第2章 注意事項

2.1. 安全に関する注意事項

本製品を安全にご使用いただくために、特に以下の点にご注意ください。

[警告]
  • ご使用の前に必ず製品マニュアルおよび関連資料をお読みになり、使用上の注意を守って正しく安全にお使いください。

  • マニュアルに記載されていない操作・拡張などを行う場合は、弊社Webサイトに掲載されている資料やその他技術情報を十分に理解した上で、お客様自身の責任で安全にお使いください。

  • 水・湿気・ほこり・油煙等の多い場所に設置しないでください。火災、故障、感電などの原因になる場合があります。

  • 本製品は長時間連続動作させている場合など、発熱により高温になる場合があります。周囲温度や取扱いによってはやけどの原因となる恐れがあるため、長時間連続動作させている間、または電源切断後本体の温度が下がるまでの間は、取扱いにご注意ください。

  • 本製品を使用して、お客様の仕様による機器・システムを開発される場合は、製品マニュアルおよび関連資料、弊社Webサイトで提供している技術情報のほか、関連するデバイスのデータシート等を熟読し、十分に理解した上で設計・開発を行ってください。また、信頼性および安全性を確保・維持するため、事前に十分な試験を実施してください。

  • 本製品は、機能・精度において極めて高い信頼性・安全性が必要とされる用途(医療機器、交通関連機器、燃焼制御、安全装置等)での使用を意図しておりません。これらの設備や機器またはシステム等に使用された場合において、人身事故、火災、損害等が発生した場合、当社はいかなる責任も負いかねます。

  • 本製品には、一般電子機器用(OA機器・通信機器・計測機器・工作機械等)に製造された半導体部品を使用しています。外来ノイズやサージ等により誤作動や故障が発生する可能性があります。万一誤作動または故障などが発生した場合に備え、生命・身体・財産等が侵害されることのないよう、装置としての安全設計(リミットスイッチやヒューズ・ブレーカー等の保護回路の設置、装置の多重化等)に万全を期し、信頼性および安全性維持のための十分な措置を講じた上でお使いください。

  • 無線LAN機能を搭載した製品は、心臓ペースメーカーや補聴器などの医療機器、火災報知器や自動ドアなどの自動制御器、電子レンジ、高度な電子機器やテレビ・ラジオに近接する場所、移動体識別用の構内無線局および特定小電力無線局の近くで使用しないでください。製品が発生する電波によりこれらの機器の誤作動を招く恐れがあります。

2.2. 取扱い上の注意事項

本製品を取扱う際には以下のような点にご注意ください。

破損しやすい箇所

基板間コネクタ、圧着コネクタ、アンテナ端子、microSIMスロットは破損しやすい部品になっています。無理に力を加えて破損することのないよう十分注意してください。

本製品の改造

本製品に改造[1]を行った場合は保証対象外となりますので十分ご注意ください。また、改造やコネクタ等の増設[2]を行う場合は、作業前に必ず動作確認を行ってください。

電源投入時のコネクタ着脱

本製品や周辺回路に電源が入っている状態で、活線挿抜対応インターフェース(LAN、SD/SDIO、USB)以外へのコネクタやカードの着脱は、絶対に行わないでください。

静電気

本製品にはCMOSデバイスを使用しており、静電気により破壊されるおそれがあります。本製品を開封するときは、低湿度状態にならないよう注意し、静電防止用マットの使用、導電靴や人体アースなどによる作業者の帯電防止対策、備品の放電対策、静電気対策を施された環境下で行ってください。また、本製品を保管する際は、静電気を帯びやすいビニール袋やプラスチック容器などは避け、導電袋や導電性の容器・ラックなどに収納してください。

ラッチアップ

電源および入出力からの過大なノイズやサージ、電源電圧の急激な変動等により、使用しているCMOSデバイスがラッチアップを起こす可能性があります。いったんラッチアップ状態となると、電源を切断しないかぎりこの状態が維持されるため、デバイスの破損につながることがあります。ノイズの影響を受けやすい入出力ラインには、保護回路を入れることや、ノイズ源となる装置と共通の電源を使用しない等の対策をとることをお勧めします。

衝撃

落下や衝撃などの強い振動を与えないでください。

使用場所の制限

テレビ・ラジオに近接する場所で使用すると、受信障害を招く恐れがあります。

電波に関する注意事項(2.4GHz帯無線)

