
入力を中断してメインメニューに戻るには、Tabキーを押してからカーソルキーでCancelを選択し、エンターキーを押してください。
全ての項目を入力し、エンターキーを押すか、OKを選択すると、LTE回線への接続を試行します。接続に成功すると次の画面が表示されます。
接続が確認できない場合は、次の手順で確認を行ってください。
手順4.3 LTE回線が接続できない場合の確認
microSIMカードの挿入方向を確認する
LTE回線の接続情報を確認する
アンテナの接続を確認する
4.4. ルーティングとDHCPサーバーの開始/停止
ここまでに、LTE回線の接続の設定を行い、接続確認に成功したので、次にルーティングを開始し、DHCPサーバーを起動します。ArmadilloのLANコネクタにはLTE経由でのインターネット接続を期待するPC等を直結しておいてください。既存のネットワークに接続する場合は、ネットワーク内に複数のDHCPサーバーが存在することにならないようご注意ください。
手順4.4 ルーティングとDHCPサーバーを開始する
手順4.5 ルーティングとDHCPサーバーを停止する
LTE接続とルーティングの設定が行われると、Armadillo-IoT G3L本体の ユーザーLED5 が点灯します。
ルーティングが実施されているか確認するには、LANケーブルを使ってArmadilloのLANコネクタにPCを直結してください。PCがDHCPによるアドレス割り当てに対応していれば、PC上で起動したブラウザを使って、ArmadilloのLTE回線経由でインターネットへアクセスすることができます。
ArmadilloとPCをLANケーブルで直結するかわりに、スイッチングHUBを経由して複数のPCを接続しても同様にArmadilloのDHCPサーバーからIPアドレスのリースと、LTE回線へのルーティングが実施されます。お試しの際はLTE回線の通信量にお気をつけてご利用ください。
ここでは、サンプルアプリケーションをアンインストールする方法を説明します。
手順4.6 サンプルアプリケーションのアンインストール手順
パッケージをアンインストールする
次のコマンドをroot権限で実行してください。