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Armadillo-IoT G3L は工場出荷状態で、動作確認に必要な全てのソフトウェアが書き込まれています。
しかし、ソフトウェアはセキュリティアップデートや新機能の追加によって随時アップデートを実施しているため、
開発、評価を行う際は最新バージョンのソフトウェアを利用いただくことを推奨します。
本章では Armadillo のソフトウェアを最新の状態に更新する方法と、ソフトウェアを初期化する方法を説明します。
本章で使用する最新版のブートローダーイメージやLinuxカーネルイメージなどは、"Armadillo サイト"からダウンロードすることができます。
工場出荷状態のArmadilloに書き込まれているイメージファイルは、最新版ではない可能性があります。本章では Armadillo のソフトウェアを最新の状態に更新する方法を説明します。
ソフトウェアと書き込み先の対応を次に示します。
表6.1 ソフトウェアと書き込み先の対応 名称 | ファイル名 | ストレージ | デバイスファイル |
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ブートローダーイメージ | u-boot-x1-[version] .bin | eMMC(ブートパーティション), SPIフラッシュメモリ | /dev/mmcblk2boot0, /dev/mtdblock0 | Linuxカーネルイメージ | uImage-x1-[version] | eMMC | /dev/mmcblk2p1 | Device Tree Blob | armadillo_iotg_g3l-[version] .dtb | /dev/mmcblk2p1 | Debian GNU/Linuxルートファイルシステム | debian-stretch-armhf_aiotg3l_[version] .tar.gz | /dev/mmcblk2p2 |
Linuxカーネルイメージの更新方法を次に示します。
6.1.4. Debian GNU/Linux ルートファイルシステムの更新
Debian GNU/Linux ルートファイルシステムを更新する方法は2つあります。Debian パッケージをアップデートする方法と、ルートファイルシステムをすべて書き換える方法です。
Debian パッケージのセキュリティアップデートやバグフィックスをArmadilloに適用したい場合は 「Debian パッケージのアップデート」を行ってください。
Armadillo上のルートファイルシステムを工場出荷時相当に書き換えたい場合は 「ルートファイルシステムの書き換え」 を行ってください。
6.1.4.1. Debian パッケージのアップデート
apt-get コマンドを使用して Debian パッケージのアップデートを行います。apt-get update でローカルに持っているパッケージのリストを最新のものに更新し、apt-get upgrade で更新可能なパッケージをすべてインストールします。
apt-get コマンドを使用するには、ネットワーク(インターネット)に接続されている必要があります。ネットワークの設定方法については「ネットワーク」を参照してください。
6.1.4.2. ルートファイルシステムの書き換え
eMMC上のルートファイルシステムを書き換える手順を次に示します。
手順6.1 eMMC上のルートファイルシステムを書き換える
eMMCをルートファイルシステムとしている場合、マウントしているルートファイルシステム自体の書き換えはできません。このため、今回は例としてSD ブートディスクから起動し書き換えを行います。ブートディスクの作成方法やSDブートの実行方法ついては15章SDブートの活用を参照してください。
Debian GNU/Linuxルートファイルシステムアーカイブを準備しておきます。
ルートファイルシステムをeMMCの第2パーティションに再構築します。
Armadillo-IoT G3Lの内蔵ストレージ(eMMC及びQSPIフラッシュメモリ)から起動するために、次のようにコマンドを実行しArmadilloを終了させます。「System halted.」と表示されたのを確認してから電源を切断します。
JP1をオープンにしてから、電源を投入してください。
次のように"boot"コマンドを実行すると、書き換えたルートファイルシステムで起動します。必要に応じて「Debian パッケージのアップデート」を行ってください。
インストールディスクを使用すると、内蔵ストレージ上のすべてのソフトウェアをまとめて書き換えることができます。
すべてのソフトウェアを初期化したい場合や、ソフトウェアの問題や作業の誤りによって Armadillo が起動しなくなった場合の復旧方法などにご使用頂けます。
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内蔵ストレージに保存されている、すべてのイメージファイルが上書きされるため、既に保存されているデータやアプリケーションなどは削除されます。
特定のイメージのみ書き換えたい場合には 「ソフトウェアを最新の状態に更新する」 を参照してください。
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インストールディスクの作成には、SDカードに書き込むためのインストールディスクイメージが必要です。
表6.2 インストールディスク作成に使用するイメージファイル ファイル | ファイル名 |
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インストールディスクイメージ(EC25-J搭載品用) | install_disk_sd_[version] _iotg3l.img |
ここでは、インストールディスクイメージ作成ツールを使用し、インストールディスクイメージを作成する方法を示します。
インストールディスクイメージはATDEで作成します。インストールディスクイメージ作成ツールを、以下の手順に従い実行してください
必要なパッケージのインストール及び展開を行います。
ツールの使用方法を確認します。
ツールで指定する引数と、インストールディスクイメージの作成に必要なファイルの対応を次に示します。
表6.3 イメージファイルと引数の対応 引数 | 説明 | ファイル名称 |
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BOARD | iotg3l を指定 | - | UBOOT | ブートローダーイメージ | u-boot-x1-[version] .bin | KERNEL | Linuxカーネルイメージ | uImage-x1-[version] | DTB | Device Tree Blob | armadillo_iotg_g3l-[version] .dtb | USERLAND | Debian GNU/Linuxルートファイルシステム | debian-stretch-armhf_aiotg3l_[version] .tar.gz |
これらのファイルは、Armadillo サイトでダウンロードすることができるほか、11章ビルド手順でビルドしたファイルを使用することも可能です。
使用するイメージを指定し、インストールディスクイメージを作成します。
ツールの実行が終了すると、インストールディスクイメージが作成されていることを確認できます。
512 MB以上のmicroSDカードを用意してください。
ATDE に microSD カードを接続します。詳しくは「取り外し可能デバイスの使用」を参照してください。
microSD カードがマウントされている場合、アンマウントします。
microSD カードにインストールディスクイメージを書き込みます。
電源が切断されていることを確認します。接続されていた場合は、電源を切断してください。
USBシリアル変換アダプタをArmadillo-IoTから切断します。USBシリアル変換アダプタを接続した状態でインストールを実行したい場合は、スライドスイッチを図4.17「スライドスイッチの設定」の 2 側(オートブートモード)に設定してください。
インストールディスクを使用してSDブートを行います。microSDスロット(メインユニットCON12)にインストールディスクを接続し、JP1をショートに設定してください。
Armadillo に電源を投入します。Armadilloが起動するとインストールが始まり、自動的にeMMCとQSPIが書き換えられます。インストールの実行中は電源を切断しないでください。
インストールの進捗状況はユーザーLEDで確認することができます。インストールの進捗状況とユーザーLEDの状態を次に示します。ユーザーLEDの位置については図7.43「ユーザーLEDの位置」を参照してください。
表6.4 インストールの進捗状況とユーザーLEDの状態 インストールの進捗 | ユーザーLED4 | ユーザーLED3 | ユーザーLED5 |
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起動中 | 点灯 | 消灯 | 消灯 | 実行中 | 点灯 | 間欠点灯 | 消灯 | 正常終了 | 点灯 | 点灯 | 点灯 | 異常終了 | 間欠点灯 | 間欠点灯 | 間欠点灯 |
インストールが終了したら、電源を切断し、JP1をオープンに設定してください。
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