2.4GHz帯の電波を使用する機能(無線LAN等)は、自動ドアなどの自動制御電子機器に影響が出る場合、すぐに使用を中止してください。

この無線機は 2.4GHz 帯を使用します。全帯域を使用し、かつ移動体識別装置の帯域が回避可能です。変調方式として DS-SS および OFDM 方式を採用し、想定される与干渉距離は 40m 以下です。

この無線機は 2.4GHz 帯を使用します。全帯域を使用し、かつ移動体識別装置の帯域が回避不可です。変調方式として FH-SS 方式を採用し、想定される与干渉距離は 80m 以下です

電波に関する注意事項(5GHz帯無線)

この無線機は5GHz帯を使用します。

W52、W53の屋外での利用は電波法により禁じられています。

W53、W56でのAPモードは、2018年6月現在工事設計認証を受けていないため使用しないでください。

電波に関する注意事項(3G/LTE)

この無線機は3G/LTE通信を行います。

3G/LTE通信機能は、心臓ペースメーカーや除細動器等の植込み型医療機器の近く(15cm程度以内)で使用しないでください。

外部バッテリーを取り付ける際の注意事項

RTCバックアップインターフェースに外部バッテリーを接続する際は、低消費電力モードに速やかに移行させるため、外部バッテリーを接続した直後に一度電源入力インターフェースから電源供給(1秒以上)を行ってください。

ケースモデルの使用温度

使用温度範囲を超えて本製品を使用した場合は、ケースの変形や、故障の原因となります。必ず使用温度範囲内で使用してください。

ケースモデルの使用温度は、ケースからの放熱を考慮した温度となっております。ケース下部にある開口部4箇所は塞がないでください。また、付近に物を置かないでください。

本製品の取り付け方法

本製品を取り付ける際は、以下図の赤丸で示した穴にM4(長さL=8mm以上)ネジを使用して固定してください。ネジの長さが不十分だと固定できず、壁などに取り付けると落下する恐れがあります。

本製品を壁に取り付けている場合、以下図の青丸で示したM3(L=15mm)ネジを取り外さないでください。一部の部品がケースで固定されています。部品の落下を防ぐため、製品を壁から取り外した状態で行ってください。

天井には設置しないでください。

電気通信事業法に関する注意事項について

本製品の有線 LAN および無線 LAN を、電気通信事業者の通信回線(インターネットサービスプロバイダーが提供している通信網サービス等)に直接接続することはできません。接続する場合は、必ず電気通信事業法の認定を受けた端末設備(ルーター等)を経由して接続してください。

RTC バックアップ用電池に関する注意事項

RTC バックアップインターフェース 1 にバックアップ用電池を取り付けているときに、外部電源の供給がない状態で SW1 を押したままにしていますと、電池をより多く消耗します。ケースや輸送の為に箱へ収納する際、 SW1 が押されたままの状態にならない様に十分注意してください。

2.3. 製品の保管について

[警告]
  • 製品を在庫として保管するときは、高温・多湿、埃の多い環境、水濡れの可能性のある場所、直射日光のあたる場所、有毒ガス (特に腐食性ガス) の発生する場所を避け、精密機器の保管に適した状態で保管してください。

  • 保管環境として推奨する温度・湿度条件は以下のとおりです。

    表2.1 推奨温湿度環境について

    推奨温湿度環境

    5〜35°C/70%RH 以下 [a] [b]

    [a] 半田付け作業を考慮した保管温度範囲となっております。半田付けを行わない、または、すべての半田付けが完了している場合の推奨温度・湿度条件は、製品の動作温度・湿度範囲となります。

    [b] 温度変化の少ない場所に保管してください。保管時の急激な温度変化は結露が生じ、金属部の酸化、腐食などが発生し、はんだ濡れ性に影響が出る場合があります。


  • 製品を包装から取り出した後に再び保管する場合は、帯電防止処理された収納容器を使用してください。

2.4. ソフトウェア使用に関しての注意事項

本製品に含まれるソフトウェアについて

本製品の標準出荷状態でプリインストールされているLinux対応ソフトウェアは、個別に明示されている(書面、電子データでの通知、口頭での通知を含む)場合を除き、オープンソースとしてソースコードが提供されています。再配布等の権利については、各ソースコードに記載のライセンス形態にしたがって、お客様の責任において行使してください。また、本製品に含まれるソフトウェア(付属のドキュメント等も含む)は、現状有姿(AS IS)にて提供します。お客様ご自身の責任において、使用用途・目的の適合について事前に十分な検討と試験を実施した上でお使いください。アットマークテクノは、当該ソフトウェアが特定の目的に適合すること、ソフトウェアの信頼性および正確性、ソフトウェアを含む本製品の使用による結果について、お客様に対し何らの保証も行いません。

パートナー等の協力によりArmadilloブランド製品向けに提供されているミドルウェア、その他各種ソフトウェアソリューションは、ソフトウェア毎にライセンスが規定されています。再頒布権等については、各ソフトウェアに付属するreadmeファイル等をご参照ください。その他のバンドルソフトウェアについては、各提供元にお問い合わせください。

[ティップ]

本製品の標準出荷状態でプリインストールされている以下のソフトウェアは、オープンソースソフトウェアではありません。

  • ボード情報取得ツール(get-board-info)

2.5. 書込み禁止領域について

[警告]

i.MX 7Dual内蔵エレクトリカルヒューズ(e-Fuse)のデータは、本製品に含まれるソフトウェアで使用しています。正常に動作しなくなる可能性があるため、書込みを行わないでください。また、意図的に書込みを行った場合は保証対象外となります。

2.6. 電波障害について

この装置は、クラスB情報技術装置です。この装置は、家庭環境で使用することを目的としていますが、この装置がラジオやテレビジョン受信機に近接して使用されると、受信障害を引き起こすことがあります。取扱説明書に従って正しい取り扱いをして下さい。VCCI-B

[警告]

本製品は、弊社製量産向けオプション品との組み合わせにおいて、VCCIの技術基準に適合することを確認しています。他社製のオプション品を接続して使用する場合は、再び妨害波を測定し、VCCI協会に届出をしなければなりません。

2.7. 保証について

本製品の本体基板は、製品に添付もしくは弊社Webサイトに記載している「製品保証規定」に従い、ご購入から1年間の交換保証を行っています。添付品およびソフトウェアは保証対象外となりますのでご注意ください。

製品保証規定 http://www.atmark-techno.com/support/warranty-policy

2.8. 輸出について

  • 当社製品は、原則として日本国内での使用を想定して開発・製造されています。

  • 海外の法令および規則への適合については当社はなんらの保証を行うものではありません。

  • 当社製品を輸出するときは、輸出者の責任において、日本国および関係する諸外国の輸出関連法令に従い、必要な手続を行っていただきますようお願いいたします。

  • 日本国およびその他関係諸国による制裁または通商停止を受けている国家、組織、法人または個人に対し、当社製品を輸出、販売等することはできません。

  • 当社製品および関連技術は、大量破壊兵器の開発等の軍事目的、その他国内外の法令により製造・使用・販売・調達が禁止されている機器には使用することができません。

2.9. 商標について

  • Armadillo は株式会社アットマークテクノの登録商標です。その他の記載の商品名および会社名は、各社・各団体の商標または登録商標です。™、®マークは省略しています。

  • SD、SDHC、SDXC、microSD、microSDHC、microSDXC、SDIO ロゴはSD-3C, LLCの商標です。

2.10. 無線モジュールの安全規制について

本製品に搭載されている3G/LTEモジュール、WLAN+BTコンボモジュールは電気通信事業法に基づく設計認証および、電波法に基づく工事設計認証を受けています。

また、オプション品としてラインアップしている無線アドオンモジュールは、電波法に基づく工事設計認証を受けています。

これらの無線モジュールを国内で使用するときに無線局の免許は必要ありません。

[警告]

以下の事項を行うと法律により罰せられることがあります。

  • 無線モジュールやアンテナを分解/改造すること。

  • 無線モジュールに直接印刷されている証明マーク・証明番号、または貼られている証明ラベルをはがす、消す、上からラベルを貼るなどし、見えない状態にすること。

認証番号は次の通りです。

EC25-Jの認証番号については2種類存在します。

表2.2 3G/LTEモジュール:EC25-J 適合証明情報 1

項目内容
型式又は名称EC25-J
電波法に基づく工事設計認証における認証番号211-161102
電気通信事業法に基づく設計認証における認証番号AD160016211

3G/LTEモジュール:EC25-J 認証マーク 1

図2.1 3G/LTEモジュール:EC25-J 認証マーク 1


表2.3 3G/LTEモジュール:EC25-J 適合証明情報 2

項目内容
型式又は名称EC25-J
電波法に基づく工事設計認証における認証番号018-190011
電気通信事業法に基づく設計認証における認証番号ADF18-0088018

3G/LTEモジュール:EC25-J 認証マーク 2

図2.2 3G/LTEモジュール:EC25-J 認証マーク 2


[警告]

3G/LTE モジュールの認証マークは、EC25-Jの表面に刻印されています。

3G/LTE モジュールの認証マーク

1

認証マーク刻印箇所

図2.3 3G/LTE モジュールの認証マーク


表2.4 WLAN+BTコンボモジュール: AEH-AR9462 (AR5B22) 適合証明情報

項目内容
型式又は名称AR5B22
電波法に基づく工事設計認証における認証番号003WWA111393
電波法に基づく工事設計認証における認証番号003WWA111394
電波法に基づく工事設計認証における認証番号003GZA111395
電波法に基づく工事設計認証における認証番号003XWA111396
電波法に基づく工事設計認証における認証番号003YWA111397
電波法に基づく工事設計認証における認証番号D111398003
型式又は名称AEH-AR9462
電気通信事業法に基づく設計認証における認証番号007-AE0269
電気通信事業法に基づく設計認証における認証番号D160081007

WLAN+BTコンボモジュール: AEH-AR9462 認証マーク

図2.4 WLAN+BTコンボモジュール: AEH-AR9462 認証マーク


[警告]

WLAN+BTコンボモジュールの認証マークは、AEH-AR9462 (AR5B22)の表面に貼られたシールに印字されています。2つの認証マークが存在し、1つは表面に、もう1つはシールをめくる事で確認する事ができます。

WLAN+BTコンボモジュールの認証マーク

1

シールに記載されている認証番号は、型式AEH-AR9462としての認証番号です。電気通信事業法に基づく設計認証番号 D200038007 にて認可済みの製品については、シール記載の認証番号は適用されません。

2

型式AR5B22の認証番号は、こちらに記載されています。AEH-AR9462の表面に貼られたシールをめくる事で確認する事ができます。

図2.5 WLAN+BTコンボモジュールの認証マーク


表2.5 RN4020アドオンモジュール: RN4020 適合証明情報

項目内容
型式又は名称RN4020
電波法に基づく工事設計認証における認証番号201-140392

RN4020アドオンモジュール: RN4020 認証マーク

図2.6 RN4020アドオンモジュール: RN4020 認証マーク


表2.6 EnOceanアドオンモジュール: BP35A3 又は CS35A3 適合証明情報

項目内容
型式又は名称BP35A3 又は CS35A3
電波法に基づく工事設計認証における認証番号003-140290

EnOceanアドオンモジュール: BP35A3 又は CS35A3 認証マーク

図2.7 EnOceanアドオンモジュール: BP35A3 又は CS35A3 認証マーク


[警告]

EnOceanアドオンモジュール には2つの認証マーク表示がありますが、BP35A3 又は CS35A3の認証番号は003-140290です。

EnOceanアドオンモジュールの認証マーク

1

シールに記載されている認証マーク及び認証番号(206-000372)は、BP35A3 又は CS35A3が搭載しているモジュール、TCM410J としての認証番号です。

2

BP35A3 又は CS35A3 の認証マーク及び認証番号(003-140290)はこちらに記載されています。

図2.8 EnOceanアドオンモジュールの認証マーク


表2.7 Wi-SUNアドオンモジュール: BP35A1 適合証明情報

項目内容
型式又は名称BP35A1
電波法に基づく工事設計認証における認証番号003-140032

Wi-SUNアドオンモジュール: BP35A1 認証マーク

図2.9 Wi-SUNアドオンモジュール: BP35A1 認証マーク


表2.8 Threadアドオンモジュール: EYSKBNZWB 適合証明情報

項目内容
型式又は名称EYSKBN
電波法に基づく工事設計認証における認証番号001-A14398

Threadアドオンモジュール: EYSKBNZWB 認証マーク

図2.10 Threadアドオンモジュール: EYSKBNZWB 認証マーク


[警告]

Threadアドオンモジュール の認証マークは、無線モジュールEYSKBNZWB表面に刻印されています。

Threadアドオンモジュールの認証マーク

1

認証マーク刻印箇所

図2.11 Threadアドオンモジュールの認証マーク


2.11. 電気通信事業法に関する注意事項について

電気通信事業法に基づく端末設備等規則第9条に該当する無線アドオンモジュールや、直接公衆網に接続される有線アドオンモジュールを搭載する場合は、認定を行う必要があります。



[1] コネクタ非搭載箇所へのコネクタ等の増設は除く。

[2] コネクタを増設する際にはマスキングを行い、周囲の部品に半田くず、半田ボール等付着しないよう十分にご注意ください。